「さて、そろそろ先に進みましょう。」
「次は何だっけ?」
「ソルっていう街に着いたところまでですよ。
前回は補給とかをしただけですから、これから情報収集をしようかなって。」
「で、めぼしい情報は何かあった?」
「ちょっと待ってください。これから集め―――」
装甲車ハケーン
「やったやった!装甲車ですよ、装甲車!」
「そんな喜ばんでも・・・まだ手に入れたわけでもないでしょうに。」
「ここは当然はいですよね。」
「まぁ、そうだよね。欲しいんでしょ?」
「もちろん♪」
「え!なんて気前のいい・・・、欲しいって言ったらあげましょうって・・・」
「いつぞやのバギーをくれた社長よりすごいわね。」
「そうでもないんだよ。ほら。」
やっぱり世の中甘くありません(´・ω・`)
「あ・・・」
「そりゃそうよね。タダで貰えるなら警察はいらないって言うでしょうに。」
「どういう例えよ。つーか、警察関係無いし。」
「下水のバケモノって何なんでしょうか?」
「それは降りてみれば分かるよ。この街の左上の方にマンホールがあって、その下が下水道になってるんだ。」
「では、そこへ行きバケモノとやらを倒せば問題解決ですね。」
「行き先も分かった事だし、さっさと行きなさいよ。」
「え・・・」
「え・・・?じゃないわよ。そこに行かなきゃ装甲車がもらえないでしょ。」
「だって・・・下水道って言ったら巨大蜘蛛とか居ますよね?
十中八九居ますよね?天井から毒吐いてきたり、蜘蛛そのものがボトッと落ちてきたりしますよね?」
「なにそれ?」
「このゲームはRPGだからそういう描写は無いと思うけど・・・」
「ラミエルさんが言ってるのはバイオハザードの話じゃないでしょうか?」
「で、なんで蜘蛛が出てくると駄目なんだ?RPGなんだからそのくらい出てくるだろ。」
「・・・・・。」
「あ〜・・・、ちょっとね。
みんなが来る前にやってたゲームが原因なんだけど、ラミエルが少しトラウマ気味になっちゃっててさ。」
「蜘蛛とか虫とか・・・苦手なんです。」
「何よそれ。私に対するあてつけ?むしろ嫌がらせ?」
「いえ・・・、マトリエルさんは関係ありませんよ。私はただ虫とかが苦手なだけで・・・」
「つか、どこまで引きずれば気がすむのよ。アンタ、仮にも使徒でしょうが。」
「無茶言わないで下さい。使徒にだって苦手な物の一つや二つありますよ・・・。」
「そうなんですか?」
「俺は初号機かな。いきなり暴走って御都合主義にも程があるだろ。」
「でも、サキエルさんはまだ良い方でしょう。私なんか食べられちゃいましたから。」
「そりゃ言えてるな。ハハハ。」
「笑い事じゃ無いような気がしますが。」
「ま、そんなに心配しなくてもだいじょぶだよ。ここでは蜘蛛とかは出てこないから。」
「あ、そうなんですか。よかったぁ〜。」
「でも、今すぐ下水道に行くのは止めた方がいいよ。多分、全滅しちゃうと思うから。
とりあえずは準備から始めた方がいいかな。」
「そんなに強いんですか?」
「まぁ・・・、それもあるんだけど。とりあえずえんまくはなびを1セットと回復ドリンクを買えるだけ買っといて。
えんまくはなびはこの街では買えないから、前の街で買ってくるようにね。」
「はい。」
「それが済んだら、この街の装備屋でルシアさんの武器を新調だね。
ニュートロンガンっていうのが売ってるからそれを買っておけば十分かな。
後は余裕があったら、シールドマントくらいは買っておいた方が良いかもしれないけど。」
「人間用の装備にそこまでお金を使うって事は・・・相当キツいみたいですね。」
「そうだね。もっとも、うまくいくかどうかは半分くらいは運次第になっちゃうんだけど。」
「運・・・ですか?」
「ま、とにかく準備が整ったら下水道に行ってみて。そうすれば分かると思うから。」
「???」
・
・
・
問題の下水道
「とりあえず来てみましたけど・・・あの赤いのは何なんですか?」
「あれがボスだね。もっとも、今は水があるせいで戦えないんだけど。」
「と言うと・・・やっぱり、水をなんとかする方法があるって事なんでしょうね。」
「そゆこと♪」
「今は先に進むしかないみたいですね。とにかく先を―――」
