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北号作戦他
「・・・次は1945年初頭の話をしたいと思います。長きに亘る戦争もこの年に終結する事になります。」
「ふ~ん、そうなんだ。」
「と言うと・・・やっと平和になるのね。」
「・・・日本にとっては、という要素が付きますけどね。
一つの戦争が終わったからと言って、それが全世界の平和に繋がらないというのはテッサ先生も仰ってますから。」
「それにしても、日本は随分しぶといわね。もう、あんたの大好きな空母は残ってないってのに。」
「・・・空母ならありますよ。以前、説明したとおり信濃は沈没してしまいましたが他にも空母の建造は進んでいましたからね。
ただ、空母があろうとも乗せる飛行機と人員が不足しているだけです。以前の比島沖海戦でも、かき集めて100機程度だったのですから。」
「・・・そういえば、そんな話もあったな。」
「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけどさ・・・」
「どうした?」
「ずっと話しに出てきた日本だけどさ・・・どこにあんの?」
「・・・・・。」
「どしたの?」
「プル・・・、それはもしかしてギャグで言っているのか?」
「クロ高ネタでつか?」
「それはもしかしてギャグで(ry」
「何の話か分からんが・・・」
「とりあえず、地図を出しておきましょうか。」
日本列島
「なんか、無意味に大きくない?」
「・・・大日本帝国ですから。」
「ワケ分かんないわよ!」
「さて、中国やロシアからすれば嫌がらせとしか思えないような位置にある日本列島ですが・・・」
「う~ん・・・。」
「どうしました?」
「どっからどこまでが日本なのか分からないんだけど。」
「北海道、本州、四国、九州とその辺りの島々でしょ。」
「・・・当時は違います。」
大日本帝国
「色分けするとこんな感じでしょうか・・・。」
「ふ~ん。」
「をいをい、こんな地図載せちゃって良いの?」
「確かに大日本帝国と言っても、内地や準外地などそれなりに区切られていましたから
一括りにしてしまうのは誤解があるかもしれませんが・・・」
「そういう問題じゃないっての!」
「何か問題か?」
「こんな地図載せちゃって・・・どっかから苦情来ても知らないわよ。」
「某半島とか某半島とか某半島とか。」
「・・・苦情?よく分かりません。
当時は半島も日本の一部だったのですから、間違ったことは言っていないと思いますが。」
「そーいう、誤解を招くような発言は止しなさいっての。」
「まぁ・・・地図そのものは手描きですから、
満州国やロシアとの国境線が違うとか台湾が抜けているとかの野暮なツッコミは無しの方向でお願いします。」
「ちょっと、話は終わってないでしょ!」
「・・・終わったんです。日本の話に移る前に、フィリピンの方の話をしておきますね。」
「この地図は確か・・・前回の戦いのものだな。この地図がどうかしたのか?」
「・・・年が明けた1945年1月4日、レイテ島のアメリカ軍約20万がルソン島への上陸を意図した作戦行動を開始したのです。
上陸地点はルソン島のリンガエン湾。ちょうど、ミンドロ島の北側付近になります。」
「アメリカ軍が侵攻するのはともかく・・・日本軍って何か出来んの?」
「・・・日本軍は侵攻するアメリカ軍に対し、特攻隊を出撃させました。
上陸前に攻撃する手段としてはそれくらいしか残されていません。
1月4日から9日まで行われた特攻に投入された正確な機数は分かりませんが、海軍だけで80機以上の稼動機が突入。
空母3隻を含む艦船30隻以上に損傷を与えました。
特に1月6日に行われた特攻は苛烈で、アメリカ軍の上陸を1日遅らせる事に成功したのです。」
「たった1日だけ?」
「1日とは言え、侵攻を遅らせる事が出来たのは奇跡と言って差し支えは無いでしょう。
もちろん、1日の遅れが戦局に大きな影響を与える事はありませんでしたが・・・」
「ざんね~ん。」
「20万もの人員を動員できるとは・・・アメリカ軍の戦力は相変わらずだな。」
「泥沼の東部戦線では1千万単位でソ連兵が戦死していますから・・・世の中、上には上がいるものですね。」
「比較が間違ってるわよ・・・。」
「・・・フィリピンでの特攻作戦は1月上旬に終了。
以後は山下大将指揮の下、ゲリラ戦を主体とした防衛戦に移っていきます。」
「山下大将?」
「・・・山下奉文陸軍大将。この方で有名な話といえばシンガポールのイギリス軍に対しイエスかノーかと迫ったとされる逸話ですね。
戦争初期のマレー攻略戦を指揮しマレーの虎と称されていました。
彼の人物像は勇猛果敢、高潔など・・・色々言われていますが、悪い評判は聞かないですね。」
「マネーの虎?」
「ノーマネーでフィニッシュで~す♪」
「・・・・・。」
「・・・フィリピンについてはこんなところですね。」
「もう終わりなのか?」
「はぁ・・・何かいけませんか?」
「いや、いつもだったらもう少し説明するんじゃねーのかなって。ほれ、ガダルカナルの時なんか丁寧に説明してたじゃねぇか。」
