「シルフェ!」
「伊藤の。」
「ワクワク懐かしのゲーム攻略講座〜!」
「今さらそのつかみを持ってくんのはどうかと思うんだけど・・・」
「さ、楽しい楽しい講座も今回で8回目となりました〜!」
「スルーかよ・・・。」
「次はどんなゲームの攻略なんです?」
「え〜とねぇ、次はこれをやってみようかなって。」
「これはなんだ?」
「1985年にアスキーさんから発売されたクソゲーボコスカウォーズだね。」
「クソゲーって、をい。」
「ま、今回のゲームは説明無くても大丈夫かな。やっちゃって。」
「やっちゃってって・・・操作方法が分からないんですけど。」
「スタートボタンを押すとゲームが始まるんだけど・・・」
「その白い人が主人公。なんかの王様なんだって。
で、その王様を操作して左に歩いていって、一番端っこにいるラスボスを倒すとクリアってワケ。」
「なるほど・・・。」
「RPGみたいなモンか?」
「う〜ん・・・、どっちかって言うとアクションRPGって言った方が良いのかな・・・?
ジャンルがハッキリしない時期のゲームだからよく分からないんだよね。」
「とにかく少し動かしてみます。え〜と・・・あれ?」
「どした?」
「なんか・・・、ちょっと動きがもっさりしてますね。」
「もっさりってなによ・・・。」
「う〜ん、少し動きが鈍いって言うか・・・なんて言うか・・・」
「操作性が悪いって事ですか?」
「ぶっちゃけんじゃないわよ、アンタは。少しは歯に衣着せなさいよ。」
「まぁ、昔のゲームみたいですからね。そのあたりは仕方ないんだと思いますよ。え〜と・・・」
「なんか敵が出てきましたよ?」
「うん、敵だね。」
「これ、どうやって戦うんですか?」
「体当たり。」
「は?体当たり?」
「うん。敵と接触すると戦闘開始するんだ。とりあえずやってみて。」
「はい。え〜と・・・」
→
「なんか、ガーガーガーガーって言ってるけど、なにこれ。」
「戦闘シーンだよ。まぁ、昔のゲームだから。」
「敵と触れて戦闘ってのは分かったんですけど・・・これってどうやって勝敗が決まるんですか?」
「え〜とね・・・確率。」
「え?」
「確率って?」
「このゲームのキャラって強さの値は設定されてて、
その数値が強いほど勝てる可能性は高くなるんだけど最終的には運がモノをいうんだ。
だから、どんなに強くても負ける可能性はあるって事だね。」
「え〜と・・・・・・え?まだよく分からないんですけど。」
「じゃ、とりあえずその辺の敵と戦ってみて♪」
「え、はい。分かりました。」
「またガーガーガーガー言ってるわね。」
「そうみたいですね。でも、こういう戦闘シーンですから仕方が無―――」
「あれ?」
「なんだ?」
「ゲームオーバーだね。」
「え?なんでゲームオーバーなんですか?」
「戦闘に負けちゃうとこうなるんだ。それで、また最初からやりなおし。」
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
「これって、戦闘中になんかやるとかないわけ?連打とかコマンドとか・・・」
「ないよ。ある程度勝率を高める事は出来ても最終的には運任せになるんだ。」
「生きて滑走路を踏める運は全て神任せ。俺たちゃ地獄の悪魔と手を取った。」
「面白いですよね。その漫画。」
「まぁな。でも、そういう事言ってる場合じゃないだろ。またタイトル画面に戻っちまったぜ。」
「あ・・・」
「これでこのゲームの基本は分かってもらえたかな?基本的に運任せだって。」
「はい。すごく・・・」
「それじゃ、あらためて再スタートしてみよっか。」
「なんか・・・、クリア出来る気がしないんですけど・・・」
「まぁ、出来なかったら出来なかったでその時だからさ。とりあえずもう一回くらいやってみようよ。」
「はい・・・。」
「でね、再スタートして早々なんだけど、その辺の木に適当に触ってみて。」
「え?木に・・・何も起こりませんけど。」
「それじゃ別の木だね。根気良くさわっていってね。」
「はい。あれ?」
「なんか出てきましたよ?」
「それが仲間だね。騎士かな。」
