サヴォ島沖夜戦

 

 

 

 

aikon1-64-53.PNG「昭和17年10月・・・、ガダルカナル島の戦いは物量戦の様相を呈してきました。
一木支隊の夜襲失敗を受け、日本は新たに第二師団の投入を決定したのです。」

aikon2-64-8.PNG「戦力の逐次投入って駄目なんじゃないの?あんた、そんな事言ってなかったっけ?」

aikon1-64-53.PNG「・・・各個撃破の恐れがあるので、優れた戦術とは言えません。
しかし、制空権を奪われ制海権も奪われつつある状況では部隊の大規模輸送など不可能に近いのです。
戦力を逐次投入したと言うのも一つの意見ですが、大規模な戦力を一気に投入出来なかった・・・とも受け取れる訳です。」

aikon2-64-19.PNG「やっぱり、何が何でも旧日本軍を擁護すんのね。」

aikon1-64-53.PNG「・・・受け取り方は人それぞれです。無理強いはしません。
さて、10月1日から第二師団のガ島への上陸が開始されました。
そんな最中の10月11日、第二師団の将兵およそ700人と野砲、曲射砲などの装備品を積載した
下記の8隻の艦艇輸送団がショートランド泊地を出発しました。時間は06:00です。」

 

千歳、日進(水上機母艦)
秋月、朝雲、夏雲、綾波、出雲、白雪(駆逐艦)

 

 

aikon3-64-1.PNG「と言うと・・・サヴォ島沖夜戦とは、これらの艦船での戦いなのか?」

aikon1-64-53.PNG「いいえ。この艦艇輸送団の支援とガ島砲撃のために第6戦隊も出発しています。
サヴォ島沖夜戦の主役はこの第6戦隊です。」

aikon6-64-10.PNG「夜戦かぁ・・・、日本って夜目が利くから有利だったんだよね?ほら、第一次ソロモンなんとかの戦いの時もそうだったじゃん。」

aikon1-64-53.PNG「アメリカは無能の集団ではありません。彼らも彼らで新兵器を開発しています。」

aikon8-64-1.PNG「新兵器?」

aikon1-64-53.PNG「レーダーの事です。アメリカは日本よりレーダー開発で先を行っていました。
対する日本はレーダー=防御兵器という事で開発に力を入れてなかったのです・・・と言うよりは優先順位の差というだけの話ですが。
以前にも話したと思うので、細かい話は止めます。」

「で、日本軍はレーダーは搭載してたんだっけか?」

aikon1-64-53.PNG「日本側は目視に頼っていました。
もっとも、日本軍は長期に亘り夜戦の訓練を積んでいたので夜戦においては絶対の自信を持っていたのです。」

aikon3-64-3.PNG「自信があるのは良い事だが・・・実力の程はどうだったのだ?」

aikon1-64-53.PNG「開戦当初に行われた数々の夜戦や第一次ソロモン海戦の戦いぶりからみると自信過剰というわけでも無いようです。
実力はあったと見て良いでしょう。」

aikon2-64-7.PNG「旧日本軍ひいきのあんたの意見だからどうかと思うけど・・・」

aikon1-64-53.PNG「そうでしょうか。確かに不敗と言うわけではありませんが、勝率として見れば十分かと思います。」

「ま、第一次ソロモン海戦の時は圧勝だったかんなぁ。」

「フフフ・・・圧倒的ではないか、我が軍は。」

aikon6-64-20.PNG「総帥も意外と甘い様で・・・;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン

aikon3-64-7.PNG「・・・何をしているんだ、お前達は。」

aikon6-64-11.PNG「え?お約束。」

aikon3-64-1.PNG「・・・どんなお約束だ。」

「ジオンの将官なら知っておいた方が良いでつよ。ザビ家の方々の権力闘争ですから。」

aikon2-64-35.PNG「それって確か、ア・バオア・クーの時の話でしょ?大事な戦いの最中だってのに何やってんのよ。」

aikon3-64-1.PNG「・・・私に聞くな。」

「やれやれ、どこの世界も変わらんな。」

aikon3-64-10.PNG「だからこそ優れた指導者が必要なのだ。閉塞した地球圏を正しく導くお方が・・・。ああ、ハマーン様・・・」

aikon6-64-7.PNG「私は救いを求める子羊で〜す。」

「どうかこの子羊に知恵と勇気をお与え下さい。」

aikon6-64-13.PNG「ああ、ハマーン様ハマーン様・・・

aikon3-64-9.PNG黙れ!

