「さて、次は昭和18年・・・1943年の話に入りますが、戦場は引き続きソロモン方面になります。」
「あんた、いい加減にしなさいよ。延々と同じ説明が続いてばっかでしょうが。」
「あ、それなんですが・・・色々考えてみたんですが、以降のソロモンでの戦いについては省略
したいと思います。」
「はぁ?」
「このあたりの話はあまり有名では無いのか、よくある疑問や仮定といったものが無いんですよね。
ですから、この時期の経緯についてはある程度省略してしまっても問題は無いかと・・・」
「ぶっちゃけネタが無い
って事か?」
「ミもフタも無いことを言わないで下さい・・・。」
「不真面目過ぎるっての。」
「・・・ではどうしろと?
説明をすれば長いと言い、省略すれば不真面目と言う・・・正直言ってどうすれば良いのか分からなくなりますが・・・」
「なんにでも文句を言う野党体質 なアスカさん萎え〜。
」
「萎え〜。
」
「るさいわよ!」
「私には何がなんだか・・・」
「ああ、昔の某島国にそういう役に立たない野党
があったんですよ♪」
「いや、そうじゃなくてソロモンの話なんだが・・・」
「その話か・・・、
昭和18年に入るとソロモンでのアメリカ軍の侵攻が活発化し始めたのだが、前年のような決戦はほとんど生起しなくてな。
アメリカ軍が島伝いに侵攻→日本軍が援軍を輸送→小競り合いと言った流れがほとんどだったのだ。」
「小競り合いと言っても、日本軍は母艦航空隊を基地に上げての大規模な航空攻撃を行ったりとかはしてましたけどね。
ただ、それほどの目立った戦果は得られていませんし、一方のアメリカ軍も一気に進撃してくるという事はありませんでした。
平たく言えば、昭和18年は次の決戦への準備期間
と言っても良いでしょう。」
「そなの?」
「もちろん、日本側としては時が経つほど不利になっていくのは明白でしたので
何度もアメリカ軍に打撃を与えるために決戦を生起させようと画策はしてましたけどね。
先程の航空攻撃もそうですし、昭和18年の中期から後期にアメリカ軍がマーシャルやギルバート諸島に出現した時も
連合艦隊は機動部隊も含めた艦隊をまとめて同方面に進出はしてますから。」
「そういえばさ、こういう話はどうなのよ?」
Q.山本長官機が撃墜されたのに暗号漏れに気付かなかった。
「これは?」
「・・・昭和18年の4月に起きた事なのですが、先程から話に出ている大規模な航空攻撃を終えた後
前線の将兵を労うために当時の連合艦隊司令長官である山本五十六大将が前線への視察へ行く事になったのです。
しかし、これらの情報を暗号解読により察知したアメリカ軍の待ち伏せを受け・・・山本大将は戦死されました。」
「おい、こんな事が起きたらいくらなんでも気付きそうなモンだろ?」
「・・・特定には至りませんでした。
以前のミッドウェー海戦後にも小沢中将閣下が暗号について調査させたそうなのですが
その時もやはり暗号には問題が無いという結論が出されています。」
「なにやってんだか。」
「・・・まぁ、当時の状況から考えると暗号が解読されているという結論まで到達するのは難しいと思いますよ。
今から振り返れば分かることでも、当時では数ある原因要素の中の一つでしかなかったのですからね。」
「んな、悠長な事言ってて負けてんじゃ世話ないわよ。」
「・・・・・。」
「なによ?」
「・・・アスカ、体重増えたでしょ。」
「な、な、な・・・いきなり何を言い出すのよ、アンタは!つか、なんでアンタがそんな事を知ってんのよ!」
「・・・・・。」
「黙るんじゃないわよ!どうやって知ったのか知らないけどプライバシーの侵害じゃない!」
「よく分からないけど謝罪しる〜!
」
「賠償しる〜!
」
「あんたらうるさい!
