「次はちょっと趣向を変えてみようか。」
「趣向を変えるって・・・?」
「ほら、これまではどっちかって言うとストーリーなんかあるようで無いようなゲームばかりだったでしょ。」
「そう・・・でしたっけ?」
「まぁね。ストーリーがあったのは悪魔の招待状とメタルマックスくらいのモンでしょ。」
「で、今度やるゲームはストーリー重視のゲームでいこうと思ってさ。」
「ストーリー重視と言うと・・・今回もRPGとかですか?」
「ううん。RPGは前にやったから今度はアドベンチャーにしてみようよ。」
「アドベンチャー・・・?と、言うとやっぱり悪魔の招待状みたいな感じのゲームですか?」
「んーとね。今回やるゲームはこれ。」
「これは?」
「1991年にHAL研究所さんから発売されたアドベンチャー、メタルスレイダーグローリーだね。」
「ずいぶんサッパリしたタイトル画面ね。文字だけって・・・」
「ん〜・・・、ま、それはちょっと後に分かると思うけど・・・ところで、誰がやる?」
「私は少し前にメタルマックスやりましたから・・・今回は見てるだけでいいです。」
「え?じゃ・・・どうしよ。」
「では、私が・・・」
「駄目よ!ゲームなんかでゼルエル様の手を煩わせるなんて!」
「そーよ!そーよ!」
「(´・ω・`)ショボーン」
「僕も見てるだけにします。」
「私は言わずもがなですからね。」
「んじゃ、今回はサキエルさんにやってもらおうか。」
「俺?面倒なのは御免だぞ?」
「大丈夫。アドベンチャーって言ってもこのゲームはそんなに面倒じゃないからさ。」
「そうか?なら良いけど・・・」
「あれ?何もしてねぇのにゲーム始まってるぜ?」
「多分、オープニングみたいなものなんでしょう。でも、話の流れがさっぱり分からないんですけど・・・」
「文字の色と名前から察するに、女の人と男の人の会話なのでしょうね。
問題なのは画面に出ているロボットの様な機械ですが・・・」
「ん・・・、ま、今のところは適当に画面眺めてて。勝手に話進んでくからさ。」
「こいつが主人公ってワケか。で、これがさっきの機械のコクピット・・・と。」
「何かヘンなメッセージが出てきてますね。」
「創造主を探せ。地球は危機に瀕している・・・か。なんつーか、ありがちって言えばありがちよね。」
「それはそうですよ。だって私達の世界だって危機の連続じゃないですか。珍しい事でも何でもありませんよ。」
「・・・危機の元凶の一つのアンタが言える台詞かよ。」
「あれ?これさっきの機械か?形がずいぶん変わっちまってるぞ?」
「なにこれって・・・こっちが聞きたいですよね。」
「ガンダム、大地に立つ!」
「いや・・・、これガンダムじゃないし・・・」
「あ、ここでタイトル画面なんですね。」
「こっちがメインなのね。どーりで・・・。」
「これは、NEWGAMEを選べば良いのか?」
「そだよ。初めてでしょ?」
「言われてみりゃ、そーだな。」
「さっき、台詞が出てたエリナさんってこの人なんですね。なんか・・・どことなくミサトさんに似てません?」
「どこがよ。髪が長くて赤い服ってだけじゃない。」
「で、ゲンって誰だ?」
「大工じゃないの?」
「ほら、一昔前に木槌を持って数字を叩いてたじゃない。」
「何の話よ・・・。」
「さっきのロボットをゲンという人のところから買ったという話もありますし、
あのメッセージも含めて、その辺の事情を聞きに行こうって事じゃないでしょうか。」
「あ、そっか。」
「ところで、あずささんという女の子からおにいちゃんとか言われてますけど・・・」
「やっぱりサキエルさんってシスコンだったんですね。」
「ちょっと待て。どんな短絡思考だよ。」
「その子は主人公の妹さんだね。」
