萌えよ!帝国海軍 補助艦艇学校
「さて、せっかくですのでここからは空母以外の艦艇について説明していきたいと思います。」
「まだ何かあるのか?」
「空母を主役とするのならその他の艦艇は脇役と言えます。
しかし脇役が居なければ物語が成り立たないのと同様、空母だけでは戦力として期待出来ません。
今回はそういった艦艇について解説していこうかと・・・。」
「結局、説明が続くってワケかい・・・。」
「それなりに簡潔にまとめるつもりではいますが・・・それでは早速始めましょうか。」
━ 駆逐艦 ━
「で?」
「・・・まずは駆逐艦からです。
駆逐艦とはその名が示すとおり、主力艦を脅かす敵の駆逐・・・あらゆる脅威を排除する事が主な目的となっています。
そして、駆逐艦の誕生には魚雷の実用化が大きく関わってきています。」
「魚雷?」
「・・・そうです。高機動の水雷艇による魚雷攻撃は主力艦にとっての脅威と言えます。
その水雷艇に対し防御、または可能な限り排除する事を目的としたのが駆逐艦という艦種なのです。
もっとも、駆逐艦はその汎用性から後年になると様々な任務が与えられるようになっていきましたが・・・」
「駆逐艦ってそんなに便利なの?」
「・・・機動部隊の護衛はもとより、輸送任務、輸送船団護衛、兵員の救助、対潜哨戒・・・
もちろん本分である水雷戦による攻撃も行えますから、使い勝手という面で見れば戦艦や空母の比ではありません。
数ある駆逐艦の中で世界に衝撃を与えたのが、大正〜昭和初期に帝国海軍が建造した特型 と呼ばれる艦種でしょう。」
帝国海軍 駆逐艦・吹雪(特1型)
「衝撃を与えたなんて・・・言ってる事が大げさすぎない?」
「・・・そうでもありませんよ。実際、こちらの特型は性能的に当時の他国の駆逐艦を凌駕していました。
それに、当時のアメリカ側の人間が日本側に伝えた有名な話があります。」
「話?」
「特型50隻と交換ならアメリカ側は300隻の駆逐艦でも喜んでそれに応じる・・・と。
社交辞令かどうかは分かりませんが、特型が評価されていた証左の一つであるとも言えるでしょう。」
「海軍ヲタのアンタの話だから話半分に聞いといた方が良いでしょうけどね。」
「そうでも無いと思うのですが・・・有名な話のはずですよ。」
「ほら、ひがんでる人ですから。」
「誰が何にひがんでるってのよ!」
「ちなみに特型は特1型と呼ばれる吹雪型、特2型の綾波型、特3型の暁型と大きく3タイプに分けられます。
特型全般の特徴としては、竣工当時としては驚異的な高速と重武装という点が上げられますね。」
「綾波さんでつか?」
「・・・私ではありませんよ?」
「重武装と言うと・・・やはり魚雷か?」
「そうですね。12.7cmの連装砲もそうですが、特型には3連装の魚雷発射管が3基搭載されていましたから。
合計9本の射線となりますから、その威力は推して知るべきと言ったところでしょう。」
「ふ〜ん、酸素魚雷だっけ?」
「・・・いえ、酸素魚雷を運用するために必要な補器の搭載スペースが確保できなかったためか
特型には九三式酸素魚雷は搭載されなかったみたいです。
また、特型は友鶴事件や第四艦隊事件の影響で改修が行われており、初期から比べると多少速度が落ちてしまっていたりします。」
「・・・友鶴事件?」
「プルツー、忘れちゃったの?」
「いや、詳しく聞いた覚えが無いんだが・・・」
「・・・友鶴事件も第四艦隊事件も悪天候により艦船の転覆、又は損傷等が起きてしまった事件です。
帝国海軍のその後の建艦に大きな影響を与えた事件だと覚えておいていただければ問題ありません。」
「・・・そうか、解った。」
「でもさ、悪天候くらいで損傷してるようじゃ話にもならないわよね〜。」
「大戦後期のアメリカ機動部隊の例からも解る様に、天候というのは大敵なのですが・・・」
「む・・・」
「ブーメランみたいに戻ってきちゃいましたね。」
「るさい!」
「駆逐艦の話に戻しますが・・・帝国海軍は漸減作戦という構想の下、雷撃に特化した駆逐艦を建造していきます。
そういった構想を突き詰めていった一つの結果がこちらの陽炎型です。」
帝国海軍 駆逐艦・雪風(陽炎型)
「さっきのと何か違うの?」
「こちらの陽炎型では、酸素魚雷が運用できるようになっているというのが特型との相違点ですが
次発装填装置が搭載されているというのも改良点の一つと言って良いでしょうね。」
「次発・・・なんだって?」
「・・・魚雷というのは発射管に搭載されているのですが、その機構上次弾を大砲の様にすぐ装填して撃つという事が出来ません。
特型でも、魚雷の装填については当時としては改良された結果だったのですが、
その後さらに改良を加え、魚雷の装填所要時間を大幅に短縮出来るようにしたのが次発装填装置なのです。
図で表すとこの様な感じでしょうか・・・。」
次発装填装置の図
「見ても分かんないって。」
「図の上が頭上から見た魚雷発射管と次発装填装置、下が横から見た概略図となっています。」
「次発なんとかって・・・何かスゴイの?」
「特型では予備魚雷と魚雷発射管の位置が離れていたのですが、
その後の初春型以降、魚雷発射管の後方に予備魚雷格納庫・次発装填装置が設置されるようになったのです。
魚雷発射管を装填位置まで旋回させ、機力を用いて予備魚雷を発射管に装填します。
これにより、魚雷の装填時間が大幅に短縮されるようになりました。」
「確かに予備魚雷が近くにあるのなら手間は省けるだろうが・・・」
「でも、飛行機とかのならともかく
船に積んでる魚雷なんて強化したってほとんど意味無いでしょ。実際あんまり使い道無かったんだし。」
「・・・それは、きちんとした意見の一つとして受け取って良いのでしょうか?」
「それどういう意味よ?」
「つまり、ネタや煽りの類ではなく本気で意味が無かったと思っていると・・・」
「何がネタよ!ホントに役に立ってなかったでしょうが!」
「負けたな・・・。」
「・・・ああ。」
「人外、うるさい!」
「参考までに・・・太平洋戦線において、雷撃戦が行われた代表的な海戦は次の通りです。」
バリ島沖海戦
スラバヤ沖海戦
バタビア沖海戦
第一次ソロモン海戦
第三次ソロモン海戦
ルンガ沖夜戦
クラ湾夜戦
コロンバンガラ島沖夜戦
ベラ湾夜戦
第一次ベララベラ海戦
第二次ベララベラ海戦
セントジョージ岬沖海戦
ミンドロ島沖海戦
「何が言いたいのよ、アンタは。」
「こんなに雷撃戦が生起しているのに、雷装の強化は意味が無かったとよく言える と思いまして・・・」
「そんなの、実際にあったからこそ言える話でしょ。結果論じゃない。」
「・・・・・・・・・・・・え?」
「・・・私には雷装の強化に先見の明があったとしか受けとれんが。」
「んだな。」
「反論するのに必死で自分が何を言っているのか解ってないんですよ。某所のベジー太さん と一緒です♪」
「う・・・、私が言いたいのはそういう事じゃなくて、魚雷なんかよりレーダーとかの開発に力を入れとけばよかったって事よ。」
「論点ずらしキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」
「るさい!」
「レーダー万能主義ですか?レーダーについては何度も話しているのですが・・・
それに、魚雷だって精密品ですから予算等が少なくなれば精度も落ちるでしょう。
結果、大戦初期のアメリカ軍みたいに不発が頻発したりとかになってしまう可能性も否定は出来ません。
それともなんですか?少ない予算で良い魚雷を開発しつつレーダーも開発しろとかいう精神論を振りかざすつもりですか?」
「む・・・」
「ブ〜メランブ〜メラン♪」
「るさいっつってるでしょうが!」
「アメリカの魚雷とはそれほど不発が多かったのか?」
「・・・Mk14という魚雷の磁器信管に問題があったとかなんとか。
もっとも、大戦中にはアメリカ軍の魚雷も改善され日本軍にとっての脅威とはなってしまうのですが・・・」
「アメリカがいつまでも欠陥をほっとくわけないでしょうが。」
「では、日本も戦中にはレーダー開発に力を入れているので問題は無いですよね。」
「む・・・」
「また・・・」
「うるさいわよ!」
「さて、そろそろ次の駆逐艦の話に移りましょうか。」
帝国海軍 駆逐艦・冬月(秋月型)
「これって前にも出てたよね?」
「そうだったか?」
「プルツーがここに来る前の話だもん。知らないでしょ?」
「・・・まぁな。」
「こちらの秋月型はそれまでの艦隊決戦用の駆逐艦とは違い、機動部隊への随伴と防空戦闘が重視されていました。
特徴と言えば、当時の駆逐艦としては船体がかなり大型である事と主砲である九八式10cm65口径連装高角砲の存在でしょう。」
「確か、その主砲とやらの性能は高かったという話だったな。」
「でも、防空戦闘重視のワリには魚雷積んでたじゃない。」
「・・・また負けますよ?」
「るさいわね〜!防空艦が魚雷積んでても意味無いでしょうが!」
「そういった点も含めて以前説明したはずですよ?」
「私は聞いてない。教えてもらえると助かるんだが・・・」
「・・・そうですね。平たく言うと勿体無いからです。
せっかくの新造艦の任務を防空のみにしてしまうのは惜しいから魚雷も搭載する事にしたのです。
また、副次的な意味合いとして予算を通りやすくさせるという点もあった様ですが・・・」
「そうやってどっちつかずな兵器を造ってどうすんのよ。」
「・・・秋月型は防空戦闘に威力を発揮していますが?
