「それじゃ、続きを始めましょうか。」
「前回は・・・例のロボットのパイロットが主人公の父親だったって事が分かったまでくらいか。
で、軌道ステーションってトコにはろくな記録がないから居住区へ行こうって話だったよな?」
「よく覚えてますね。私なんかほとんど忘れちゃったのに。」
「お前と一緒にするなよ。」
「む・・・」
「それじゃ、さっそく居住区へ行ってみようか。」
「輸送船を借りておいて良かったけど・・・借りてなかったらどうなってたのかしら?」
「一応、借りる借りないの選択肢はあったけど借りるを選ばないと話が進まなかったからね。」
「あ、そうなの?」
「そこまで自由度広げちゃったら収拾がつかなくなっちゃうだろうし・・・まぁ、細かい事は気にしない気にしない。」
「ところで、移動中でも色々話したりしてるんですね。」
「ん、そうだな。まぁ、これまで分かった事を確認してるってだけだけどな。
あとは・・・適当に雑談してるみたいだが。」
「ヘッヘッへ・・・ベジータ、やっとライバル同士決着をつける事がやってきたようだな。
ウデを落としたようだな。その戦闘力じゃ貴様に勝ち目はないぜ。」
「ライバル同士だと?くっくっく・・・じゃあ、良いものを見せてやろう。
この俺が地球に行ったとき、やつらから面白い事を学んだ・・・。」
「そういう雑談じゃないわよ!いい加減にしなさいよ、アンタら!」
「ば、バカな・・・!も・・・もともと俺とお前は互角の強さのはず・・・!」
「マヌケめ!この俺は絶えず実戦で戦っていたんだ!地球じゃ死にかけたほどの戦いだった!
フリーザのところでぬくぬくとしていた貴様といつまでも互角だと思うか!」
「マヌケはアンタらよ!止めなさいって言ってるでしょ!」
「ほっとけ。そいつらはそういうモンだと思っとけ。」
「・・・そうね。で、雑談ってなに話してんの?」
「お互いの両親の話だぞ。どんな趣味してんのかとかそういう他愛も無い話さ。」
「主人公のお母さんも死んじゃってたの?」
「そうみたいだな。それも随分前の話だそうだ。」
「それは?」
「パヒュームペンダント・・・まぁ、香水のペンダントだね。主人公のお母さんの形見だよ。」
「ああ、そういえば主人公の母親って香水作りが趣味だとかって話がついさっきあったからな。それはともかく・・・」
「どしたの?」
「どうでも良いんだけどよ・・・、妹、ちょっと眼が大きすぎやしないか?」
「だって、そういう絵柄だもん。」
「まぁ、そうなんだろうが・・・」
「良いじゃないの。女の子は大きい眼の方が可愛いもの。このあたしみたいに。」
「いや・・・、アンタは違う。」
「何よ!ちょっとくらい眼が大きいからって!
私みたいにたくさんあるほうが可愛いに決まってるでしょ!ねぇ、ゼルエル様?」
「ボンッ!」
「へっ、きたねぇ花火だ。」
「・・・アンタらはアンタらでいつまでドラゴンボールごっこやってんのよ。」
「もぉ〜、ゼルエル様ったらぁ♪」
「いや、そこはリアクションが違う。」
「2人が馬鹿やってる間に居住区についたみたいだな。」
「馬鹿なんて酷いですよ、サキエルさん!私達は常に一生懸命なんですから!」
(私達・・・)
「その労力を別方面に使えよ。運が良ければ何かで大成すんじゃねぇの?」
「え・・・?そ、そうですか?考えた事も無かったですけど・・・」
「真面目に受け取ってどうする。皮肉だ、皮肉。」
「結構、賑やかそうなトコだな。」
「そうですね。それでここでは何をするんでしたっけ?」
「お前、本当に何も覚えてないんだな。
軌道ターミナルステーションじゃ記録が無いから居住区で調べてみようって話だったろ?」
「あ、そうでした。」
「居住区の中央ってのを探してみようって話になってるし、とりあえず行ってみようぜ。」
「それっぽいところへ来たわね。」
「何か看板が出てますけど・・・何て書いてあるんですか?」
「下の方は関係者以外立ち入り禁止、上の方はご用の方はこちらへどうぞ、なんだとよ。」
「( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー」
「では、さっそく中へ入ってみましょう。」
「女の人が居ますね。」
「そうだな。ちょっと聞いてみようぜ。」
「今度はこれまでとは趣が違う人ですね。」
「なんだそりゃ?」
「ほら、これまではどっちかって言うと可愛い人が多かったじゃないですか。
この人は綺麗な感じの人ですから・・・」
「それがどうしたんだ?」
「サキエルさん、こういう人にも興味無しなんですか?」