「でも、サキエルさんと髪の色が違ってますよ?」
「待て。なんで比較が俺なんだ。比べるなら主人公だろ。」
「それでも主人公は黒髪っぽかったですから違いますよね。もしかして義理の―――」
「あ〜・・・、一応言っとくけど主人公と血のつながりはあるからね。」
「な〜んだ・・・。」
「なんでガッカリなんだ。リアクションがおかしいぞ、お前ら。」
「居ないみたいですね。」
「どっかで時間潰してくるって話になってるな。」
「どっかでってどこで?」
「適当に散歩っつってるぜ。電気もつけっ放しらしいからすぐに戻ってくるだろうって事だからな。」
「で、これからどうすりゃ良いんだ?」
「適当にその辺見たりエリナとかあずさとかと話でもしてて。そうすればそのうち話が進むようになるから。」
「アドベンチャーってワリにはずいぶん適当だな。」
「そういうゲームだからね。」
・
・
・
「で、何か情報はあった?」
「情報っつっても・・・大したもんはねぇぞ。
8年前の戦争がどうとか主人公の父親がメタルなんとかのパイロットだとかなんとか・・・くらいか。」
「でも、こんな話もありましたよね?」
「ああ、そういやそうだな。」
「この世界って、こんな小さな子がロボット関係を見たり知ったり出来る世界なんでしょうか?」
「さぁ・・・、俺に聞かれてもわからねぇけど。」
「あれ?新しい選択肢が増えてますよ。ほら。」
「こんな風に、物語の展開次第で選択肢が増えたり減ったりするんだ。
だから、このゲームはアドベンチャーって言うよりはインタラクティブシネマ・・・みたいなモン?」
「なんで疑問系なのよ。」
「あ、ちゃんとCLOSEからOPENになってますね。」
「んじゃ、中に入ってみるか。」
「チャーミー・・・て、誰だ?」
「メガネっ娘ですね。」
「メガネっ娘言うな。」
「話からすると主人公の知り合いみたいですね。」
「ぶっちゃけ、チャーミーはこのお店の店員さんで主人公達の知り合い。お隣さんだしね。」
「まぁ、色々話が聞けそうだからな。片っ端から聞いてみるか。」
「あれ?サキエルさんはメガネっ娘が出たのに反応は無しなんですか?」
「反応って何をだよ。」
「萌えたりとか萌えたりとか萌えたりとか。」
「誰がだ。俺はそんな属性無ぇし。」
・
・
・
「何の話の途中ですか?」
「さっきのロボットの話だな。どこから仕入れたのかって話になって、出所はどうも居住区らしいってんだが。」
「居住区って?」
「ああ、お前と同じリアクション取ってるヤツが居たぞ。」
「・・・・・。」
「アンタの知能はあのお子様と同じくらいって事になるわね。」
「だって知らないんですもん・・・。」
「安心しろ。ちゃんと説明してくれるヤツも居るからよ。」
「へぇ〜、この世界にもスペースコロニーみたいなものがあるんですね。」
「だろうな。さっき外で散歩してた時も宇宙がどうとかって話があったからな。」
「でも、それくらいしか話が出てこないっぽいわね。やっぱりゲンってのから話を聞くしか無いんじゃないの?」
「でも、居ないんじゃしょーがないよな。出直すしかなさそうだぜ。」
「お、帰ってきたみたいだな。」
「そうですね。このまま話が進まなかったらどうしようかと思っちゃいましたよ。」
「アンタが心配する事でも無いでしょうに。」
「この人がゲンさんですか。」
「ゲンさん言うな。」
「サキエルさん。この人もメガネっ娘ですよ?」
「どこが娘よ。あからさまに男でしょうが。」
「とりあえず、話を聞いてみようぜ。さっきのロボットってコイツから買ったんだろ?」
「そうだよ。」
「作業用のロボットを買ったはずが、実は戦闘用だったというオチらしいですね。」
「どんなオチだよ。」
「でも、逆に良かったんじゃないですか?