対空見張り用の電探である二号一型も搭載していますし、以前に紹介した九四式高射装置もあります。
何より性能の高い長10cm高角砲の存在によりとても重宝されていたのですが・・・。」
「性能が良いって言ったって―――」
「VT信管の類が無くても高初速、仰俯角、旋回速度、装填速度、長射程、高射高と・・・十分有益な兵装です。
それとも何ですか?VT信管が無ければ対空兵装にあらずとでも言いたいのですか?」
「う・・・」
「またか・・・。」
「またとか言うんじゃないわよ!」
「今度は発言を終わらせる事すらさせてもらえなかったな。」
「綾波さんには優しさが足りないです。プンプン!」
「・・・・・。」
「で、この駆逐艦の特徴ってのは主砲だけなのか?」
「・・・その他の特色と言えば、先程少し話したように二号一型という対空見張り用の電探が装備されていた事・・・
これは秋月型の船体が他の駆逐艦より大型であるから出来た事です。
また、水上戦を重視していた従来の駆逐艦と違い防空指揮所が設けられているのも特徴と言えるでしょう。」
「防空・・・なにそれ?」
「当時の帝国海軍の艦艇の電探では対空射撃を任せられるほどの精度は期待出来ません。
また、上空の爆撃機・雷撃機その他からの攻撃から自艦を守るには艦長自身が自分の目で確認し操艦する必要があります。
その為に羅針艦橋の上に露天の防空指揮所を設置し、対空戦闘にあたらせる事にしたのです。」
「何がなんだかよくわかんないや♪」
「要するに、艦長ってのが指揮するには艦橋の一番上に防空指揮所が必要だったってだけの話だろ?」
「平たく言うとそうなります・・・。」
「なんで最初からそういうのを造んないのよ。」
「一応忠告しておくが・・・お前、あまり発言しない方が良いのではないか?
また反論されるのが目に見えているのだが。」
「うるっさいわね〜!私がどう言おうと勝手でしょ!」
「・・・最初というのがいつの話なのかは解りかねますが、駆逐艦は遡れば元々露天艦橋だったのです。
それに屋根を付ける様になったのは悪天候から乗員を守るためのもの・・・
そういった流れで発展を続けていたのに、どうしていきなり露天の防空指揮所を付けるという発想が出てくるのですか?」
「飛行機からの攻撃に対応するためでしょうが。戦争中にやっと防空艦が出てくるなんて遅すぎだっての。」
「・・・秋月型が戦線に投入されたのは昭和17年の半ばですが、
当然の事ながら、防空専門艦の計画は飛行機の有用性が実証される戦前から行われています・・・何か問題ですか?」
「せ、戦前?え・・・いや、その・・・」
「私としては最大限守ってあげたい。そう思っているわけであります。
しかし、委員長見てください。この一方的な攻撃、この風景を!」
「・・・委員長?」
「ヒカリの事じゃないの?」
「時事ネタは劣化が早いから止めた方が良いと思うけどな。」
「やれやれ、やはりこうなるか。だから忠告したと言うのに・・・」
「うるさいうるさいうるさい!」
「と言うわけで、駆逐艦の話はこのあたりにして次に移りましょう。」
「もう終わっちゃうの?」
「一応、代表的な駆逐艦の話はこれくらいで良いと思うので・・・
もちろん艦隊決戦用の駆逐艦は陽炎型のみではありませんし、条約に対応させるために無理な設計をした型もあります。
先程の次発装填装置にしても全部の駆逐艦が搭載していたわけでもありません。
また、戦時急造艦である松型等もありますが・・・全部説明するのも大変ですからね。ある程度は省略します。」
帝国海軍 駆逐艦・樅(松型)
「結局手抜きかい。」
「説明しましょうか?
例えば駆逐艦の多くに搭載された12.7cm砲ですが、砲塔そのものにはいくつかタイプがあり・・・」
「話さなくていいっての!さっさと先に進みなさいよ!」
「アスカさん、結局何が言いたかったんですか?」
「うるっさいわね〜!ひし形は引っ込んでなさいよ!」
「(´・ω・`)ショボーン」
━ 巡洋艦 ━
「では、次は巡洋艦についてです。」
「巡洋艦ってさ、なんかパッとしないイメージがあるんだけど・・・」
「イ、イメージ・・・ですか?」
「ほら、マシュマー様のエンドラも巡洋艦でしょ?あれもなんかアレだし。」
「アレとはなんだ!アレとは!」
「巡洋艦ってのは小型の戦艦みたいなモンだろ?」
「・・・まぁ、当たらずとも遠からずと言った感じでしょうか。一応、重巡洋艦に関して言えば準主力艦といった位置付けでしたしね。
そういった意味では補助艦艇と言うにはちょっと強引なのですが・・・」
帝国海軍 重巡洋艦・鳥海(高雄型)
「こちらの鳥海は高雄型の重巡洋艦で、20.3cm砲を5基10門搭載していました。
また、こちらの型の特徴と言えば大きすぎるとも言える艦橋でしょう。」
「デカイか?」
「・・・大きいと思いますよ。
これは計画当時、砲術や水雷、通信など各部門の主張を取り入れた結果ここまで大型化してしまったとの事です。」
「単に、必要なトコとそうじゃないトコの取捨選択できてなかっただけじゃないの?」
「それを言われてしまうと返す言葉もありませんが・・・実際、戦闘に支障が出たとの話はありませんから別に問題は無いかと。
それに艦をコンパクトにまとめるために艦橋の内部を排煙路が通っているのも大型化した要因の一つです。」
「アスカさん、もうちょっと考えてから攻めないと勝てるものも勝てませんよ?」
「うるさい!」
「それで、この高雄型とやらの特徴は巨大な艦橋だけか?」
「・・・そうですね。主砲は条約を批准しているため他国とそう変わりはありませんし・・・
そういえば・・・特徴と言えるかどうかは分かりませんが、高雄型に限りませんけど日本の巡洋艦の多くが魚雷発射管を搭載していますね。」
「また魚雷?」
「・・・日本が水雷戦に力を入れていたのは前述の駆逐艦の話でも言った通りです。」
「アスカさん、よく見ておいたほうが良いですよ。論破とはこうするのです。」
「はぁ?アンタが?」
「ニダ。」
「お前に出来るとは思えんが・・・」
「ワクワクテカテカ(・∀・)」
「・・・それで何か?」
「重巡洋艦に魚雷は要らない と思うのですがどうでしょう?どうせ使い道なんか無かったんですし。
役に立った海戦ってありましたっけ?」
「重巡洋艦による雷撃戦はスラバヤ沖海戦、バタビア沖海戦、第一次ソロモン海戦・・・くらいでしょうか。」
「私は全然知らない話だ・・・。」
「それだけしか役に立ってないんじゃ費用対効果が釣り合ってないんじゃないですか?」
「ひし形、アンタ何言ってんのよ。それだって結果論じゃない。」
「そうでしょうか?