「で、そんなふうに仲間を探しつつ左の方へ進んでいけば良いってワケ。」
「なるほど・・・。」
「仲間は騎士と兵卒の二種類、
兵卒はあんまり強くないんだけど仲間になる数が多くて、騎士は数は少ないけど強いってのが特徴かな。」
「って言うと、騎士は温存しといた方が良いわけか?」
「なんでです?」
「仮にもRPGなんだからボス戦くらいあるだろうし、その時のためにとっといた方が良いだろ。
第一、王で戦ってまたゲームオーバーになったらどうすんだよ?」
「それもそうですね。」
「ま、騎士を温存ってのはしといた方がいいね。理由は少し違うんだけど。」
「・・・ワケが分かんないんだけど。」
「ま、その話はおいおい。とりあえず仲間を集めつつ先に進んでみて。
基本的に敵とはなるべく戦わないようにしてね。」
「戦っちゃだめなんですか?」
「え〜と・・・、画面の左上の方に数字が二つあると思うんだけど・・・180と50ってあるの分かる?」
「はい。」
「で、180ってのが敵の総数で50が味方の数。
だから、3倍以上の敵と戦わなきゃ駄目って事なんだけど・・・普通にやったら間違いなく味方の数が足りなくなっちゃうんだよね。」
「なんか、クリア出来る気がしないんだけど。」
「だから、敵とは戦わないでなるべく避けて進んだ方が良いんだ。」
「なるほど・・・。」
「でも、こんなふうに、どうやっても避けられなさそうな時はどうするんですか?」
「その時はケースバイケースだね。左の方の赤い敵はそんなに強くないから、
王様を使って倒しちゃうのが良いと思うよ。」
「え?でも王様って負けたらゲームオーバーなんじゃ・・・?」
「その敵は最弱だから王様ならまず負けないと思うよ。それに、ここで負けたとしてもやり直すのはすぐだし。」
「負ける事は前提なのね。」
「最弱って言われても、どのくらいの強さなのかピンとこないんですけど・・・」
「その赤い敵は数値で言うと10だね。ちなみに王様の数値は・・・今だと220かな?」
「戦闘力たったの10・・・ゴミめ。」
「ラディッツさん乙であります。」
「数値が5だったらもっと良かったんですけどね。」
「何の話をしとるか。」
「でも、こんなに数字に差があるのに主人公でも負けたりするんだろ?ある意味やっかいなシステムだよな。」
「そういうゲームだからね。気長にいこうよ。」
「ところで、王様で戦おうと思っても仲間の人達も一緒に動いちゃうんですよね。
これ、難しくないですか?」
「あ、その時はAボタンで、動かせるキャラを変えられるんだ。
王様1人、兵卒全員、騎士全員、味方全員の4パターンしかないんだけどうまくやってね。」
「はい。」
「あ、なんか左下の方にヘンなのが見えてきましたよ?」
「あそこは牢屋だね。紫色の壁みたいなのと紫色の敵が2人いるのは分かる?」
「はい。」
「そこは味方の兵卒が5人囚われている牢屋。紫色の壁は鉄格子で騎士で壊す事が出来るんだ。
で、紫色の敵は看守みたいな人、そこそこ強いから気をつけてね。」
「つまり、騎士さんを使って壁を壊して味方を救い出せば良いって事ですね?」
「そゆこと。」
「看守さんの戦闘力はどのくらいですか?」
「戦闘力ってをい。」
「30くらいだったかな。味方の兵卒の数値が40だから・・・割と強い相手だね。」
「なら、なるべく避けた方が良いみたいですね。とりあえず騎士さんで壁を壊しましょう。」
「お、本当に壊せるんだな。」
「そしたら、兵卒をうまく操作して牢屋の外に出すだけ。」
「けっこうな大所帯になっちまったな。」
「でも、いつの間にか兵士が3人死んでるのね。」
「それは・・・まだ、操作に慣れてないもので・・・」
「あれ?兵士に黄色いのが混ざってんだけど、なにあれ?」
「あれは昇格したんだよ。敵との戦闘で何回か勝つとあんなふうに黄色くなって強さが上がるんだ。
騎士もあんなふうに黄色くなるんだよ。」
「へぇ〜、まるで超サイヤ人みたいですね。」
「言うと思った。」
「敵に勝ちさえすれば何人でも昇格出来るからね。まぁ、何人も勝ち続けるってのはかなり運が必要なんだけど。」