ザクタンクを買ったつもりが実はゲルググだったみたいな感じでしょ?」
「・・・なんで例えがガンダム系?」
「つーか良くねぇだろ。妙なメッセージが残されてたんだからよ。
おまけにロボットの出所だっていまいち分からねぇし。」
「じゃあ、やっぱりこれからそのメッセージの意味を確かめに行くわけ?」
「まぁ、そうなるんでしょうけど・・・メッセージを確かめるってどうすれば良いんでしょうか?」
「今の手がかりはそのメタルスレイダーとかいうロボットだけだからな。
ゲンってのも言ってるが、とりあえずはこのロボットとかパイロットについて調べてみるしかないようだぜ。」
「軌道ステーション?」
「宇宙ステーションみたいなモンじゃないの?」
「だろうな。ま、居住区とかって話もあるくらいだからこの後、宇宙へ上がるんだろうけどよ。」
「実際、そんな話の流れになっちゃってますね。」
「そういえば、この世界だとスペースノイドとアースノイドとかの対立ってなさそうですよね。」
「そうね。8年前に戦争があったとかって話だけどワリと平和そうだし。」
「ちゃっかりゲンの車で送ってもらうのね。」
「さっきエリナさんがゲンさんをおだててましたから。意外とエリナさんってお調子者みたいです。」
「ここでも色々話とかしてね。じゃないと先に進まないから。」
「話っつっても・・・そのロボットのコクピットの中がトイレの芳香剤みたいなにおいがするとか
あんまり役に立たない話ばかりだぞ。妹に聞いても思い出せないみてーだし。」
「トイレの芳香剤・・・」
「もしかしたら、これのパイロットって体臭がキツかったんじゃないの?だからトイレの芳香剤で誤魔化してたとか。」
「どんな推理よ・・・。」
「エアポートに到着ですね。」
「そうだな。」
「ところで、さっきゲンから何か貰ってたみたいだけど・・・」
「ああ、貨物船のカードキーとかってヤツだ。軌道ステーションにある貨物船を借りる事になってな。」
「良かったじゃないですか。持つべきものは友達ですね。」
「いや、別にこの主人公の友達ってだけで俺とは関係ねーし。」
「結構、お気楽なんだな。コイツら。」
「いきなり地球が危機に瀕しているとか言われてもピンと来ないんだと思いますよ。私だってよく分かってませんもん。」
「アンタ、自分を判断基準にするんじゃないわよ・・・。」
「ここでもまぁ、適当に話したり見たりしといて。」
「うきうきするって新しく出てきたけど・・・こいつを選ぶのか?」
「うん。そうしなきゃ話が進まないし。」
「ところで休むって選択肢も出てますけど・・・これは?」
「本当に休みたい時に選択するやつだよ。今、休みたい?」
「いや、俺はまだ大丈夫だけど。」
「じゃあ、うきうきしちゃって♪」
「しなきゃ駄目なのかよ・・・。」
ツッコミ入れられてます。
「サキエルさんも宇宙旅行にうかれるなんて・・・まるで修学旅行の中学生ですね♪」
「・・・だから嫌だったんだ。ラミエルがこういうリアクションするって分かりそうなもんだろ。」
「まぁ良いじゃん。主人公とシンクロしてうきうきしてればさ♪」
「・・・良くねぇよ。」
→
離陸から大気圏突破まではアニメーションで表現されます。
「へぇ〜、結構スゴイんだな。このシャトルちゃんとブースターまで切り捨ててるぜ。」
「ブースター切り捨てるなんて不法投棄?」
「いえ・・・、確かスペースシャトルの類のロケットブースターは切り離した後で海に着水、それを回収して再利用してるって話ですよ。
このシャトルのブースターも再利用してるかどうかは知りませんけど。」
「あ、そうなの?」
「どうでもいい知識だけはあるのね、アンタ。」
「エヘへ、そんなに褒めなくても。」
「褒めてないわよ。」
「今のところは何の情報も無いんだよな。これからが始まりってワケか。」
「あのメッセージ・・・本当に一体、何なんでしょうね。」
「これでイタズラとかいうオチだったら笑えるんだけど。」
「おいおい。もしそんなオチだったら俺でもさすがにキレるぞ。」
「大丈夫だよ。そんなひねくれた展開は無いから。」
「ターミナルステーションに到着したみたいですね。」
「これからどうするんですか?」
「とりあえず、ゲンから借りた貨物船のトコへ行った方が良いだろうな・・・て、選択の余地は無いみたいだが。」
「これが貨物船・・・ムーンフェイスって名前だそうですけど、結構大きめの船ですね。」
「そりゃ貨物船だからな。んじゃ、とりあえず船の中に入ってみようぜ。」
「登録番号なんてどこに書いてあるんでしょうね。」
「さぁな。とりあえずメタルスレイダーってのに乗ってみるしかなさそうだし、話の流れに任せるしかなさそうだぜ。」