いつだったか魚雷発射管に攻撃を受けてピンチになった巡洋艦
とかありましたよね?」
「南太平洋海戦における筑摩・・・ですね。あの時は魚雷を棄てる事で事なきを得ましたが・・・」
「最初から無ければそんな手間も必要ありませんでしたよね?」
「だが、それは後からだから言える事だろう?」
「でも、日本の造船の権威っぽい人が
何かの重巡設計した時に重巡洋艦は砲戦メインだから魚雷は要らないって事で魚雷積む予定なんてなかったのに
その人の留守中に他の人が勝手に魚雷搭載決めちゃったとかって話ですよ?
それに、他の国の巡洋艦とかって途中から魚雷発射管積まなくなっていきましたよね?そのあたりはどうなんですか?」
「それは・・・、艦隊として水雷戦を行うにしても射線が増えた方が命中確率が上がりますし・・・
一応、誘爆しにくい爆薬を採用してはいますから・・・」
「でも、砲戦メインの重巡洋艦に危険を冒してまで強行する事でしょうか?」
「・・・・・。」
「勝った!第三部、完!」
「議論でファーストが黙っちゃうなんて珍しい事もあるものね・・・。」
「・・・巡洋艦への魚雷搭載には異論もあるでしょうけど
戦力の差を埋めるには魚雷は魅力的な兵装でしたし・・・私にはどちらが正しいとは言えません。
それに、戦力の差が開きすぎているアメリカが大戦中に造った巡洋艦と比べても不毛ですよ。」
「フッ、負け惜しみを。日本の巡洋艦はダメポと認めるべきです!」
「・・・・・。」
「あら・・・?」
「逆鱗に触れちまったかな。」
「・・・日本軍は少ない戦力で多数を相手にしなければなりません。
そういった前提がある以上、どこかに無理が生じてしまうのは仕方の無い事なのです。」
「で、ですから重巡に魚雷積んだのは間違いだと・・・」
「そういった意見について否定はしません。しかし、雷撃による戦果が実際に上げられている事も忘れないようにお願いします。
また、他国の巡洋艦も魚雷発射管を搭載していた時期があるという事も考慮して下さい。
加えて、日本の巡洋艦であっても魚雷発射管を搭載していなかった艦種がある事も・・・です。」
「雲行きが怪しくなってきたな。」
「でも・・でも、日本には他の国みたいな防空専門の巡洋艦とか無かったじゃないですか?」
「・・・防空専門艦なら先程紹介した秋月型駆逐艦がありますが?」
「ふむ。役目が果たせるのなら別に巡洋艦というカテゴリーにこだわる必要は無いからな。」
「お前はどっちの味方だぁっ!」
「シーマ様キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!! 」
「何言ってんのよ、あんたらは。」
「マシュマー様、ラミエルを後ろから撃つなんてサイッテー。」
「誰がだ。私は思う事を口にしただけだ。」
「これまで散々繰り返してきた事ですが、日本と他の連合国とでは建艦においても元々の事情が違うのです。
アメリカの様に単能に特化した兵器を日本が造ったとして、アメリカより少ない数しか用意出来ないのに勝てるとでも?
批判するのは結構ですが代案が無ければ無意味ですよ?」
「(´・ω・`)ショボーン」
「やっぱり・・・」
「何やってんだか。途中で止めておけば良かったのに・・・」
「よし、アスカさん出番です!お膳立てはしておきました!」
「どんなお膳立てよ!こんな状況から反論なんて出来る訳無いでしょうが!」
「結局、こうなるか。案の定だな。」
「・・・それでは、もう重巡洋艦の雷装に関する意見はありませんね?」
「ちょっと意見を聞いただけで異論は無いものと決め付ける。言論封殺、もっとも恥ずべき行為。」
「だから時事ネタは止めろと・・・」
「きちんとした意見ならちゃんと聞きますよ?
ただ、批判するためだけの意見にはあまり興味はありませんが・・・」
「どのような条件をクリアすれば綾波さんを論破出来るのか、どうか知恵を貸してください。」
「アンタ、自分で論破出来るって言ってたくせに何言ってんのよ。」
「だって、一度で良いから綾波さんをギャフンと言わせたかったんですもん。どうしても勝ちたかったんです。」
「議論とは勝ち負けを決めるものでは無いと思うのですが・・・」
「じゃあ、名目上で良いので私が勝ったって事にしといてもらえません?後でケーキおごりますですから♪」
「買収キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」
「・・・お前には誇りというものは無いのか?」
「誇りじゃメシは食えないです。」
「メシって、をい。」
「物を受け取って自分の主張を変えるつもりはありませんが・・・」
「じゃあ・・・そうですねぇ。綺麗な綺麗な花束でも贈りますよ♪それでどうです?」
「ひし形、見苦しいぞ。」
「・・・何を持って来ようと心を動かされたりはしません。私の意見を否定したいのならそれに相当する意見をまとめてきて下さい。」
「なら、大和の食玩はどうです?けっこう丁寧に作ってあるヤツなんですけど。」
「え?や、大和・・・ですか?え〜と・・・・・・」
「んなモンに心奪われるなーっ!」
「す、すみません。つい・・・」
「む、後ちょっとで買収成功だったのに・・・」
「ざんね〜ん。」
「・・・先程も言いましたが、議論は勝敗を決める場では無いと思います。
私の意見を覆したいのであれば、それなりの意見をきちんとまとめてきて下さい。」
「(´・ω・`)ショボーン」
「・・・では、次は高雄型の次に作られた利根型についてです。」
帝国海軍 重巡洋艦・利根(利根型)
「こちらの利根型は、前部に4基の主砲・後方は航空兵装という特異な形状をしています。
上に示した写真では主砲の配置が分かり辛いと思うので簡単に図で表してみました。・・・こちらです。」
利根 主砲配置簡略図
「なにこれ?」
「利根型重巡洋艦の主砲配置です。図の右側が艦首方向で左側が艦尾方向となっています。」
「これだとアレだよね。左二つの主砲撃ったら自分に当たっちゃうじゃん。」
「・・・そんなバカな事をするわけないだろう。」
「じゃあ、なんで前に付いてるのに後ろ向いてんの?さっぱりわかんないんだけど・・・」
「利根型は主砲を前部のみにしか配置していません。
そういった状況で主砲2基を後方に向けているのは、後方への射界を出来るだけ確保するためのものなのです。」
「そんなメンドーな事するくらいなら、なんで後ろに積んどかないのよ。」
「それでは何のために主砲を前部に集中させたのか解らなくなりますが・・・」
「ところで、主砲を集中配置した事で何かメリットはあるのか?」
「・・・そうですね。防御が効率的に行える事と主砲散布界の減少 でしょうか。
後は従来の配置と異なる事で、航空兵装に対する主砲の発砲煙等の影響を軽減できるという利点が生まれています。
また、従来の重巡洋艦に比べて主砲の数が減っているのでその分の重量を防御に回していたりもしますね。」
「でも、利根ってミッドウェーで偵察機がどうとかって話がありましたよね?」
「・・・それが何か?」
「いや、何かイメージが良くないかなと・・・」
「イメージで語られても困ります。
巡洋艦に航空兵装が搭載されたのは偵察や弾着観測等に使う為であり、少しでも戦闘を効率的に進めるためのものです。
稀に故障した例を挙げて何を言いたかったのですか?」
「稀ってをい。肝心な時に壊れてどーすんのよ。」
「・・・機械とは故障するものですが。万全な整備を行っていようと壊れる時は壊れるものです。」
「開き直るんじゃないわよ。大体、あの時だってなんですぐに他の偵察機を出さなかったのよ?」