ザコ戦です・・・が。
「やっぱり普通に敵が出てくるんですね。」
「そりゃそーでしょ。」
「まぁ、良いです。新調したルシアさんの武器の威力を試してみましょう。」
「あのね・・・、とりあえず逃げた方が良いよ。」
「え?」
「その敵なんだけど桁違いに強いんだよね。だから、今の状況だと倒すより逃げちゃった方が確実に先に進めるんだ。」
「ルシアさんでも駄目なんですか?」
「うん。ダメージ300とか当たり前だから。油断してるとホントに命持ってかれちゃうよ?」
「それは・・・困ります。逃げましょう。」
・
・
・
右の方に人が居ます。
「こんなところにも人がいるんですね。ちょっと話しかけてみましょうか。」
「あ、無視しちゃっていいよ。ヘタに歩いてさっきの半漁人に出会っちゃったら面倒でしょ?」
「そ、それはそうですけど・・・」
「今は先に進む事だけ考えて。とりあえず左の方へ行けばオッケーだからさ。」
「分かりました。」
・
・
・
「その上の端末を操作すれば水が引くから。そしたら、また道なりに進んでいけば大丈夫。」
「はい。それにしてもここの半漁人さんって本当に強いんですね。戦闘力がケタ違いですよ。」
「私の戦闘力は530000です。
ですが、もちろんフルパワーであなたと戦う気はありませんからご心配無く・・・。」
「またその類のネタかよ・・・。」
・
・
・
「ふぅ・・・、これでようやくボスと戦えるみたいですね。」
「ここまでたどり着ければ勝ったも同然かな。この下水道ってここに来るまでが結構大変なんだ。」
「確かに大変でした。あの半漁人さんって、絶対戦車で相手をする敵ですよね。」
「ボスと戦う時には前に出てきた犬さんと同じ様に話しかけてね。もちろんちゃんと準備してからが良いんだけど。」
「回復ドリンクを使ってHPは全回復してあります。それじゃ早速いってみましょう。」
「敵はワニさんだったんですね。爬虫類相手なら平気です。」
「これで蜘蛛だったら大笑いだったんだけどね〜。」
「笑うところじゃありませんよ?」
「そういう意味じゃないわよ!文脈ぐらい読みなさいっての!」
ズズゥゥゥゥン(圧縮音)
「むぎゅ!」
「ところで戦法はいつも通りで良いんですか?」
「そだね。えんまくはなびを使って攻撃攻撃。それだけで勝てる相手だから。」
「でも、えんまくはなび使ったのに攻撃喰らってるじゃない。」
「そりゃ、絶対確実に避けてくれるワケじゃないもん。でも、大抵の攻撃は当たらなくなるからさ。」
変な事をしなければ勝てる相手です。
「ルシアさん、強すぎじゃないですか・・・?」
「確かにな。プロテクターを破壊する前だってダメージ70とかいってたぜ。主人公なんか一桁だってのに・・・さすがソルジャーだな。」
「クックック、ちなみに戦闘力にしたら100万以上は確実か。」
「だからその類のネタは止めなさいって。」
「ワニさん倒したらそのまま奥へ進んでね。外へ出られるようになってるから。」
「はい。」
・
・
・
これで装甲車が手に入ります。
「後は装甲車に乗って名前を決めれば、装甲車はラミエルさんのものだよ。」
「やった、新しい車をゲットですね♪」
「ところで名前はどうするんですか?」
「あ・・・、そうでした。どうしましょう?」
「何?また考えてないの?」
「装甲車の名前なんてあんまり知りませんし・・・」
「早くしなさいよ〜。話が先に進まないでしょ〜。」
「え〜・・・、う〜ん・・・、それじゃゴリアテさんにします。」
「なんでまた?」
「ドイツが作ったラジコン戦車にそういうのがあったそうなんで。それになんとなくラピュタの飛行船艦に似てません?」
「似てないわい。」
「ま、とにかくゴリアテさんで決定と言う事で。」
「じゃあ、次はまた下水道に行ってもらえるかな。」
「どうしてですか?」
「水が引いたところにちょっとしたアイテムがあるんだ。それを取っておいた方が良いと思って。」
「了解です。それじゃ行ってみましょう。」
・
・
・
「メガネのレンズ・・・何に使うんです?」
「それは後のお楽しみって事で。それじゃ地上に戻ってね。」
「はい。戻る戻る・・・と。」
・
・
・
つまりお前はもう助からない!