「当講義は一応海戦を主体としていますので・・・陸軍の戦いについては必要以上に取り扱うつもりはありません。」
「どーせ、知らないだけでしょ?」
「・・・否定はしません。」
「をい・・・。」
「それに、これまでの戦いで省略した説明はいくつもあります。
全てを取り上げていては、いつになったら終わるか本当に分からなくなりますから・・・」
「フィリピンが終わったと言う事は・・・次はいよいよ日本か。」
「・・・そうですね。」
「やっと終わりが見えてきたって気がするね~♪」
「ほんとほんと♪」
「次は、以前少し紹介したB-29に関する説明になります。」
「なんだっけ?」
「アメリカ軍が開発した、高々度を高速で飛行できる大型戦略爆撃機だ。日本軍からみれば厄介な相手だったはずだが。」
「えへへ、あんまり前の話だから忘れちゃうって。」
「ホントホント♪」
「・・・それでは、少し復習しながら説明していきたいと思います。では、まずおさらいから・・・こちらがB-29です。
B-29スーパーフォートレス
「前にも出したでしょ、コレ。」
「・・・だから、おさらいだと言ったでしょう?細かい性能については省略しますが、
日本軍機にとってかなりの強敵である事に違いはありません。」
「なんで大変なの?」
「当時の日本軍機では高々度を飛ぶのが大変だったからです。おまけにB-29と同高度まで上昇するのも一苦労・・・
日本軍は、早期警戒能力もさほど高い訳ではありませんから、迎撃体勢に移るだけでも大変な訳です。」
「何がなんだか分からないんだけど・・・」
「B-29の情報は比較的早期に日本軍も掴んでいた為、その迎撃機の開発も当然進んでいました。」
局地戦闘機 雷電
機動性や航続距離を犠牲にして上昇力と速度を追求した機体。
武装20mm機銃×2 7.7mm機銃×2
「日本軍って、こんな飛行機あったの?」
「?」
「だって、日本軍って零戦のイメージしか無いから・・・。」
「・・・日本も色々試行錯誤しつつ頑張っていたんです。ちなみにこの雷電は三菱製です。
零戦の改造や後継機の開発に追われていた技術者から見れば大変な話ですね。」
「零戦の後継機・・・前に話しに出た烈風とやらか。」
「で、この飛行機がどうしたわけ?」
「ぬぅ、まさかこの飛行機は・・・」
「知ってるの?雷電!」
「へ~、あんた何か知ってんの?」
「いや、別に・・・」
「そのネタがやりたかっただけかい・・・。」
「エヘへへ~♪」
「・・・雷電の敵はB-29等の爆撃機です。
空戦能力はあまり高くなく、軽量戦闘機に乗り慣れた熟練パイロットの方からの評価は高くありませんでした。」
「まぁ、見た感じずんぐりむっくりって感じがするからな。何となく重そうに見えるし。」
「・・・実際、重いんですけどね。海軍の代表的な戦闘機である零戦より1トンくらい重量が増加しています。
また、正式採用も昭和19年になってからなので生産数もそれほど多くはありませんでした。」
「ダメじゃん。」
「それでも、上昇力とスピードでは日本軍機としては群を抜いています。実際、アメリカ軍からの評価も高いようですし・・・」
「結局、雷電とやらは使えたのか?」
「本来の目的であるB-29迎撃に威力を発揮していますから、優秀な戦闘機であると考えて良いと思います。
それなりの数を用意出来ていれば言う事は無かったのですが・・・それは仕方の無い事ですね。」
「で、日本軍の迎撃機ってこれだけなのか?」
「まさか。雷電だけで防げるほどアメリカ軍は甘くありません。他には、こんな飛行機もB-29の迎撃に投入されています。」
夜間戦闘機 月光
元々、二式陸上偵察機として採用された機体。
武装20mm機銃×4
「これって戦闘機なの?」
「・・・お前は何を言っているのだ?」
「だって戦闘機って言ったら、零戦みたいな形を思い出すじゃん。これってどう見ても爆撃機にしか見えないんだけど。」
「・・・その気持ちは分からなくもありませんが、月光は紛れも無い戦闘機です。」
「でも、元は偵察機なんでしょ?」
「いえ、発想の大本は戦闘機です。
月光の様な双発戦闘機に求められたのは、長距離爆撃機に随伴できるだけの航続距離です。
しかし、幾度も話しに出ている零戦の開発で双発戦闘機の存在意義は分からなくなってしまいました。
その見た目からも解る様に、運動性能も高い訳ではありません。」
「よーするに、お払い箱って事?」
「どっかの誰かさんみたいでつねぇ。」
「やかましい!」
「・・・しかし、海軍では長距離飛行可能な偵察機が求められていました。
その為、この機体は二式陸偵として正式採用されたのです。」
「偵察機として採用されたのに、なぜ戦闘機として返り咲いたのだ?性能もそれほどではないのだろう?」
「・・・ラバウル現地部隊の発案したある方法により、B-17爆撃機の撃墜に威力を発揮したからです。
・・・図で説明しましょうか。」
「また、なんつー絵を使ってんのよ・・・。」
「説明する上で絵の優劣は関係ありません。」
「・・・開き直るんじゃないわよ。」
「・・・説明を続けます。