aikon1-64-53.PNG「・・・日本軍出撃の情報を掴んだアメリカ軍は、巡洋艦×4、駆逐艦×5からなる第64戦隊を迎撃に向かわせました。
この部隊はレーダーを装備し特別な訓練を受けた部隊です。」

aikon2-64-7.PNG「艦名は?」

aikon1-64-53.PNG「・・・日本軍の第6戦隊の名前も出していないので、おあいこという事でご了承下さい。」

aikon2-64-4.PNG「手抜くんじゃないわよ!」

aikon3-64-1.PNG「ところで、日米の戦力差はどの程度なのだ?いくら日本が強いとは言え、アメリカの艦数が9・・・
少なくとも同程度の戦力が無ければ劣勢は免れまい。」

aikon1-64-53.PNG「日本軍は巡洋艦×3、駆逐艦×3からなる部隊です。一方の輸送部隊は、20:20頃無事目的地に到着しました。」

aikon6-64-1.PNG「ふ〜ん、ちゃんとたどり着けたんだ。珍しい事もあるんだね。」

aikon3-64-1.PNG「あまり不謹慎な事を言うな。日本軍の将兵達も頑張っているのだ。
お前の言い方だと日本の補給は必ず失敗すると言っている様にしか聞こえんぞ。」

aikon6-64-17.PNG「別にそんな意味で言ったんじゃないもん!ただ、珍しいと思っただけだよ!」

aikon3-64-7.PNG「私はそういう事を言ってるのではない。言葉には気をつけろと言っているのだ。誤解を生むような言い回しは止めておけ。」

aikon6-64-21.PNG「ひっど〜い。あたしだって悪気があって言ったわけじゃないのに〜!うわ〜ん!」

「女の子を泣かせるなんてサイッテー!」

aikon3-64-1.PNG「何度嘘無きをすれば気が済むのだ・・・。」

aikon6-64-23.PNG「嘘泣きじゃないもん。マシュマー様の意地悪、鬼、悪魔・・・」

aikon3-64-7.PNG「わめくがいい、ほざくがいい、罵るがいい・・・今のお前に出来るのはそれくらいの事だ。」

aikon8-64-4.PNG「マシュマーさん!女の子を泣かせるなんてどういうつもりですか!」

aikon2-64-20.PNG「ヒカリの言うとおりよ!大の大人が小さい子を泣かせてどうすんのよ!」

aikon3-64-3.PNG「お前達、何をそんなに本気になっている?プルはいつもの通り嘘泣きだろう?」

aikon6-64-22.PNG「・・・・・。」

aikon3-64-1.PNG「・・・違うのか?」

「どうやら違うみたいだな。」

「ハマーン様に使える騎士でありながら、女の子を泣かせるなんて騎士の風上にも置けませんですよ!
この責任はどう取られるおつもりですか!」

aikon3-64-1.PNG「私は間違った事を言った覚えは無いが。」

「そういう事ではありません!騎士たる者が言い訳など見苦しいですよ!」

aikon3-64-13.PNG「言い訳をこの私が?ハマーン様に使える騎士ともあろう者が言い逃れをしただと・・・クッ、確かに見苦しい。」

「認めましたね?さぁ、己の非を認めたのなら我が同士エルピー・プルに謝りなさい!両手を付いて頭を下げて・・・さぁ!」

aikon8-64-4.PNG「そうです!ちゃんと謝らないと駄目です!」

aikon2-64-13.PNG「ヒカリはともかく、何でひし形がそこまでしゃしゃり出てんの?」

「さぁさぁさぁ!」

aikon2-64-7.PNG「・・・シカトかい。」

aikon3-64-1.PNG「・・・むぅ。」

「さっさと謝っといた方が、多分後腐れ無いぜ。」

aikon3-64-8.PNG「あ〜、プル。さっきは・・・すまなかったな。その・・・言い過ぎた。」

aikon8-64-4.PNG「そんな言い方じゃ駄目!もっと心を込めて!」

「そうだそうだ!」

aikon2-64-9.PNG「あんたはスネ夫かい・・・。」