「ちょ・・・、何してんだ、お前?」
「だって・・・、逃げるを選択しても中々逃げられなくて・・・」
「これは全滅しちゃうかしらね〜♪」
「レーザーミミズの方が素早さが高いみたいですからね。これは死んだでしょう。」
「諦めは敗北以下なんです!頑張って下さい、お兄様!」
「いや、俺に言われてもどーしようもねぇぞ。」
「お兄様ってところにツッコミ入れるのは止めたんですね。」
「あ・・・、忘れてた。」
「あ・・・!」
「攻撃を1回避けて1回命中、瀕死だけど、どうにか逃げられたみたいだね。」
「マジか・・・?俺でもさすがに死んだと思ったんだが。」
「運が良かったんですよ。お兄様。」
「お兄様は止めろ・・・。」
「とりあえず、故郷に帰って2人を生き返らせて来ないと駄目だね。
それが終わったらあらためて情報収集。装甲車を手に入れるまでこの街の全部には行き来できなかったからさ。」
「はぁ〜い♪」
・
・
・
「なんですか、これ?」
「初めて見るお尋ね者のポスターです。賞金もずいぶん上がってきましたね。」
「こりゃまた・・・ふざけた姿してるわね。」
「で、どこに居るんだ?コイツら。」
「それが・・・肝心の情報がどこにも無いんですよね。」
「どこにも?」
「はい。この街にはハンターオフィスも無いので・・・さっぱり分からないんです。」
「でも、ゴメスってヤツはどこかで名前出てこなかったか?」
「そう?」
「ほれ、ワルゲリョってヤツを倒した時にゴメス親分がどうたら、滝がどうとかって言ってたろ?」
「そういえばそうですね。じゃあ、ゴメスって人の方は滝の近くに居るって事で覚えておきましょう。」
「じゃあ、ミスターカミカゼってのは?」
「情報が無いんです。今度こそどこにも・・・」
「答え、言っちゃおうか?」
「え?でも・・・」
「だって、このお尋ね者に関してはノーヒントのはずだもん。いくら先に進んでも情報は出て来ないよ。」
「なんだそりゃ?」
「この敵って普通にフィールドに出てくるんだけど、エンカウント率も低いから出会えるかどうかも分からないし・・・
正直、ほったらかしにした方が良いかな〜なんて。」
「そんなに会えないもんなの?」
「だって、私まだ見た事無いもん。」
「おいおい・・・。」
「そういえば、装甲車が手に入ったは良いけど、割り当てはどうすんだ?また、自分ちの駐車場にお蔵入りか?」
「いえ、せっかくですのでメカニックの人に使わせたいと思います。ニゴウキさんは自宅待機という事で♪」
「ちょっと!どーしてそうなんのよ!」
「だって、ニゴウキさんの装備だと今の敵にはキツイじゃないですか。
それに、せっかくゴリアテさんが貰えたわけですから丁度良いかな〜なんて。」
「丁度良くない!そもそもアンタが装備を変えないのが悪いんでしょうが!」
「あ〜・・・、今は一応お金は節約しておいた方が良いんだよね・・・。」
「う・・・。」
「別に良いじゃない。弐号機が待機なんていつも通りでしょ?」
「いつも通り言うな!弐号機じゃなくニゴウキだっての!」
「結局、ニゴウキは初期装備のままお蔵入りか。」
「ちょっとカワイソス(´・ω・`)」
「うるさい!」
「一通り、情報収集が終わったら次の街へ行こうか。
次の街へ行くにはこのソルの街の東の山脈沿いに進んでいけば分かれ道があるから。」
「見るからに細い道なんですけど・・・」
「大丈夫。細い道の向こうにはちゃんと街があるから。とにかく先に進んでみてよ。」
「了解です。」
・
・
・
「ホントにちゃんとした街みたいですね。」
「この街はこれまでとはちょっと違う街なんだ。入ってみれば分かると思うんだけど。」
「では、さっそく入ってみましょう♪えい!」
「掛け声はいらんでしょうに。」