」
「(´・ω・`)ショボーン」
「・・・という様な事が当時の日本にも言えるわけです。」
「は?」
「つまり、情報漏れに気付くには当事者がそれを認識出来るだけの説得力のある状況証拠が必要という事なんです。
アスカだって、私があなたの体重について情報を得ているなんて気付きもしなかったでしょう?」
「ぐ・・・」
「それに、アスカの場合は情報が漏れているという事実を指摘されるという好条件にも関わらず
私がどうやって情報を得ているのか?という原因を特定するには至っていません。
体重計に細工がされていたのか、監視モニターで解析したのか、盗聴器でも仕掛けられていたのか・・・
一口に情報漏れと言っても原因は多岐に亘る
訳ですから、情報漏れの原因が何なのかなんて簡単に解るものでも無いわけです。」
「・・・話が繋がってたのか。」
「いきなりヘンな話にいったからビックリしたぜ。」
「ファ〜スト〜!あんた、人をだしにしたわね〜!こんの根暗!ストーカー!悪趣味!
大体、なんでアンタが人の体重の事を知ってんのよ!」
「・・・昨日の夜、何かが壁に叩き付けられる音が聞こえたもの。部屋が隣だからアスカの怒鳴り声までよく聞こえたし・・・。
多分、体重計でも叩きつけたんじゃないかと・・・証拠は無いけどそういう事なんだろう
と思って。」
「え・・・あ・・・そういえば・・・
」
「なんだ、図星か。」
「そんなんじゃ解りそうなもんだわな。」
「日本よりザルな情報筒抜けのアスカさん萌え〜♪
」
「萌え〜♪
」
「るさいっつってるでしょ!」
「今更言うのもなんだが、脱線しすぎじゃないのか?」
「・・・そうですね。そろそろ話を戻しましょうか。」
「昭和18年の主戦場はガダルカナルの西方ラバウル寄りの地域とポートモレスビー周辺、
そして、中期から後期にはマーシャル諸島やギルバート諸島へもアメリカ軍が空襲を加えてくるようになります。」
「ねぇ、今思ったんだけどさ。」
「なんでしょう?」
「ポートなんとかってアメリカ軍の基地なんでしょ?
そこからラバウルってとこを一気に攻めればいいのに、なんでマーシャルとかみたいな遠いところから攻めて来てんの?」
「いきなり何を言い出すんだ、お前は?」
「え〜、だって近いトコに基地があるんだからそこから一気に攻めちゃえばすぐに決着つきそうなもんじゃん。」
「グッドなアイディア、さすがは同志エルピープル(さん)でつ。」
「エヘへ〜、スゴイでしょ♪」
「それはそうかもしれませんが、戦場に突出部を作るという事はその部分が敵の集中攻撃を受ける危険性が生じます。
図で表すとこのような感じですね。」
正面突破しようとする図
「これでは、いくらアメリカと言えど虎の口に飛び込むようなもので被害が大きくなります。
アメリカ軍にとっては必要以上に急ぐ必要はないのですから
日本軍の手薄な地域を確実に落とし、包囲網を着実に構築していく方が被害も軽減出来ますし確実な方法なのです。」
周辺地域から制圧する図
「でもさ、こっちも攻撃受けちゃってんじゃないの?」
「無傷というわけにはいきませんが、比較的手薄な拠点相手ならば迅速に制圧し拠点を確保する事が可能です。
また、別拠点から援軍が来るにしても・・・図で見ると右方になりますが、そちらの拠点からの距離は開いてますから
援軍が到着するまで時間がかかることになり、それだけ敵の攻撃を受ける可能性を減らす事が出来ます。
少なくとも、正面突破よりは危険性が少ない方法と言えますね。」
「そんなもんなのか?」
「もちろん、先程の話の内容が全てではありません。
戦術レベルでは突出部を造る事で敵を誘い出し、敵をひきつけている間に別部隊が手薄になった他の部分を制圧するという手段もあります。
また、迅速に敵の中心拠点を制圧する事で最終的な自軍の損害を結果的に軽減出来る場合もあります。
まぁ、アメリカ軍ならそんな事をしなくても着実に包囲していけば良いのですし、それが許される軍隊ですからね。
それに、アメリカ軍と言っても南太平洋方面と中部太平洋方面ではそれぞれ別部隊が受け持っているわけですし。」