「じゃあ、運さえ良ければ味方全員昇格させる事も出来るって事ですね?」
「まるで超サイヤ人のバーゲンセールだな。」
「でも、全員勝ち続けるってのはまず無理だからいつの間にか味方が全滅って可能性もあるからね。
やっぱり無理はしないでなるべく温存ってのが良いかな。」
「そうですか・・・。」
「(´・ω・`)ショボーン」
「ちなみに、左の白い壁は次の面との境界線。王様で壊さないと先に進めないんだ。」
「それじゃ、壁を壊して先に進みましょう。」
「2面はこんなふうに木がたくさんあるんだけど、大きい木は王様で壊せるからうまく壊しながら進んでね。」
「と言うと・・・、王様を単独で動かして木を切り倒しちゃった方が良いって事ですか?」
「それはやっぱりケースバイケースだね。敵をうまく足止めしておくためにも障害物はいるから。」
「なるほど・・・。」
「それじゃ、また兵士を助けてあげてね。面の最後にはこんなふうに兵士が捕まっちゃってるからさ。」
「ところで、騎士で鉄格子を壊すって言うのは分かったけど・・・騎士がいなかったらどうすんの?」
「助けられないよ。」
「は?無理なの?」
「そういうゲームだからね。だから、騎士はなるべく温存しといた方が良いんだよ。
それに、後々、別の目的でも必要にもなるからね。」
「でも、いつの間にか兵士が何人か死んじゃってるじゃない。何やってんのよ。」
「だって、結構難しいんですよ?動きがもっさりしてるし・・・
超サイヤ人の兵卒さんもいつの間にか亡くなられちゃいましたし・・・」
「もっさりって何よ。」
「ま、そのくらい生き残ってれば上々だよ。気を取り直して先に進も♪」
「はい。でも・・・」
「敵の兵隊さんがすごく邪魔で・・・」
「ぬっ殺しちゃえばいいじゃない。」
「でも、王様でも負けてたりするんですよね?いくらなんでもここで死ぬのは嫌ですし・・・」
「なら、兵卒でどうにかするしかないかな。騎士は温存した方が良いから・・・
兵卒も無駄に使っちゃうのはよくないんだけど・・・仕方ないからね。」
「はい。」
「それに、もう王様は無理して戦わせなくても良いよ。最強になっちゃってるし。」
「最強ってのは?」
「ん〜とね、一応戦って勝つと強さが上がっていくんだ。
王様の場合は初期値が220で最高で320まで上がるんだけど、今だともう上限まで上がっちゃってるから戦ってもリスクしかないし。」
「ほう・・・戦闘力320、こんなヤツもいたのか。だが所詮俺の敵ではない。」
「なんだと!貴様、誰に向かってしゃべっているのか分かってるのか!」
「さぁな。」
「おい。ドラゴンボールネタはどうでもいいから。」
「なんとか先に進めたわね。」
「思ったより兵士も死ななかったし良かったじゃない。」
「そうですね。気を取り直して先に進みましょう。」
「あ、ちょっと待って。ここはちょっと特殊なんだ。」
「特殊って・・・?」
「左の方にレンガに囲まれた敵がいるのは分かる?」
「はい。」
「それじゃ、まず兵卒だけを動かせるようにして。」
「え?はい。」
「で、次に兵卒を先に進ませちゃって。」
「先にって・・・どれくらいですか?」
「とりあえず、その左の変な敵の近くから見えなくなるくらい。」
「分かりました。」
「それが終わったら今度は騎士さんを上の方に待機させちゃって。」
「はい。こんな感じですか?」
「うん。それじゃ今度は王様で敵の下あたりまで移動してみて。そうすると・・・」
「そうすると・・・あれ?」
「こんなふうに壁みたいなのが敵に変化するんだ。なんかこの敵幻術士とかそういうのみたいなんだけど・・・
その青っぽい敵は王様を追ってくるから、王様を少し下がらせて。
そして、真ん中の幻術士を騎士で倒すようにすると・・・」
「はい。え〜と・・・」
「あ、やった!敵が全部消えちゃいましたよ!」
「さっきの壁は幻術士の出した幻だからね。元を叩けば全て消えちゃうんだ。
逆から言うと、幻術をいくら倒しても幻術士を倒さない限り延々と出てくるって事なんだけどね。」
「しかもその幻術もそこそこ強いから兵卒じゃすぐに全滅しちゃうからね。
