「次は何やろっか?」
「・・・お任せします。私は・・・さっきので長くやってましたから・・・」
「それじゃ、私が決めてあげるわ。今のあなたにピッタリのをね。」
「え・・・?」
「だって、いつまでもお通夜みたいな雰囲気でいられても困るじゃない。」
「あ・・・、ありがとうございます。」
「マトリエルって、ひし形と仲が良くないのかと思ってたけど・・・」
「ホホホ、私は心の広い人間だからそんな細かい事は気にしないのよ。」
「人間じゃないでしょうに。」
「で、何をやるつもりなんだ?」
「これは?」
「バイナリィランド。俗に言うパズルゲームってヤツかしら。
一応、プレイヤーが二種類あって、どちらかを選ぶ事が出来るけど。」
「え〜と・・・、ピンクの方が女の子っぽいですから・・・そっちにしてみます。」
「アンタ、女の子ってキャラかよ。」
「まぁまぁ。とりあえずスタートしてみましょう。え〜と・・・」
「どうやるんですか?これ・・・」
「さっき、ピンク色の方を選んだでしょ?
そっちは普通に操作出来るんだけど、水色の方は上下は一緒に動くんだけど、左右は逆に動くのよね。
つまり、左右対称に動くペンギンを操って、上のハートマークの部分に同時に到達させられればクリアってワケなのよ。」
「結構、難しそうですね。」
「アンタ、パズルゲームとか苦手そうだものね。」
「!!!」
プツン(電源を切る音)
「何してんのよ、アンタァ〜!」
「なにしてんのじゃありませんよ!あからさまに私の苦手な生命体が出てるじゃないですか!」
「・・・カセットに描かれてる時点で気付けよ。」
「だからって電源切る事は無いでしょ〜!さっきまでのやり取りが全部パーじゃないの!」
「何と言われようと嫌です!」
「つーか、マトリエルのした事って嫌がらせ・・・?」
「でしょうね・・・。」
「違うわよ!リハビリよ、リハビリ!ひし形の事を思って選んであげたのに、なんて言い草かしら!」
「では、こういうのはどうでしょう?」
「何かあんの?」
「ジャ〜レコゲ〜ム♪さんれんぱ〜つ!」
俺、戦う♪
狙う♪
守る♪
「何、その妙な歌・・・」
「スナイプス三連発で検索かければ元ネタはすぐに分かりますよ。」
「知りたくもないわよ・・・。」
「ところで、その上の三つ・・・攻略するのかい?」
「攻略って・・・」
「私はただネタで出してみただけですから、実際にやるかどうかは皆さんにお任せしますよ。」
「でもさ、上の三つのやつってクリアって概念が無いでしょ?」
「そうなの?」
「古めのゲームだと大体そんな感じだよ。最初の頃は点数稼ぎがメインてのが多かったから。」
「ちなみに一番上の忍者じゃじゃ丸くんはアクションゲーム、二番目のフィールドコンバットは敵の捕獲が目的
一番下のチョップリフターは捕虜救出が目的のゲームだよ。ただ、どのゲームも無限ループだったと思うけど。」
「それじゃ、いつまでやっても終わらないじゃないですか。」
「そういうモンだもん。死ぬまで戦う・・・みたいな?」
「う〜ん・・・、せっかくなんですけど止めておきましょう。すみません、ゼルエルさん。」
「あ・・・、私は提案してみただけですから・・・お気になさらずに。」
「でも、どうしましょう。次のアテはあるんですか?」
「う〜ん・・・、何にしましょうか。」
「ま、カセットはそれなりにあるから適当に選んでみてよ。」
「はい。え〜と・・・て、なんで私が選んでるんでしょうか・・・?」
「なら、私が選んであげるわよ。」
「これは・・・?」
「B-WINGSとかってシューティングゲームよ。フンフンフ〜ン♪」
「なにしてんの?」
「ステージセレクトとウイングセレクトが出来る隠しコマンド。これならクリアなんてお茶の子さいさいよ?」
「そんなに難しいんですか?」
「まぁ、それなりにね。ほら、ステージも選んであげたわよ。」
「はい。ありがとうございます。え〜と・・・」
「これはどうやるんです?」
「十字キーは自機の移動、Aボタンが攻撃でBボタンがウイングの破棄。
このゲームって装着するウイングで攻撃方法が異なるんだ。で、今の状態は何もウイングを装備してない状態だね。」
「でも、さっきウイングセレクトがどうとか・・・」
「スタートボタンでポーズをかけてからセレクトボタンで選択。そうすればデフォルトのウイングは全部選べるから。」
「え〜と・・・、あ、ホントですね。」
「ウイングの数が多くてどれが良いんだか分からねぇな。」
「そんなの適当で良いのよ。その三角のにでもしてみれば?」
「はい。」
「これ・・・、至近距離にしか攻撃できないんですけど・・・」
「そういうウイングだもの。嫌なら他のに変えれば良いのよ。」
「いえ・・・、せっかくですからこのままでいきましょう。」
「途中で、別のウイングが出てくる事もあるから、それに付け替えたりする事も出来るからね。」
「了解です。」
「へぇ〜、本当にウイングが変わると攻撃方法がガラリと変わっちゃうんですね。」
「結構、面白いでしょ?」
「はい。」
「なんか、音楽が変わってきたな。そろそろボスの登場か?」
「そうでしょうね。ミサイルがたくさん飛んできてますし・・・このゲームのボスってどんな―――」
「!!!」
プツン(電源を切る音)
「なにすんのよ!」
「なにすんのじゃありませんよ!また出てるじゃないですか!」
「なんでわざわざ面セレまで使ってんのかと思ったら・・・」
「あからさまな嫌がらせじゃねーか。」
「言ったでしょ!私はひし形のリハビリの為にやってるの!
こんなので驚いてたらバイオハザードなんてやった日には死人が出るわよ!」
「確かにアレは生々しいですからね。大きいし。」
「・・・バイオハザードは前にやった事ありますよ。もう出来ないとは思いますけど。」
「でも、どーすんの?BーWINGSの攻略終わってないけど。」
「・・・今はやりたくないです。別のをお願いします。」
「そうねぇ。それじゃ―――」
「お前はもう止めとけ。またその類の選ぶつもりだろ?」
「んま!失礼ね!誰がシムアントを選ぶなんて言ったのよ!」
「シムアント?」
「別のハードで出てたゲームだね。
アリの巣を作っていくゲームなんだけど、敵としてクモとかアリジゴクとかが出てくるから・・・ラミエルさんにはキツいんじゃないかな。」
「無理無理無理、絶対ダメですよ・・・!」
「そんな事無いわよ〜。リアルで面白いと思うわよ?」
「・・・選ぶ気満々じゃねーか。」
「んー・・・、じゃあ、次にやるゲームもこっちで選ぶ事にするね。」
「ええ〜!」
「だって、この調子だと最後までやれそうなゲームが出てきそうに無いんだもん。
じゃ、次からちゃんとした攻略していくからね。」