「ちょっと聞いてもいいか?」
「はい?」
「山本なんとかって誰だ?」
「今更、誰と言われましても・・・」
「プルツー、それツッコミ入れらんない。」
「黙れと言ってるだろう!本当に知らないんだから聞いて何が悪い!」
「山本五十六大将は連合艦隊司令長官を務めていた方です。
直前に実行されたい号作戦で戦った兵士達を労うため、前線へ移動している最中にアメリカ軍の襲撃を受け戦死されたのです。
山本大将を失ってしまったのは帝国海軍にとって大きな損失でした。」
「偉いやつなんだろうけど・・・そんなに大変なのか?」
「軍の作戦指導を行う長を突然失ってしまったのです。
いくら後任を決めたとしても・・・軍隊とは言え人の集まりですから、相互の信頼関係が無ければうまくいくものもうまくいかなくなります。
それに、信頼できる人間関係を構築していくのは大変なものですからね。」
「確かにそうだろう。人一人の意思決定で軍の全てが左右されるわけではないが、最終的な決定を下すのは長だからな。
その人間次第でその後の戦局は如何様にでもなる。」
「ハマーン様が氏んじゃった後のアクシズがグダグダになっちゃったみたいなモンかな。」
「何を言うか!ハマーン様は亡くなられていない!不謹慎な事を言うな!」
「え〜、だって第三次じゃすでに過去の人になっちゃってましたし〜」
「黙れ!」
「・・・あんたら、脱線しすぎ。」
「・・・話を進めますよ?
先程から説明している通りソロモン海の戦局は日本にとって悪化の一途をたどっていました。
昭和18年の11月に行われたブーゲンビル島沖海戦でラバウルの航空隊はほぼ壊滅。
その後、トラック方面にも敵が出現し始め、程なくしてトラックは基地機能を喪失してしまいました。」
「と言うと、日本軍の拠点が奪われたのか?」
「ラバウル・トラックは無力化されただけで奪われたわけではありません。
日本軍守備隊の頑強な抵抗に嫌気がさしたのか、アメリカ軍はわざわざ制圧には来ませんでした。
それに、海は広いのでいくらでも迂回は出来ますから無理をして占領する必要は無いと判断したのでしょう。
太平洋方面に大きな動きが出てきたのは1944年・・・マリアナへアメリカ軍が侵攻を始めた頃です。」
「一応の準備期間があったため日本軍もそれなりに戦力を整える事は出来ましたが、
切り札であった第一航空艦隊は決戦前にほぼ壊滅
一方の機動部隊もアウトレンジには成功したものの、アメリカ軍の防御の前になす術も無く母艦航空戦力のほとんどを喪失。
マリアナの守備隊も奮戦するものの・・・アメリカ軍の進撃を止める事は出来ませんでした。」
「ボロ負けだな・・・。」
「・・・マリアナでの戦い前に、日本の作戦概要を記した機密文書が奪われるという不手際がありましたからね。
それに、単純な戦力差で見てもアメリカ軍の兵力は圧倒的・・・勝てる道理はほとんどありませんでした。」
「そりゃそーでしょうよ。こういう意見だってあるくらいだもjの。」
Q.アウトレンジ戦術は搭乗員の練度から考えても無謀だった。
「・・・・・。」
「ちょっと!なんで黙るのよ!」
「・・・他に何か良い方法でもあったのですか?」
「小沢中将閣下キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」
「キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!! 」
「キタキタうるさい!」
「(´・ω・`)ショボーン」
「・・・なにがきたんだ?」
「マリアナで指揮を執った小沢中将とやらに、アスカとやらと同じような質問をした者が居たのだそうだ。
後知恵で意見してあっさり切り返されるという醜態を晒したそうだが・・・」
「誰が醜態を晒してるってのよ!」
「・・・対案の無い批判は意味がありません。
出すのならちゃんとした対案を提示してから、批判するなりなんなりして下さい。」
「む・・・じゃあ、アウトレンジなんて小細工しないで普通に攻撃してたほうがマシだったでしょ。」
「・・・対案になってませんよ?
