「それじゃ、続きを始めましょうか。」
「次はどこへ行くんだっけ?」
「月のレストランのウェイトレスさんから貰ったメモを頼りに、居住区に行ってメモの場所を探しに行くところですよ。」
「ふ〜ん、アンタでも一応覚えてるのね。」
「それはともかく・・・、ムーンフェイスのコクピットの外ってちゃんと月面になってるんですね。」
「お前、まさか今気がついたのか?居住区やターミナルステーションの時だってちゃんと風景変わってたぞ。」
「え?そうなんですか!・・・知りませんでした。」
「注意力のかけらも無いわね、アンタ。」
・
・
・
「今度は何?」
「言ってる通りさ。部屋で星をみていたいんだと。」
「星をみるひとですね?」
「いや、それゲームが違うから。」
「今度もゆるすとかゆるさないの選択肢って出てくるんですか?」
「いや、今回は何も無し。ま、船の中なんだし危険は無いだろ。」
「エリナさんはシャワーですか。」
「ふーん。」
「淡白な反応ですね。」
「他にどう言えってんだ?別にどうでも良いし。」
「やっぱりこういう時にはどこでもドアでシャワールームに突貫しないと。」
「おいおい、アンタってそういうキャラなわけ?どこが寡黙なのよ。」
「いえ、私はただお約束をこよなく愛しているだけでして・・・
突貫した後に洗面器を投げつけられるなり水をかけられるなり何なりされて、はじめて任務完了なワケです。」
「そうよねぇ。お約束って大事だもの。」
「それが分からないセカンドチルドレンは駄目よねぇ〜。」
「待ちなさいよ!そんな事で全否定されるいわれは無いわよ!」
「1人で考えてみるって・・・何をだ?」
「これまで出会った人とか分かった事とか。とりあえず選択肢を一つずつ選んでいくのが良いと思うよ。」
「なるほど。じゃ、そうするか。」
・
・
・
「1人で考えたところで・・・何かひらめくわけでも無いよな。」
「そうですよね。これまでに分かった事を再確認するくらいしかないですもんね。」
「何か見落としがあったりとかはありませんでしたか?」
「とりあえず無さそうだぞ。まぁ、選択肢も減ってきてるからそろそろ―――」
「な、なんですか!いきなり振動みたいなのが・・・!」
「俺が知るかよ。
警報は鳴りっぱなしだが・・・気圧が下がってるところも無いならとりあえずは平気だろ。」
「あ、警報消えましたね。」
「でも、大きく揺れてたから相当よね。なんだったのかしら?」
「さぁな。2人の事が気にならないわけでも無ぇし、船内も調べてこないとまずいだろうな。
船をAUTOにして見てこようって話しになってるぜ。」
「どっちからにします?」
「妹からだな。星を見るっつってたんだから下の船室なワケは無いだろうし。」
「やだぁ〜、サキエルってやっぱりシスコン?」
「そんなんじゃねぇよ。よく分からねぇが、人間だと肉親の心配をするのが普通なんだろ?」
「誰もいないわね。」
「そうだな。ま、船のどこかには居るんだろ。他に行こうぜ。」
「サブフロアに来てみたが・・・妹は居ないか。船体にもこれといった異常は無し・・・。」
「で、どうすんの?」
「バスルームへ行ってみるか。」
「なんだかんだ言ってサキエルさんも男の子なんですねぇ。やっぱり興味津々なんじゃないですか。」
「そういう事じゃねぇよ。単に近場から攻めていってるだけさ。」
「エリナさんはシャワーから上がった後みたいですね。」
「お前、何か期待してたのか?」
「はい。やっぱりこういう状況では、
ドアを開けた途端に女の子の悲鳴と共に顔面に洗面器を食らうのが男の浪漫というものです。
サキエルさんもそう思いませんか?」
「思わねぇよ。」
「ゼルエル様なら、いつでもOKの三連呼ですわよ〜♪
あたしがシャワールームに行っている時には是非是非・・・待ってますからぁ♪」
「サキエルは願い下げだけど。」
「別に構わねぇさ。俺もお前らには興味無ぇし。」
「・・・・・。」
「ここには妹さんは来ていないみたいですよ。」
