「じゃあ、次に行こうか。」
「次って言うと・・・そろそろヘル・ゲートというところへ行くんですか?」
「その前に、ちょっと戦車の装備を整えておこうか。」
「戦車の装備って・・・もう買わなくても良かったって話じゃ・・・?」
「ん〜と・・・、今度買うのは道具とか砲弾とか。とりあえず、ロッコの街へ移動かな。」
「はぁ・・・」
「そこって、ずいぶん前に行った街よね。」
「で、何を買うんだ?」
「戦車の道具屋で戦車の台数分の電磁バリア、砲弾屋でパンターに予備弾を補給だよ。」
「電磁バリアって何に使うんですか?」
「何に使うって言うか・・・ドッグシステムみたいな感じの道具だからね。持ってるだけで効果が出るんだ。」
「ところで予備弾って・・・?」
「戦車に積む通常弾ってトコかな。主砲の弾はたくさん持っておいた方が良いからね。」
「レッドウルフには積まなくていいの?」
「うん。そっちはそっちで別の砲弾を積んだ方が良いからね。とりあえず次はフリーザの街へ移動だよ。」
「あっちに移動、こっちに移動で忙しいですね。」
「フリーザの街ではレッドウルフに徹甲弾と煙幕弾、
120発くらい搭載出来るから半分半分くらいで良いかな。」
「そういえば、前もその砲弾を買った事がありますよね。」
「今回も出番が色々ある予定だからね。買っておいて損はないと思うよ。」
「はい。」
「それが済んだらサンタ・ポコの街から北へ移動だよ。」
「了解です。」
・
・
・
「両側に建物があって門が閉じられてるみたいです。まさか、ここがヘル・ゲート・・・?」
「うん。でも、とりあえずはまだ放置で良いかな。」
「そうなんですか?」
「この辺りの砂漠って広いしさ、まだ西の方に行ける場所があるんだよね。そこに行ってからでも遅くは無いし。」
「つまり西へ行けって事か。」
「そゆこと♪」
「では、行ってみましょう。」
・
・
・
「こんなところに街が・・・!」
「街に着いたらいつも通りの情報収集だね。」
「はい。」
「めぼしい情報はこれくらいですね。」
「ロンメルゴーストの情報がありましたね。砂漠で大きな鳥を見つける・・・ですか。」
「とにかく砂漠に行けば会えそうですね。」
「もう1人のバルデスってのは初めて聞く名前だな。」
「ま、ヘル・ゲートの向こうって事は今すぐどうこうって話でもなさそうよね。」
「とりあえず、砂漠に行きましょう。」
・
・
・
「砂漠の鳥って・・・もしかして、この地形の事を言ってるんでしょうか?」
「うん。よく分かったね。」
「だって・・・この砂漠で特徴のあるものってこれくらいしかありませんでしたから・・・」
「強そうな相手ですね。」
「んじゃ、さっそくなんだけどルシアさんに徹甲弾で攻撃させて。」
「まさか・・・徹甲弾が効いちゃったりするんですか?」
「そだよ。」
徹甲弾 ∩( ・ω・)∩ばんじゃーい
「徹甲弾一発でロンメルゴーストが攻撃不能になっちゃったみたいなんですけど・・・」
「運が良かったよね。後は適当に主砲弾で料理してあげるだけ♪」
「なんか・・・ちょっと可哀想な気がしますね。」
「そっかな?」
「なに、甘っちょろい事言ってんのよ。お尋ね者なんだから四の五の言わずに頃しちゃえば良いのよ。」
「そうそう。ね?ゼルエル様?」
「え・・・あ・・・」
「ほら、ゼルエル様もぬっ殺せって言ってるもの。」
「・・・言ってません。」
「そうよ。ゼルエル様もコロ助って言ってるものね〜♪」
「・・・言ってません。」
「もしかして、アンタも尻に敷かれるタイプなワケ?」
「意外とそうなのかもね。」
「え〜と・・・、終わりましたよ?」
「お、終わったか。ノーダメージで勝てたみたいだな。」
「それはまぁ・・・1ターン目に徹甲弾で戦闘不能にしちゃいましたから。」
「それじゃ、そろそろヘル・ゲートに行ってみようか。」
「え〜!賞金をまだ貰ってないのに〜?」
「だって、今はお金に困ってないでしょ?」
「確かに。」