「・・・偵察機の故障ではなくカタパルトの故障だと言ったはずですが。
それに偵察機の発進遅れは30分・・・、それ以前に射出されるはずの偵察機の発進も遅れていたので
利根4号機に限定するなら遅れは15〜20分程度ですし、もう一つのカタパルトを使うにしても他の偵察機を射出した後でなければなりません。
結果、史実と同程度の時間はかかるかと思われます。」
「なら、空母から出せば良いでしょうが。」
「・・・巡洋艦に航空機を搭載したのは空母の負担を少しでも軽くする為のものです。
空母から航空機を発艦させる場合、艦を風上に向けて航行させなければなりませんし事前の準備も必要です。
利根4号機の代わりに空母から艦攻を出すにしても・・・少なくとも利根4号機の発艦と同程度の時間は必要かと。
まぁ、ミッドウェーについては食傷気味ですのでこのあたりで止めておきますが・・・。」
「う・・・」
「援護防御乙であります(`・ω・´)ゝ」
「うるさい!誰がアンタなんか!」
「台詞だけ聞いてるとツンデレっぽいんだけどな。」
「ツン・・・なんだそれは?」
「プルツーみたいな人の事だよ。」
「???」
「いつもはツンツンしてるけど2人っきりになるとデレデレして甘えてくる可愛い人の事ですよ。」
「なるほど、私はツンデレか・・・って、なんで私がツンデレなんだ!」
「久々のノリツッコミおめでとうございます。」
「おめでと〜♪」
「黙れ!」
「そういえばさ、ハマーン様もツンデレだよね。」
「な・・・!ハマーン様が・・・?」
「だって、それっぽいじゃないですか。クワトロ大尉の前だとデレデレって感じで・・・ねぇ?」
「まぁな。」
「・・・・・。」
「そういえば、こちらの巡洋艦も後に航空兵装に力を入れていましたね。」
帝国海軍 軽巡洋艦・最上(最上型)
「これは軽巡洋艦となっているようだが・・・」
「主砲のサイズが15cm程ですからね。
こちらの最上型は元々主砲を換装する予定で建造されており、後に予定通り20.3cmの連装砲に交換されています。」
「なんでそんなメンドーな事してんの?」
「ロンドンでの条約の影響ですね。
条約の期限内では軽巡として建造する以外に方法がありませんでしたが、条約の有効期限が切れてしまえば条約の内容には縛られません。
故に、準主力艦として実戦に耐えうるよう主砲を換装したのです。」
「巡洋艦の主砲なんかちょこっと変えたって、そうそう変わるモンでも無いでしょうに。」
「・・・では、例え話をしましょう。」
「なんかものスゴく久しぶりな気がするけど・・・」
「で、例えとは?」
「・・・日米両国の戦艦が撃ち合いをしました。
しかし、日本の戦艦は砲力に劣っていたため、アメリカの戦艦を沈める事が出来ませんでした。
こういう場合・・・日本の戦艦には何が足りなかったと思いますか?」
「大砲の威力じゃないの?」
「まぁ、そういう事です。」
「ちょっと!それ例えにも何にもなってないでしょうが!」
「これは第三次ソロモン海戦における霧島とサウスダコタの戦いの話です。
日本側は高雄や愛宕の重巡洋艦でも砲撃を行っていましたが、やはりサウスダコタを沈めるには至っていません。
何が足りなかったのかと言えば主砲の威力でしょう?」
「なんか言いくるめられてる気がする・・・」
「もっとも霧島とサウスダコタに関しては霧島が準備していた砲弾にも敗因はあったのですが・・・」
「で、それが巡洋艦の話と何の関係があんのよ。」
「戦艦も重巡洋艦も基本は一緒 という事です。
そもそも、最上型の主砲換装が計画されていたのは戦前の話・・・砲雷撃戦をメインに考えていた時代です。
相手と同等の・・・いえ、可能ならばそれ以上の兵器を開発しようとするのはむしろ当然であると言えます。」
「ふむ。確かに砲撃戦がメインならば、相手に引けをとらない主砲を積まねば話にならんだろうからな。」
「そういや、マシュマーってずいぶん綾波の肩持つよな。」
「あ〜、マシュマー様ってもしかしてレイの事・・・!」
「いきなり何を言う?単に意見が一致しているだけにすぎん。」
「即否定するところが怪しいです、ハイ。」
「黙れ!
」
「うんうん、気持ちは解るよ。」
「な・・・?」
「だって、いくらマシュマー様がハマーン様の事を想っても
ハマーン様にはロリコンでマザコンでグラサンの肩むき出しのゲイ風味な先約が居て
マシュマー様がいくら頑張ってその人の真似とかしても、好きな人は振り向いてくれない・・・すっごく切ないよね♪
そんな時、近くに居る女の子に心惹かれちゃったとしてもしょうがないかなって思えるし。」
「馬鹿者!勝手に話を進めるな!」
「で・・・、マシュマーってアレ の真似とかなんかしてんの?」
「してるでしょ。マシュマー様も強化人間になって肩むき出し になっちゃってるじゃん。」
「黙れ!これは真似とかそういう意味合いでは無い!」
「マシュマーも随分気が多いんだな。この前、伊吹嬢にも言い寄ってなかったか?」
「・・・それは私ではなくひし形だ。」
「うふ♪」
「にやつくな!気色悪い!」
「すまん。俺の記憶違いだったか。」
「・・・まったく。火の無いところに煙を立てるような真似をするんじゃない。」
「酷い! マシュマー様ったら私って恋人がいながら・・・!
そう!始めからこの身体が目当てだったのよ!鬼!悪魔!女ったらし!男なんてみんなケダモノよ!うわぁぁぁん!」
「え・・・そうなの?」
「嘘に決まってるだろ。一人称が私になってるし。」
「あ、解る?」
「・・・当たり前だろう。大体、お前はその言葉の意味を解って使っているのか?」
「さぁ・・・なんとなく? 」
「なんとなくで危険な発言をするな。」
「あの・・・、そろそろ話を戻したいのですが・・・」
「あんたがしっかりしないから脱線するんでしょうが。説明するならちゃんとしなさいよ。」
「・・・・・。」
「筋違いな事を言うアスカさん萌え〜♪ 」
「萌え〜♪ 」
「るさいっ!」
「・・・それでは、最上の航空兵装について少しだけ説明していきます。それではこちらの図をご覧下さい。」
最上 改装簡略図
「なにこれ?」
「最上の改装後を簡単に図で表してみました。
後部2基の主砲塔を撤去し飛行甲板を設置、偵察機を11機程搭載出来る様に変更したのです。
これも、以前から出されていた要望に合わせて改装された結果の一つです。」
「相変わらずヘボい絵よね。」
「でも、変更点が一目瞭然でしょう?口だけで説明するよりは解りやすいかと思いますが・・・」
「確かにな。」
「それで・・・改装して以前より使えるようにはなったのか?」
「改装後の最上が使えなかったという話は、私個人としては寡聞にして知りませんが・・・
もっとも、定数一杯まで偵察機を搭載した事は無いみたいですけどね。」
「なんか、答えになってないような答えね。」
「では、重巡洋艦の話はこのくらいにして次は軽巡洋艦に移りましょう。」
「軽巡洋艦って何?軽いの?」
「基本的に重巡洋艦より船体や主砲のサイズが小さく設計されています。
帝国海軍においては、準主力艦と言った意味合いの重巡洋艦と違い、水雷戦隊の旗艦として使われるように作られているのが特徴です。」
帝国海軍 軽巡洋艦・矢矧(阿賀野型)
「で、使い道は?」
「ですから、水雷戦隊の旗艦だと・・・」
「だって、水雷戦なんてほとんど起きてないじゃない。
戦前ならともかく、その矢矧ってのは戦中に完成したんでしょ?」
「計画は戦前から行われていましたが・・・」
「そーいう事を言ってるんじゃないの。
戦況に合わせて改造とかしたって良いでしょうが。なんで予定通りにしか造らないのよ。」
「途中でいきなり軽巡洋艦の設計変更・・・ですか?