「本当にこれまでとは違いますね。」
「電車を家に使ってるのかしら・・・?」
「そ。とりあえずいつも通りの情報収集から始めてみて。」
「はい。」
・
・
・
「で、何かあった?」
「この街にはハンターオフィスがあるみたいなんで、ちょっと聞いてみようかと・・・」
「ム、ムカデ・・・!」
「アンタ、ムカデも駄目なわけ?」
「言ったじゃないですか。虫は苦手なんです・・・。」
「そのムカデはどうしても倒さなきゃならないってワケじゃないんだけど・・・やっぱり倒した方が良いんだよね。」
「まぁ、賞金も高いみたいだしな。少しは我慢しろよ。」
「・・・・・。」
「他には何かありましたか?」
「え〜と・・・、こんな情報がありました。」
東京タワーだそうで
「と、東京?もしかして、この辺って日本だったの?」
「そうみたいだね。」
「なんか意外・・・」
「あ、そうそう。他にはこんな情報もありましたよ。」
「久しぶりにウルフさんの話が出てました。」
「ああ、いつぞやのキザ男ね。」
「で、なんでひし形が赤くなってんのよ?」
「え・・・?そんな事ありませんよ。いつも通りです。」
「なんだ、お前本当にああいうキザ男が好みなのか。」
「ち、違います。そんなんじゃありません。からかわないで下さい。」
「フッ・・・」
「いや、フッ・・・じゃなくて。」
「と、とにかく・・・、南にあるという東京タワーに行ってみましょう。何かあるかもしれませんし。」
「あ、東京タワーに行くにはさっきのムカデ倒さなきゃならなくなるから・・・そろそろパンターの主砲を交換した方が良いと思うよ。」
「やっぱり倒さなきゃ駄目なんですね・・・。でも、あんまりお金が・・・」
「じゃあ、レベルアップも兼ねてその辺りで貯めてきて。さすがに今の装備じゃキツいからさ。」
「はぁ〜い。」
・
・
・
「ふぅ、ようやく終わりましたよ〜♪」
「随分、時間かかってたわね。」
「主砲の交換だけじゃなくて、パンターのエンジンの改造までしちゃいましたからね。結構、疲れましたよ。」
「そこまでやっておけばとりあえずは大丈夫かな。それじゃ、イーデンの街から南へ行こうか。」
「洞窟の向こうに大きな建物がありますね。あれがもしかして・・・」
「東京タワーだね。今はあそこへ行くのが目的になるかな。」
「東京タワーってあんな色してたっけ?」
「さぁ?この世界だと昔の建物みてーだから経年劣化しちまってんじゃねぇのか?」
「( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー」
「いや、ただの想像なんだが。」
「中は地下鉄になってるんですね。本当に過去の遺物って感じです。」
「このダンジョンはほとんど一本道だからね。道なりに進んでいってね。」
「了解です。」
・
・
・
「これは・・・砲撃するんですか?」
「うん。壁の亀裂を調べると砲撃しますか?って選択肢が出てくるから、はいを選べばオッケー♪」
「え〜と・・・壁を調べて・・・はいを選ぶ・・・と。」
「ホントに陥没してたところが埋まっちゃいましたね。」
「そうですね。これで先に進めます。」
「う〜ん・・・、ラミエルはそろそろ心の準備をしておいた方が良いと思うけど・・・」
「へ?心の準備って―――」
「うわ、ム、ム・・・ムカデが出てきちゃいました・・・!」
「うろたえるんじゃぁない!ドイツ軍人はうろたえない!」
「私、ドイツ軍人じゃないんですけど・・・」
「だから、なんでアンタがツッコんでんのよ。」
「結構強いと思うけど頑張って。」
「そんな他人事みたいに言わないで下さい・・・。」
・
・
・
「なんとか倒せましたけど・・・本当に強かったです。」
「そうね。装甲タイルなんかほとんど剥がされちゃったし。」