通常の攻撃方法では、日本の優位点が無くなり単純に数の勝負になります。
普通に攻撃しても負けるからアウトレンジ戦術を執ったのであって・・・
正攻法で挑んで勝算があると言うなら納得しますが・・・あるのですか、勝算は?」
「んなの、私が知るわけないじゃない。そういうのはやってみなきゃ分かんないモンでしょ。」
「それなら、アウトレンジもやってみなければ解りませんと言えますね。
搭乗員の練度に不安はありますが、もしかしたらうまくいくかもしれない・・・。
何より、奇襲をかけられれば通常攻撃よりも戦果は見込めますし自軍の損害も軽減出来ますから。」
「う・・・」
「アスカさんテラカワイソスwwww」
「るさいわよ!じゃあ、これはどうなのよ!」
Q.機密文書が奪われたのは失敗だった。
「・・・それについては弁明の余地はありません。」
「なんの話だ?」
「先程のマリアナ沖での戦いが行われる約二ヶ月前・・・
連合艦隊司令部幕僚の乗った二式大艇が遭難し不時着、フィリピンの抗日ゲリラに捉えられるという出来事があったのです。
その過程で、日本の防衛計画を記した機密文書が奪われてしまうという不手際が発生してしまいました。」
「そんな事してたら勝てるものも勝てるわけないでしょうにね〜」
「水を得た魚の様なアスカさん萌え〜♪」
「萌え〜♪」
「るさいっての!」
「何をやってんだか・・・機密文書なんて破棄するもんじゃないのか?」
「・・・一応、抗日ゲリラという事に気付いた時点で機密文書は海中に投棄したらしいのですが、後で回収されてしまっていたそうです。
当初は現地住民だと思っていたらしく、抗日ゲリラと気付くのが遅れたのが失敗だったとも言えますが・・・
あからさまに私達はゲリラですといった風貌でゲリラが近寄ってくるわけでもありませんからね。」
「あんたって、ホント甘いわね。」
「その時、助け出された人達は二式大艇の搭乗員も含めて8名だったそうです。
助けられた当初、その8名の誰もが不審に思わなかったという点を考えても・・・ゲリラをゲリラと気付くのには無理があったかと思われます。」
「百歩譲って、文書を奪われたのが仕方なかったとしても、その後で何の対策もしてないじゃない。」
「・・・一口に対策と言われましても、何をどうすれば良かったと言うのですか?
