帝国海軍潜水戦隊 陸
「次は日本とドイツと行き来した潜水艦の話です。」
「またドイツ?」
「今回はまた趣が違うのですが・・・
ずっと前にも話しましたが日本とドイツの行き来というのはとても難しいものでした。」
「そうなのか?」
「ドイツと内地往復の成功例は数えられるくらいとの話なので・・・
その中に、微妙に往復に成功したと言えなくも無い潜水艦に伊-30というものがありました。」
「なによ、そのワケ解らない言い回しは?」
「事の発端はドイツの造ったウルツブルグレーダーにあります。
戦前からドイツに視察を行っていた日本軍はドイツが苦心して作り上げたウルツブルグレーダーの譲渡を求めていたのです。
ウルツブルグレーダーに関しては日本ではなくイタリアも欲しがっていたようですが・・・ウルツブルグレーダーはドイツの機密でしたからね。
結局、同盟国と言えど機密を他国に流す事には否定的でした。」
「イタリアじゃなぁ・・・。」
「イタリアですからねぇ・・・。」
「でもさ、日本ってレーダーなんてどうでも良かったんじゃなかったっけ?」
「・・・そこは優先順位の違いです。
日本軍も闇夜で敵を捕らえられるというレーダーには興味を示していました。
実際にそんなものが実在すれば、日本軍が苦心して築き上げてきた野戦の優位性が崩れてしまう事になるのですからね。」
「でも、八木なんたらなんてほったらかしだったじゃん。」
「メェ〜」
「それはヤギ!字が違うわよ、字が!」
「・・・まぁ、レーダーに関する先見の明云々については以前に話したと思うので省略します。
さて、戦前は日本にレーダー技術を渡す事に難色を示していたドイツも1941年12月に日本が戦争に突入すると態度を一変させました。
ドイツの意図はよく解りませんが、日本が欲しがっていたウルツブルグレーダーが条件付きで日本に譲渡される事になったのです。」
「なんで?ドイツの機密なんじゃないの、そのレーダー?」
「そんな事を聞かれても困ります。とりあえず、日本の誠意が伝わったという事にしておきましょう。」
「誠意って、をい。」
「ところでレーダー譲渡が条件付きとの事だが・・・条件とはなんだ?」
「日本の潜水艦で運ぶ事です。
水上艦艇では危険が多く、連合国にレーダーが奪われてしまうなんて事態は絶対に避けなければなりません。
そこで、新鋭潜水艦である伊-30がその任にあたる事となったのです。」
「新鋭ねぇ・・・。」
「無事にドイツに到着した伊-30ですが、現地のドイツ人技術者の方々は伊-30を不思議に思ったそうです。
なぜなら、騒音が大きく水中聴音機を使うと簡単に所在を特定されてしまうという状態だったからです。」
「おいおい・・・、そんなんじゃ隠密製もへったくれもないでしょうが。」
「この非常事態に日本側からドイツに適当な処置を取ってもらう事を要請しドイツもそれを受理。
二週間に及ぶ突貫工事のおかげで、伊-30の静粛性は格段に向上しました。
三国同盟には色々と異論があるかもしれませんが、同盟国というのは本当にありがたいものですね。」
「さすがドイツ!日本が出来ない事を平然とやってのける!」
「そこにシビれる、あこがれるぅ〜!」
「・・・・・。」
「ほら、プルツーも台詞台詞!」
「は?」
「プルツーさん、こういうのはタイミングが大事なんですから。次はしっかりしてくださいね?」
「・・・お前たちは何を言ってるんだ?」
「だからさ、ああいうネタが来たらテキトーにWRYYYYYY〜!とか言っておけば良いんだって。
そうすれば全部丸く収まっちゃうんだから♪」
「そうなんでつ♪」
「収まるか!人にワケの解らない事を押し付けるな!」
「・・・脱線は程ほどにお願いします。」
「や〜い、お〜こられた〜、おこられた〜♪」
「や〜い、や〜い!」
「お前達が言える事か!誰のせいだと思ってんだ!」
「さて、ドイツでウルツブルグレーダーと図面、暗号機などを積み伊-30は帰路につきました。」