「ああ、そうだな。」
「サキエルってやっぱり・・・」
「やだぁ〜。」
「何、ヒソヒソやってんだ!そんなんじゃねぇっつってるだろ!」
「まぁ、良いんだけどさ・・・何か分かった事ってあった?」
「ん?8年前の戦争の事を聞いてみたんだが・・・ここの主任に直接聞いた方が良いって言われてさ。」
「主任?」
「この35区居住区の主任・・・居住区で一番偉い人らしいんだけど。」
「会うんですか?」
「エリナがさっさと決めちまったよ。前回のターミナルステーションの時と一緒だな。」
「すっかり尻に敷かれちゃってますね、サキエルさん。」
「・・・俺じゃねぇよ。」
「今度もお偉いさんですね。」
「また、人生に疲れた男でも出てくるのかしら?」
「人生に疲れたって・・・勝手に決めるんじゃないわよ。あの人に失礼でしょうが。」
「ここの責任者は女の人みたいだな。口調がそうだし。」
「オカマって可能性もあるじゃない。」
「なんでここでそんな変化球を使う必要があるんだよ。あるわけねぇだろ。」
「今度も綺麗な人ですね。」
「そうだな。じゃ、早速話を聞いてみるか。」
「こういう綺麗な人も興味無いんですか?」
「ああ。興味無ぇ。」
「主人公の人は完全にあがっちゃってるみたいですけどね。」
「そんな事より話を進めるぞ。え〜と・・・8年前の戦争の事を聞けるみたいだな。」
「歳とかプライベートな事も聞けるようですが。」
「興味無ぇよ。今の目的はあのメッセージの真相を知る事なんだからそっち優先だろ。」
「これは?」
「8年前の戦争の事を聞いてみたんだが・・・
ターミナルステーションで調べた事以上の話は出来ないって言われちまってさ。
何度か聞いてみたんだが、どうにも話してくれないんだ。」
「本当に細かい記録って残ってないのかしら・・・?」
「いや。どうも何か裏があるっぽいぞ。
今の俺達が知っている情報が公表できる全てだろうって言ってるからな。
この人が何か隠してるのは確実なんだが・・・」
「もっと厳しく問い詰めなさいよ。」
「無理だ。ダンマリんなっちまったし・・・これ以上は意味が無さそうだぞ。」
「公表できる全て・・・ですか。もしかして・・・!」
「何よ、いきなり。」
「ほら、8年前の戦争って言ってますけど、
実はまだ戦争が終結してなくて残党とかが残っていたりするんじゃないですか?
それでその残党が政府軍の基地を襲撃して秘密兵器を奪っちゃったりしてるとか。」
「それなんてデラーズフリート?」
「それなら公表できないって話ともつじつまが合いますし・・・多分、そんなところじゃないですかね。」
「アンタ、ガンダムネタから離れなさいよ・・・。そもそも戦争が終わってないって根拠は何なのよ。」
「ほら、居住区が反乱起こしてたって言うから。ジオン軍みたいでしょ?」
「それだけかよ・・・。」
「今はなんとも言えないけどな。
ディスクも見せてみたけど・・・専門家に聞いてくれとしか言わないしな。」
「まぁ、ここで分かるのは大体そんなトコだね。後は適当に話したりとかしてれば話は進むから。」
・
・
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あまり収穫はありませんでした。
「これで話は終わりなんですか?」
「これから会議があるとかでな。ま、お偉いさんだからしゃーねぇだろ。」
「あ、エリナさんが主人公とシルキーヌさんの事で妬いてるみたいですね。」
「ああ。そうみたいだな。あんまり興味無ぇけど。」
「駄目ですよ、サキエルさん。あんまりふしだらだと女の子に嫌われちゃいますよ。」
「いや、だから俺じゃねぇって。」
「で、これからどーすんの?」
「どうするもこうするも・・・結局、居住区でも大した事は分からないみたいだな。とりあえず船に戻れるみたいだから戻ろうぜ。」
「そういえば、メカニックの人にまだ会えてませんでしたっけ。」
「そうだったな。これで次の行き先は決まった様なモンだな。」
「一応、ここで休めるんだけど・・・どうする?」
「まだ良いだろ。もう少しやってみようぜ。」
・
・
・
「やっぱり、移動中に色々話したりするんですね。」
「このゲームって本当にアドベンチャーって言うよりは別モンだよな。」
「そうですね。ゲームと言うよりはどちらかと言うと物語を見ている様な感じですからね。」
「おかげであたし達あんまり出番無いんだけどね。」
「確かに・・・、話が進まなくて詰まったりとかないですからね。」
「ところで今は何の話してんの?」