aikon3-64-13.PNG「心を込めろと言われてもな・・・。私にどうしろと言うのだ?」

aikon6-64-22.PNG「・・・後で遊んでくれる?」

aikon3-64-3.PNG「は?」

「我が同志エルピー・プルが、寛大なお心で許してくださると言っているのです!遊ぶというのはそのための条件なのですよ!」

aikon2-64-7.PNG「同志って何よ、同志って・・・。」

aikon1-64-53.PNG「同志、それは共産圏におけるお約束の言葉。」

aikon2-64-19.PNG「お約束じゃ無いでしょ・・・。」

「それは良いとして・・・さぁ、どうします?双方にとって落としどころかと思いますが・・・」

aikon3-64-10.PNG「・・・まぁ、いいだろう。私も少し大人気なかったからな。」

aikon6-64-22.PNG「・・・じゃあ、あたしは鹵獲したクインマンサで出るからマシュマー様旧ザクね。」

aikon3-64-1.PNG「分かった分かった・・・って、何の話だ?」

aikon6-64-7.PNG「さっき、遊んでくれるって言ったじゃん。後で模擬戦の相手、よろしくぅ〜。」

aikon3-64-9.PNG「なっ!貴様・・・やはり今回も嘘泣きだったのか!」

aikon6-64-16.PNG「ひっど〜い!嘘泣きじゃないもん!」

「女の子を泣かせるなんてサイッテー!」

aikon2-64-7.PNG「話を無限ループさせんじゃないわよ。」

aikon3-64-6.PNG「モノには限度がある!旧ザクでクインマンサの相手をしろとはどういう判断だ!」

「騎士に二言は無い・・・フフフ、名言ですよねぇ?」

aikon3-64-4.PNG「く・・・。」

aikon2-64-8.PNG「どうでも良いけど、二言がどうたらは騎士じゃなく武士でしょ。」

aikon3-64-8.PNG「・・・仕方ない。騎士たる者、己の言動には責任を持たねばならん。」

aikon6-64-12.PNG「決まりだね。約束約束〜♪」

「とりあえず丸く収まったと見ていいのか?」

aikon8-64-1.PNG「ええ。」

「いや〜、良かった良かった。これぞ大団円ですねぇ〜。」

aikon1-64-53.PNG「・・・勝手に話を終わらせないで下さい。
脱線も済んだようなので、そろそろ説明を再開させたいと思います。・・・とは言っても、この海戦ではあまり話す事は無いのですが。」

aikon2-64-7.PNG「話す事が無いんじゃなくて話そうとしてないだけでしょ?説明するならちゃんとしなさいよ。」

aikon1-64-53.PNG「・・・ガ島砲撃に向かった日本の第6戦隊、日本軍迎撃の為に待ち受けるアメリカの第64戦隊。
サヴォ島付近で哨戒していた第64戦隊は21:00過ぎ、接近する艦影を捕えました。距離はおよそ5000ヤードです。」

aikon6-64-10.PNG「ヤードって?」

「動物性の油です。」

aikon2-64-9.PNG「それはラード。」

「餃子を食べる時に使ったりもします。」

aikon2-64-24.PNG「それはラー油。」

「万能調味料。」

aikon2-64-5.PNG「それは醤油!って言うかヤードから離れすぎよ!」

「エヘへ・・・。」

aikon2-64-15.PNG「エヘへじゃない!」

aikon3-64-1.PNG「・・・ヤードとは距離を表す単位の一つだ。1ヤードは0.9144m・・・単純に考えるなら約90cmと言ったところか。」

aikon6-64-3.PNG「ふ〜ん・・・。」

aikon1-64-53.PNG「一方の日本軍も接近する艦隊を友軍だと思い込んでいたそうです。
旗艦青葉は「ワレ、アオバ」と、識別の為の発光信号を送っていました。しかし、艦影はアメリカの第64戦隊です。
第64戦隊から返ってきたのは発光信号ではなく砲弾でした。」