「まさか、途中で沈められたなんてオチが付くんじゃないでしょうね?」
「伊-30はペナンで燃料補給後シンガポールに無事に到着、積荷の一部を降ろし内地へと出発しています。」
「ふむ、シンガポールまで到着出来たなら大丈夫だろう。」
「・・・残念ながら、出港して間もなくイギリス軍が敷設した機雷に接触し伊-30は沈没。
沈没したとは言え近海だったのが幸いし、乗員の多くは救助されましたが・・・残念ながら13名が殉職されています。」
「おいおい、そんなオチかい。」
「別にオチをつけたわけではありませんが・・・」
「ふ〜ん、やっぱり死んじゃう人は居るんだ・・・。」
「・・・仕方あるまい。何度も言うがそれが戦争なのだ。」
「で、肝心のレーダーはどうなったのよ?」
「後日、回収部隊により調査が行われたものの、ウルツブルグレーダーは損傷が激しく修復不能。
後日、入手は適いましたが日本軍が切望した同レーダーの早期導入は不可能となり・・・後は史実が証明していますね。」
「駄目じゃん。」
「同じような話で伊-29の例もありますね。
以前に話したジェットやロケットを利用した航空機の図面その他を日本に運んでいた潜水艦・・・
その伊-29も内地への帰還直前に沈められてしまいました・・・。」
「なにやってんだか・・・」
「伊-29がドイツへの往復を行ったのは昭和19年後期の話です。
そんな状況では、潜水艦と言っても確実に日本周辺を行き来できるとは限りません。
それに、その時沈められた伊-29の艦長を務めていたのはワスプ撃沈を果たした優秀な方なんです。
伊-29が沈められてしまったのは・・・不運だったとしか言い様がありません。」
「ワスプって・・・あのラッキーヒットした時の話だっけ?」
「そうですね。」
「そうやって、稀な戦果を強調すんじゃないっての。逆から言ったらそれくらいしかマトモな戦果が無いじゃん。」
「空母を一隻沈めるのがどれほど大変か・・・
敵空母に遭遇できる確率、有利な射点に付ける確率、魚雷を狙い通りに撃つ技術、魚雷を当てて空母が沈む確率・・・
正規空母撃沈を成し遂げるには、高い技術や能力それに加えて運も味方にしなければ到底不可能なのです。」
「でも、酸素魚雷って遠くから狙って沈めるんでしょ?」
「・・・別に酸素魚雷が超射程だからと言って、常日頃から遠距離で魚雷を撃つわけではありません。
以前は遠距離から撃ったと説明したかもしれませんが訂正します。
何度も話に出ているワスプ沈没ですが、あの時は1000m程まで近づいてから魚雷を放ったそうです。」
「1000m・・・たった1kmの距離まで近づいたというのか?」
「そうらしいです。」
「護衛の駆逐艦はどうした?アメリカ軍の事だから輪形陣でも組んでいたのだろう?」
「その輪形陣をかいくぐって接近したとか・・・。
現に魚雷を命中させた後は長時間に亘って爆雷攻撃にさらされたそうですからね。」
「そらそーだわな。」
「それって大変なの?」
「・・・大変ですよ。爆雷攻撃にさらされている間、潜水艦側は何も出来ませんからね。
駆逐艦が爆雷を使い尽くすか見失うか諦めるか・・・どちらにしても潜水艦側は主導権を握る事が難しいのです。
おまけに当時の潜水艦にはバッテリーや艦内の炭酸ガスの濃度という制約もあります。
運が悪ければ、時間切れでそのまま行動不能という事態もありえますし、実際にあったとも思いますよ。」
「あったと思いますって・・・なんで推測なのよ?」
「・・・日本軍が戦争中に失った潜水艦の多くが行方不明なのです。
つまり、作戦に従事したままなんらかの原因で音信不通となりそのまま帰ってこなかった・・・と。
帝国海軍が喪失した潜水艦は沈没地点が特定されていないものが大半を占めているのです。もちろん、自沈させたものは除いてですが。」
「ふ〜ん・・・。」
「さて、次は話を進めてマリアナでの話に移ります。」
「マリアナ?」
「劣勢にまわった日本軍が定めた絶対防衛圏の一つです。
位置的に、マリアナが陥落し奪取されてしまえば本土が長距離爆撃機の爆撃圏内に入ってしまう為