昭和18年当時、ラバウルに進出していた航空隊の司令だった小園安名中佐により
二式陸偵の上方または下方に向けて機銃を取り付けたのです。これはかなり有効な戦術でした。」
「んな、やっつけ仕事みたいな方法でうまくいくわけ?」
「・・・戦果を収める事が出来たからこそ、正式に夜間戦闘機として採用されたのです。
ちなみに陸軍でも似たような戦闘機はあります。」
二式複座戦闘機 屠龍
「これ、さっきの月光ってヤツと何か違うの?」
「名前が違いますよ。」
「るさい!んな事くらい分かってるわよ!」
「・・・製造メーカーや性能に差がありますが、役割としては月光と大した違いはありません。
斜めに装備した機銃で下から爆撃機を撃ち落す事を目的としています。
まぁ、この屠龍はタイプも様々だったので、全部が全部迎撃機として使われたわけではありません。」
「だが、とりあえず日本軍もB-29への対策は講じていた訳か。」
「なら、安心じゃん♪」
「いえ・・・、安心出来るほど日本の防空体制は磐石ではありません。
それに、先程紹介した迎撃機も対大型爆撃機ならそれなりの戦果も見込めますが、
B-29に護衛の戦闘機が随伴していたらどうなるかは想像に難くないかと思います。」
「迎撃以前に、返り討ちって可能性が高くなるわな。」
「フフフ、落ちろ!蚊トンボ!」
「やはり人はよりよく導かれねばならん、指導する絶対者が必要なのだ!」
「あんたら・・・、少しは黙ってなさいよ。」
「やはり、日本軍にも新型が必要か・・・。」
「でも、日本軍の新型造りってかなり一杯一杯だったんでしょ?」
「そーいえば、前にそんな話してたもんね。」
「・・・零戦の後継機である烈風の事ですね?」
「そうそう、たぶんそんな名前のやつ。」
「新しい戦闘機も開発出来ないって・・・日本軍って何やってんの?」
「・・・開発に手間取っていたのは次期主力艦上戦闘機である烈風です。
無論、航空機メーカーは多数あるので新型機の選定や開発はそれなりに進んでいます。」
「余裕無いって言いながら、なんでそんな無駄な事してんだか・・・さっぱり分からないわよ。」
「僕には分からないよ、リリン。」
「るさい!」
「酷っ!私だってキザな台詞の一つや二つ言ったって良いじゃないですか!
私だって本編の26話に出さえすれば、全国300万人の女子高生ファンの皆さんに
きゃ~、かわいい~♪プリティ♪チョベリグ♪とか言われて、人気引っ張り凧になるのは確実なんですよ!
どこぞのダメパイロットとは雲泥の差がありありなのに、空気の読めないアスカさんときたら・・・
これは明確な使徒差別ニダヽ<ヽ`Д´>ノウワァァァン!!」
「空気が読めないのはアンタ!話を止めて、わざわざ強調する事か!」
「・・・話を進めますよ?」
「お前もマイペースだな。」
「・・・いつもの事ですから。とりあえず、こちらをご覧下さい。」
四式戦闘機 疾風
「これも日本軍の飛行機なの?」
「・・・陸軍機ですけどね。大東亜決戦機として陸軍が期待をかけた誉エンジン搭載の戦闘機です。」
「4さまキタ━━━(゚∀゚)━━━!!」
「るさい!」
「ところでこの疾風とやらはどうなのだ?誉はあまりよくは無かったと言っていなかったか?」
「烈風と疾風では機体が違うので一概に言えませんが、疾風に関しては許容範囲だったのかもしれませんね。
約3500機も量産されてますから・・・」
「そう?その誉ってエンジンがヘボいって聞いたんだけど。」
「誉エンジンに問題があるのではなく、量産体制に問題があるのです。
疾風の初期生産型は特に優秀だったと言われていますから・・・問題なのはその後です。」
「初期生産型ってゲルググとかみたいだね~♪」
「ギャンでも可でつ。」
「何の話してんのよ・・・。」
「誉エンジンそのものは2000馬力級エンジンとしては小型で優秀なエンジンです。
問題だったのは、そのエンジンを運用する土壌の問題ですね。もっとも、こればかりはどうしようも無いのですが・・・」
「だから、どうしようも無いで話を済ませるんじゃないっての。ツッコミどころが色々あるでしょうが。」
「ツッコミどころってなんだ?」
「エンジン製作に必要な熟練工を兵士として戦線に送っちゃってたじゃない。
しかも、適材適所だったとは言えないって聞いたわよ。」
「そういう苦情は然るべきところにお願いします。そういった人事的な面に問題があった事は否定しません。」
「フッ、ようやく認めたわね。日本軍が無茶無策無謀な軍隊だったって。」
「・・・それは論理が飛躍しすぎです。当時の先人達に全てを完璧に求めると言うのは酷かと思いますが。」
「しょうがないですよ。鬼なんですから。」
「誰が鬼よ!」
「私は別に、アスカさんが鬼とは言ってませんよ?」
「うるさいっての!正八面体の分際で!」
「また使徒差別ニ(ry」
「疾風に関し、熟練工の不足については軍部の不備があった事は否定しません。
さて、それ以外はさほど問題が無かったと言う事で話を進めたいと・・・」
「待たんかい!まだ話は終わってないわよ!」
「まだ何か?」
「大体、なんでまともに運用出来ない様なエンジンを作ってんのよ!