この面はこの先も幻術士が結構出てくるから、こんなふうにやっていった方が良いよ?」
「でも、騎士さんを使って大丈夫なんですか?」
「ん〜・・・、あんまり味方の数が減っちゃうのはよくないから、出来れば戦わないで先に進んだ方が良いんだけど
どうしても避けられない時は騎士で相手をした方が効率が良いっていうのは覚えておいてね。」
「分かりました。」
・
・
・
「ずいぶん増えたわね。」
「そうですね。シルフェさんや伊藤さんの言う通りにやってるだけですけどね。」
「そうだね。順調順調。でも、次の面に進む前にちょっと注意があるんだよね。」
「え?」
「次の面に入る時なんだけど、味方のラインはなるべくその位置のままで進んでって。」
「どういう事だ?」
「だから、兵卒とか騎士は上の方にいるよね?だから、大体そのくらいの位置のままで先に進むって事。
王様も王様で下から4段目から上には絶対に上がらないようにして。」
「絶対に・・・?そんなに重要な事なんですか?」
「うん。次の面を確実に進む為には必要なんだ。とにかく先に進んでみて。」
「はい。」
「それで、一体なにがどうしたんです?」
「左の方に黄色い敵がいるのは分かる?」
「はい。え〜と・・・初めて見る敵さんですね。」
「それ敵の重騎士とかって話しなんだけど強いんだよね。
しかも、この面だと数が多くてこのまま進むととんでもない事になっちゃうから、ここでどうにかしておかないと駄目なんだ。」
「とんでもない事って・・・?」
「せっかくの兵卒が全滅しちゃうかもしれないって事かな。」
「それは一大事じゃないですか。でも、味方の兵卒さんってあんなにたくさんいるのに全滅なんてピンとこないんですけど・・・」
「敵の重騎士だとかなり分が悪い相手だからね。出来れば相手をしない方が良いんだけど
普通にやったらやり過ごすのも難しいからここはちょっと良い方法があるんだ。」
「方法って?」
「じゃ、ちょっと画面に線を入れてみるから、それを見て。」
「なんです?その白い線。」
「そのラインに兵卒を並べちゃって。もちろん隙間無くね。
騎士は一番左のブロックの先に適当に待機させておくよーに。」
「???」
「ほら、さっさとやんなさいよ。」
「でも、よく意味が分からないんですけど・・・」
「アンタが理解するまで待ってたら日が暮れるわよ。シルフェがああ言ってんだからその通りやってれば良いでしょうが。」
「・・・分かりました。」
・
・
・
「これで良いですか?何度かやってみたんですけど中々うまくいかなくて・・・」
「うん。多分大丈夫かな。それじゃ、王様を下から5段目のラインに上げてみて。
そうすると、敵の重騎士が王様の近くに寄ってくるはずだから。」
「寄ってくるって・・・それ駄目なんじゃないですか?」
「大丈夫だよ。このゲームは自分から体当たりしない限り戦闘にならないから。
でね、敵の重騎士を出来るだけ下に集めて欲しいんだ。」
「集めてって言われましても・・・」
「敵の重騎士は王様と同じラインに居る時に近寄ってくるから、その辺を頭に入れて適当に動いてみて。」
「分かりました。」
「あと、もう一つ注意点があるんだけど・・・」
「王様が下がれるのはこのラインまで。
そこから後ろに下がっちゃうとエライ事になっちゃうから気をつけてね。
それで、最終的には王様は味方の兵卒の上・・・この図だと左上になるけどそっちを通って先に進む予定だから
白いラインの下の方にはいかないでね。」
「う〜ん・・・」
「まぁ、適当に上下左右に動いてみて。」
「・・・はい。」
「なんかスゴイことになってんな。」
「これで・・・これからどうすれば良いんですか?」
「まだ、敵の重騎士は全部じゃないんだけど・・・まぁ、いっか。
それじゃ、次は敵の重騎士の左端の部分の隣にこっちの騎士を移動させちゃって。」
「う〜ん・・・」
「まぁ、とりあえず言うとおりにしてみたらどうだ?」
「それはそうなんですけど、自分が何をしてるのかイマイチ分からなくて・・・」
「ま、それは全部終わってからのお楽しみって事で♪」
「これで良いんですか?」
「うん。それじゃ、次は王様を上から迂回させて先に進ませて。」