戦況に応じた改造というのがどういうものかは解りませんが、そんな余裕が当時の日本にあったかどうかは疑問ですね。
先程の最上は修理するためにドック入りした時に合わせて改造されたのであって、最上以外の同型艦はそのままの状態です。
どちらにしろ戦時中の優先順位は巡洋艦<空母ですからね。
もっとも、軽巡も水雷戦隊の旗艦として造られたものばかりではなく、使い道に困って指揮通信能力を強化した大淀も存在しますが・・・」
「使い道に困った・・・とは?」
「大淀は元々、潜水戦隊の旗艦として使われる予定だったのですが、諸事情により計画が頓挫。
雷装もしていなかったせいか水雷戦隊の旗艦としても使うに使えず使い道に困っていたとかなんとか・・・
ですが、最終的には改造も施され連合艦隊旗艦を務めるまでに至っています。」
「その大なんとかってのの写真とかってねーの?」
「・・・手元には大破転覆した写真しかありません。」
「そういえば前に出てましたよね。その写真。あれで良いんじゃないですか?」
「・・・気が進みません。そのあたりはご了承下さい。」
「あんたもヘンな性格してるわね。なにつまんない事にこだわってんだか。」
━ その他 ━
「補助艦艇というと他には水上機母艦、潜水母艦、敷設艦、掃海艇、海防艦、砲艦、水雷艇・・・などが挙げられますね。」
「あんた、まさか全部説明していく気じゃないでしょうね。」
「必要とあれば・・・」
「をい!」
「・・・では、それぞれ簡単に説明しておきます。
まず、水上機母艦、潜水母艦というのはその名の通り、水上機、潜水艦の母艦となるべく建造された艦です。
それぞれ燃料、弾薬の補給、潜水母艦は潜水艦乗員の休養のために使われたりもしました。」
「ふ〜ん・・・。」
「敷設艦、掃海艇というのは主に機雷の敷設、掃海が任務となっておりその為の装備を搭載していますね。」
「機雷!機雷!みんな機雷!大っ機雷!」
「ワケ分からない事を言うな!」
「砲艦は主に沿岸や河川等での運用が目的の戦闘用の艦艇です。海防艦は漁業保護や船団護衛が目的の艦艇ですね。
水雷艇は・・・駆逐艦の簡易生産型と思っていただければ問題は無いかと。」
「随分、一気に説明したな。」
「まぁ・・・、あまり長々と説明する必要を感じなかったものですから・・・」
「単に興味ないだけでしょ。」
「・・・否定はしません。」
「しないんかい。」
━ 戦艦 ━
「次は戦艦について説明していきましょうか。」
「戦艦って補助艦艇なのか?」
「正確には主力艦と言った位置づけですが、空母が主力となって以降は戦艦も主力とはなりえなくなってしまいましたからね。
少々強引ですがここでは補助艦艇という事にしておきます。」
「あのさ、戦艦って言えばさ、ラピュタで飛行船のデカイやつ出てたじゃん。あれと・・・」
「何の話だ?」
「う〜、じゃあ見てみよっか。あっちにTVとか置いてあるし。」
「ちょうどコタツもありますからねぇ。せっかくですから鑑賞会と逝きましょう。」
「見てみようって・・・、肝心のDVDはあるわけ?」
「大丈夫ですよ。こんな事もあろうかと ちゃんと用意してあります♪」
「真田さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!! 」
「真田さん・・・?」
「んじゃ、あっちに行くか。」
「・・・あ。」
「・・・行ってしまったな。」
「ほら、早く早く♪」
「・・・あんなのが私の姉だなんて、頭が痛くなってくる。」
「・・・仕方ありません。とりあえず、あちらに移動しましょう。」
「あ〜、面白かった♪」
「久しぶりに見ると中々のものでしたねぇ。」
「お前達のせいで全然集中出来なかった・・・。」
「でもさ、ずっと同じ面子ってのもアレよね。あんたらもいい加減に飽きない?」
「アスカさんのリアクションはワンパターンで飽きましたけどね。」
「るさい!」
「そういや、ここしばらくずっとこのメンバーだよな。まぁ、いつも通りって言えばいつも通りだが。」
「何か不都合でもあるのか?」
「あるの?」
「知らん。私に聞くな。」
「それなら、ゼルエルさんでも連れてきましょうか?」
「やめんかい!これ以上使徒を増やしてどーすんのよ!ワケが分かんなくなるでしょうが!」
「彼、結構お茶目さんなんですけどね。
この前、シンジさんに今のは痛かった。痛かったぞー! ってフリーザ様ネタやってましたから。」
「どんなゼルエルよ・・・。」
「さっき廊下で会った時なんか、私がお命頂戴、とうっ!ってリクームさんのポーズ決めたら大ウケしてましてね。
ねじりパンみたいにゴロゴロ転がって笑ってくれてましたよ。」
「そーなんだ。じゃあ、あたしも今度何かやってみよっかな。なんかやりがいありそーだし♪」
「止めろ。こっちまで恥ずかしくなるじゃないか。」
「プルツーもやってみようよ。グルドの役はプルツーにあげるからさ♪」
「あげるからさ♪じゃない!私がそんな事するわけないだろう!」
「あの・・・、そろそろ本題に入りたいのですが・・・」
「何の話の途中だったっけ?」
「・・・お前が大和とゴリアテどっちが強い? とかいう子供みたいな質問をしたのだろう?」
「ぶ〜、あたし子供だもん。」
「で、どっちが強いんですか?」
「そんな事、私に聞かれましても困ります・・・。」
「え〜!散々引っ張っておいてオチがそれ〜?」
「綾波さんは番組の事を解ってない!これじゃ放送事故ですよ!プンプン!」
「・・・・・。」
「お前達が妙な事を聞くからだ。大体、史実の兵器と架空の兵器を比較してどうする?」
「面白いじゃん。」
「・・・面白いか?」
「とりあえず、考えるだけでも考えてみたらどうだ?このままじゃ収まらんだろ。」
「そうそう♪」
「ね〜♪」
「・・・考えろと言われましても、何をどう考えれば良いのか解りません。
大和の相手はあくまで水上艦艇・・・ゴリアテの様なオーバーテクノロジーの兵装との戦闘は想定されていませんから・・・。」
「じゃあ、ゴリアテさんの方が強いってこと?」
「・・・そうでしょうね。
ゴリアテの主砲の装填速度は異常なスピードですし、砲弾の装填角度も制限はほとんど無いものと思われます。
砲弾の投射量という点ではゴリアテの方が必然的に上になりますし、上空を取っている事から有効な射撃ポイントの確保も容易でしょう。
一方の大和の主砲は最大仰角45度、弾薬装填位置も+3度の固定式・・・
ゴリアテが大和の主砲の射界から外れてしまえば大和に打つ手はありません。
高角砲なら射界は確保出来るでしょうが、果たして高角砲弾を当ててゴリアテを落とせるかどうか・・・望みは薄いと思いますが・・・。」
大和の主砲の仰角が足りず
ゴリアテに主砲を向けられない図
「ゴリアテさん最強じゃん♪」
「ゴリアテさんがあればヘンダーソン飛行場は獲れた。 」
「・・・否定はしません。」
「しないんかい。」
「第二次大戦当時にあの様な飛行船艦が攻めてきたら普通は戦意喪失しますよ。
時期にもよりますが、早期に日本軍が地上の陸軍と共同でヘンダーソン飛行場奪回を試みれば十中八九成功するでしょうね。」
「じゃあ、なんでつくんなかったの?」
「そうそう。」
「え?造るって何を・・・ですか?」
「ゴリアテさん。」
「そんな技術は当時の日本には・・・いえ、地球上どこを探してもありません。無理です。」
「つまんな〜い!」
「つまらないとか、そういう問題では無いだろう。」
「なんでゴリアテさんつくれないの?」
「なんでと言われましても・・・飛行船というのは浮力を持つ気体を船体内部に積む事で初めて浮かぶ事が出来るのです。
したがって、その浮力で浮かばせる事の出来る重量を超えてしまえば飛行船は当然飛べません。
肝心のゴリアテの重量はどう見ても史実の飛行船の重量とは桁違いでしょうから・・・無理なんです。」
「そんな時の為のS2機関ですよ。」
「んなもん第二次大戦当時にあるかい。」
「じゃあ、ミノフスキークラフトで良いじゃん。」
「無いに決まってるだろ。」
「・・・では、そろそろ戦艦の話に戻しますね。とりあえず、こちらをご覧下さい。」
帝国海軍 戦艦・大和(大和型)
「またこれ?」
「帝国海軍が最後に建造した戦艦がこの大和型ですし、資料もそれなりにあるので当時の戦艦の説明に適当かと・・・」
「きいた風な事言うんじゃないわよ。どーせ趣味全開 のくせに。」
「・・・否定はしません。」
「開き直るな! 」
「ところで皆さんは戦艦と聞いて何を連想しますか?」
「何を・・・とは?」
「単純に戦艦に対しどういったイメージを持っているのかと思いまして・・・」
「さらば〜地球よ〜チャチャチャチャ〜♪」
「旅出〜つ船は〜チャチャチャチャ〜♪」
「宇宙〜戦艦〜デデデデデ♪
」
「・・・・・。」
「プルツー、せっかく良いトコ振ったんだからちゃんと歌ってよ〜。」
「知るか!」
「戦艦か・・・やはり時代遅れといった感は否めんが。」
「マシュマー様、それ結果論 じゃないの?」
「あくまでイメージだからな。
我々の時代とて戦艦・・・砲撃メインの艦種というのは時代の流れについていけていないだろう?