後半になると、熟練工がいなくなってヘボいエンジンばかりだったって言うでしょうが!」
「ですから、当時の方々に全てを求めるのは酷だと何度言えば・・・」
「ちょっと待て。当時のエンジンは手作りだったのか?」
「手作りと言っても、一から十まで手作業と言う訳ではありませんが・・・」
「んな事くらい分かるって・・・。」
「例えば、当時のエンジンに使われたピストンは職人の手作業で微調整が行われていました。
そういった作業には少なからず経験が必要とされますから・・・素人ではどうしても不備が発生してしまうわけです。」
「よく分からないんだけど・・・」
「ピストンやシリンダーブロックを製造する工作機械の精度が高ければ
熟練工に頼る必要性も軽減されますが、当時の日本ではアメリカの様な機械による大量生産など夢のまた夢・・・。
この事から、日本がアメリカと戦うには無理がありすぎたというのが分かるかと思います。」
「じゃあ、なんで戦争なんかしてんのよ?」
「再三に亘って説明しているので省略します。」
「をい!」
「こういった、戦争中の品質管理による弊害を批判する向きもありますが教訓は戦後にきちんと生かされています。
それで十分では無いかと思うのですが・・・どうでしょうか?」
「どうでしょうかと言われましても・・・」
「何の話なのかよく分からないしね~。」
「・・・つまりな。
戦時中の日本の体制に問題はあったが、それらの問題解決を戦時中の日本に求めるのは酷だという話だ。
ただでさえ、当時の日本は大変だったのだからな。」
「だから、そうやって擁護ばっかすんのを止めなさいっての。」
「日露戦争で大国相手に善戦した事があるとは言え、アメリカ相手の戦争には日本が初めて経験する事が多かったのです。
ある程度予想出来たとしても、完璧に対処するのは無理と言うものです。」
「ま、人間だからな。」
「完璧な存在である我々使徒には遠く及びませんからねぇ、クスクス。」
「わけ分からん事を・・・あんたら速攻で負けてんじゃん。」
「酷っ!もし私達がみんなで一度に攻めたら勝てていたんですよ!私達は物量に負けただけなのに・・・ウワァァァンヽ( `Д´)ノ」
「お前達も大変だったのだな・・・。」
「いや、俺は別にそうは思ってねーけど・・・」
「・・・話を元に戻します。
色々と問題点もあった疾風ですが、時速600kmを超える機体は日本にとって重宝しました。
有名な話ですが、戦後アメリカ軍で然るべき整備ののちにテスト飛行をを行ったところ、時速700km近くまで速度が上昇したそうです。
つくづく、国力の差が恨めしく思えてきます・・・。」
「結局、結論はそれかい。」
「ところで、アメリカ軍のテストで何故そこまで性能が上がったのだ?」
「・・・当時のエンジンに使用されていた燃料の質を良い物に、電装系をよりしっかりした良品に交換したからです。
残念ですが・・・基礎工業力ではアメリカに遠く及ばない日本が造った機体ですからね。」
「フフン。ようやく、アメリカの方が優れてたって理解したみたいね。」
「いえ、逆から言えば話はまるで変わります。
工業力で差がありすぎるのにどうして日本軍に手こずっているのか?という疑問が沸いてきます。
普通に考えれば3年以上の長期戦になるとは思えないのですが・・・」
「うるっさいわね~!ドイツも相手にしてんだからしょうがないでしょうが!」
「・・・日本はイギリスもフランスもオーストラリアもニュージーランドも支那も相手にしてますよ。
アメリカ軍に分がある事は間違いない事実かと思いますが。」
「む・・・」
「久しぶりに玉砕キタ━━(゚∀゚)━━!!」
「やかましい!」
「さて、一方の海軍機の新型はこちらです。」
局地戦闘機 紫電改
「これも新型?」
「・・・先に紹介した疾風と同じ誉エンジンを搭載した戦闘機です。海軍では零戦以来、久しぶりの新型制空戦闘機と言えます。」
「紫電改か、改と言う事は・・・」
「・・・紫電改は水上戦闘機である強風を元に造られた戦闘機で、製作したのは川西飛行機という会社です。
流れにするとこんな感じですね。」
水上戦闘機 強風
↓
局地戦闘機 紫電
↓
局地戦闘機 紫電改
「ぜんっぜん興味無いんだけど。」
「川西飛行機としては強風も含めて、初めての戦闘機製作ですからね。完成が遅れてしまったのも無理はありません。」
「人の話を聞きなさいっての!」
「しかし、紫電改には様々な新技術が導入されていました。その代表的なものが自動空戦フラップと呼ばれるものです。」
「こんのファ~スト~!」
「・・・なんですか?」
「少しは、人の話を聞きなさいよ!なんであんたはそうやって、何の意味も無いヲタな話ばかりしてんのよ!」
「アスカさんだって人の話聞いてないじゃないですか。」
「うるさい!」
「・・・日本の優れた技術を説明して何が悪いのですか?