仮に対策を立てるにしても、マリアナでの決戦には間に合いませんし一朝一夕に暗号を変える事も出来ません。
小手先の変更ではどのみち解読されてしまいますし、抜本的に変えるのであれば全ての部隊の装備を更新する必要が出てきます。
おまけに戦争が末期になると日本軍は本当に一杯一杯になっていき、正直それどころではなくなっていくのです。
アメリカ軍に対抗する為にあれもこれもやれというのはムリですよ?」
「む・・・」
「アスカさん・・・、もう頑張らなくて良いんですよ。貴方は精一杯の事をしたんです。」
「るさい!あんたに同情されたかないわよ!」
「そういえば、マリアナの後は日本はどんどん負けていくんだったか・・・」
「へ?なんでプルツーそんな事知ってんの?説明まだじゃん。」
「・・・潜水艦の説明の時にそんな話が出ていたろう。お前は何を聞いてるんだ?」
「そだっけ?つい忘れちゃってさ♪」
「・・・それでは次の疑問点に進みましょうか。」
Q.レイテでの栗田艦隊の反転は失敗だった。
「・・・有名な話なので一応出してみましたが今更と言った感じですね。」
「そうだな。敵情も解らないあの状況での突入などムリな相談だ。連絡の不備という不手際はあったが・・・」
「連絡の不備と言うか・・・アメリカ軍が日本軍の通信を妨害していたという話もありますからね。
古来から戦争において通信は重要視されていたものですから、このあたりの話は次への教訓と言えるでしょう。」
「私には反転がどうとか話がサッパリ解らないんだが・・・」
「レイテ 反転でググればすぐに出てきますよ?」
「過去ログ読んで欲しいよね〜。」
「・・・お前達に言われたくない。」
「栗田艦隊の反転というのは、マリアナ沖から約4ヶ月後にフィリピンで起きた比島沖海戦での出来事です。
先程の地図で示したレイテ湾に進出したアメリカ軍を撃滅するために、戦艦を中心とした水上部隊で突撃・・・
作戦というにはムリがありますが、他に方法があるわけでもなく・・・計画は実行に移されました。」
「で、反転ってのは?」
「栗田艦隊がレイテ湾に突入するにはアメリカ軍の機動部隊が障害となります。
そこで、帝国海軍の機動部隊が囮となってこれを北方に誘致、その間に栗田艦隊はレイテに突入、敵を撃滅する・・・
しかし、機動部隊の誘致成功の情報が栗田艦隊には届かず、同艦隊は反転し北上・・・これが栗田艦隊の反転に至る経緯です。」
「・・・それが問題なのか?」
「さぁ・・・?」
「問題大有りでしょ。作戦計画じゃ艦隊を失う事になっても構わないってなってんのに反転してんだから。」
「・・・そのあたりは現場の判断でしょう。
レイテに突入し戦果が得られる見込みが無ければただの無駄死にになってしまいます。
艦隊をすり潰す覚悟があると言うのと、実際に突入するのとでは話が全く違ってきます。
それに、作戦通りにただ行動するだけなら艦隊司令官など必要ありませんからね。現場の裁量を否定するのですか?」
「え?いや、そういうワケじゃないけど・・・」
「それに、この話題はこちらとリンクさせて考えるとさらに解りやすいかと。」
Q.大和の沖縄突入も含めて特攻は無駄だった。
「もう沖縄の話にまで進めるのか?」
「・・・戦争の経緯についてはすでに説明が終了していますから。」
「・・・沖縄ってのは?」
「マリアナ・パラオ・フィリピンへ次々に侵攻され、日本軍は戦力を回復する間がありませんでした。
1945年に入ると、アメリカ軍は本土への空襲に加え日本の近海へも徐々に侵攻して来たのです。その一つが沖縄です。
この頃には帝国海軍には通常攻撃での成算が立たず・・・体当たりでの特攻という戦術がメインとなりつつありました。」
「そういや、特攻も非難されてるからな。」
「・・・特攻そのものは容認出来る作戦ではありませんし非難されるのも当然でしょう。
しかし、当時の状況では他に方法らしい方法が無かったという点も忘れてはいけません。
特攻を肯定する意見を言うと、もっと早く降伏していれば良かったという指摘が出てくる事も多いのですが
国家の無条件降伏が危険であるという事も覚えておかなければならない要素の一つです。」
「もう耳タコで覚えちゃったよね〜♪」
「ね〜♪」
「で、それが反転とかと何の関係があるってのよ?」
「・・・ちょっと話が脱線しましたね。
栗田艦隊に話を戻しますが、それが作戦だからレイテへ何が何でも突入しろと言うのであれば
大和の沖縄特攻も回天や桜花、その他の全ての特攻も作戦だからという点で容認するのか?という話になるわけです。」
「なるの?」
「どう説明を変えようと理屈は一緒ですからね。
命令だからレイテに突入=命令だから敵艦に特攻・・・本質的にはどちらも同じ意見でしょう?