確か、ガトー少佐がソロモンで核を放った時に照準を合わせた連邦の戦艦もMSの搭載能力は持っていなかったはず・・・
あれも時代遅れの産物と言える。」
「バーミンガムたん(;´Д`)ハァハァ」
「アンタ、少しは黙りなさいよ。」
「・・・他には何かありますか?」
「単に大砲を撃てるだけの大艦巨砲主義の権化、無用の長物よね。あんたの好きな大和なんか特に。」
「・・・・・。」
「地雷原に笑顔で突撃するアスカさん萌え〜♪ 」
「萌え〜♪ 」
「るさい!
」
「・・・戦艦というのは確かに空母の出現により時代に取り残されたとも言えますが、やはり当時の技術の集大成でもあります。
当然の事ながら、大砲をただ撃つにしてもそれなりの技術や設備が必要となってきます。例えばこちらです。」
帝国海軍 戦艦・武蔵(艦橋部分)
「これは建造途中の武蔵を正面から写したものです。代表的な設備には名称を記しておきました。」
「え〜と・・・、あれ?」
「どうしました?」
「一番上って艦長室じゃないの?」
「・・・・・・・・・・・え?」
「地球か・・・、なにもかもみな懐かしい・・・。」
「沖田艦長キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━
!!!」
「ワケの分からない事を言うんじゃない。」
「・・・当時の戦艦による砲撃戦の想定距離は昔と比べて格段に遠距離となっていました。
これは主砲の射程が伸びた事にもよるのですが、上記の大和型戦艦が造られた頃には2〜30kmでの戦闘が想定されていたのです。」
「それと、艦橋の話と何のカンケーがあんのよ。」
「遠距離での砲撃戦となると、砲側照準での砲撃では困難なのです。
出来るだけ高い位置から敵艦に照準を合わせるようにしなければなりませんから。」
「どゆこと?」
「・・・では、簡単に図で表してみましょうか。」
近距離での砲撃戦の簡略図
遠距離での砲撃戦の簡略図
「近距離ならば砲側照準でも問題は無いのですが、遠距離となると地球の球状という形が障害 となってくるのです。」
「なんか、砲弾がデカすぎないか?」
「砲弾じゃなくミサイルに見えるわよね〜。」
「そんな細かいツッコミを入れられても困ります・・・。」
「あのさ、さっぱりワケわかんないんだけど・・・」
「・・・では、もう少し簡単な図で表してみましょうか。」
高位置での照準 低位置での照準
「なんなのよ、このヘボい絵は。」
「出来るだけ分かりやすくという点を最優先にしてみました。
左の図では高い位置から視認しているので相手が確認出来ますが、
右の図では低位置なので相手がほとんど見えない状況なのです・・・当時の砲撃戦も同じ事が言えるわけですね。」
「う〜ん・・・」
「距離にもよりますが、遠距離での砲撃戦では
敵艦の船体はおろかマストくらいしか見えないという状況で砲撃戦をしなければならないという可能性があります。
そのため、水平線のはるか向こうの敵艦に少しでも正確な砲撃を行うには
出来るだけ高所から照準を合わせる必要がある のです。」
「なんとなく分かったような分からんような・・・」
「低い位置だと相手が見えないから高いところから狙おうって話だろ?別に難しくもなんともないぞ。」
「あ、そっか。」
「さっすがプルツー♪」
「フッ・・・、大した事じゃない。」
「お腹ナデナデしてあげましょう♪」
「止めろ!私はネコか! 」
「でもさ、高いところから狙っても砲弾が当たんなきゃ意味無いじゃん。
ファーストの好きな大和って、主砲の散布界がアレだったって話よ?」
「散布・・・なにそれ?」
「遠距離での砲撃となると、例え敵を正確に狙ったとしても様々な要因により砲弾の弾道にズレが出てきてしまいます。
そのズレの範囲・・・照準を合わせた目標からどれくらいの距離に砲弾を集められるかを表したのが散布界なのです。
・・・こちらも図で表してみましょうか。」
散布界の簡略図
「このように、赤線の様に散布界が広いよりは
青線の様に散布界が狭いほうが砲弾の命中確率が上というわけです。
もっとも、一口に散布界と言っても上記の様な円形ではなく遠近・左右で区別して考えた方が良いのですが・・・
また、計測も図の様に一発で測るのではなく複数砲門での一斉射で行います。」
「赤い色って弐号機を思い出すんですけど。」
「るさいわよ!
脈絡無さ過ぎでしょうが!
大体、ファーストもファーストよ!なんで散布界がヘボい方を赤にすんのよ!」
「え?そんな事を言われましても・・・」
「筋違いな事を言うアスカさん萌え〜♪ 」
「萌え〜♪ 」
「うるさい!
」
「ところでお前、さっき妙な事を言っていなかったか?大和の散布界がどうとか・・・」
「あ、そうそう。大和の主砲の散布界が1kmくらいあったんだって。いくら威力があっても当たらなきゃしょうがないわよね〜。」
「当たらなければどうという事は無い! 」
「情けないMSと戦って勝つ意味があるのか?
しかし、こんなものはナンセンスだ!ちゅど〜ん! 」
「お前ら、何をワケの分からん事を・・・」
「あ、マシュマー様良かったね♪」
「いきなり何を言う?」
「今回、マシュマー様のザクVカスタム激強じゃん♪
至近距離のLv3チャージジャストでプルツーのクインマンサ瞬殺だし見切りバグ使えば連射砲台にもなっちゃうし。」
「確かにクインマンサを退けた事はあるが・・・瞬殺とは・・・?」
「でも、クインマンサとかのファンネルはもっと強いんですけどね。と言うより今回のファンネルって強すぎですよ。」
「今回・・・?お前達は何の話をしているんだ・・・?」
「こいつ、並ではない!とか言って撤退しちゃうプルツー(;´Д`)ハァハァ 」
「(;´Д`)ハァハァ 」
「よく分からないが止めろ! 」
「・・・大和の散布界についてですが、否定はしませんよ。」
「敗北宣言ですか?」
「いえ・・・、アスカの言う大和の散布界が広いという話はマリアナ沖海戦前の訓練時のものだと思いますが、
当然そのままにしておいたわけでもなく比島沖海戦前には散布界も改善されていた様です。
もっとも、改善された大和の正確な散布界の数字は分かりませんが・・・
また、遠距離で言うならアイオワ級戦艦の散布界もあまり芳しく無かったという事も覚えておいて頂ければ・・・私としては何も言う事はありません。」
「う・・・」
「玉砕王に、俺はなる! 」
「るさいわよ!