例えば、紫電改の自動空戦フラップなんかは当時としては抜きん出ていた技術の一つなんですよ?」
「また、マニアックな話を・・・」
「自動空・・・なに?」
「自動空戦フラップとやらだ。それが何なのかは私は知らんが。」
「紫電・紫電改に装備されていた自動空戦フラップは水銀柱と電気・油圧等を利用した装置です。
旋回中の機体の角度と負荷を検出。全自動で適切にフラップを作動させるという、当時としては画期的な装置だったのです。」
「あの、もうちょっと分かりやすく・・・」
「そうでつ!もう少し分かりやすくないと、ワケ分からんでございます!」
「では、まずこちらをご覧下さい。」
「だから、図がてきとー過ぎるってば・・・。」
「上の図は航空機の翼の断面図を表しています。翼の下の矢印は揚力・・・飛行機を浮かばせようとする力だと思って下さい。」
「で、自動なんたらフラップってのは?」
「フラップは赤い部分です。上が作動前、下が作動後です。
つまりフラップを作動させる事でより多くの揚力を得る事が出来るという事になります。」
「その揚力が大きいと、なんか良い事でもあんの?」
「揚力が大きくなる事で失速しにくくなります。例えば、着陸・着艦時の航空機の速度をより下げる事が出来るのです。」
「ふ~ん・・・。なら最初からずっと下ろしっぱなしで良いんじゃないの?」
「おお!良い考えです、同志エルピー・プル!英語で言うと・・・」
「別に言わなくて良いわよ・・・。」
「・・・フラップを下げる事でより多くの揚力を得る事が出来ても、逆に下げたフラップが空気抵抗にもなってしまうのです。
普通に飛行している時にフラップを作動させるのは、あまり良い事ではありません。」
「そっかぁ・・・。」
「(´・ω・`)ショボーン」
「残念だったな。」
「なによ~、マシュマー様だってさっき知らないって言ってたじゃん。」
「・・・私は自動空戦フラップが何なのか知らんと言ったのだ。フラップを下げる事が空気抵抗になりそうな事くらいは見当が付く。」
「へ~、ただの騎士ヲタじゃなかったんだね。」
「だ、誰が騎士ヲタだ!私はハマーン様に使える騎士なのだと何度言えば・・・」
「じゃ、ハマーン様ヲタで♪」
「うわ、最悪・・・」
「貴様等、勝手に話を作るな!」
「そんなの某新聞社じゃ日常茶飯事だぜ!でつよ♪」
「ね~♪」
「ワケ解らんと言っているだろう!」
「・・・どうでも良いんだけどさ、そのフラップっての他の飛行機にも付いてんじゃん。
ファーストが言う自動なんたらの何が凄いのかイマイチ分からないんだけど。」
「それもそうだな・・・。」
「では、航空機が戦闘中旋回している事を思い浮かべてください。」
「はい?」
「旋回を行うにあたって、大回り小回り・・・どちらが有利だと思いますか?」
「どっが良いって・・・どっち?」
「小回りが利いた方が良いだろうな。格闘戦で挑むのなら尚更だ。」
「なんで?」
「当時の格闘戦は後ろの取り合いみたいなものだ。
お互いに背後を取ろうと旋回し続けるのなら、小回りが利く方が間違いなく有利だ。」
「で?」
「それでは、旋回を小回りで行うにはどうすれば良いと思いますか?」
「どうすんの?」
「・・・少しは自分で考えろ。」
「だって分かんないんだも~ん!」
「も~ん!」
「・・・小回りを利かせるなら速度を下げるのが一番だろう。
これは飛行機に限らず艦船だろうと自動車だろうと人間だろうと同じ事だ。」
「そんなモンなのかな・・・。」
「ならばプル。お前自身、歩きながら方向を変えるのと駆け回りながら方向を変えるのと・・・どちらが素早く曲がれると思う?」
「歩きながらの方に決まってるじゃん。」
「・・・つまりはそういう事だ。小さく旋回したいのなら何であれ速度を下げなければならんのだ。」
「でも、飛行機なんだからそんな単純な話じゃないでしょ?」
「もちろんです。さて、空を飛んでいる飛行機は地球の重力に逆らえません。
速度を落とせば旋回角を小さく出来ますが、あまりに減速しすぎてしまうと失速してしまうのです。」
「フッ、これ以上近付いて地球の重力の井戸に引き込まれるは御免だ。」
「やはり人はよりよく導かれねばならん。指導する絶対者が必要なのだ!」
「そのネタ前もやったよな。」
「(´・ω・`)ショボーン」
「・・・速度が下がれば墜落か。言われてみれば確かにそうだな。」
「当時の飛行機は鉄の塊ですからね。推力が無くなれば落ちて当然です。」
「で?」
「推力が下がってしまった場合、飛行機が飛び続けるためには揚力に頼らざるをえません。
そこで出てくるのが自動空戦フラップです。」
