萌えよ!空母学校 四時限目
「で、なんであんなくだらない事をした?」
「ムシャクシャしてた。講師が務まればなんでも良かった。今は反省している。」
「まったく・・・、プルの説明に少しでも感心した自分がバカみたいじゃないか。」
「ムシャムシャしてた。草ならなんでも良かった。今は反芻している。」
「るさい! アンタは黙ってなさいよ!」
「(´・ω・`)ショボーン」
「すみません。良かれと思ってやってみたのですが・・・」
「レイは別に謝る必要は無いだろ。問題なのはコイツなんだから。」
「ごめんなさ〜い!うわ〜ん!」
「泣くな!」
「アハハハハ〜!」
「笑うな!なんなんだ、お前らは!」
「だいたい、なんでファーストもプルを止めようとしなかったのよ。年上なんだからそういう時こそ注意するモンでしょ?」
「返す言葉もありません・・・。」
「おまけに爆竹がどうとか北斗がどうたらなんて脱線までさせちゃってさ。もうちょっと真面目にやんなさいっての。」
「・・・え?」
「え?じゃないわよ。アレもあんたの入れ知恵 でしょ?」
「私は存じませんが・・・」
「へ?」
「じゃあ、あの映画ネタは・・・?」
「ウリジナルニダw」
「アレは中々分かりやすかったよな。元ネタ知らんと分からんだろうけど。」
「・・・・・。」
「ところで、これからどうするのだ?まさか、まだプルが講師役を務めるという事は無いだろうが。」
「色々と不足している点もあるので、私が補足しながら説明していこうかと思うのですが・・・」
「結局、元に戻ったか・・・。」
「ホントはもうちょっとやりたかった んだけどね・・・。」
「お前には荷が重すぎた様だな。」
「(´・ω・`)ショボーン」
「( ・ω・)σ)ω`)∩ ドンマイ」
「では、そろそろ始めましょうか。それでは先程のおさらいとしてヨークタウン型の話から進めていきたいと思います。」
アメリカ海軍 空母・ホーネット(ヨークタウン型)
「またコレ?」
「・・・それが何か?」
「なんつーか、三歩進んで二歩戻ってる気がする のよね。さっきも説明聞いたし。」
「では、省略します。」
「ちょっと!それ、アメリカの空母だからでしょ!」
「・・・ヨークタウン型についての基本的な説明は、前回でほぼ終了していますから。
条約の範囲内で排水量を調整して建造された機動部隊として運用可能な空母・・・あとは何かありましたっけ?」
「何かって言われてもなぁ。」
「我々に聞かれても困るが・・・。」
「そういえば、ヨークタウンのカタパルトは飛行甲板だけではなく格納庫の中にも設置されていたそうですね。」
「格納庫って・・・船の中にある格納庫の事だろ?」
「そりゃそーじゃん。空母なのに船の外に格納庫なんてあったらワケ分かんないし。」
「なぜ、艦の内部にカタパルトがあるのだ?」
「格納庫から艦載機を直接射出するための措置です。
これは、日本やイギリスが採用していた多段式飛行甲板をアメリカが過大評価していたから、
それに対抗するため、格納庫の中にカタパルトを設置するという方法を採用したのだとか・・・
格納庫のどちら側からどのように射出出来たかまでは調べていないので、下の図はある意味想像図となってます。
そのあたりはご了承下さい。」
「これって使えたのか?」
「・・・開放型格納庫とは言え、開放されているのは艦の側面です。
つまり、艦載機は横に射出される事となり風の影響をマトモに受けてしまいますから・・・あまり芳しくはなかったようですね。」
「さすが合理的なアメリカ空母でつね( ´,_ゝ`)プw」
「うるさいわよ!どこぞの国の多段式飛行甲板に比べりゃマシでしょうが!」
「その飛行甲板を過大評価していたのはアメリカですよ?」
「うるさいっつってるでしょ!風が邪魔だってんなら船を止めて発艦させれば良いだけじゃない!」
「おいおい、そんなムキにならんでも・・・」
「誰がムキになってるってのよ!」
「焦っているだと?私は冷静だ!」
「ガルマ様キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」