「そう・・・だな。もしかしたらと思ったんだが・・・探しに戻るか。」
「あれ?ちょっと待って下さい。」
「エリナさんも言ってますけど、通路に誰か居るみたいですよ。
人影から察するに・・・片方はあずささんみたいですけど・・・もう1人は・・・・・・?」
「ここからじゃ分からねぇよな。ドアを開けるか。」
「これ、最初はあけられないんだよね。少なくとも1回は様子を見るしかないんだけど・・・」
「じゃあ、そうするしかないか。」
「あずささんに何かを尋ねているみたいですね。」
「ぐろーりーって・・・GLORYの事ですよね?あれってそんなに有名な機体なんでしたっけ?」
「今までの話の流れからするとそんなに一般に知れ渡ってる機体じゃなさそうだけどな。」
「一体、誰と話してるのかしら・・・?」
「さぁ・・・?とりあえずドアを開ければ誰が居るのかはハッキリするだろ。開けるぞ。」
「もう少し様子を見なくていいわけ?」
「妹に何かあってからじゃ遅いだろ。第一、この船にのってるのは主人公とエリナと妹の三人だけのはずなんだからよ。
相手が誰なのかも分からねぇのに悠長にしていられるか。」
「・・・・・。」
「なんだ、こいつ・・・?子供・・・?」
「子供が子供で何が悪いんだ!俺は子供だよー!」
「なに、ワケの分からん事を・・・」
「洞察力が無いわねぇ。
最初の子供をカミーユ、二番目の子供を男の名前、三番目の子供を男に置き換えれば元ネタはすぐに分かるじゃない。」
「分かるか!回りくどすぎるっての!」
「どうして男の子が船の中に・・・?これ完全に密航者ですよね?」
「密航って、そこまで大それたモンでも無いだろうが・・・問題って言えば問題だよな。」
「で、誰よ、こいつ。」
「さぁな。妹も色々聞いてみたらしいんだが、こっちからの質問には答えてくれないらしいぜ。」
「何なんですか、この子。自分の方からはGLORYの事を聞いてきてるんでしょ?」
「ま、子供だからな。大人と同じ扱いする方が酷ってモンだ。」
「とにかく事情を聞いてみない事にはどうにもなりませんね。」
「どうも・・・、子供相手ってのは苦手だな。第一、なんで眼が潤んでんだよ、コイツ。」
「おやおや、泣いちゃいましたよ、この坊っちゃん。」
「泣いてすむならなぁ、ポリスはいらねぇんだ。バカヤロー。」
「・・・・・。」
「兄貴ィ。マジ、コイツどーしてやりましょーか?」
「とりあえず事務所来―――」
ゴッ!ゴッ!(殴打音)
「あいたっ!」
「ひでぶっ!」
「何してんのよ、アンタらは!こんな小さい子を脅してどーすんのよ!怖がってるでしょうが!」
「本当に怖いもの・・・それは人間の心です。」
「知らないわよ!大体、何のネタなのよ、それは!」
「知らないんですか?結構、有名だと思うんですけどね。」
「それに、小さいうちから社会の厳しさを教える・・・。これも優しさの一つですよ。」
「るさい!四の五のぬかすな!人外!」
「なぁ、さっきから話かけてんだけど、この子供、うんともすんとも言わねぇぜ。どうすりゃ良いんだ?」
「じゃあ、私が代わりますよ。とは言ってもやる事はサキエルさんと一緒ですけど・・・え〜と・・・・・・」
「案の定、駄目じゃない。」
「むぅ・・・。」
「仕方ない。エリナに任せようぜ。こっちでやっても埒があかないだろうしな。」
「それでも何も喋らないみたいね。」
「人の船で密航しておいてダンマリってどういう了見ですか。やっぱりこういう子には厳しく―――」
「え?」
「な!やだ・・・、これ!男の子が化け物に・・・!?」
「なにこれ・・・!」
「俺が知るかよ。それより妹が捕まっちまってるぞ。助けねぇと・・・!」
「助けるを選んでも助ける事が出来ねぇのか・・・!」
「後を追わなきゃ・・・、化け物はどこへ向かってるんです?」
「メインフロアのキッチンらしい。追うぞ!」
「キッチンなんかで何をするつもりなんでしょうか?」
「なんだこれ?なんでキッチンがこんな事になってんだ?」