「つまり、自動空戦フラップとやらは揚力を発生させる機構だと言うのか?」
「・・・かなり乱暴な説明ですがそういう事です。
低速で旋回する時も極力失速しないように揚力を自動的に生み出す装置、それが自動空戦フラップです。」
「そんな事言ったら、他の飛行機だってフラップ付いてるじゃん。旋回する時に手動で作動させてれば同じ事じゃないの?」
「・・・手動では、適切に作動させる事は難しいかと思われます。
ただ単に作動させるだけでは空気抵抗になって終わりですから。
もっとも、紫電改の自動空戦フラップがどれほどの効果を表したのかはよく分からないのです。
紫電改には癖があるという話を聞いた事もありますし・・・」
「おいおい・・・長々と説明しといて推測交じりかい。」
「・・・しかし、大戦末期に紫電・紫電改を集中運用して戦果を収めた有名な部隊があります。松山の三四三航空隊です。」
「何それ?」
「かつて南雲機動部隊の航空参謀を務めた源田実大佐が司令となり、
各地から熟練搭乗員を集めて編成された帝国海軍の精鋭部隊です。」
「その源田って人、あんまりいい評判は聞かないんだけど・・・」
「・・・彼の人間性と戦果は別です。劣勢である大戦末期に戦果を挙げたのですから評価されて然るべきでしょう。」
「戦果とは、どれほどのものだったのだ?」
「昭和20年3月19日、三四三空は100機以上からなる敵攻撃隊を迎撃しました。戦果は次の通りです。」
F6F・F4U戦闘機×48
SB2C爆撃機×4
他対空砲により4機撃墜
「これホント?」
「・・・さぁ?戦果誤認はよくある話なので正確なところはよく分かりません。」
「ダメじゃん。」
「ですが、アメリカ軍に与えた脅威は絶大でした。
三四三空はラーズグリーズの悪魔と呼ばれ畏怖されたという逸話が残って・・・」
「るワケないでしょ!」
<<どうなっている!さっきとは機動が大違いだ!>>
<<くそっ!悪魔野郎が本性をあらわしやがった!>>
「をい、あんたらは何の話してんのよ?」
<<スノー、私語は謹め。>>
「るさい!誰がスノーよ!」
「ほら、アスカさんも彼の様にみんなからちょっと浮いてるから。」
「やかましい!」
「ラーズグリーズは冗談ですが、アメリカ軍から恐れられていたのは事実な様です。
サンダーボルトに似た最新鋭の機体を擁する部隊が日本に存在する・・・そう認識されていたみたいですね。」
「帝国海軍の精鋭部隊・・・。そんなものが存在していたのか。」
「また、日本軍が無線電話を活用し始めたのもこの頃です。
鹵獲したアメリカ軍の機体を参考に配線を調整したところ、途端に聞き取りやすくなったとか・・・」
「何やってんのよ・・・。」
<<敵のECM・・・?レーダーが・・・>>
<<ラーズグリーズ!ここを貴様らの墓場にする!>>
「ワケの分からない脱線は止めなさい!」
「色々と特徴のある紫電改ですが、以前紹介した新鋭空母信濃に着艦した事があるみたいです。
紫電改を乗せた空母は後にも先にも信濃だけだとか・・・」
「んな事はどーでも良いって。」
「・・・他にも日本はこんな機体を製作していました。」
局地戦闘機 震電
「・・・高速性能を追求すると、従来の牽引式航空機ではどうしても限界がありました。
そこで考え出されたのがエンテ式と呼ばれる先尾翼形式の航空機です。
画期的な形状により時速750kmを狙う事も出来たとか・・・。もし量産化に成功していればB-29の天敵になりえたと思われます。」
「へ~、凄いんだね♪」
「思われますって・・・テストも中途半端で終わっちゃったって話じゃない。
そーいう事ばっかり言ってるから最強の厨戦闘機とか言われんのよ。どこぞの仮想戦記みたいな妄想言ってんじゃないわよ。」
「私は、量産化に成功していればと言ったのです。量産化できたなんて言ってませんが?」
「そういう屁理屈言ってんじゃないわよ!他の戦闘機だって満足に作れてないのに、こんなの量産できるわけないでしょうが!」
「アスカさんにしてはマトモな意見でつ。」
「るさい!」
「震電の悲劇は登場が遅かった事。
もっとも、そんな事を言い始めたらキリが無くなるのですが・・・願わくば全力テストくらいはして欲しかったですね。」
「へ?」
「・・・震電の性能はあくまで推算値でしかありません。
最高速度の750kmも、実際に実現出来たかどうかは神のみぞ知るという話になります。
アメリカのどこかの博物館で眠っているという話ですが・・・いつの日か、ぜひ復元して頂きたいものですね。」
「そーなんだ・・・。」
「他にはこういう機体もあります。」
「・・・戦前から日本でもジェットエンジンの開発が進められていました。