「エリナがさっきのペンダントの香水の匂いをかぎたいんだと。で、かがせるかどうかって選択肢が出てるんだが・・・」
「どしたの?」
「この選択肢、意味があるのか?どっちだって良いんじゃねぇの?」
「まぁ・・・うん。好きにしちゃって。」
「好きにしろって言われてもな・・・減るもんじゃないし別に良いか。」
「いや、香水は減るでしょ。普通に。」
「そうなのか?じゃあ、駄目だ。母親の形見なんだからな。」
「え?駄目なの?」
「サキエルさんの気持ちは分かりますよ。大事なものなんですから無闇に使いたくはありませんもん。
私も某RPGやってた時にエリクサーが大量に余っちゃって・・・」
「いや、それは違う。」
「それでも諦めないみたいですね。あずささんに頼んでるみたいですが・・・」
「でも、結局かがせてもらえないみたいよ。」
駄目だしされました。
「ケチだって。」
「・・・・・。」
「別に良いだろ。んな事でケチって言われるならケチで結構さ。」
「開き直ってどうするんですか・・・。」
「それより、ようやくターミナルステーションに着いたぞ。さっさとメカニックに行ってみようぜ。」
・
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・
「詳しい人が戻ってきてるみたいですね。」
「ワクワクテカテカ」
「アンタら、なに期待してんの?」
「だって、シンさんですよ。どんな人なのかものすごく楽しみじゃないですか。」
「んな事を楽しみに出来るのはアンタらくらいのモンでしょ。」
「ええー!」
「なんだよ、いきなり。」
「だって・・・シンさんって言ったら南斗聖拳の人ですよ?KINGですよKING!
こんな優男のはずがありませんよ!」
「そうですよ。シンさんは後付けで南斗孤鷲拳とか付けられてるちょっと可哀想な人なんです。」
「貴方達の中でのシンは完全に特定個人の名前ですか。南斗じゃなきゃ駄目ですか。」
「じゃあ、百歩譲って界王神さんの別名も良しとします。」
「良しとしますじゃないわよ!全然譲ってないでしょうが!」
「あ・・・そういえば、シンさんの殉星とかって設定も後付けですよね。」
「愛に殉ずる星・・・。その気持ち分かります。私も愛する人のためなら・・・」
「やだぁ〜、ゼルエル様ったらぁ♪」
「言っとくけど、アンタらは対象じゃないわよ。」
「さて、ようやくあのロボットをメカニックに見てもらえるな。」
「ぐろーりー?」
「ん、このロボットの名前らしいぜ。
中央政府の軍用メタルスレイダーって言ってるから主人公の親父さんは反乱起こした側じゃねぇみてーだな。」
「メタルスレイダーって・・・このロボットの固有名詞じゃないんですね。私、てっきり・・・」
「メタルスレイダーというのは、私達の世界で言うところのモビルスーツみたいな意味合いなんでしょうね。きっと。」
「私達の世界って・・・いや、まぁ・・・そうだけど。」
「で、このGLORYってのは珍しい機体らしいな。1機しか作られなかったって言ってるし。」
「1機・・・、たったの1機ですか?」
「このメカニックの兄ちゃんはそう言ってるぜ。試作機を実戦に投入したとかなんとか・・・」
「試作機・・・と言う事は・・・
ザクタンクでもゲルググでもなくて実はケンプファーだったみたいな話ですよね?」
「アンタはガンダム系に話を置き換えなきゃ理解出来ないんかい。」
「レプリカと思われるくらい珍しい機体って事か・・・。」
「本当にレプリカだったりしてね。」
「それだとゲームそのものが破綻しちゃいますよ。
さすがにそこまで滅茶苦茶なストーリーはしてないと思いますよ。あのメッセージの件もある事ですし・・・」
「ところでレプリカって何?」
「本物を真似て作った模造品ってトコですね。」
「ふ〜ん、なるほどね。アンタに解説されるのって何かアレだけど。」
「メカニックの人、コクピットが見たいとか言ってますね。」
「こっちも色々聞きたい事があるんだから願ったり叶ったりだな。」
「色々聞けるってのは良いんだが・・・4番目のシルキーヌについてってのはなんだ?」
「シルキーヌさんについてどう思うかって話だよ。」
「いや、そういう事じゃなくてよ・・・聞かなきゃ駄目なのか?」
「うん。」
「・・・なんなんだ、このゲーム。少しは真面目にやれっての。」
「サキエルさんって意外と女好きなんですね。」
「俺じゃねぇって。」
「まぁ、それ以外は普通の選択肢だからね。片っ端から聞いてみちゃって。」
・
・
・