「トイレの芳香剤が良い匂いだって。」
「違うだろ。コクピットの中が何か良い匂いはするらしいがトイレの芳香剤ってのはゲンの意見なだけだぞ。」
「ところでこれからどうするんですか?」
「エリナってのが言ってくれてるだろ。インスツルメントパネルとコンソールとフライトレコーダー・・・。
全部、調べる事が出来るみたいだから片っ端から調べてみようぜ。」
「サキエルさん、お疲れ様であります。」
「しょーがねぇだろ。今回は俺がやる羽目になっちまってんだから。」
・
・
・
「で、何か分かった?」
「ああ、まずインスツルメントパネルの裏にV−MHって書かれてたのが一つ。
後はコンソールの下に妙なディスクがあったのとフライトレコーダーの中が空だって事くらいだな。」
「結構、色々な情報があったみたいですね。」
「じゃあ、これからはそれを手がかりに調べていくんですね?」
「そうなるんだろうな。」
「これからどーすんの?」
「とりあえず、この船を散策する事も出来るけど・・・」
「なら、一応見ておくか。せっかく借してもらった貨物船だしな。」
「ホントに綺麗な船内だな。」
「て言うか、画面が綺麗ですよね。床なんて蛍光灯の反射まで映ってますよ。」
「そういうゲームだからね。」
「で、ここはサブフロアってワケか。あるのは船室とバスルームらしいな。」
「駄目ですよサキエルさん、のぞきなんて!犯罪者になったらどうするんですか!」
「俺じゃねーって。主人公が勝手に言ってるだけだっての。」
「こっちがメインフロア・・・、あるのは船室とダイニングルームみたいですね。」
「へぇ〜、貨物船と言っても荷物を積むだけじゃなくて一通りの生活が出来る環境は整ってるんですね。」
「そりゃ、こいつで宇宙空間をあちこち行き来してるんだろうからな。
ま、これ以上はこの船の中でやる事も無さそうだしゲートに戻るか。」
・
・
・
「これからどうすんだっけ?」
「ほれ、番号みたいなのも分かったから、その番号を元にパイロットを調べに行くんだろ。」
「あの番号でパイロットが分かるんでしょうか?」
「分からなかったらそこでゲーム終了だし、やれる事をやってみるしかないだろ。」
「あれ?妹さんがこんな事を言ってますよ?」
「待っててもいい・・・て、駄目に決まってるだろ。何かあったらどうすんだ?」
「サキエルさんって意外と心配性なんですか?」
「そういう問題じゃねぇだろ。何かあってからじゃ遅いんだからよ。」
「でも、今はこの子をここに残すしかないからね。そうしないと話が進まないし。」
「・・・そうなのか。それじゃ仕方ねぇな。」
「良かったですね。エリナさんからもお墨付きが貰えましたよ。」
「どんなお墨付きだよ。いらねぇって。」
「カウンターに人が居るな。ここがデータルームってとこらしいが、行き先もここしか無い・・・か。」
「じゃあ、カウンターに居る人に聞いてみるしかないですよね。」
「さて、パイロットについて聞いてみるか。」
「サキエルさん、またメガネっ娘ですよ?」
「それが何だよ。興味無ぇって。」
「結構淡白なんですね。」
「もしかしてサキエルって男色とか・・・」
「やだぁ〜!」
「勝手に話を作るな!」
「でも、これまで眼鏡の女の人がたくさん出てるのに全然反応してないじゃないですか。」
「言っただろ、そんな属性俺には無ぇって。
そんな事よりさっさとパイロットについて聞くぞ。」
「番号はお分かりになりますかって聞かれてるけど
これ・・・、自分でさっきのロボットに書いてあった番号を入力しなきゃなんないの?」
「そうだね。だからちゃんと覚えておかないと駄目なんだよ。」
「たった三文字なんだから忘れるわけありませんよ。」
「そう。じゃあその三文字って何だった?」
「え?え〜と・・・え〜と・・・・・・」
「しっかり忘れてんじゃない。」
「そんな事だろうと思ったけどな。ま、俺が覚えておけば問題は無ぇんだが・・・」
「お、ようやくパイロットの名前が分かったみたいだぜ。
それになんか、あのロボットが特別だったって話もあるけどな。」
「特別とは?」
「ああ、通常の登録がされてなかったとかなんとか・・・あんまりよく分からねぇけど。」
「ところでパイロットの名前って・・・?」
「マサタダ ヒムカイ・・・日本人っぽい名前だな。」
「あれ?主人公の苗字って日向じゃなかったっけ?」
「そうだっけ?」
「ほら、やっぱり主人公のお父さんの名前みたいですよ?」
「でも、当の主人公は何も知らないみたいだな。知っているのは妹らしいが。」
「じゃあ妹に聞いてみるしかないわね。」
「妹さん、いないみたいですね。」
「だから言ったんだ。何かあってからじゃ遅いって。」