そして、ジェットエンジンを搭載した機体が特殊攻撃機・橘花として試作されたのです。
多少、低質な燃料でもレシプロ機を越える性能を発揮できる可能性があるという事で、日本軍は高い関心を示していました。」
「日本軍にジェット機なんてあったんだ・・・。」
「・・・色々やってたんですよ。
零戦の性能に溺れて航空機開発に無関心だったなんて言うのは性質の悪い印象操作に過ぎません。」
「つーか、ちょっと良い?」
「なんでしょう?」
「なんでしょう?じゃないわよ!あんたが出してきた写真、それドイツ軍の飛行機じゃない!」
「そなの?」
メッサーシュミット Me262
「その通りですが、それが何か?」
「何かじゃなわよ!あんた、私が何も言わなかったらそのまま話を進めるつもりだったでしょ!」
「・・・まさか。おもいっきりドイツ軍のマークが記されてますし、そんなつもりもありませんよ。」
「フン、どーだか。」
「前にも似たようなやりとりがあったような・・・」
「イギリス戦艦の時だろう。かなり前の話だな。」
「でも、どうしてドイツの飛行機の写真を持ってきたの?」
「日本が開発した橘花は、ドイツ軍のMe262を参考に作られました。
形状も似ているので、さほど問題は無いかと思われますが・・・」
「あんた、いい加減な事ばかり言ってんじゃないわよ。」
「・・・さて、日本初のジェット機となった橘花ですが、不本意ながら特殊攻撃機として作られていました。」
「特殊攻撃機?」
「つまり特攻です。レシプロ機を越える速度を持って敵艦へ体当たりを行う・・・
橘花が完成しなかったのは本当は良かった事なのかもしれません。」
「・・・他にも外道な兵器はあるけどね。」
「それについては後ほど・・・
しかし、この橘花も特殊攻撃機として作られたとは言え、コクピットや燃料タンクに防弾措置が施されていたという話もあります。
橘花の生産が軌道に乗っていれば、戦闘機や普通の攻撃機などの派生型が出来ていたかもしれませんね。」
「だから、妄想は止めなさいって。」
「次は、こちらをご覧下さい。」
後ろの機体に注目
「え、どれ?」
「ほら、後ろにあるじゃないですか。白っぽいヘンな機体でつ。」
「そちらはロケット推進の戦闘機です。ドイツと技術協力を行ってた日本にも、その機体の情報は届いていました。」
「なに、日本ってそんなモンまで作ってたの?」
「ドイツの開発したMe163というロケット戦闘機を参考に局地戦闘機・秋水として製作されていました。
ロケットエンジンですので推進力を維持できるのは3分程だったそうですが、
10000mまで3分程で上昇出来るという性能は魅力的だったようですね。」
「秋水って・・・もしかして秋水一閃が元ネタなの?」
「虎の人でつか?」
「まさか。なんでもかんでもネタに繫げようとすんじゃないわよ。」
「秋水の名前の由来は秋水一閃から来ているようです。情報源が不確かなので確実とは言えませんが・・・」
「うそ。」
「嘘なんか言ってどうするんですか?」
「そりゃそうだけど・・・」
「エヘへ~、あたしの勘を見たか!」
「さすがでつ。同志エルピー・プル♪固定観念にとらわれた玉砕オールドタイプとは大違いでつ!」
「誰が玉砕オールドタイプよ!」
「でも、たった3分しか持たなくて・・・燃料切れたらどうすんだ?」
「秋水が攻撃を終えた後は、グライダーの様に滑空して基地へ帰還します。
エンジンを搭載しない試作型秋水が行ったテスト飛行では、中々良好な成績を収めたそうです。」
「そんなんでうまくいくの?」
「・・・ドイツ軍の使用例を見る限り、劇的にB-29への迎撃効果が上がるとは思えません。
数を揃えるにも、大戦末期の日本にそこまで出来たとは・・・」
「じゃあ、ダメじゃない。」
「かと言って何もしないわけにはいきません。出来る事をするしかないのです。」
「まぁ・・・、そうだろうな。」
「ところで、この頃アメリカ軍ってのは何やってんだ?Bなんたらで爆撃するだけか?」
「・・・フィリピンを掌握しつつあるアメリカ軍は、きちんと次の目標を定めています。次の講義はそういった話になります。」
「ふ~ん・・・。」
「ですが、次の講義に移る前にもう少し・・・シンガポール方面に残っていた日本艦隊の話です。」
「なんかあったの?」
「事実上のフィリピン陥落により、南方資源地帯と日本との補給路は遮断されてしまいました。
この状況下で内地への輸送作戦はあまりにも危険だったのです。」
「だが、このままでも遠からず日本は負ける。・・・八方塞とはこの事だな。」
「・・・そうです。ですが、少しでも日本に資源を輸送しようとある作戦が立てられました。