「あずささんを早く助けてあげないと・・・何か方法は無いんですか!?」
「・・・見てる事しか出来ねぇ。何の選択肢も出てこねぇんだ。」
「なにこれ・・・!小さな宇宙船・・・?」
→
「あっという間に逃げていってしまいましたね。」
「・・・どういう事だ?なんであんな化け物が出てくるんだ?この世界ってあんなヤツが普通に居る世界なのか?」
「ううん。ここも普通の地球だからあんな生物はいないよ。」
「じゃあ、ヤツは何なんだ・・・?なんで妹を・・・!」
「さっきの振動と警報って、あの化け物の宇宙船みたいなのが貨物船に取り付いた音だったんですね。」
「居住区に着きましたけど・・・休みましょうか?」
「いや、いい。今はそんな状況じゃねぇだろ。」
「どうするんです?これから・・・」
「中央に捜索願いを出しに行こうって話しが出てる。俺もそれに同意だ。」
「捜索願いなんかで妹が見つかるのかしら・・・?だって、相手は化け物でしょ?」
「他に方法が無いだろ・・・。」
「ところで、メモの場所は後回しで良いんでしょうか?あのウェイトレスさん、早くメモの場所へ!って言ってましたよね?」
「・・・事情が事情だ。捜索願いを出してからだ。」
「・・・・・。」
・
・
・
「捜索願いねぇ、そんなの出して意味あるのかしら。」
「他に方法が無ぇんだよ。それに・・・何もしないよりはマシだ。多分な。」
「何これ?」
「捜索願いを出したは良いが・・・連絡先をどうするかって話になってな。
これからメモの場所に行くから、もし何だったらそっちに連絡してくれるってこの小夜子って人が言ってるんだ。」
「どうするんです?」
「別に教えても大丈夫なんじゃないですか。たぶん、いつもの意味の無い選択肢の1つですよ、きっと。」
「そうか?こういうのってあんまり人に見せるもんでも無いと思うんだが。」
「心配しすぎですよ。それに、何か情報が入ったらすぐに知りたいじゃないですか。
小夜子さんにメモの場所を伝えてメモの場所に行きましょう。」
「ん・・・、じゃあ、そうするか。」
・
・
・
「なんでここに来てハンバーガー屋なんだ?」
「メモの場所、間違えてるんじゃないの?」
「いや・・・、どうもここで良いみたいなんだが・・・」
「とりあえず何か注文しましょうよ。私はエッグマックマフィンのセットでお願いします。」
「朝じゃないから無理でしょ。少しは考えなさいよ。」
「いや、考えるところが違うし。」
「じゃあ、私はメガマックとバニラシェイクで。」
「そういう事やってる場合じゃねぇだろ。それにしても・・・メモの場所は本当にここで良いのか・・・?」
「メモをもう一度確認してみてはどうでしょう?」
「どうでしょうって言われてもな。別に何かあるわけじゃ・・・あれ?」
「どしたの?」
「メモの裏にも何か書いてあったみたいだ。
え〜と・・・おとうさまのイニシャルをさんこうに・・・ってどういう意味だ?」
「おとうさまって主人公の忠さんのお父さんのイニシャルですよね?お父さんのイニシャルは確か・・・え〜と・・・」
「MHでしょ。」
「それを参考に考えろって事なんだろうが・・・」
「あ、なるほど。」
「なによ、いきなり。」
「エヘへ、分かっちゃうと意外と簡単ですね。
ほら、一緒じゃないですか。このお店と忠さんのお父さんのイニシャル。」
「はい?」
「だって、マクドナルドハンバーガー・・・略すとMHになるじゃないですか。見事に一致してますよ。」
「この店、マクドナルドじゃないぞ。マックベリーズって名前らしいぜ。」
「良いんですよ、そんなのどっちでも一緒じゃないですか。とにかく、メモの場所はここで合ってるんですよ。」
「エリナさんも同じ事を言ってますしね。」
「で、ここがメモの場所だとして・・・なんであの店員、ここに来させたがってたんだ?」
「多分、月のレストランの姉妹店なんですよ、きっと。何かのチェーン店なんじゃないですか?」
「おいおい、ここに来てそんなオチあるわけねぇだろ。」