「うるさいっ!」
「(´・ω・`)ショボーン」
「触らぬ神に祟り無しと言ったところか。今は静かにしておいた方が良いぞ。」
「・・・艦を止めてしまえば、稀な状況を除外すれば通常発艦が行えません。
それでは、発艦効率を高めようとして格納庫にカタパルトを設置した意味が無くなりますが・・・」
「るさいっ!アンタいちいち細かいのよ!」
「アスカさん。」
「何よ?」
「もうね、泥沼 。」
「な、何がよ!」
「だって、反論するたびに深みにハマってくじゃないですか。ここはいつもどおり押し黙っちゃう のが得策かと。」
「うるさいっつってるでしょうが!ひし形のくせに生意気言うんじゃないわよ!」
「ところで、さっき言った稀な状況ってのは?」
「これは日本側の話になりますが、航空機が発艦するには風速15mの風が必要とされました。
発艦時の風の状態にも左右されますが、基本的には、ある程度の速力で艦を風上に向けて航行させなければ
航空機は発艦出来ない仕組みとなっています。」
「なんで、そんなめんどくさい仕組みしてんの?」
「・・・空母では飛行場の様に滑走距離を多くとる事が出来ん。
滑走距離が足らなければ揚力が足りず航空機も飛び揚がれないというのはお前でも分かるだろう?」
「う〜・・・」
「それでも航空機を発艦させなければ空母としては役に立たんから、なんとしてでも揚力を確保する必要が出てくる。
要は航空機が浮き上がるための揚力を得る行為だと思えば良い。」
「余計にワケわかんないんだけど・・・」
「それはお前くらいだろ。私は理解出来たぞ。」
「・・・凧を揚げる時、風があれば何もしなくても比較的簡単に揚げる事が出来ますが、無風状態だと助走が必要になりますよね?
少々乱暴な説明ですが基本的にはそういう事です。」
「あ、そっか。」
「ま、ぶっちゃけそういう話だわな。」
「空母の話に戻しますが、自然に風速15mの風が連続して吹く様な天候であれば
艦を航行させなくても理論的には発艦が行える状態であるという理屈になるわけです。
ですが、そんな天候はそうそう起こりえるワケでもありませんし作戦に組み込めるワケでもありません・・・ですから稀な状況である、と。」
「ふ〜ん、なんか難しすぎてよく分かんないや。」
「・・・ちなみに、この時期のアメリカ空母が使用していたカタパルトは油圧式、日本が開発していたのは火薬式です。
カタパルトと言っても原理は様々・・・理解されているとは思いますが、一応念のため。」
「そうそう、カタパルトにはいろんな種類があるんだもんね。それはちゃんと分かってたよ、エヘへ♪」
「・・・・・。」
「・・・条約型として作られたヨークタウン型ですが
それでもまだ保有排水量に余裕があったため、その余剰分を利用して造られたのが何度も話に出ているワスプです。
さて、この時期のアメリカ空母についてはこんなところでしょうか。」
「早っ! 」
「正直なところ、前回の説明で終わりにしてしまっても良いくらいでしたからね。
次は翔鶴型の説明に移りたいと思います。」
帝国海軍 空母・瑞鶴(翔鶴型)
「これもさっき出てたよな?」
「こちらについては少し不十分な点があったので、若干補足していきます。」
「そなの?」
「・・・空母そのものの説明としては問題ありませんでしたが、
その後の戦局や兵装の変化等とも合わせて考えると・・・やはり説明不足は否めません。」
「説明不足とは?」
「例えば、艦橋の配置についてです。
翔鶴型は元々は写真にあるような右舷艦橋ではなく、左舷に配置する予定でした。」
「右舷でも左舷でもどっちでも良いじゃない。なんで、んな細かい事にこだわってんのよ。」
「これは、以前説明した横向き煙突とも関係しています。
図で見れば分かると思いますが、片舷に両者を集中するよりは左右に分散させた方が重量バランスという点においては優れてますからね。」
片舷に集中配置 左右に分散配置
「分散した方が良い様な気がするが・・・」
「あれ?でも、さっきの写真だと片側に寄っちゃってなかったっけ?」