アスカは命令だからと言って大和の沖縄特攻を肯定するんですか?」
「はぁ?あれとこれとは話が別でしょ。突入させるだけ無駄な大和とレイテを一緒にすんじゃないわよ。」
「・・・つまりはそういう事なんです。」
「ほえ?」
「・・・今回の大和やレイテに限らず、こういった指摘の元となるのが作戦が無駄か否かという事だと思います。
私が第一次ソロモン海戦やレイテでの反転を否定しないのは、攻撃続行しても戦果が得られなかった可能性もあると見ているからです。
攻撃続行を唱える方はおそらく攻撃続行=必ず戦果が得られると考えているのではないかと・・・」
「ちょっと待ちなさいよ。その言い方じゃ、まるで私が短絡的みたいじゃない。」
「みたい?」
「なによ、その疑問系は!」
「言い方は乱暴ですが、本質的にはそういったものでしょう。
攻撃続行するリスクも考えた上での決断・・・それを臆病と見るかどうかは人それぞれですが
指揮官は自分だけではなく大勢の部下の命も預かっています。
地位が高くなれば従う兵の数は自ずと増えますから、慎重な決断を下すのはある意味当然とも言えますね。」
「だから、それで負けてちゃ意味無いって言ってんでしょうが。」
「ですから、リスクは無視するんですか?と再三聞いているのですが・・・」
「じゃあ、大和の特攻はどうなのよ?あれこそ無駄の極致じゃない。」
「・・・その言い方は心外ですね。
行為そのものは無謀かもしれませんが、水上部隊による沖縄への支援としては他に方法など無かったのです。
それとも他に何か良い方法でもあったと言うのですか?」
「んなの、私が知るわけないでしょ。でも、無駄なものは無駄ってちゃんと言っとかないと駄目でしょうが。」
「それは解りますが、簡単に無駄と切り捨てて良い話ではありません。
途中で沈んだから無駄、目的を果たせなかったから無駄・・・
それを肯定してしまえばそれまでの日本軍の行為全てが無駄という意味になってしまいます。
特攻そのものについては肯定出来ませんが、逆に簡単に否定すれば良いというものでもないのです。」
「話は平行線か?」
「・・・そうでしょうね。こういった問題はいつまでも決着がつかないものですから。」
「アンタが日本軍は無謀でしたって認めれば終わるんだっての。一体、いつまで擁護すれば気が済むのよ?」
「私から見れば、いつまで非難すれば気が済むのか・・・と言った感じなのですが。」
「本当に平行線だな。」
「・・・そろそろ終わりにしましょうか。もう、私個人の主張はほとんど終わってるようなものですからね。」
「オhルんですか?」
「・・・意味が違います。
もっとも、私の意見も当然完璧ではありませんし見解の相違もあるでしょう。
ただ、こういった意見もあると記憶の片隅にでも留めておいて頂ければそれはそれで幸いです。」
「もう、終わりなの?」
「もう・・・って言うか十分過ぎるでしょ。一体いつまでファーストの妄想に付き合えば良いってのよ。」
「だが、終わりにするのであれば総括は必要だろう。このままでは主旨が不明のままだからな。」
「総括・・・私としてはこんなところでしょうか。」
過去の教訓を学び未来に役立てる
「これだけ?」
「・・・そうですよ。あの戦争は色々な教訓を残しています。
戦争に至る経緯から細かい戦術的な話まで多種多様・・・負けて学ぶという言葉がこれほど適切な題材はありません。
最終的に世界のほぼ全てが敵となった状況から日本が国として存続しているだけでも奇跡と言えます。
せっかく今も日本という国があるのですから、犠牲となられた方々の死を無駄にしないように日々過ごしていきたいものですね。」
「何をエラそーに。無駄にしないって例えばどうやってよ?」
「どうやって・・・と言うか、
「でも、戦後の日本ってアメリカの属国みたいなモンじゃないの?」
「日本人が日本の言葉で自国の歴史を学び、それを自分達の意思で未来に託していける・・・それで十分ではないでしょうか。
国防という分野では戦後日本はアメリカに頼らなければなりませんが、軍事的な自立も決して良い事ばかりではありません。
現に戦前の日本は自国の守りを自国でどうにかしなければならず、それが国家予算を圧迫していました。