「これは戻った方が良いんでしょうか?」
「う〜ん・・・、戻らなくても大丈夫だと思うよ。ここから先にはボスとかは居ないからさ。
それに本当に危ないと思ったら戻れば良いんだし。」
「分かりました。それじゃ、先に進んでみますね。」
・
・
・
「ようやく東京タワーに着きましたね。」
「で、ここって何があんの?」
「それは中に入ってみてのお楽しみ。とりあえず、ヘンなトコに行かなきゃ敵は出て来ないから適当に散策してみてよ。」
「分かりました。」
・
・
・
「この人の話だと、下水道に落ちた人形を取ってくれば何か教えてくれるそうなんですけど・・・」
「それ、止めた方が良いよ。死んでもおかしくないから。」
「そうなんですか?」
「ここの下水道でも、この前の半漁人がたくさん出てくると思えば分かりやすいと思うけど・・・」
「え?半漁人さん・・・?止めます止めます。」
「でも、これからどうすんだ?一通り散策してみたけど、上に行く方法なんか見つからねぇぜ?」
「え〜とね。上の階に行くにはこの階段を使わなきゃならないんだけど・・・」
「ところでさ、このたくさんある人みたいなのって何?」
「蝋人形だと思うよ。ほら、東京タワーなワケだし。」
「そうなの?イマイチよく分からないけど・・・」
「あの・・・、階段って人形の中心にある階段の事ですよね?
あそこに行きたいんですけど、黒い人形が邪魔して行くに行けないんです。」
「そこはほら、何か他の人形と違う人形があるって事に気付けば分かるんじゃないかな。」
「???」
「他のものと違うって事は・・・赤い人形あたりか?」
「赤い人形・・・、あれ?これって押して動かす事が出来るんですね。」
「そこまで分かれば答えは見つかったも同然だよね。」
「え〜と・・・え〜と・・・こうですか?」
「大正解〜♪これで東京タワーの最上階へ進めるんだ。」
「タネが分かるとあっけないものですね。」
「自力じゃ絶対分からなかったでしょうけど。」
「・・・・・。」
・
・
・
「BSコントローラーというのが貰えたんですけど・・・これが目的だったんですか?」
「そうだよ。」
「これって要は世界地図みたいなモンでしょ?お宝にしてはショボくない?」
「そーでもないよ。まぁ、使う機会があったらその時に教えたげるけど。多分、後悔はしないと思うよ。」
「なんかよく分かりませんけど・・・とりあえず帰りましょうか。」
「帰りはドッグシステムでイーデンの街へ移動だね。
で、補給とか色々済ませたら、道なりに南へ進んでみようか。」
「南って?東京タワーの方以外に南ってあるんですか?」
「そだよ。また別の方。だって、東京タワーの方にはレッドウルフさんは居なかったでしょ?」
「あ、それもそうですね。それじゃとりあえず行ってみましょう。」
「あ、そうそう。
ちょっと前に話してたミスターカミカゼってお尋ね者の事なんだけど、
とりあえず、ここから南のあたりで出るみたいな話は聞いた事があるんだけどさ・・・ゴメン、ホントに分からないから。」
「そんなに会えないものなんですか?」
「う〜ん、私は諦めちゃったからなんとも言えないんだけどさ。多分、運任せだと思うよ。」
「じゃあ・・・、今回は止めておきましょうか。とりあえず先に進みましょう。」
・
・
・
「大きな滝がありますけど・・・もしかして、ゴメスってお尋ね者がこの辺りに居るんでしょうか?」
「さぁ?山賊なんだから分かりづらい所にでも隠れてるんじゃないの?」
「ねぇ・・・滝の近くに建物があるんだけど・・・まさかね。」
「一応、入ってみましょう。」
「な、なんなんでしょうか?これ・・・死体がたくさん転がってますけど・・・それに地面にあるのは・・・弾痕?」