「船の中に居るのかもしれませんよ。とりあえず調べてみましょう。」
・
・
・
「ふぅ、ようやく見つかったな。無事で何よりだが。」
「そういえば、あずささんって星が見たいとか言ってましたもんね。
よく考えれば居そうな所ってすぐに見当がついたのかもしれませんね。」
「悪かったな。メインフロアとゲートを何往復もしちまって。」
「そんなに気を落とす事ありませんよ。それよりあずささんに話を聞いてみましょう。」
「別に気を落としてなんかいねぇよ。皮肉だ、皮肉。」
「あれ?あずささんに聞いても何も分からないって答えしか返ってきませんよ?」
「そりゃそーだろ。前に父親の事はあんまり覚えてないって言ってたからな。」
「そうでしたっけ?」
「うん。海辺を散歩してた時にちょっとだけね。」
「あずささんが記憶喪失・・・!どうして今まで黙ってたんですか!」
「俺に怒鳴られても困るぞ。俺は話を進めてるだけで主人公じゃねーんだからよ。」
「でも、父親って死んじゃってるんでしょ?
これじゃパイロットに聞くって方法は駄目になっちゃったじゃない。」
「見事に壁にぶつかってしまいましたね。
このままだと、あのメッセージの意味が分からなくなっちゃいますよ。」
「そうでもねぇよ。
エリナってのの提案なんだけど、8年前の戦争について調べてみようって話が出てきたからな。」
「8年前の戦争を・・・?」
「ああ、当時の状況から調べてみようって事らしいぜ。
主人公の父親がどういう状況におかれていたのか・・・それが分かれば何か掴めるかもってな。」
「なるほど・・・。頭、良いんですね。エリナさんって。」
「少なくともアンタよりはね。」
「(´・ω・`)ショボーン」
「とりあえずステーションベイへ移動だね。」
「うわ・・・」
「やっぱりシスコンじゃない。シスコンて言うか・・・むしろ変態?」
「ちょっと待てよ。俺は何もしてねぇぞ。妹がはしゃいでるだけじゃねぇか。」
「そこを止めるのがお兄様の努めですよ?」
「誰がお兄様だ。思い出したように使うなよ・・・て、あれ?」
「どうしました?」
「いや、妹の後ろに電飾みたいなのがあってな。あれ、前には無かったろ?」
「そうでしたっけ?」
「なんかメカニックって書いてあるみたいですが・・・これって、あのロボットを見せてみるって手もありますよね?」
「そだね。」
「なら、さっそく行ってみようぜ。今は何でも良いから情報が欲しいからな。」
「今度はポニーテールの娘と小さい女の子ですよ、サキエルさん。」
「だから、なんで俺にいちいち言うんだよ。興味無ぇって。」
「本当にですか?」
「こんな事でウソ言って何の得があるんだよ。本当にどうでもいいんだからよ。」
「ロボットについての事を聞いてみても・・・今は詳しい人が居ないから分からないみたいですね。」
「シン!」
「何、驚いてんのよ。」
「ククク・・・、久しぶりだな、ケンシロウ。」
「お前はもはや敵ではない!」
「すぐにそういうネタに走るの止めなさいよ。」
「今はどうしようもないみたいだな。その詳しい人間ってのが戻ってくるまで時間潰してこようぜ。」
「なんか、アテでもあんの?」
「さっき話したろ。8年前の戦争ってのを調べてみようって。とりあえずデータルームに行くぞ。」
「この女の人って親切ですよね。色々調べてくれてますし・・・」
「そうだな。」
「サキエルさんってこういう女の人が好みなんですか?」
「なんでお前までそんな事を言うんだよ。そんなんじゃねぇって。」
「今度は何ですか?」
「なんか、8年前の戦争のデータを調べてもらってたんだが、
ここの責任者ってのがさっきの俺達の会話を聞いていて・・・直接会いたいとか言ってきてるらしいぜ。」
「ここの責任者って、データルームの責任者ですか?」
「さぁ・・・?」
「で、その責任者ってのに会うの?」
「そうらしいぜ。エリナってのが勝手に決めちまったし。」
「主人公の人、腰が引けちゃってますよ。」
「でも、主人公が不安げなのに、エリナさんは平気そうですね。逆に元気付けられちゃってます。」
「そうらしいな。まぁ、俺にとっちゃどうでも良い事だけど。」
「情けないわねぇ。仮にも使徒なのに。」
「いや、だから不安げなのは俺じゃねぇって。
つーか、データルームの責任者じゃなくてターミナルステーションの責任者らしいぞ?」
「お偉いさんですね。」
「あ、責任者さんの登場ですよ。」
「何、このさえない男。見るからに人生疲れてそうなんだけど。」
「おいおい、あんまり失礼な事を言うんじゃないわよ。」
「ここじゃこれといってする事も無いし・・・黙って話を聞いておくか。」
「ようやく戦争についての話になったけど・・・」
ジオン公国に栄光あれぇぇぇっ!