北号作戦と呼ばれるもので、航空戦艦を基幹とする艦隊に物資を満載させ内地へ輸送させるという作戦です。」
「航空戦艦?」
「ミッドウェーでの空母の喪失を受けて、その不足を補う為に戦艦の空母への改造が検討されました。
紆余曲折を経て改造された戦艦がこちらです。」
航空戦艦 伊勢
「なにこれ?」
「・・・航空戦艦です。後部主砲塔を撤去し、代わりに航空機格納庫と飛行甲板を設置しました。
比島沖海戦で小沢艦隊の護衛に使われ対空迎撃に活躍した戦艦です。」
「こんな中途半端なのが役に立つの?」
「・・・航空戦艦として改造された伊勢・日向ですが、実際に艦載機を運用するには至りませんでした。
航空戦艦としての本来の役割は果たせていなかったと見るべきでしょうね。」
「役立たずなら役立たずってハッキリ言いなさいよ。何なのよ、その奥歯にモノの挟まった様な言い方は。」
「・・・航空戦艦として本来の役割を果たせなかった事は残念でなりません。
しかし、何の因果か今回の北号作戦では改造後に設置した格納庫が役立つのです。世の中とは本当に分からないものですね。」
「どう聞いても、後付けの言い訳にしか聞こえないんだけど。」
<<繰り返す。スノー、私語は慎め。>>
「るさい!ワケ分からないっつったでしょ!」
「北号作戦に参加する艦艇は6隻・・・航空戦艦2隻に軽巡1隻、駆逐艦3隻です。」
「たった6隻か・・・。大丈夫なのか?」
「仮に数を揃えたとしても、敵に発見され大規模な攻撃を受ければそこで終わりです。
各艦には物資が積めるだけ積み込まれているのですから、まともな戦闘など出来ません。」
「それ、自殺行為じゃないの?」
「・・・そうですね。敵制空海権の区域を突っ切って行くなど無謀以外の何物でもありません。」
「大変なんだね~。」
「・・・本当に大変です。昭和20年2月10日、準備を整えた輸送部隊はシンガポールを後にしました。目的地は当然内地です。」
「どーせ、全部沈められちゃったとかいうオチが付くんじゃないの?」
「やなオチだな・・・。」
「別に、いつもの事じゃない。」
「北号作戦に参加した部隊は完部隊と称されました。
第4航空戦隊司令松田千秋少将に率いられた完部隊は内地を目指し北上を続けていました。」
「敵は何をしているのだ?」
「・・・完部隊の動向はすぐにアメリカ軍の知るところとなりました。
出港から3日後の2月13日、戦闘機の援護を受けた爆撃機40機が来襲しました。」
「いきなりかい。」
「・・・しかし、スコールの中に身を隠す事で事なきを得ました。
また、潜水艦からの魚雷攻撃も受けましたが全て回避・撃破に成功しています。」
「撃破って・・・潜水艦沈めちゃったの?」
「・・・接近する魚雷を破壊したという話があるのです。」
「そんな事、出来んの?」
「・・・さぁ?とりあえず魚雷は回避出来たのだから同じ事かと思います。」
「いい加減ねぇ・・・。」
「2月14日、今度は80機からなる敵爆撃機隊が襲来しました。
ですが、今度もスコールの中に身を隠す事で敵の攻撃を防ぐ事が出来ました。
その後、完部隊は大陸沿岸の占領地区に仮停泊しつつ北上を続けていたそうです。」
「へ~、運が良かったんだね~♪」
「運もありますが、各艦の操艦技術と松田少将の判断力の賜物でしょう。
攻撃を受けながらも未だに損害零なのですから。」
「え?まだ何も沈んでないの?」
「・・・不謹慎な事を言わないで下さい。まるで、沈むのが当たり前みたいな言い方じゃないですか。」
「だって、アスカさんですから。仕方無いですよ。」
「んだな。」
「ちょっと!何なのよ、その言い方は!」
「だって、アスカさんは玉砕王じゃないですか。」
「るさい!」
「玉砕オールドタイプに続き、今度は玉砕王か・・・。」
「あんたもヘンな感心すんじゃないわよ!」
「さて、完部隊は内地へ着実に進んでいました。」
「どーせ、潜水艦に沈められたってオチがつくんでしょ?」
「つきません。2月20日、完部隊は無事に呉軍港に到着しました。輸送任務は見事成功したのです。」
「うそ。」
「嘘なんか言ってどうするんです?」
「そりゃそうだけど・・・」
「輸送部隊が無事、日本に到着した事を知った連合艦隊司令部は歓喜したそうです。
元々、艦艇半分が帰ってくれば成功だと思っていたそうですから。」
「さらりと凄い事言ってんな。半分が帰ってくれば成功って・・・」
「当時の状況を考えれば、ある意味当然とも言えます。
この北号作戦は戦闘ではありませんでしたが、戦術目標を果たしたという点では大戦末期において数少ない日本の勝利となりました。」
「まぁ、そうだな。戦うばかりが軍の目的ではないからな。」