マリアナ陥落=負け確定という要素が確定してしまっているのです。」
「でも、まんまと奪われてんじゃん。」
「んな、あっさり結末を言わんでも・・・」
「結局はマリアナとやらも奪われたのか。」
「日本軍も自信を持って望んだ決戦だったんですけどね・・・現実はうまくいかないものです。
思いかえせば、決戦以前から日本軍はいくつも不安要素を抱えていたわけですからね。」
「不安要素?」
「日本軍のパイロットがヘボかったのよ。ね〜、ファースト?」
「その様な事を言われるのは心外ですね。彼らの練度が落ちていたのは一ヶ月の空白期間の影響です。」
「そういえば、そんな話もあったな。」
「きちんと訓練さえ行っていればもしかしたら・・・。不毛ですが、そう考えると残念でなりません。」
「よく解らないんだが・・・どうして訓練しなかったんだ?」
「訓練しなかったのではなく出来なかったのです。
機動部隊の停泊していたタウイタウイ泊地は狭いため空母への離着陸が不可能、
また、近くに適当な飛行場も無かったため、機動部隊の母艦機搭乗員は一ヶ月もの間訓練らしい訓練が出来ませんでした。」
「狭いと駄目なのか?」
「んーとね、その時の空母って広いトコじゃないと飛行機の発進とかが出来ないんだって。」
「お前から説明を受けるってのは釈然としないが・・・狭いなら海に出れば良いだろう。」
「その時期になると、フィリピン付近にまでアメリカ軍の潜水艦が出没しているので外海に出るのも危険なんです。
現に、潜水艦狩りに出た日本軍の駆逐艦4隻が沈められてしまっていますし。」
「おいおい、なんで駆逐艦が潜水艦に負けてんのよ・・・。」
「単純に技術力の違いでしょうね。1944年では日米の技術格差が完全に開いてしまった時期ですから。
それにゲームとは違いますから、駆逐艦だからと言って必ずしも潜水艦より強いという事はありません。」
「まぁ・・・、そうだろうな。」
「マリアナ沖での戦いは日本軍の潜水戦隊にも多大な損害を与えました。
この戦いに投入された潜水艦38隻のうち、20隻が未帰還となってしまったのです。」
「38のうちの20って・・・5割以上やられちゃったって事じゃない。いくらなんでもやられ過ぎでしょうが!」
「以前に話しましたよね。日本軍の潜水艦は静粛性が低かったと・・・
一方のアメリカ軍は日本軍よりはるかに静粛性の高いドイツのUボートと互角以上の戦いを繰り広げている軍隊です。
普通に考えれば、日本軍の潜水艦でアメリカ軍に挑むのは難しいかと思われます。」
「しかし、5割の損害とは酷いものだな。」
「だから言ったのよ。おとなしく通商破壊してた方が良いって。」
「マリアナが奪われたら本土が危機に陥るというのに・・・ですか?」
「だって、どっちにしろ役に立ってないじゃん。」
「・・・それは、マリアナに投入した部隊が戦果を挙げてないから出てきた話でしょう?
それに、通商破壊で輸送船を沈めるという戦術目標は果たせたとしても
マリアナを防衛するという戦略目標が達成出来なければ、どちらにしろ批判はされたでしょうし・・・。」
「この後って負け続けて終わりなんだっけ?」
「比島沖海戦にも潜水戦隊は投入されましたが、数がそろえられない上に被害が増加・・・
戦前から考慮されていたまともな方法による艦隊攻撃への潜水戦隊の投入は終わったと見て良いでしょう。
この後は、以前にも説明したと思いますが特攻による戦術が基本になります。」
「私は説明を聞いてないが・・・」
「まぁ過去ログ読めという事で♪」
「ワケ解らない事を言うな!」
「で、結局あんたは何が言いたかったわけ?」
「色々と酷評を受けている日本軍の潜水戦隊ですが
艦隊攻撃にそれなりに戦果を挙げている事、インド洋でも通商破壊を行いそれなりに戦果を得ていた事・・・
彼らを批判するなら、それらを踏まえた上で批判して欲しいと言ったところでしょうか。」
「つーか、これで最後だってのにそんないい加減な説明でいいの?