「さすがにメカニックだけあって色々知ってるみたいだな。結構、情報が出てきたぞ。」
「情報ってどんな?」
「一番上からいくが・・・こういうメタルスレイダーは動かす時にパイロットの識別ってのをするんだと。
で、登録されたパイロットかどうかをスキャンして確かめて、本人だと確認した上で初めて動かせるようになるらしいぜ。」
「え?でも、それだと主人公の忠さんが動かせるのはおかしくないですか?」
「そこはそれだ。そのスキャンってのはあんまり正確なモンじゃないらしい。
同性の双子とかだと間違って動く可能性もあるんだとさ。」
「結構、いい加減なのね。」
「さぁ・・・、ある程度特定の人間にしか動かせないようになってるってのは安全だと思うけどな。」
「他には何か分かりました?」
「設計者については分からなかったが、製造メーカーは分かったぞ。
月にあったI.S.D.Cって会社だって話だ。」
「月にあったって・・・なんで過去形なんですか?」
「今は無くなっちまったんだとさ。だから、その名前はもう残ってないらしい。」
「ふーん。まぁ、ロボットの名前と製造メーカーが分かったってのは大きな手がかりになるわね。」
「後は、例のV−MHって番号の意味なんだが・・・
頭の方がメーカーか設計者の頭文字で、その後に数字の番号が来るらしいんだけど―――」
「でも、MHって数字じゃないですよ?」
「人の話の腰を折るなよ。数字が来るのは量産機の話だ。
プロトタイプの場合はテストパイロットのイニシャルになるんだってよ。
で、このGLORYのパイロットの名前はMASATADA HIMUKAIなワケだから・・・」
「なるほどね。だからMHなわけか。」
「で、シルキーヌってのとメカニック本人についても聞けるんだけど、そういう雑談はどうでも良いとして・・・」
「このディスクの内容を知る方法を聞いてみたんだが・・・ディスクの中身次第らしいぜ。」
「どういう事ですか?」
「ディスクの中身が記録データなのかプログラムなのか音なのか・・・
ま、軍で使うディスクなんだから中に何が入ってるのかは様々なんだろうけど―――」
「記録とかプログラムはともかく・・・音なんてのもあるんですか?」
「だから話の腰を折るなって。
このディスクは軍用のサイズだから市販の音楽の入ったディスクは使えないらしいんだ。
だから、休憩中とかに音楽を聴こうと思ってもそれは無理ってんで・・・
そこで、システムに手を加えて音楽を軍用のディスクに記録して聴いてるらしいぜ。」
「・・・・・。」
「アンタ、理解しきれてないでしょ。」
「はい。」
「即答するなよ。」
「で、とどのつまりどういう事なのよ。」
「このディスクの中身が音ならここでも聴けるって事さ。で、ちょっと試してみようって話なんだが・・・」
「な、なんなんですか?いきなり妹さんが出てきましたけど・・・」
「ちょっと出てきてすぐにどこかへ行ってしまいましたね。」
「なんだったんだ、今の・・・?」
「ちょっと・・・、なんかメカニックの人が妹が録音ボタン押してたって言ってるんだけど・・・まさかね。」
「録音ボタン?」
「ちょっと!せっかくの手がかりが消えちゃったじゃない!」
「・・・消えちまったな。」
「そんな・・・!だって、そんな簡単に録音ボタンなんて押せるものなんですか?
そういうのって離れたところにある2つのボタンを同時に押さなきゃ出来ないはずじゃ・・・」
「いつの時代の機材の話をしてんのよ。アンタは。」
「まぁ・・・しょうがねぇよな。消えちまったんだし。」
「甘いわよ!こういう悪ガキにはお仕置きが必要でしょ!」
「しょーがねぇだろ。そういう妹なんだから。悪気があったわけでもないだろうし。」
「サキエルさん、優しいんですね。」
「そういうワケじゃねぇよ。とりあえずメタルスレイダーの名前と製造メーカーが分かっただけでも良しとしようぜ。」
「他には聞く事は無いんですか?」
「ああ、もう無いみたいだ。それにこのメカニックの兄ちゃんも予定が入ってるらしくてな。
話はここで終わりらしいぞ。」
→
しっかり怒られてます
「あ、やっぱり怒られてるんですね。」
「まぁな。さて、今回はこのあたりで止めておくか。」
「そうなの?」
「貨物船のコクピットに戻ったら休むって選択肢が出てたからな。ま、今回はこんなモンで良いだろ。」
「じゃ、パスワード聞いたらちゃんと覚えておくなり紙に書き残しておくなりしておいてね。忘れちゃうと最初からだよ。」
「大丈夫だろ。このゲームのパスワードは文章になってんだから忘れたりなんかしねぇよ。」