「建物があるみたいだし、とりあえず入ってみりゃ分かるんじゃねぇか?」
「そうですね。」
「先にウルフさんが戦っていたみたいですね。」
「でも、この調子だとゴメスって人まで倒されちゃうんじゃないですか?」
「なによ、それじゃ賞金が貰えなくなっちゃうじゃない!横取りしなさいよ、横取り!」
「仕方ないですよ。ウルフさんの方が強いんですし・・・今回は諦めましょう。」
「こ、恋人?」
「そりゃ居るんじゃねぇの。」
「・・・・・。」
「恋人を助けたければ、命を助けろだなんて・・・まるっきり小悪党の台詞じゃない。」
「まぁ、小悪党だからね。」
「結局、逃がしちゃうのね。」
「でも・・・、恋人の命を助ける方を選んだんですから・・・良い事だと思います。」
「猿芝居・・・?まさか偽者・・・!」
「そうみたいですね。」
「さっき逃げたゴメスってのが戦車に乗って戻ってきてるし。」
「最初からそうするつもりだったんでしょうね。」
「ウルフさんのピンチじゃないですか!早く助けないと・・・!」
生身でも強いウルフさん
「HPが3000・・・!ウルフさん強すぎじゃないですか?」
「でも・・・戦車には勝てないからね。」
悪党の台詞の模範ですね。
「そんな・・・!ウルフさんが・・・!」
「そういや主人公達はどこに居るんだ?」
「すぐに出てくると思うよ。今の話は主人公達が来る前の話だからさ。」
「・・・・・。」
「どうしたのよ、アンタいきなり黙っちゃって。」
「このゴメスって人は絶対に倒したいんです。だから、真剣に戦おうと思って・・・」
「でも、さすがに強いみたいだぜ。パンターの主砲でも15〜6くらいのダメージしか通ってないぞ。」
「それは大丈夫。しばらくは普通に戦闘をこなしてて。」
「はい。」
「圧倒的だったのにゴメスって人は戦車から降りちゃうんですか?」
「うん。ゴメスの場合、この状態だと回避率は高いんだけど主砲弾数発で倒せるから。こっちの方で倒す方が楽だと思うよ。」
「・・・・・。」
「ふ〜ん、ホントにすぐに倒せたわね。意外とあっけない気もしたけど。」
「良かった・・・!ウルフさん、生きてるみたいです。早く手当てをしてあげないと・・・」
「・・・もう、助からないんだよね。」
「そんな・・・!回復カプセルとか回復ドリンクがあるじゃないですか。それを使えば・・・」
「そういうのは無理じゃないの?こういうゲームってそういうのは出来ないのが相場だし。」
「戦車を使ってくれと言ってますね。これで新しい戦車が手に入るというワケですか。」
「・・・・・。」
「死ぬ間際まで愛する人の事を想ってるんですね。」
「ふ〜ん、ただのキザ男ってだけじゃなかったのね。」
「終わったみたいね。新しい戦車も使えるようになった事だし、さっさと名前つけなさいよ。」
「・・・・・。」
「アンタ・・・、なんで泣いてんのよ。」
「だって・・・、まさかウルフさんが死んじゃうなんて・・・!」
「そういえば、さっきの女はどこへ行ったの?」
「え〜と・・・、この建物の奥に居るんだけど・・・」
「許せない・・・!死んだ人に全部押し付けるなんて・・・卑怯です!」
「あ、でもこの女の人とは戦えないし・・・諦めるしかないよ?」
「まぁ、よくあるパターンな人ですし大目に見てあげても良いのではないでしょうか?」
「嫌です!この人は絶対に許せません!」
「聞く耳持たずって感じね〜。」
「おいおい・・・、アンタら使徒でしょ。さっさとひし形を止めなさいよ。」
「止めろって言われましても・・・」
「何か方法があるはずです!こういう人には死をもって償ってもらわなきゃ・・・」
「・・・・・。」
パシッ(頬を叩く音)
「!」
「!!!」
(サキエルがひし形を平手打ちするなんて・・・!)