「先にって・・・どれくらいです?」
「とりあえず敵の重騎士の左まで。後は兵卒も動かさなきゃならないから、ちゃんと見渡せるくらいの位置までだね。
で、王様を動かした後で兵卒を適当に先に進ませて、騎士も動かせば今回のお仕事は終了。」
「まだ何がなんだかよく分からないんですけど・・・」
「敵の重騎士の動きって、王様に向かって近寄るパターンなんだけど
王様と同じ縦のラインに居ない限りは王様を越えて左右に移動する事は無いんだ。」
「???」
「分かりやすく表現するとこんな感じかな?」
「つまり、敵の重騎士を王様の右側に移動させてしまえば王様から左の味方は安全になるという事ですか?」
「ん〜・・・、まぁ、そんな感じ?」
「味方を温存しつつ、王様も安全に進ませる方法ってところだね。」
「へぇ〜、こんな方法よく思いつきましたね。」
「エヘヘ、これ別のサイトの受け売りなんだけどね。」
「またかよ・・・。」
「でも、普通にやったらあの重騎士が鬼門だからね。
これでクリアに一歩近づいた事になるんだから良いじゃん。」
「それもそうですね。」
「でもさ、それなら王様だけいったん右の方に下げちゃって敵の重騎士を避けてから味方と合流すれば良いんじゃないの?」
「その避けるが大変なんだよ、アスカさん。
敵の重騎士も1人2人なら良いけど、この面では20人以上出てくるからあっという間に敵が壁になって避けられなくなっちゃうんだ。」
「しかも敵の重騎士の強さは100だからね。最強になった王様でもかなりキツい相手だと思うよ。」
「100と言う事は・・・銃を持った農夫さん20人分の戦闘力という事ですね?」
「ワケわかんねーよ。」
「・・・・・。」
「残念でしたね、アスカさん。」
「うるさいわね!アンタに同情されたかないわよ!」
「これから先はとりあえず敵のお城を目指して進むだけ。ここからお城までは大した障害は無いからさ。」
「了解です。」
・
・
・
「そろそろ敵のお城に到着だね。」
「そうなんですか?」
「下に88mって書いてあるでしょ?それラスボスまでの距離みたいなモンだから。」
「ふーん。」
「で、そろそろお城なんだけど・・・ちょっとやってもらいたい事があるんだ。」
「やってもらいたい事?」
「お城に入る前に、味方のフォーメーションを変えて欲しくてさ。
お城の前の一番下のラインに兵卒を並べてその上に騎士を並べちゃって。くれぐれもお城の中には入らないでね。」
「また面倒な話なのか?」
「まぁね。」
「あの、え〜と・・・こうですか?」
「そうそう。そんな感じ。
それが済んだら、王様だけで敵の重騎士と戦わない様に城の中の最初の曲がり角まで進んでくれる?」
「はい。」
「そしたら一旦、城の外まで脱出。城から一歩出たところで止まってね。」
「???」
「そしたら、こんな感じになると思うんだけど・・・」
「これで準備は完了。王様を上下に動かして敵の重騎士をまたおびき寄せて欲しいんだ。」
「またですか?」
「普通にやったらまず味方全滅すると思うよ。ここは面倒でも頑張って♪」
「はい。」
・
・
・
「これで良いですか?」
「うん。」
「ずいぶん時間かかってたわね。」
「だって、中々敵の重騎士さんがこっちに来てくれなかったから・・・」
「ま、そのあたりはしょーがないよ。それじゃ次の手順に移ろうか。」
「次?」
「今度は敵の重騎士さんを城から出す必要があるんだけど、味方の騎士さんの最後尾から後には下がらないようにしてね。」
「え〜と・・・つまり、下がれるのは3歩って事ですか?」
「とりあえずはね。うまく王様を上下させつつ敵の重騎士をおびき寄せちゃって。」
「はい。」
「敵の重騎士を縦に並べられる数は6人までだから気をつけてね。」
「これで良いですか?」
「うん。うまいうまい。そしたら味方の騎士を上に二歩移動。そうすればお仕事終了♪」
「はい。え〜と・・・」
「こうですよね?」
「そうだね。そしたらまずは兵卒のみんなを城の中に入れちゃって。」
「入れちゃってって・・・どれくらいですか?」