「重量バランスという点では優れていたのですが、分散した事で艦の後方の気流が乱れる事も判明したのです。
このため、分散配置を採用したのは赤城・飛龍のみで以後の帝国海軍の島型艦橋は右舷への集中配置が執られる事になりました。
計画では分散させる予定だった翔鶴型空母の艦橋も右舷へと変更されています。」
「何故、左右に分けると気流が乱れるのだ?」
「さぁ・・・?」
「さぁ?って、をい。」
「・・・これはあくまで推測ですが、艦橋による風の乱れと煙突からの排煙が相互に干渉して艦後方の気流を乱していたのではないかと。
これと言って根拠はありませんが、それくらいしか思い当たる節もありませんし。」
「おいおい、ちゃんと調べなさいっての。
それに、気流の乱れ気流の乱れって神経質過ぎ。んなのテキトーで良いでしょうが。」
「・・・気流が乱れれば着艦ミスを誘発し事故が起きるかもしれません。
それでなくても空母への着艦というのは危険なのですから、出来る限り安全へ配慮するというのは至極当然の事です。」
「瞬殺♪」
「ひし形うるさい!」
「艦橋と言えば・・・建造当時は問題無かったのでしょうけど、少し小さい 気がしますね。」
「そうなのか?確かに日本の空母の艦橋はやや小さく見えていたが・・・」
「小さいとダメなの?」
「ダメという事はありませんが・・・戦争初期と後期では艦橋で行う作業にも差が出てきています。
現に、飛龍の設計を流用して造られた雲龍型でも艦橋そのものに変更が加えられ、かなり大型化していますからね。
翔鶴型でも高射装置の上に電探の空中線を載せたりもしていますから・・・やはり多少不便な面はあったかと思われます。」
帝国海軍 空母・飛龍
帝国海軍 空母・葛城(雲龍型)
「なんで最初っから大きめに造っておかないのよ。ホント、目先の事しか考えないのね。」
「艦橋を大きくすれば艦の安定性にも影響しますし、航空機運用の妨げとなる可能性も出てきます。
小さく造ったのにはそれなりの理由があるんです。」
「また・・・」
「うるさい!」
「ねぇ、ちょっと思ったんだけどさ・・・」
「・・・何でしょうか?」
「こーしゃそーちって何?」
「何と言われましても・・・、高射装置ですとしか答えようがありません。」
「そういう意味じゃないでしょ。その高射装置ってのが何すんのかって話でしょうが。」
「そうそう♪」
「・・・それでは、良い機会ですから対空射撃について少し説明していきましょうか。
とりあえず、こちらの図をご覧下さい。」
「なんだこれ?」
「これは上が攻撃機、下が空母及び高角砲をイメージしています。
さて、対空射撃を行うとしたらどのようにすれば良いと思いますか?」
「どの様にって・・・私らがそんなの解るわけ無いでしょうが。」
「各砲座、各個に照準!左舷、弾幕薄いぞ、なにやってんの!」
「ブライトさんキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!」
「・・・状況にもよりますが、各砲座が独自の判断で対空射撃を行うと言うのは、あまり効率が良いとは言えません。」
「(´・ω・`)ショボーン」
「そこで出てくるのが高射装置と呼ばれる兵装なのです。」
94式高射装置の場合
「図では、高射装置一基に対し砲座も一つですが、
戦艦や空母などの大型艦艇では複数の高射装置を装備しており、高射装置の麾下に複数の砲座があるのが基本です。」
「・・・ブライトさんじゃダメなの?」
「・・・簡単にですが、双方の違いを図で示してみました。こちらです。」
高射装置有り 高射装置無し
「仮にCを攻撃目標として攻撃するにしても、
左の図の様に、高射装置で麾下の砲座を連携させ発砲タイミングを合わせた方が濃密な弾幕が展開出来るのに対し
各砲座が各個の判断で射撃したのでは、例え攻撃目標の選定が一致したとしても
発砲のタイミングや信管の秒数調整等も考慮すると明確なズレが生じてしまう可能性が出てきてしまいます。