どこぞの巨大戦艦とかの説明に比べると、思いっきり手抜きな気がするんだけど。」
「マリアナ、比島の後は回天による特攻がメインとなっていきます。
相手によっては通常の雷撃を行う事もありましたが説明が重複してしまうので・・・あ。」
「あって何よ、あって。」
「原子爆弾の輸送に携わった巡洋艦を沈めたのも潜水艦による戦果の一つですね。
比較的有名な巡洋艦インディアナポリス撃沈・・・それに後日談もあり
戦後、インディアナポリスを沈めた伊号の艦長は戦後に呼び出され、アメリカ側から随分と質問されたそうです。」
重巡洋艦・インディアナポリス
「なんでまた?」
「アメリカにとって、国家機密の塊である原子爆弾の輸送に携わっていた巡洋艦が沈められたのです。
もしかしたら、国家機密が漏れてたんじゃないか?と不安を抱いたのは無理も無い話でしょう。
万が一にも情報が漏れているのなら、早々に対処しなければ国家に損害を与えますから至極当然の事かと。
まぁ、全てはアメリカ側の杞憂と徒労に終わった訳ですが。」
「そりゃそーでしょ。大体、日本がそんな極秘情報つかめるわけ無いでしょうが。」
「それは・・・そうですが。」
「ま、いいわ。とにかくこれで終わりなんでしょ?は〜、つっかれた〜。」
「そうですね。では、次の講義の資料を取ってきますのでしばらく楽にしていて下さい。」
「へ〜い。」
「ちょ・・・次ってどういう事よ!いい加減にもう終わりそうなもんでしょうが!」
「もう行っちゃいましたですよ?」
「うるっさいわね〜!」
「ま、良いじゃん。とりあえず休憩休憩〜♪」
「はぁ・・・、一体いつまで続くのよ・・・。」
「んふふふふ〜♪」
「どうしたんだ?いきなり気持ち悪い声をだして・・・」
「だって、あたし達第三次でも無事に出られたじゃん。
三部作全部に出られるなんて光栄の極みだよ?もう、あれだね。スパロボ界のオビワンってトコかな♪」
「いきなり何の話をしているのかと思ったら・・・その事か。」
「あ〜、一作目で出番終わっちゃった人ハケ━━━━(゚∀゚)━━━━ン!」
「いきなり何を言う!我々とて封印戦争とやらでも活動していたではないか!」
「でも、マシュマー様は出てなかったじゃん。」
「ぬ、むぅ・・・。それは仕方あるまい。」
「バルマー戦争ん時に氏んじゃった人だから、しょーがないって言っちゃえばそれまでなんだけどね。」
「ご愁傷様♪」
「ちょっと待て!私は死んではおらんぞ!」
「え?」
「そうなのか?」
「・・・この世界に限って言えば、必ずしも撃墜=死亡では無い。
確かにアクシズでの攻防戦で私はお前たちに敗れはしたが、死んだと確定していた訳ではないからな。
現に、同様に撃墜された他の連中も封印戦争で戦っていたではないか。」
「そういえばそうだっけ。ハマーン様もちゃっかり生きてて仲間になってたもんね。
あの流れだと戦死しててもおかしくなかったと思うんだけど。」
「フ、貴様達ごときにハマーン様がそう簡単にやられるものか。」
「そだね。どっかの誰かさんとは大違い♪」
「ぐぬぬぬ・・・」
「つーかさ、あんたら姉妹って優遇され過ぎよ。毎回毎回出番あるじゃん。」
「へへ〜、私達はスパロボ界のオビワンとアナキンだもん。しょーがないじゃん♪」
「何を言ってるんだ、お前は・・・?」
「あ、ちなみにプルツーがアナキンね。」
「若きプルツーは暗黒面に堕ちた。」
「ちょっと待て!なんで私がダークサイドの人間にならなきゃならないんだ!」
「だって、プルツーって原作でアレだったじゃん。
実のおねーさんを手にかけるなんて・・・どっかのサスペンスドラマのDQN並だよ?