「とりあえず、店員さんに聞いてみませんか?ちょうど外で掃除してるみたいですし。」
「それもそうだな。よし・・・」
「・・・・・。」
「どうしたんですか?ボケッとしちゃって。」
「ほら、さっさと聞いてみなさいよ〜。」
「聞くって・・・名前を聞くって選択肢は無いみたいだぞ?」
「なんで、名前なんですか。ヴィヴァーチェさんを探しに来たんですから、聞くのはヴィヴァーチェさんの事でしょ?」
「あ、ああ・・・そうだな。
今、聞けるのはGLORYの事とヴィヴァーチェの事と月のレストランのやよいって店員の事だけだ。
とりあえず、片っ端から聞いてみるか。」
「・・・・・。」
「なんだ?」
「もしかして、サキエルさんってこういう娘が好みなんですか・・・?ちょっと意外です・・・。」
「良いだろ別に。好みなんか人それぞれなんだからよ。で、なんでお前は怒ってんだ?」
「・・・別に。怒ってなんかいませんよ。」
「・・・・・。」
「で、どしたの?」
「ここに来た経緯を説明してたらやっぱり名前聞かれてさ。主人公が名乗ったらこうなっちまった。」
「こちらへって、どこへ連れていかれるんでしょうか?」
「さぁな。とって食われる事も無いだろうし、とりあえず付いて行こうぜ。」
「・・・・・。」
「なんだここ・・・?」
「居住区の外壁の部分だよ。
ほら、居住区はコロニーと同じで内側の内壁が地面になってるから、その地下だから・・・つまり外壁ってワケさ。」
「ふ〜ん・・・、見た感じだと何かの軍事施設みたいね。」
「それにちゃんとエレベーターで降りてるんですね。」
「店員さんの話だと、ここはヴィヴァーチェってのの私設軍らしいぜ。」
「私設軍?」
「つまり私兵・・・個人的な軍隊って事だろ。もっともそういうのが軍って呼べるかどうかは知らねぇけど。」
「平たく言うなら武装組織ですよね。ここってテロリストの拠点か何かじゃないんですか?」
「お前、随分ネガティブな受け取り方してんな。どうしたんだ?
大体、こんな年端もいかない店員さんが所属してるくらいだぞ。テロリストって言うには無理があるだろ。」
「話には出てこないけど、その店員さん、主人公より年上だよ。」
「そうなのか?・・・そうは見えないんだが。」
「サキエルさんって年上好きなんですか。」
「お前、本当にどうしたんだ?態度があからさまにいつもと違うぞ。」
「・・・なんでもありませんよ。」
「あ、着いたみたいですよ。」
「この人、キャティさんって言うのか・・・。」
「なんでさん付けなんですか。そんなのサキエルさんらしくないです。」
「別に良いだろ。大体、俺らしくないって何だよ。」
「そうよ。んな事、どうでも良いじゃない。」
「・・・・・。」
「で、キャティってのの後ろにいる小僧は誰?」
「小僧って・・・」
「黙れ!小僧!」
「いや、もののけ姫はどうでもいいから・・・。」
「その人はエンカイさん。キャティさんと同じ私設軍のメンバーだね。」
「それよりヴィヴァーチェってのにようやく会えるんでしょ。さっさと話を聞きなさいよ。」
「あ・・・、それ無理みたいだぞ。ほら。」
「ようやく見つかったと思ったら死亡とはどういう展開ですか。どうするんですか、これから。」
「まさか、あのメッセージの真相探しが振り出しに戻るなんて事はありませんよね?」
「どうするもこうするも・・・とりあえずキャティさんに話を聞いてみるしかねぇだろ。」
「結構、色々な話が聞けそうね。」
「ああ、とりあえず上からいくぞ。
まず、メッセージを残したのは、まず間違い無く主人公の親父だって事、
そして、メッセージの意味はそのまま地球の危機を警告しているんだとさ。」
「それじゃ答えになってませんよ。」
「そのあたりをこれから詳しく聞いていくんだろ。
で、GLORYについてなんだが・・・どうも親父さんの専用機として作られたらしいんだ。」
「そういうメタルスレイダーとかって、
確か、登録されたパイロットかどうかをスキャンで本人確認するって話でしたよね?
