「では、次は趣向を変えてこちらの法律を説明しましょう。」
「いい加減、飽きたんだけど・・・」
国家公務員法
「何コレ?」
「現在、施行されている国家公務員の在り方の基礎となっている法律でとても重要なものです。」
「で?」
「単刀直入に言いましょう。この法案もヤヴァイです。」
「は?何がよ?」
「以前紹介した人権擁護法案とも多少リンクしますが、
国家公務員法にも国籍規定が書かれていないんです。」
「へ?なんで?公務員って・・・あの公務員でしょ?」
「そうですね。国家公務員と言えば議員や各省庁の職員、自衛隊員等もそうです。
国の根幹に関わる重要な職に携わる人ですね。その基本となる法律に国籍の規定が無いというのは恐ろしいと思いませんか?」
「いや、恐ろしいとか言われても・・・解らないし。
それに国籍とか書いてないんじゃ外国人が国家公務員になり放題になるんじゃないの?」
「そこはそれ。個別の法案では採用基準などに国籍の規定があります。
議員の選出や自衛隊の採用試験、また外務公務員という種類では国籍規定がちゃんとあります。」
「なら、良いじゃん。」
「良くありません。憲法でも書かれている通り公務員を選んだり罷免したりするのは国民の権利です。
ここに外国人が介入出来る道理はありません。」
日本国憲法
第十五条 公務員の選定罷免権、公務員の性質、普通選挙と秘密投票の保障
「で?」
「今現在の日本では、国家公務員はムリですが地方公務員の一部の職種に限り外国人の採用が認められている地域があります。
最近で有名なのは日本に来るなと言い放ったオバサンですね。
最高裁の判決が相当悔しかったのかもしれませんが・・・まぁ、最高裁の判決は普通でしょう。」
「でもさ、なんで外国人が公務員になれんの?普通に考えたら憲法違反じゃないの?」
「さぁ・・・?」
「さぁ・・・って、をい。」
「私も憲法違反の様な気がするのですが・・・なんでなんでしょうね?
地方公務員に外国人がなれるという根拠となっているのが平成8年に出されたという談話です。
原文は見つかりませんでしたが、大体こちらの内容であっていると思います。」
地方分権の時代を迎え,職員の任用は
地方公共団体が責任を持って自主的,適切に行っていただく
「なにこれ?」
「ですから、当時の自治大臣が出したと言われる談話です。あとは、こちらをご覧下さい。」
公権力の行使または公の意思形成への
参画に携わる公務員となるには、日本国籍が必要である
「これは?」
「1953年に出された内閣法制局の見解です。一応、これが国家公務員となるには日本国籍が必要とする根拠です。」
「なんだ、根拠があるんじゃん。」
「根拠になってませんよ。時の大臣が地方分権とか言って外国人公務員への門戸を開けてしまっているじゃないですか。
あんな談話がどうして、一部の地方公務員に外国人もなれる根拠となるのか理解に苦しみますが
実際、外国人の地方公務員が採用され始めたのは一部の例外を除いてこの頃から本格化し始めた様です。」
「例外って?」
「教職員とかみたいですね。詳しく調べてないのでよく解りませんが。」
「いい加減過ぎるっての。」
「でも・・・ホントに何を考えてるんでしょうね。理解に苦しむ・・・と言うか完全に理解不能です。解ろうと言うのがムリですよ。」
「で、何が問題なの?」
「だからですね。国家公務員法や地方公務員法に国籍規定の条文が無いのが問題なんですよ。たった一文、欠格規定に
日本国籍を有しない者、または日本の国籍を有しながら他の国籍を有する者と入れれば良いんです。」
「でもさ、アンタさっき個別の法案で規定されてるって言ってたじゃん。」
「それが何か?」
「ならそれで良いじゃん。」
「・・・そんな事で済ませてきたから人権擁護法案で国籍条項がどうたらなんて議論が出てくるんです。
公務員の選出や罷免は国民固有の権利で外国人を関与させる道理などありませんから、大本の法案で規定してしまっても問題はありません。
それに、外国人が国家公務員に成れない今のうちにそういった規定を決めてしまった方が良いと思います。」
「は?何がなんだか解らないんだけど。」
「つまり、先ほどの談話の例でも解るとおり、
国の根幹に関わる法律はきちんと明確にしておかなければ、時の政治家の意向次第でどうにでもなってしまう可能性があり
一歩間違えばとても危険という事です。」
「でもさ、法律って多少あいまいにしといた方が運用しやすいとかって聞いたんだけど。」
「憲法で定められた国民固有の権利なのにわざわざグレーゾーンを作ってどうするんですか?
あいまいにする部分が違いますよ、ソレ。」
「でもさ、さすがに外国人が国家公務員になるってのは・・・」
「ぶっちゃけありえな〜い!とか思ってます?
私は地方公務員ですら外国人がなれるというのはありえないと思ってますけどね。
ですから、先ほどの日本に来るなオバサンの話を知ったときは本気で( ゚д゚)ハァ?でした。
また、前述の外国人に参政権を与えるとかいう話もある以上、
そう遠くない未来には外国人が国家公務員となるのもありえないとは言い切れません。
日本に来るなオバサンの例を見ても解るとおり、彼らは一度権利を与えるとさらなる権利を求めてきます。
ネズミにクッキーをやると次はミルクを欲しがるの典型的な一例ですね。」
「でも、憲法にちゃんと書いてあるんでしょ?」
「その程度では安心出来ませんよ。
大体、憲法を忠実に守ろうとするなら前述の外国人の地方参政権付与なんて話は出てくる道理が無いじゃないですか。
地方参政権というのは公権力の行使、公の意思形成への参画に携わりますからね。
この時点で内閣法制局の見解とも矛盾してるじゃないですか。どう説明するんですか、コレ?」
「いや、あたしに軽ギレされても困るし・・・」
「それに最近憲法を変えるという話も出てきています。
不戦を誓った九条にばかり目が行きがちですが、公務員の規定もこっそり良いように変えられてしまったらどうします?
国民の部分を住民に摩り替えて国民固有の権利→住民固有の権利にしてしまうとか・・・十分ありえる話だと思いますが。」
「考えすぎじゃないの?」
「杞憂なら良いのですけどね。
それでも、そんなややこしい話が出てくる前に国家公務員法に国籍規定を入れてしまった方が良いと思うのです。
転ばぬ先の杖というヤツですよ。昔の人は良い事を言いますね。」
「で、具体的にどうすりゃいいのよ?」
「前に言いませんでしたっけ?選挙に行ってくださいって。
選挙に行って、公明党、民主党、社民党、白紙以外の党の議員や政党に票を入れれば良いんです。
もちろん、ケースバイケースですからそれが必ずしも正しいとは限りませんが。」
「ちょちょちょ・・・ちょっと待った!それ以外の党って一つか二つくらいしか残ってないじゃない!」
「それが何か?」
「それじゃ選挙じゃないでしょうが!アンタ、どこぞの工作員にしか見えないっての!」
「そうでしょうか?考えた末に出した苦渋の決断なのですが・・・」
「どこがよ!」
「まぁ、次の選挙に向けての話は次にしましょうか。」
ここもリンクフリーだったりします。