」
「さて、大和型戦艦の最上部に方位盤照準装置があるわけですが・・・
当時の方位盤照準と射撃の流れはこの様な感じとなっています。」
ー 方位盤照準の流れ ー
射撃指揮所の方位盤射手と旋回手、動揺手が方位盤を操作し目標に照準を合わせる。
↓
方向や仰角が発令所の射撃盤に伝わる。
↓
射撃盤では方位盤その他の情報を元に計算を行い砲側の受信機基針を動かす。
↓
砲側の射手と旋回手は砲を操作して、受信機の追針を射撃盤が指示した基針に合致させる。
↓
これにより、射撃指揮所で照準を合わせた目標に砲が照準を合わせた事になる。
↓
射撃指揮官の令により方位盤射手が引き金を引くと電路が通じ、艦の火砲が一斉に火を吹く。
↓
射撃指揮官が弾着の情報から必要に応じて修正を指示。
↓
指示に応じて修正手が射撃装置に修正された数値を入力。
↓
新しい諸元が方位盤射撃装置と砲側の受信機に表示される。
↓
後は命中まで発砲と諸元修正の繰り返し。
「かなり簡単な説明ですが、概ねこういった流れで方位盤照準での砲撃は行われます。
また、敵艦に方位盤で照準を合わせるだけではなく、敵艦の速度や方向を測る測距儀、
温度や湿度、風向きを測る測的盤、自艦の速度や方向を表す測程儀の情報を得て、それらの情報を射撃装置に送ります。」
「でもさ、せっかく敵を測っても相手も動いてんだから簡単には当たんないんじゃないの?」
「・・・ですから、ある程度相手の未来位置を予測しそれらも計算した上で砲撃するのです。
それでも実戦における遠距離砲撃では数パーセントでも命中確率があれば良いようなもの なのですが・・・」
「え〜と・・・それじゃ、遠いとぶっちゃけ当たんない ってこと?」
「当たらないわけではありませんが・・・確率としては低いと言って良いでしょうね。」
「良かったですね、アスカさん。」
「は?」
「ほら、数パーセントでも確率があれば良いならアスカさんの射撃能力なんか天下一品じゃないですか♪」
「まぁ、命中率一桁に比べれば5〜60%でも確率があれば良い方と言えるだろうが・・・」
「ひし形、それ褒めんてんの?」
「ちょwwwwまさかwwwwwwww」
「あんたは〜!
」
「だが、それだけしか命中率が無いんじゃ戦闘にならないんじゃないか?」
「遠距離での戦闘ばかりが砲撃戦ではありませんし・・・それに単艦で戦闘するというのも考えづらい話です。
例え命中率が一桁であっても、他の戦艦や駆逐艦等と協力する事で全体的な命中確率を上げる事も可能であると思われます。」
「それもそうか・・・。」
「ちょっと長くなってしまいましたが、艦橋に設置されている射撃指揮所の役割については以上です。
次はその下に設置されている測距儀です。」
「ちょっと・・・、あんたまさか一個一個説明していく気じゃないでしょうね。」
「そのつもりですが・・・それが何か?」
「長いわよ!いくらなんでも説明しすぎでしょうが!」
「多少は短くまとめるつもりですが・・・」
「あのさ、ちょっと気になったんだけど・・・」
「・・・何か?」
「あの15mなんとかって、何かの機械なの?」
「15m測距儀は敵艦の速度や方向を測るための設備です。
これは先程の方位盤の説明にも出てきましたが、これも主砲による砲撃戦を行うために必要な情報を得るための重要な設備なのです。」
「そーなんだ。あたしてっきりレーダーの台座かなんかなのかと思って♪」
「だ、台座・・・ですか?」
「宇宙の彼方イ〜スカンダルへ〜♪」
「運命背負い今飛び立〜つ〜♪」
「いい加減そのネタから離れなさいよ・・・。」
「そういえば、その写真にはレーダーらしきものが写っていない様だが・・・」
「・・・建造中の写真ですからね。大和型戦艦に電探が搭載されるのは戦争中期の話になりますから。」
「そういえば、日本にはレーダー射撃なんて高等な事は出来なかったんだものねぇ〜。」
「・・・正確に言えば帝国海軍も電測射撃を実戦で実行してますよ?」
「へ?」
「玉砕王は健在であります(`・ω・´)ゝ」
「るさい!大体、日本軍がんな事してたなんて聞いてないわよ!」
「聞いてないぞ!のシーマ様キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」
「プルもひし形もるさいっ!」
「(´・ω・`)ショボーン」
「・・・大和が電測射撃を行ったのは比島沖海戦におけるサマール沖海戦での出来事ですね。
煙幕が張られた方向に前部主砲で電測間接射撃を実行した・・・という話です。
残念ながら効果までは確認出来ていませんが・・・」
「フ・・・フフン。いくらレーダー使ったって効果が分からないんじゃ意味無いわよね〜。」
「でも、実行してますよね?」
「う・・・」
「ぐうの音も出ないか。」
「うるさい!」
「ところで電測間接射撃ってのは・・・?」
「電測というのは電探を用いた測敵の事でしょうね。
また、間接射撃というのは目標を照準せずに射線を所要の方向に指向して行う射撃の事です。
つまりサマール沖で大和が行った電測間接射撃とは、煙幕で敵艦がほとんど視認出来ていない状態でも電探では探知、
照準を探知方向に合わせて主砲で射撃を行ったものと思われます。」
「だが、日本は射撃用レーダーの実用化にまでは至っていなかったのではなかったか?」
「・・・おそらく、水上見張り用の二号二型電探で兼用したのでしょう。
ですが、先程も申しました通り電測射撃を行ったものの遠距離だったためか効果の程までは確認出来ていません。
これについては今後の検討課題という事になったようですが・・・」
「検討課題って・・・フィリピンの時なんか戦争末期もいいとこじゃない。意味あんの、それ?」
「・・・やるべき事をしているだけです。それとも何ですか?負けが確定しているから適当でも良いと?」
「む・・・」
「また・・・」
「るさい!」
「レイってけっこう容赦無いよね。」
「(*´・ω・)(・ω・`*)ネー」
「・・・・・。」
「それにしても、昔の話とは言え当時の砲撃戦は随分手間のかかる作業なのだな。」
「でもさ、レーダーが無・・・使えるかどうか分からないんじゃ艦隊戦になってもアメリカ相手じゃ話になんないんじゃないの?」
「レーダーはありますよ?」
「うるっさいわね〜!誰も無いなんて言ってないでしょ!」
「ギリギリだったけどな。」
「うるさいっ!」
「・・・確かに夜間や視界不良の状態では日本軍はアメリカに劣るかもしれませんが、日中で視界良好ならば条件は互角です。
正直なところ、砲撃戦もやってみなければ判らないというのが私見ですね。
もちろん兵力に差がある状態であれば、大兵力を有している方が有利にはなってしまいますが・・・」
「なに言ってんだか。さっきのサマールなんとかの時だって空母を取り逃がしちゃってんじゃん。」
「サマール沖では確かに敵の確認に遅れがあり、戦訓所見にもそれらを肯定する項目がありますが
もちろん原因はそれだけではありませんし、空母の追撃を諦めたのにも理由があります。
それより何より全力で回避運動する敵艦に砲弾を当てるのがどれほど大変か解っているのですか?」
「解っているのですか?」
「うるっさいわね〜!だったら、その前の日に全滅してた日本艦隊は何なのよ!