それだと、そのパイロットが死亡したりとかしたらもう動かせなくなっちゃうわけですから・・・ちょっと勿体無くないですか?」
「いや、普通は登録されたパイロットの解除って出来るらしいんだが・・・GLORYに関しては別なんだと。
元々、GLORYってのはヴィヴァーチェが主人公の親父さん専用に造ったメタルスレイダーらしいんだ。」
「と言う事は・・・ザクタンクでもゲルググでもケンプファーでもなくて、
ガトーさん専用ゲルググだったみたいな感じですよね?」
「だから、ガンダム系に話を置き換えるのは止めなさいって。普通に理解しなさいよ。」
「後は・・・ヴィヴァーチェについて少しな。
キャティさんやエンカイってのの親代わりだったらしいぜ。結構年配の人間だったらしいが。
主人公の親父さんとは仲が良かったんだってよ。」
「うーん、どういう人なのかいまいち見当がつきませんけど・・・」
「ほれ、月のレストランの入り口に人形があったろ?アレがヴィヴァーチェなんだってよ。」
「なるほど・・・」
「後は、8年前の戦争についてなんだが・・・」
「偽りの事実・・・?って言うと、8年前の戦争は居住区の反乱じゃなかったって事ですか?」
「そうなるんだろうな。」
「それじゃ、8年前の戦争って・・・?」
「異星・・・生物?そんな・・・だって、これまでそんな話は一度も・・・!」
「・・・とりあえず話を聞いてみようぜ。」
「そうね・・・。」
それは突然起きました・・・。
地球から一番離れた居住区が、
得体の知れない物体から攻撃を受けたのです。
中央政府は事の重大さに調査を軍に依頼し、
その内容は、場合によっては発砲も辞さないというものでした・・・。
そんな中、攻撃を受けた居住区のそばではある漂流物が回収され
驚くべき事に、その中には地球外生物の死骸があったのです・・・。
軍はこれを異星生物からの侵犯と判断。
しかし管理局はパニックを恐れ、真実を公表せず、
一居住区の反乱と発表したのです・・・。
戦いが激化する中、軍は開発途上にあったメタルスレイダーの配備を決意・・・
勝利は目前に見えました・・・。
しかし・・・、ヤツらには自分の意思で姿を自由に変化出来るという特別な能力があったのです。
それに気付いた時にはもう・・・
その後、表面上では異星生物撃退という事になりましたが
その裏で、ヤツらは政府の人間になりすまし、
管理局が事実を公表しなかった事を利用し
真実を知っている人間をすべて殺し去った上で記録を消去し、
密かに自分達の絶対数を増やしているのです・・・。
ヴィヴァーチェはその事実を知った時、世間から身を隠し、
密かに軍を組織しメタルスレイダーの開発や、
ヤツらの弱点を探す日々を過ごしたのです・・・。
しかし、人間に化けているヤツらを見抜く事は難しく・・・
ある時、ヤツらの手にかかってしまいました・・・。
「・・・・・。」
「まさか、こういう展開だったとはな・・・。」
「どこの誰よ。居住区の反乱なんて話を鵜呑みにしてた第五使徒は。」
「まったく、想像力の欠片も無いわね〜。」
「(´・ω・`)ショボーン」
「あれ?キャティが何か渡してきたみたいだけど・・・何、貰ったの?」
「ん?またディスクだぞ。」
「なんか、危機に陥った時にGLORYにセットしろってヴィヴァーチェが言っていたらしいぜ。」
「何なんでしょうね、これ・・・。」
「ところでさ、さっきの話の異星生物って要は宇宙人って事でしょ?そいつらってどんな顔してんの?」
「ああ、エンカイってのが奴らの映像を見せてくれるらしいぜ。え〜と・・・」
「こいつは・・・!」
「これってあずささんをさらった化け物・・・と言う事は、あずささんは異星生物にさらわれたって事ですか?」
「そうなるんだろうな・・・。」
「異星人って言うからどんな人なのかと思ったら・・・完全に化け物じゃないですか。異星人って言うよりエイリアンの類ですよね。」
「いや〜ん♪怖〜い♪」
「ゼルエル様ぁ〜、か弱い私達を守って下さいねぇ〜♪」
「アンタらの方がよっぽど怖いっての。」
「私としては映画のエイリアンって2で終わりで良いと思うんですけど、皆さんはどう思います?」
「聞いてないから。」
「こっちは何の映像?」
「よく分からんらしい。5〜600kmはある物体らしいがな。」
「5〜600km・・・ちょっとした衛星くらいの大きさはありますね。」
「他にも色々聞けるみたいだから、聞いてみたら?」