ま、プルツーもダークサイドの中の人も最終的には暗黒面から解放されるっていう共通点もあるし、そんなに気にしなくても良いんじゃない?」
「良い訳ないだろ!」
「古い映画なのに、よくそういうネタ知ってるわね・・・。」
「アナキンが嫌なら・・・じゃあ、チューバッカの方が良い?」
「ふざけるな!誰がチューバッカだ!」
「チューバッカって・・・」
「そーいえば、アスカも今回復活してるんだよね。おめでと〜♪」
「え?ああ・・・ありがと。まぁ、今回はほとんど脇役だけどね。」
「出られただけでも幸運だろ、なぁ?」
「何故、私に同意を求める・・・。」
「でもさ、アスカ達だって機体の性能が上がってるじゃん。
ケーブルが無くなったうえに、バリアはいつも通りだしエネルギーも回復するしで十分うらやましいよ?」
「まぁ、言われてみれば・・・そうかもね。
そういえば、今回からATフィールドで小隊全員守れるようになったりもしてるのよね。」
「ボスクラスの敵相手だとパリパリ割れちゃいますけどね♪」
「その表現止めなさいよ。どこぞの某研究所を思いだすじゃない。」
「グッフッフ。やはりスパロボというのは一種のお祭りのようなものですから
私みたいな主役クラスのキャラクターが出ないと盛り上がりに欠けるのでしょう。ねぇ?」
「つか、話に脈絡無いし、あんたは主役じゃないし。」
「なんてことを言うんですか!仲良く第三次で復活を遂げた同胞に対してあんまりです!」
「え?あんた復活してんの?」
「そうでつ♪なんだかんだ言って私は人気ありますからねぇ。
作品を超えてグローバルに活躍するのは使徒の中でも私くらいのものです。これはタブリスにもムリな話でつよ?」
「作品・・・?お前ってそんなに出番あったか?」
「ほら、ラピュタの中枢として出演したり、ナディアさんの胸元で光ったりいろんなトコに出てるじゃないですか♪
それに、探せばもっと色々出てくると思いますよ。マイナーなトコだと普通にサイコロとかにもなってますしね。」
「そりゃ人違いだっての。八面体ってだけで大きさとか形とか全然違うじゃない。」
「・・・それ以前に人じゃないだろ。」
「プルツーさんもそんな事を言うんですか!スパロボ界のデススターである私に対し優しさの欠片もありませんですよ!」
「デススターって、をい。」
「ま、確かにどっちも移動要塞だからな。」
「デンデンデンデデ、デ〜デデデ〜♪」
「アンタ、何うなってんの?」
「失礼な!これはダースベーダーのテーマでつ。なんで解ろうとしないんですか!」
「解るかっ!」
「私には何の話しなのか解らんが・・・」
「・・・・・。」
「ん?戻っていたのか。」
「お待たせしました。では、次の講義に移りたいと思うのですが・・・」
「え〜!今、忙しいからダメ〜!」
「ダメ〜!」
「?」
「ああ・・・、どういう流れか話が妙な方向に進んでいてな。
そういえば、お前も今回の大戦に参加しているのだろう?今回のという言い方もおかしい気がするが・・・」
「???」
「んーとね、いま第三次の話の最中なんだ♪
ほら、マシュマー様って第一次で死んじゃってるじゃん。だから話についていけてないんだって♪」
「だから、私は死んでいないと何度言えば・・・」
「・・・そういう事ですか。やっと状況が解りました。」
「つか、今はバルマー戦の真っ最中のはずなんだけどな。」
「でもさ、あれだよ。機体も人も多すぎてなんだかワケわかんなくなってきちゃった。」
「そんな事を言うのはお前くらいだろ。」
「じゃあ、プルツーは大作と大次郎とヤマガタケとブンタの区別つく?ハイネルとリヒテルとガルーダとシャキーンは?
シャッフルしたら絶対解んなくなると思うんだけど。あたし、自信あるもん。」
「自慢する話じゃないだろ。
大体、そんな事を言い出したら私達の方が区別しづらいと思うぞ。」
「それにさ、出撃できる小隊も限界があるから、出撃してない部隊の事ってどうしても忘れちゃうし。」
「出撃しないと言えば、例えばカツさんとかカツさんとかカツさんとか♪」
「カツしか言ってないじゃん。それに小隊単位で出撃すんだから別に使えないワケじゃ無いでしょ。
機体の乗り換えが出来るから、穴埋めくらいには使えると思うんだけど。」
「じゃあ、ボルテスとかボルテスとかボルテスとか。」
「知らないわよ。スーパーロボットなんだから壁なりトドメなりには使えるでしょ。あるいはザコ戦相手とか。」
「あ〜、そういえば小隊単位で出撃出来るんだったか。」
「そうそう。小隊みんなで攻撃すると結構強いし便利になったよね♪
その気になればジム・カスタムとかでも最強狙えそうだし。」
「確かに改造次第でどうにでもなるからな。機体に手を加えなくても強化パーツで不備を補う事も出来る。
メインはムリでも後方支援に徹すればどんなパイロットでもどんな機体でも戦局に寄与する事は可能だ。
今回に関しては使えない機体というのは無いと見て良いだろうな。」
「でも、SEGAの機体はいつも倉庫の置物・・・」
「あんた、なに言ってんの?」
「性能は別として・・・キャラも固まってないのに、あのノリについていくのは無理・・・。
正直、彼らの存在理由が解りません。」
「そういう危険な発言は止めなさいって。」
「なんの話してんの?」
「・・・なんでもありません。独り言です。」
「独り言って・・・。おもいっきり聞こえてるっての。」
「それでは潜水艦の説明も一通り終わったところで、次に移りましょうか。」