「う〜ん、とりあえず画面から消えちゃうくらいかな。あ、でも1人だけは残しておいてもらいたいんだけど。
場所はここかな。白い丸でしるしをつけたあたり。」
「あそこに兵卒を置いておけばいいわけ?」
「そ。これやっとかないと王様を進めた時に重騎士と鉢合わせしちゃうからね。」
「でも、敵は1人ですよね?それくらいなら・・・」
「ゲームオーバーになっちゃうかもしれないよ?それでも良いの?」
「それは・・・ダメです。」
「王様がこの位置まで進んだら、外の騎士さんを城の中に移動させて王様の近くに待機。
そしたら後は全員で先に進んじゃっても大丈夫だからさ。」
「でも、ずっと気になってたんだけどよ。兵卒をこんなにとっといて何になるんだ?」
「それは先に進んでからのお楽しみだね。兵卒さんがいないとこの城の難易度がかなり上がっちゃうからさ。」
「ふ〜ん。」
「あの、後は先に進めば良いんでしたっけ?」
「そだね。道なりに進んでいけばラスボスのいるところまでは普通にたどり着けるから。」
「行き止まりみたいです。という事は・・・」
「左下のオレンジなのがラスボス。オゴレス王かな。」
「なんか緑色の変な敵がいますね。これは?」
「敵の親衛隊。相当強い相手で、こっちの黄色い騎士でも中々勝てない相手なんだけど・・・
兵卒で突撃させちゃって。」
「え?兵卒さんで?そんなの自殺行為じゃないですか。」
「大丈夫だよ。兵卒さんなら親衛隊相手に楽に勝てるから。」
「そうなの?」
「うん。」
「もしかして、兵卒を温存してたのは親衛隊対策だったのか?」
「そだよ。だって、兵卒さんがいないと親衛隊には中々勝てないもん。ホントに。」
「へぇ〜、意外と奥が深いゲームなんですね。」
「仕掛けさえ分かっちゃえば、そんなに深くないんだけどね。」
「さて、あとはラスボスを倒すだけですね。」
「味方もけっこう生き残ってるみたいだし、これなら楽勝でしょ。」
「あ、ラスボスは王様じゃないと勝てない様になってるから。だから・・・頑張って♪」
「え?王様じゃないと勝てないって・・・でも、負ける可能性もあるんですよね?」
「だね。だから・・・運任せ。」
「なんつーゲームだ。」
「でも、ここでこうしていても仕方ありませんし・・・いきます!」
「え・・・?」
「おい。ここまで来て負けって・・・」
「え?あ・・・じゃ、コンテニューで・・・」
「無いよ。」
「あの、じゃあ・・・これで全部水の泡・・・?」
「そうなっちゃうね。昔のゲームだし。」
「そんな・・・!だってこんなに頑張ったのに最後は運任せなんて酷いですよ!」
「あ、あたしに言われても困っちゃうけど・・・」
「どーすんだ、これ。結局エンディング見れねぇし。」
「え〜、まぁ・・・攻略法が分かったって事で良いんじゃない?次は勝てるよ、きっと。」
「残念だったわねぇ〜。ま、世の中何事もうまくいくわけじゃないって事よね。」
「う、うわああああん!」
「泣きながらどっかいっちゃったわね。」
「サキエル!追いかけて!」
「いや、今回は原因俺じゃねぇし。それにあいつも嘘泣きだろうが。放っとけ。」
・
・
・
「ただいま戻りました〜・・・。」
「どこ行ってたのよ。」
「ちょっと野暮用で・・・。あの、唐突なんですけどアスカさんに聞いて頂きたい歌があるんです。」
「は?」
「ほら、これですよ。音楽は借り物で替え歌なんですけどね。
これならきっと喜んでもらえると思って一生懸命頑張ってみたんです。歌うのは私じゃないんですけど。」
「これって・・・ちょwwwwww」
「なによこれ!私へのあてつけじゃない!」
「そんな事ありませんよ!アスカさんの悲憤を出来るだけ再現しようと思っただけです!
せっかく初音ミクさんに歌ってもらったのに・・・!」
「うれしかないわよ!」
「本当はオゴレス王が倒せないって内容の歌詩にしようかと思ったんですけど、こっちの方が語呂が良かったもので。」
「語呂で決めるな!」
「あの・・・、まだやる気ある?このゲーム。」
「・・・私はもうパスです。さすがに疲れました。」
「そっか。ま、最後は運任せだけどこんなふうにやればクリアは目前だから。やる気がある人は頑張ってね♪」