高射装置はそれらのズレを解消するために設置され対空射撃の威力をさらに高めるはず
でした。」
「高めるはず・・・とは?」
「残念ながら・・・開発当時はそれで良かったのですが、戦争中の航空機の発達速度が異常でしたから。
機構上、観測者による誤差は避けられませんし、機械式であるため遊隙誤差の生じる諸元計算装置では十分に対応できませんでした。
また、測敵にかかる時間もそれなりに必要とされましたし・・・」
「・・・昔の兵装は大変だな。」
「・・・先の高射装置は高角砲に関する兵装ですが、
空母には近接防御用に機銃も多数装備されており、当然それらを統制する射撃指揮装置が存在します。」
「こーしゃそーちと何か違うの?」
「射撃効率を高めるという目的は一緒ですが、造りそのものは全く別です。図で表すとこのような感じですね。」
95式射撃指揮装置の場合
「さっきのと何が違うんだ?」
「先程の高射装置は砲側に情報を伝達するまででしたが、
こちらの射撃指揮装置の場合では、射撃指揮装置そのものから機銃を直接制御する事が出来るのです。」
「直接制御?」
「つまり、射撃指揮装置で敵を狙うために左右上下に動かすと、制御下の機銃も左右上下に自動的に動くという事です。」
「日本なのに?」
「・・・それはどういう意味ですか?」
「だって、日本ってなんでも人力とか精神力でやってたイメージがあるし。」
「勝手なイメージで判断されても困りますが・・・」
「これは、簡単に言うなら遠隔操作が出来るという事だろう?」
「そうですね。」
「じゃあ、ブライトさん用済み?」
「ブライトさんテラカワイソス(´・ω・`)」
「先程の高射装置ではありませんが、こちらも機構的な問題があり遠隔操作を利用した従動射撃も効果十分とは言えなかった様です。
弾薬の装填には人の力が必要ですし、万が一射撃指揮装置が故障・破壊された時の為にも人員を配置しておく必要があります。
それに、遠隔操作を利用した従動射撃ばかりしているわけでもありませんからね。」
「効果が薄かった、か・・・そういう話ばかりだな。」
「最終的に、対空射撃に効果を上げたのは単装機銃と弾幕射撃だったという話もありますからね。
対空射撃はあくまで最後の手段であり、防空の要は制空戦闘機の存在と言えるでしょう。」
「弾幕射撃?ブライトさんのと違うの?」
「・・・大雑把にですが、図で表してみました。」
「なにこれ?」
「弾幕射撃とは、狙って撃つというよりは一定の範囲に弾をばら撒くという方法と言えます。
良く言えば効率的に弾幕を張ることが出来ますが、悪く言えば当たるかどうかは神任せと言った具合です。」
「テキトーに撃ったって、敵が落とせるワケ無いでしょうに。」
「対空射撃の目的は敵の攻撃を阻止する事です。
もちろん撃墜出来るならそれに越した事はありませんが撃ち落せるかどうかは二の次なんですよ。」
「落とさなくて良いの?」
「少しは考えてから喋れ。
当時、空母に直接的に被害を与えられるのは爆弾か魚雷くらいのものだろ?」
「そだよ。」
「だから、別に落さなくても爆撃や雷撃の邪魔さえ出来れば自艦は守れるって事になるわけだ。分かったか?」
「あ、そっか。プルツー冴えてるね♪」
「頭ナデナデしてあげましょう♪」
「撫でるな!私はネコか!」
「ところで単装機銃ってのは?」
「当時、日本軍が装備していた機銃の多くが三連装のものでした。
しかし、機構上左右の旋回と上下の仰俯角を別々に行わなければならなかったため、どうしても時間的なロスが生じてしまったのです。
そこで三連装ではなく、1人で取り回しが容易な単装を設置したところ、中々良かったそうなので・・・」
「でも、一番効果があるのがテキトーに撃ちまくるって・・・なにやってんだか。
アメリカみたいにVT信管とかレーダー射撃が出来ないんじゃしょーがないでしょうけどね。」
「・・・対空射撃についてはアメリカも完全だったとは言えませんよ。現に特攻機の対策には苦慮していますからね。」
「あれは反則 でしょうが!普通の対空戦闘にあたふたしてた日本と一緒にすんじゃないわよ!」