「ど、独立戦争・・・?」
「8年前に工業集団とかがたくさんあったどこかの居住区が反乱を起こしたんだとよ。
でも、中央政府に勝てるはずも無く敗北・・・どっかで聞いた話だよな。」
「我が忠勇なるジオン軍兵士達よ、今や地球連邦軍艦隊の半数が我がソーラ・レイによって宇宙に消えた。
この輝きこそ我等ジオンの正義の証しである。
決定的打撃を受けた地球連邦軍に如何ほどの戦力が残っていようとも、それは既に形骸である。敢えて言おう、カスであると!
それら軟弱の集団が、このア・バオア・クーを抜くことは出来ないと私は断言する。
人類は我等選ばれた優良種たるジオン国々民に管理運営されて、初めて永久に生き延びることが出来る。
これ以上戦い続けては人類そのものの危機である。地球連邦の無能なる者どもに思い知らせてやらねばならん。
今こそ人類は明日の未来に向かって立たねばならぬ時であると!ジーク・ジオン!」
「ジークジオン!」
「止めんか!話がごっちゃになるでしょうが!」
「だって、反乱起こして玉砕なんていかにもジオン公国って感じじゃないですか。」
「知らんわよ!て言うか長いわよ!」
「あれ?結局、ジフさんとの話はここで終わりなんですか?」
「ん?ああ、8年前の戦争はどっかの居住区の反乱って話で、それ以外はろくな記録が残ってないんだと。
メタルスレイダーとかの細かい情報もやっぱり残ってないんだとさ。」
「もう少し細かく聞いてみなさいよ。」
「そりゃ無理だ。このオッサン、これから行くところがあるんだってよ。これ以上は無理みたいだぞ。」
「まいったな。また壁にぶつかっちまったぜ。」
「パイロットにも聞けない、当時の状況から調べる事も出来ないとなると・・・困りましたね。」
「残る手がかりは・・・コクピットにあったディスクくらいでしょうか。」
「そうだな。それに、まだどこかへ行く事は出来るしな。とりあえず、手当たり次第に行ってみるしかないだろ。」
・
・
・
「何か収穫はあった?」
「いーや。メカニックはまだ戻ってきてなかったし、データルームの姉ちゃんにディスクを見せても分からないっつってたし・・・
こりゃ、本格的に行き詰まっちまったな。」
「本当にどうしようもなくなっちゃったわね。」
「まぁ・・・、ゲートに戻る事も出来る様になったから、一旦戻ってみるけどな。」
「あ、新しい行き先が増えたっぽいですね。」
「そういや居住区がどうとかって話もあったからな。次の行き先は居住区になるんだろうな。」
「貨物船、借りておいて本当に良かったですね。」
「まぁな。ところでよ・・・」
「どしたの?」
「いい加減、長くなっちまったから休憩したいんだが・・・これどうすりゃ良いんだ?」
「ある程度の区切り区切りで休むってコマンドが出てくるんだけど、ちょっと選んでみてくれる?」
「休む・・・か。」
「こんな風に、パスワードを教えてくれるってワケ。
続きをやりたいときはタイトル画面のコンテニューを選んでパスワードを入力すれば続きが出来るんだ。」
「このゲームって、パスワードコンテニューなんですか?」
「うん。ま、要所要所では休めるようになってるからそんなに不便じゃないと思うよ。」
「そうか。んじゃ、今回はこのあたりで終わりにしておくか。」
「これまでの展開忘れちゃ駄目ですよ?」
「お前に言われたくねぇよ。」