「頭を冷やせ。ヤツは復讐なんて願ってなかったろ。それはお前個人の感情だ。」
「だって・・・この人のせいでウルフさんが・・・」
「そんなに復讐したけりゃすれば良い。
だが、あの女を殺した後、お前には何が残る?小さな達成感か?自分だけの満足感か?
気に食わないって理由だけで他人を殺そうとしている今のお前はその辺のゴロツキと何が違う?」
「・・・・・。」
「勢いや感情だけで行動するな。
そういう行動のツケは大抵自分に撥ね返ってくるモンだ。恨みや憎しみなんてのは特にな。
それでもお前が殺るってんなら、俺は止めねぇが。」
「ま、ゲームなんだからさ。そこまで本気にならなくても良いと思うけどね。」
「そうよねぇ。」
「つか、サキエルがそこまで何か言うのも珍しい気がするけど。」
「・・・席、外します。」
ウイィィィン(ドアの開閉音)
「あ・・・」
「どこかへ行っちゃいましたね。」
「・・・・・。」
「サキエル!なに、ボーッとしてんの!」
「へ?なんで俺?」
「女の子を傷つけたんだからね!追いかけて!ほら、早く!」
「いてっ、いて!叩くな叩くな。分かったよ、行けばいいんだろ?」
ウイィィィン(ドアの開閉音)
・
・
・
「ったく、ショックを受けて外へ出て行っちゃうなんて・・・ひし形もいつの時代のヒロイン気取ってんだか。」
「でも、貴女も同じ事をしましたよね。確か第7使徒の時に。」
「るさい!なんでアンタがそんな事知ってんのよ!」
ボスッ!(殴打音)
「むぎゅ!」
「ああいうタイプは今は古いわよね。今の時代はやっぱり私みたいなツンデレでしょ、ツンデレ。」
「アンタのどこがツンデレなのよ。」
「ツンデレもそろそろって感じじゃない?次に流行るのはやっぱり第10使徒、これよね〜。」
「流行るか!何よ、その限定的なカテゴリーは!」
「・・・・・。」
「どしたの?」
「いえ・・・、私には何か出来る事があるのかな・・・?と、少し考えていただけです。」
「サキエルさんじゃなくて、ゼルエルさんに任せたほうが良かったかな?」
「そんな・・・、あの状況で私が追うのはヘンな話ですし・・・私は待つだけです。」
ウイィィィン(ドアの開閉音)
「ただいま〜・・・。」
「どうだった?」
「ああ、すぐに戻るってよ。」
「にしても、アンタ達がケンカなんて珍しいわね。」
「ああいうのはケンカって言わねぇだろ。」
ウイィィィン(ドアの開閉音)
「・・・・・。」
「アンタ、どしたの?その頭。」
「ほら・・・人間の人達って何かあったら髪を切ったりとかするんでしょ?だから・・・」
「なんか誤解してる様な気もしますが。」
「とりあえず・・・今回はここで止めておきますね。」
「あ、ここじゃセーブ出来ないから、もう少し先まで進めないと駄目なんだよね。」
「とりあえず、戦車の名前決めない事にはどうにもならないでしょ、」
「・・・・・。」
「今回はあっという間に決めたわね。」
「レッドウルフってそのまんまじゃない。」
「良いんです・・・これで。」
「でも、誰が乗るんだ?やっぱ主人公に乗せるのか?」
「いえ・・・、ルシアさんに乗ってもらおうと思って。ルシアさん、結局、ウルフさんに勝てないままになってしまいましたし・・・」
「ふ〜ん、てっきり主人公に使わせるのかと思ってたけど。」
「サキエルさんにはパンターがありますし。とりあえずはこの編成でいきます。」
「そしたら、ここを出て北へ向かってね。そうすれば街が見えてくるはずから。」
「とりあえず、街に着いたら補給と休息かな。今回は長くなっちゃったからこの辺にしておこうか。」
「・・・はい。」