「とりあえず、上から聞いてみたが・・・あんまりよく分かって無いらしいな。
他所の星からやってきた生物で自分の意思で自由に姿を変化できる生命体・・・だってよ。」
「変身を見破る方法は?」
「分からんらしい。やっつける方法もさっきの巨大物体についてもな。」
「・・・私、知ってますよ。変身を見破る方法。」
「え?お前、これやった事あったのか?」
「いいえ。そのくらいの事は見当がついているだけです。」
「一応聞いておくけど・・・その方法って?」
「髪の毛を抜くんですよ。そうすれば抜いた髪の毛が変に千切れてバラバラになりますから。」
「お前、それ寄生獣ネタだろ。」
「あ、分かりました?」
「まぁな。」
「異星生物の変身を見破るには、その意思を崩すものがあれば良いという話らしいですね。」
「意思を崩すって?」
「エリナさんも言っていますが、異星生物の嫌いなモノを見せれば良いかもしれないらしいですよ。」
「なら、火を近づけてみれば良いんじゃないですか?ミギーさんもそんな事言ってましたし。」
「寄生獣ネタから離れなさいよ・・・。」
「そういえば、寄生獣って1巻のライオンが出てくるあたりでデカデカと蜘蛛の絵が出てるわよね。」
「ちょ・・・、変な事思い出させないで下さいよ・・・!私、あれ見て心臓止まるかと思ったんですから・・・!」
「あ、丁度今、持ってるから見せてあげるわよ。え〜と・・・」
「や・・・止めてください・・・!嫌って言ってるじゃないですか!」
「前々から思ってたんだけどさ・・・、マトリエルってS入ってない?」
「そうかもな。あんまり興味無ぇが。」
「でも、ラミエルさんが異星生物だとしたら見分けるのは簡単ですね。蜘蛛を眼の前に突きつければ良いんですから。」
「ちょっと・・・、本当に止めてくださいよ。冗談になってませんよ、それ。」
「これは?」
「連中にさらわれた妹を救うにはかなりの危険が伴うって言われてな。
で、武器を借りていくかどうかの選択肢が出てるんだが・・・」
「借りるんですか?」
「そりゃあな。せっかく借りられるんならそうした方が良いだろ?」
「ホーッホッホッホ!第3使徒は武器がないと駄目駄目なのかしら〜?」
「俺じゃねぇよ。」
「拳銃を借りられて良かったですよね。これならあの化け物が出てきても大丈夫でしょう。」
「そうだな。」
「そういえば、キャティさんの服、変わってません?いつの間に着替えたんですか?」
「さっき、ちょっと外してたろ。ディスクを貰った後あたりにさ。」
「キャティさん・・・、良い人だな。」
「・・・そうですね。良かったですね、サキエルさん。キャティさんに心配してもらえて。」
「なんで、棒読みなんだ?お前、怒ってるだろ。」
「怒ってません。なんでもありませんよ。」
「・・・・・。」
「でも、これからどうすればいいのかしら?妹を探すにしてもアテって何もないんでしょ?」
「そうだな。どうするか・・・」
「エリナさんにまかせてみてはいかがですか?そんな選択肢が出てますし。」
「それもそうだな。よし・・・」
「とりあえず中央に行ってみようって話が出てますね。何か分かった事があるかもしれないって。」
「今のところはそうするしかないですよね。行ってみましょう。」
・
・
・
「サキエルさん!あずささんが見つかったみたいですよ!」
「いきなりだな。ちょっと都合が良すぎる気もするが・・・。でも、良かった・・・。」
「03区居住区で見つかったって話だけど・・・。なんか引っかかるわよね。ちょっとヘンじゃない?」
「サイド3だからですか?確かにあのズムシティの変な建物はおかしい気がしますけど・・・」
「そういう問題じゃないわよ!ガンダムネタから離れなさいって言ってるでしょ!」
「とにかく、見つかったんなら何よりだ。早速、行ってみようぜ。」
「あ・・・」
「エリナさんも言ってますけど・・・少し休んだ方が良いんじゃないですか?
結構、長いですよね。前回の休みから・・・」
「あんまり休みたい気分じゃ無いんだが・・・」
「駄目ですよ。あんまり長いと疲れちゃうじゃないですか。適度に休みは取らないとダメです。
サイド3は月の向こうなんですからそれなりに時間もかかるでしょうし。」
「サイド3じゃなくて03区居住区、ごっちゃになるから止めなさいよ、話を混ぜるの。」
「じゃ、今回はこんなところで止めとこうか。パスワードを忘れないようにね。」