あれだって艦隊戦だったのにアメリカの圧勝だったでしょうが!」
「前の日?」
「フィリピンでの海戦では日本軍が三つの艦隊に分かれていてな。
そのうちの一つ西村艦隊とやらが、夜間の砲雷戦でなす術もなくほとんど全滅してしまっているのだ。
もっとも、彼我兵力差の問題や隊形の要因からアメリカが始めから優位だったのだが・・・」
「そうなのか・・・。」
「・・・西村艦隊とオルデンドルフ艦隊とではマシュマーさんの言うとおり兵力に差がありましたからね。
あの状況で西村艦隊に勝てというのは正直、無理難題というものですよ。」
「無理難題ですって♪」
「ひし形、いちいちうるさい!」
「あのさ、ちょっといい?」
「どうした?」
「全力で回避してる敵に当てるのってそんなに大変なの?」
「当たり前だ。回避しているのに被弾率が下がらなければ何のための回避運動か分からないだろう。」
「・・・それに加えて、当時の方位盤照準装置は諸元計算に多少の時間が必要なのです。
諸元計算と修正を繰り返せばいずれ命中するとは思いますが・・・やはり命中率としては高いものとは言えません。
回避運動を行う相手なら尚更です。」
「ふ〜ん・・・そうなんだ。」
「また、砲撃戦においては相手の動きだけではなく自艦の動きも命中率に作用します。
例えばの話ですが、砲撃戦の最中に敵の魚雷が迫ってきて、その魚雷が被雷コース確定だとしたら・・・どうします?」
「避けるしか無いよな。当たったらマズイだろ?」
「・・・そうですね。魚雷に当たるわけにはいきませんから回避する必要が出てきます。
そして仮に魚雷を避けたとして、自艦の進路が大きく変更されてしまうとそれまで行っていた諸元では意味を成さなくなってしまうので
方位盤照準を最初からやり直さなければならなくなってしまうのです。
そういった点も含めて、砲撃の命中率を高めるというのは大変な事なんです。」
「そんなに当たらないのになんで大砲なんか積んでんの?」
「・・・ですから、遠距離での砲撃戦だけが戦闘では無いと・・・。
それに、一艦としては命中率が低くても互いに連携する事で命中率を高める事は出来ます。」
「でも、レーダーが使い物にならないんじゃやっぱりどうしようも無いじゃない。
いい加減にアメリカの方が優れてるって認めなさいよ。」
「レーダーの有用性は否定しませんが、レーダー万能主義はどうかと思いますが・・・。
正直なところ、艦隊戦においては数が多い方が有利。単艦同士ではやってみなければ判らないとしか言い様がありません。」
「よく聞く大和とアイオワが戦ったら?てのはどーなんだ?」
「実際に戦っていないのではなんとも・・・、推測する事は出来てもやっぱり推測止まりですからね。」
「大和の方が勝つわ。」
「プル(さん)は賢いな。」
「何を言っているんだ。お前達は・・・。」
「どーせアイオワの方が有利だから話さないだけでしょ。やり方が姑息なのよ、ファーストは。」
「・・・・・。」
「重火砲陣地に竹やりでウラー!なアスカさん萌え〜♪」
「萌え〜♪」
「うるさい!」
「・・・遠距離での砲撃戦の要となる散布界については大和、アイオワともそれほど大差はありません。
しかし、アイオワの場合日本の戦艦と違い弾着の集束があまり芳しくなかったという話があります。」
「集束って・・・?」
「では、図で比較してみましょうか。」
弾着の集束が安定している場合
→
諸元修正前 諸元修正後
弾着の集束が不安定な場合
→
諸元修正前 諸元修正後
「上記の図は敵艦に向けて試射を行ったもの・・・図の中にある×印は弾着点だと思って下さい。
さて、上下どちらの場合も、まず最初に敵艦の左舷・・・図で言うと右側になりますが、そちらに砲弾が集束されたと仮定します。
上の図の様に、砲弾の集束が安定していれば例え散布界が広くても弾着修正を行う事で命中が期待出来ると言うのは分かりますよね?」
「まぁな。」
「しかし、下図の様に砲弾の集束が安定していない状況では
仮に修正したとしても砲弾がどこにどの様に集まるのかが安定せず、場合によっては集束しない可能性すら出てきてしまい、
延々と試射を行うのと変わりない状況になってしまいます。
上下で比較した場合、どちらが砲撃戦で優位に立てるかは説明するまでも無いと思いますが・・・」
「で、それがアイオワと何の関係があんのよ。」
「上の図が大和、下の図がアイオワを示していると思っていただければ・・・」
「なんでそーなんのよ!」
「ですから、アイオワの場合は弾着の集束が芳しくなかったという話があると・・・
もっとも、アイオワの集束についてしっかりしたソースが見つかってないので確定では無いのですが・・・。
ちなみにアイオワ型は、30ノット以上の速度では異常振動を引き起こし砲撃の命中率が悪化するので
砲戦を行うにしても、大和型と比較した場合の優速は生かせないかと推察されます。
逆に大和では一時期散布界が広かったという話があるものの後に改善されていますし、集束が悪かったという話は全く聞きません。
こういった点から考えると遠距離での砲撃精度と言った点では大和に分があると見て良いと思いますが・・・」
「うるさい!大和厨のくせに!まともなレーダーも積んでないくせに生意気よ!」
「・・・いくら精度の高いレーダーがあろうと、肝心の主砲砲撃の精度に問題があっては本末転倒です。
いくら狙いが正確であっても砲弾が狙った場所に飛んでいかなければ何の意味もありませんから。」
「そういえばさ、シロッコさんのジ・OってLv3チャージ射撃だと明後日の方にしかビーム飛んでかないよね。」
「ジ・O動け!ジ・O、どうした!なぜ動かん!」
「お前達はさっきから何の話をしているのだ・・・?」
「・・・付け加えておくなら、
排水量と主砲サイズの関係から1対1なら大和の方に分があるのは当たり前なんですけどね。
船体が大きければそれだけ浮力に余裕があるという事になりますし、46センチ主砲も威力としては十分過ぎますから。」
「でも、威力があったって当たらなきゃしょうがないでしょ。」
「・・・同じ事はアイオワにも言えますし、
距離にもよりますがアイオワの砲弾が大和に当たったところで致命傷となりえるかどうか・・・」
「だから、沈めなくても戦闘力は奪えるでしょうが!」
「・・・同じ事はアイオワにも言えますよ。
お互い砲撃を行っているのに、どうしてアイオワの砲撃が当たって大和の砲撃が当たらない設定になっているのですか?」
「人の話を聞きなさいよ。その為のレーダーじゃない。」
「・・・レーダーを使い優位に立てるのは夜間か視界不良の場合くらいのものです。
もちろん、アイオワが奇襲をかけ一方的に勝利する事が出来ないとは言えませんが・・・
そんな事を言い出したら大和だって二号二型電探で先に撃破出来るかもしれませんよ。一応、電測間接射撃は可能ですから。」
「そんなのやってみなけりゃわかんないでしょ。」
「・・・私、最初にそう言ったはずですが。」
「う・・・」
「アスカさ〜ん・・・、生きてますかぁ〜・・・?」
「うるさい!」
「戦艦の説明のはずがいつの間にか砲撃戦の説明になってるな。」
「・・・まぁ、戦艦の本分は砲撃戦ですからね。
ミもフタも無い言い方をしてしまえば、砲撃に関する説明さえ終わってしまえば戦艦についての話もこれといって無くなってしまうのですが・・・」
ウイィィィン(ドアの開閉音)
「あなた達、やっぱりここに居たのね。」
「どしたの?」
「そろそろ次の作戦が発動されるの。いそいでブリーフィングルームに集まってちょうだい。」
「一々呼びにこなくても、艦内放送で呼べば良いのに・・・。」
「流してたわよ。でも、あなた達だけ中々来ないから、わざわざ呼びに来たんじゃない。」
「へ?」
「艦内放送・・・?そんなの聞いてないぞ。」
「シーマ様キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人(
゚∀)ノ━━━ !!!」
「なんでもかんでもそれに結び付けるんじゃないわよ。」
「でも、放送なんて流れてたっけか?」
「あ、講義の邪魔になると思ってこの部屋のスピーカーのボリューム下げておいたんですけど・・・それですか?」
「いらん事するな、ひし形!」
「・・・艦内放送で呼び出されていたとは、もしや私もか?」
「そうよ。全搭乗員はブリーフィングルームに集まるって話なんだから。」
「な、なんだと・・・!」
「ハマーン様に怒られちゃうね♪」
「ハマーン様にハンマーで叩かれちゃって下さい♪」
「黙れ、ひし形!こうしてはおれん、私はここで失礼する!」
「別にあんただけじゃないでしょ。みんな行かなきゃなんないんだし。」
「アスカさんはお留守番じゃないんですか?」
「今回は違うわよん、ちゃんとアスカにも任務に就いてもらうから。それじゃ急いでね。」
「あれ?ミサト、どこ行くの?」
「シンちゃんが行方不明になっちゃっててね。探してるんだけど中々見つからなくて。」
「何やってんのかしらね、馬鹿シンジは。」
「そういえば、前に伊吹嬢もシンジの事を探してたよな。まだ見つかってないのか。」
「とにかく遅刻なんてしてたらみっともない。ブリーフィングルームへ急ぐぞ。」
「はぁ〜い♪」
「・・・それでは、長時間の講義お疲れ様でした。またどこかでお会いしましょう。」