色々言われていますが、戦後のアメリカとの関係は決してデメリットばかりでは無いのです。」
「で、それと長々と戦争の話してたのは何の関係があんのよ?」
「戦前の日本は無能だったとする意見はある種の精神操作だと思うからです。
戦前の日本は無能という前提では彼らを誇りに思う事も尊敬する事も出来ないでしょう?それは自ずと愛国心を奪う事にも繋がります。」
「だから万歳(マンセー)しろっての?」
「・・・そうは言っていません。彼らは立派に戦いましたが、生きる時代が違うだけで本質的には同じ人間です。
失敗もあれば判断ミスもあり、戦争に突入して敗北を喫するという最悪の選択を導いてしまいました。
ですが、だからと言って無能の一言で終わらせていい話でもありません。
先の戦争は敗北した=当事者は無能という結論では先の戦争から何も学んでいない事になります。
よく言われるように
「なんで駄目なの?」
「教訓を学ばなければ同じ失敗を繰り返す恐れがある。過ちなど何度も繰り返したいものではあるまい?」
「・・・そういう事です。先の戦争で大敗して様々な教訓を得ておきながら、
また何処かの国と戦争をして日本が敗北・・・亡国となってしまったら先の戦争で散っていった方々に申し訳が立ちませんから。」
「亡国ってをい。」
「・・・何事も油断は禁物です。
また、戦前の例を見ても解る様にちょっとしたキッカケが後世の戦争の原因となる可能性もあります。
ですから戦争が無い時代であっても国の舵取りを誤らせるような事があってはならないのです。」
「風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話だな。」
「そういうものだと思ってもらえば・・・
戦後の日本で国民の誰もができる事と言えば、結局は選挙に行きましょうという結論にはなってしまうのですが。」
「やっぱり、選挙ってそんなに大事?」
「選挙というよりは・・・民意ですね。
戦前の日本も民意を無視する事は出来ず、結果的に民意が国の舵取りを誤らせる要因にもなってしまいました。
ですが、当時の国民の方々に与えられた情報源は精々ラジオか新聞、その他の雑誌程度・・・
何事も情報は大事なもの・・・限定された情報、それも情報発信者の主観や売り上げを目的としたものが多くてはどうにもならず
正しい選択が出来なかったという事については何の不思議もありません。
判断に必要な情報が無ければ、正常な判断力があろうと正しい判断は下せないものですから。」
「情報があっても判断してない人もいますよ。」
「誰の話よ!」
「だって〜、何度も何度も玉砕してましたしぃ〜」
「るさいわよ!ファーストの主観バリバリの情報なんかいらないっての!」
「お前ら、いつまでいつも通りなんだ?最後なんだからビシッと決めりゃいいのに。」
「・・・まぁ、一応は結論は出たか?」
「・・・そうですね。」
「でも、話が多すぎでなんかよく解らなくなってきちゃった・・・。」
「要するに、自分達の国を大事にしていこうって事だろ?何も難しく考える事は無い。」
「そなの?」
「・・・平たく言うならそんなところですね。」
「それじゃ、プルツーが綺麗にまとめてくれたトコで終了〜♪」
「・・・お前が仕切るのか。」
「嫌な幕切れだな。」
「アスカさんも終了〜♪」
「ワケわかんないわよ!」
「お前ら、いつもどおり杉。」
「せめて、最後くらいは五省で終わろうと思っていたのですが・・・」
「は?なんで私らがそんな事に付き合わなきゃなんないのよ。」
「五省?」
「玉砕王キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人(
゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!」
「教えてクンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」
「キタキタうるさい!」
「誰が教えてクンだ!」
「五省とは一日の終りに唱和するものなのですが・・・」
「これじゃ・・・」
「・・・無理だな。」
「残念です・・・。」
終幕