講義終了後
「・・・それでは、お疲れ様でした。」
「はぁ、やっと終わったのね・・・。なんだって戦闘でもないのにこんなに疲れなきゃなんないのよ。」
「加齢が堪えるんですか?」
「だから、なんでアンタはそういう事を言うのよ!私はまだ14歳だっての!」
「え〜、せっかく大人っぽいって褒めてあげてるのに〜」
「どこがよ!」
「・・・・・。」
「ねぇ、今片付けてるのって何かの本?それ見たことないんだけど・・・」
「・・・資料ですよ。集めた資料の全部を使ったわけではありませんからね。」
「んじゃ、あたしがそれ使ってもいい?」
「は?」
「んふふふふ〜、実はちょっと先生役ってのに憧れてたんだ〜。どーせ時間があるんだからちょっとくらいやってみたいんだけど♪」
「はぁ・・・、私は別に構いませんが・・・」
「それじゃ・・・」
萌えよ!空母学校
開校
「・・・なんだこれは?」
「え〜とね、なんか今戦車のヤツが流行ってるんだって。だからそれに対抗してみようと思って♪」
「ブームなんて一過性のものじゃないのか?大体、お前何も考えて無いだろ。」
「だいじょぶだいじょぶ、いざとなったら説明はレイに任せちゃうから。」
「はぁ・・・。」
「・・・で、なんで空母なの?」
「真っ先に手に取った本に空母が載ってたからこれでいいやと思ってさ♪」
「完全にいきあたりばったりじゃない・・・。」
「それにしても、実際に空母学校なんてもんがあったのか?」
「え?あ・・・どうなんだろ?」
「・・・私は聞いた事がありませんが。」
「・・・そうなんだ。」
萌えよ!空母学校
閉校
「いきなり終わるな!」
「だって、空母学校が無いんじゃしょーがないじゃん。」
「・・・少しくらい自分の行動に責任を持ったらどうだ?別に戦史を語るのではないのだから実際の有無は関係あるまい。」
「そんなもんかな?」
「こういうのは志が大事なんですよ。同志エルピー・プル(さん)細かいことは気にしないでとりあえず進めてみましょう。」
「そっか、それもそーだね。んじゃ、始めるね?えーと・・・」
創世記
初めに、神は戦場を創造された。
戦場には歩兵があって、様々な乗り物があり、軍艦が水の面を動いていた。
神は言われた。「飛行機あれ。」こうして、ライトフライヤーがあった。
神は原初の飛行機を見て、良しとされた。
戦場は陸と海で分け、陸は陸軍、海は海軍と分かれていた。
終戦があり、開戦があった。第一の日である。
「・・・なにこれ?」
「聞きたいのはこっちだ!なんだそれは!」
「・・・すみません。資料の中に変な物が混ざっていたみたいです。」
「ファースト・・・。アンタ、どんな資料集めてたのよ。」
「・・・まぁ、細かいことは気にしない方向でお願いします。」
「ところでライトフライヤーとはなんだ?」
「え〜とねぇ・・・一番最初に作られた飛行機なんだって。写真はコレ。」
ライトフライヤー号
「おもちゃかなんかにしか見えないな。」
「これを見て、数十年後に戦力の中枢を担う兵器となるなんて想像できた人はそうは居ないでしょうね・・・。」
「はっは〜、挟まっちまったぜ〜!」
「なんか黒い人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」
「いきなり何を言い出すのよ。」
「え?ああいう飛行機見ると、翼と翼の間になんか挟まりそうな気がしません?」
「しないわい!」
「良い人だもんね、あの黒い人♪」
「何の話か解らんが・・・
プル、お前は一応講師役だろう?お前が脱線させてどうする。」
「あ、そうだったっけ。」
「先生役をやりたいなら、もう少しちゃんとしろ。話が全然進まないじゃないか。
空母学校とか言いながらいまだに空母のクの字も出てきてないってのはどういう事だ?」
「だって、空母の説明するなら飛行機から始めないとワケ分かんないじゃん。
空母が出来て飛行機が生まれたわけじゃないんだし。」
「お前・・・思いついたようにマトモな事を言うなよ。」
「それじゃ、ここで質問!最初の頃の飛行機の役目は何だったでしょうか?」
「は?」
「・・・軍事面で航空機が使用され始めたのは、第一次世界大戦が最初だったと言われています。
飛行機も時と共に改良されていきましたが、一番最初に実戦投入された時は先程のライトフライヤーとさほど変わらない様な機体です。
それらをどのように戦争に活用したか?・・・という質問ではないかと。」
「そういう意味か・・・やっと分かった。」
「最初の頃の飛行機って・・・あれじゃ飛ぶのもやっとじゃないのか?」
「あの様な複葉機では、正直なところ空戦を行えるとも思えん。精々、偵察が精一杯だと思うが。」
「あー、マシュマー様、そんな簡単に正解出しちゃったらつまんないじゃん。」
「空気の読めない人はこれだから困ります。」
「何を言うか!そもそも、人に質問しておいてその言い草はなんだ!」
「で、飛行機がどしたの?」
「んーとね。最初の頃は性能が低くて偵察くらいにしか使えなかったんだって。
でも、そのうちに偵察機同士で銃撃戦をしたりちっちゃい爆弾落としたりとか、段々いろんな事するようになったらしいよ。」
「いろんな事って・・・」
「でも、あんな飛行機で銃撃戦なんか出来んのか?」
「最初の頃は銃撃戦と言っても、文字通りパイロット同士が拳銃で撃ち合うというものだったとか・・・
爆弾を落とすにしても、爆弾そのものも砲弾を改造した小さなもので投下装置も照準も原始的なものだったそうです。」
「ふ〜ん。」
「・・・お前が聞き役になってどうする。で、偵察機がどうしたんだ?」
「飛行機ってやっぱりそれなりに便利だったんだって。
でも、陸上で使うだけじゃなんかもったいないし、どうにかして海でも使えないかって考えるのが人情ってモンじゃん。
それで生まれたのが空母なの。」
「それで生まれたと言われても・・・そこまで簡単に物事が進む事はあるまい。
紆余曲折があるのが世の常だろう?そのあたりの説明はどうした?」
「えー、めんどくさいなぁ。そんなのテキトーで良いじゃん。」
「・・・いい加減にも程がある。お前、本当にやる気あるのか?」
「あるよ。必要なとこは説明していらないとこは省く・・・当たり前の話じゃん。」
「省きすぎだ!」
「説明に不足分がありましたら、こちらで補足していきますので・・・とりあえず続けてみましょう。」
「結局アンタが説明するんかい。」
「まぁ、これが人類補完計画というヤツでつよ♪」
「そうそう♪」
「おいおい・・・」
「じゃ、ホームルームはこれで終わり。こっから先が一時限目って事でよろしく〜♪」
「・・・これまでって、ホームルームだったの?」
「家に帰るまでがホームルームです。」
「それは違うだろ。」
「え〜と、これからはちゃんとした授業してくから、とりあえず予習復習しといてね?」
「・・・それが一番必要なのはお前だと思う。」
「同感だな。」
「あたしならだいじょぶだよ。いざって時のための参考書だってあるし♪」
「・・・もしかして、参考書とは私の事ですか?」
「うん♪」
「・・・・・。」