「・・・日本側ではそれほど評判が良くない対空射撃でしたが、アメリカからしてみればやはり脅威だった様です。
レイテの時など、日本がレーダー射撃をしていると勘違いしたアメリカ兵も居たとかなんとか・・・」
「ところでさ、アメリカの対空射撃ってどんななの?」
「アメリカの場合は、日本の様な光学測距の他にレーダーを利用した対空戦闘が行えたという話です。
それだけでもアメリカ側に分がありますが護衛艦の数が多い事で、さらに濃密な弾幕を展開出来ます。
正直なところ・・・大戦後半に帝国海軍が通常攻撃ではまともな戦果が得られないと判断したのもムリは無いかと思います。」
「ちょっと、ここは戦史の話をするトコじゃないでしょうが。」
「すみません。つい・・・」
「今、ふと思ったんだが・・・」
「どうしました?」
「イギリスの空母 ってドコ行ったんだ?全然話に出てきてねーけど。」
「あ、そういえば。」
「キ〜ン コ〜ン カ〜ン コ〜ン♪」
「・・・時間みたいですね。」
「んじゃ、次はお昼休みって事でよろしく〜♪」
「では、次の時間は戦争後期から戦後の空母へと話を進めていきたいと思います。」
「ちょっと待った!イギリスの話はドコへいったのよ!」
「イギリスの空母は基本的に飛行甲板に装甲を施した空母が多かったのですが・・・」
イギリス海軍 空母・アークロイヤル
「随分、艦高がある気がするが・・・これで飛行甲板に装甲を張っているのか?」
「張っていたかもしれない可能性があるらしいです。」
「なによ、その曖昧すぎる返事は。」
「通説だと、飛行甲板に装甲を張ったのはイラストリアスかららしいのですが・・・」
イギリス海軍 空母・イラストリアス
「フューリアスに1インチの防御鋼板が張ってあるので、
カレイジャス級やアークロイヤルにも張ってあるかもしれない・・・くらいの信憑性です。正直なところ、どちらなのか分かりません。」
「分かりませんって、をい。」
「私は神様ではありませんので・・・」
「でもさ。日本の装甲空母の時にトップヘビーがどうたら随分説明してたけど、結局取り越し苦労だったんじゃないの?」
「イラストリアスに関しては、格納庫を一層に減らす事で艦高を下げていますし、
後のインプラカブルでは格納庫を二層にしていますが、やはり装甲を減らしたり艦高を下げたりしています。
もっとも、装甲空母については以前大鳳で説明しましたから・・・省略しても問題は無いかと思うのですが。」
「そんな手抜きな説明で良いのか?」
「イギリスの空母は日本とアメリカの様に空母決戦を行っていないので評価が難しいのです。
もっとも、艦載機の開発もあまり芳しくなかった様ですから、仮に日本と戦ったとしてもどこまで戦えたかは疑問ですけどね。
ちなみに、イギリスで高い評価を受けている戦闘機はアメリカから貸与されたF4F戦闘機だったと言われています。
もちろんF4Fは良い戦闘機だとは思いますが・・・そういう評価が出される状況です。
攻撃機にしても、ソードフィッシュを使い続けていた事から考えて、イギリスの空母運用については推して知るべしと言ったところかと。」
「でも、空母の話してんだからちゃんと評価するべきでしょうが。」
「空母同士で戦っていない以上、評価のしようがありません。
例えばの話ですが、日本が戦争後期に造った雲龍型はどう評価すれば良いと思いますか?」
「どうと言われても・・・雲龍型とやらは海戦に参加してはいなかったはずだが。」
「・・・そういう事です。
これは私見ですが、空母の評価は空母だけではなく艦載機や運用方法などとセットで考えるべきだと見ています。
空母だけあっても艦載機が無ければどうにもならないのは、戦争末期の日本の状態が示していますからね。」
「でも、イギリスだってアメリカから戦闘機とか攻撃機とか借りて運用出来てたんじゃなかった?」
「借りる相手が居てうらやましい限りですとしか良い様が無いのですが・・・」
「あの〜・・・」
「お昼休みにしたいんだけど・・・」
「・・・すみません。では、ここで一旦区切ります。」