「いきなりか。アメリカからしてみてば奇襲、日本からすりゃ不意打ちに近いな。」

「ところで、青葉さんって結構冷遇されてません?」

aikon6-64-11.PNG「え、誰?」

「ネルフ本部のオペレーターだろ。」

aikon2-64-35.PNG「誰って・・・、プルも容赦ないわね。」

aikon6-64-12.PNG「だって・・・マヤさんとか日向さんなら分かるけど・・・あと1人の人ってあんま印象ないし。」

「フンフンフン・・・ジャ〜ン!の人ですよ。」

aikon2-64-19.PNG「余計、ワケ分かんないって。」

aikon1-64-53.PNG「・・・アメリカ軍の第1弾は旗艦青葉の艦橋を捉えていました。これにより指揮官の五藤少将が戦死、
二番砲塔三番砲塔にも砲弾が命中し火災が発生しました。」

「あらら、タコ殴りにされてますねぇ〜。」

aikon1-64-53.PNG「損害を受けつつも青葉は古鷹とともに応戦したのですが、アメリカ軍の砲弾は艦に次々と命中。
戦闘不能に近い状況に落ちいった青葉は退避の姿勢に入りました。」

aikon6-64-10.PNG「戦術的撤退?」

aikon1-64-53.PNG「退却です。しかし、青葉が退避行動に移った事で敵の砲撃は古鷹に集中してしまいました。
古鷹も何とか戦場から退避しましたが、航行不能に陥り翌12日の深夜に沈没しました。
また、駆逐艦吹雪も退避が間に合わずに集中砲火を浴び、戦闘開始から程なくして沈没しています。」

aikon3-64-1.PNG「一方的な戦いだな。」

aikon1-64-53.PNG「・・・戦闘終了は10:20、アメリカ軍の指揮官スコット少将の砲撃中止命令で幕を閉じました。双方の損害は次の通りです。」

 

日本軍
重巡・青葉(大破)
重巡・古鷹(沈没)
駆逐艦・吹雪(沈没)

アメリカ軍
重巡・ソルトレークシティ(小破)
駆逐艦・ファーレンホルト(大破)
駆逐艦・ダンカン(沈没)

 

 

「被害を並べられると互角の様な気もするが・・・」

aikon1-64-53.PNG「確かに艦船の被害を見れば、日本もそれほど手を拱いていたというほどではありません。
しかし、本来の目的であるガ島のヘンダーソン飛行場の砲撃が阻止されてしまった事を考慮すると・・・
日本軍の負けと言われても仕方ありません。」

aikon2-64-6.PNG「日本って夜戦には自信があったのよねぇ〜?それなのに負けなんてやっぱり自信過剰だったんじゃないの?」

aikon1-64-53.PNG「・・・日本の敗因は敵を敵と認識出来ていなかった事。
また、第一弾で指揮官の五藤少将が戦死してしまった事も原因の一つと言えます。」

「やっぱりレーダーの有無は大きかったんですか?」

aikon1-64-53.PNG「アメリカ軍の砲撃の命中具合を考えると、
レーダーの性能云々は別として、砲撃の精度はかなりのものだったと言って良いでしょう。」

「まぁ、なんだかんだ言ってボコボコにされてっからなぁ。」

aikon1-64-53.PNG「・・・以降、日本軍は夜戦においても苦戦を強いられる様になります。
この頃のアメリカ軍のレーダーがそれほどの精度では無いとしても、
時間をかければ性能の良いレーダーが開発されるというのは明白な事実。長期戦に陥ると日本が不利になるという良い例ですね。」

aikon2-64-7.PNG「日本もレーダー開発をしっかりやっとけば良かったんじゃないの?」

aikon1-64-53.PNG「・・・日本がレーダーの開発に本腰を入れていたとしてもアメリカには勝てなかったでしょうね。
あちらを立てればこちらが立たず・・・アメリカと違い、どこかを犠牲にしなければならないのです。
・・・さて、サヴォ島沖夜戦については以上です。」

aikon6-64-10.PNG「次の話はなんだろ?」

 

 

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