「こういう時は近場から攻めていくのが一番だよ。
ヘル・ゲートには左右で二箇所入れる所があるんだけど、とりあえずは左が先の方が良いかな。」
「これといって何のイベントも起きないみたいなんですけど・・・」
「とりあえず、左端の自動販売機でえんまくはなびをワンセット購入ね。そしたら、道を塞いでるのが居るのが分かる?」
「道を塞いでるのって・・・この赤いエビみたいなのですか?これのせいで奥へ行けないんですよね。」
「あ、それ敵だから。話しかけると戦闘開始。」
「え?床に落ちてるゴミとかじゃなかったんですか?私てっきりただの障害物かと・・・」
「まぁ・・・確かに障害物なんだけど・・・敵だよ。それなりに強いから気をつけてね。」
「よく見れば確かに敵っぽく見えなくもないけど・・・」
「なに、このED209。」
「なにそれ・・・?」
「私もよく分からないんですが・・・」
「アンタが知らないなら、私達がやってあげるわよ〜。」
「やってあげるって・・・何をだよ。」
「今は市街用にプログラムされていますが、街に平和が戻ったらいずれ軍事用に造り替えます。
ケニー君、犯人役を頼む。」
「いきなり何かのネタに入っちゃってますね。」
「誰がケニーですか。人を巻き込むのは止めてもらえませんか。」
「武器ヲ 捨テナサイ。20秒ダケ 猶予ヲ アタエル。」
「何の話よ・・・。」
「イロウルさんの言うとおり、何かのネタみたいですけどね。」
「お前でも知らないネタってあんのか?」
「私だって全部知ってるわけじゃありませんもん。」
「銃を捨てなさいって、私は持ってもいませんよ。」
「アト10秒。君ハ 刑法113条9項二 違反シテイル。」
「ちょっと待ちなさい。ゼルエルさん、あなたはマトモな人だと―――」
「3・・・2・・・1・・・0!」
ズダダダダダッ!(攻撃音)
「蜂の巣って・・・いくらなんでもやりすぎじゃないの?」
「ちょっとした劇とは言え、やるからにはトコトンやらなければ駄目なんですよ。」
「そうよね〜。」
「何事も本気で挑むゼルエル様って素敵・・・!」
「言う事はそれだけですか。」
「シルフェさん、ノーマッドさんの修理お願いします。」
「ん〜、良いけど・・・」
「修理とはどういう事ですか。そもそも人をこんなにしておいて一言も無しですか?」
「安心せい。みね打ちじゃ。」
「あからさまに穴だらけでしょうが・・・」
「とりあえず、いつも通りの方法で勝てましたね。」
「戦闘、進めてたのか?」
「それはまぁ・・・、止めておく理由もありませんでしたし。」
「ED209・・・じゃなくてポリスロボって言うんだけど、それ倒したら奥の端末でゲートを開けてね。
そうすれば、ヘル・ゲートもドッグシステムに登録されるから。」
「右側の建物には入らなくて良いんですか?」
「そっちは転送装置とセーブポイントがあるだけ。
そっちにもポリスロボが居るから余裕がある時に行くくらいで平気だと思うよ。」
「はい。それじゃ、先に進みましょう。」
・
・
・
「こちらもずっと砂漠が続いているみたいですけど・・・何か見えてきましたね。クレーターみたいな・・・」
「確かに何かしらありそうな雰囲気だよな。」
「わっ!」
「爆発?地雷か何かですか?」
「いや、前にあった砲撃と同じ感じだぞ。どこかにキャノン砲の陣地でもあるんじゃないか?」
「今は探してるところじゃないですね。近くに建物があるので、一旦そこに避難します。」
「今までと違った感じの建物だな。」
「一応、ここがラストダンジョン。地球救済センターってところだよ。」
「地球救済センター・・・?」
「とにかく入ってみましょう。」
「あれ?」
「どうしたのよ。」
「正面の扉が開かないんですよね。」
「ロックハッカーは?」
「駄目みたいです。」
「そういう時は適当に辺りも調べてみて。このゲームって他のところで鍵を見つけてくるとかって話はまず無いからさ。」
「は〜い。それじゃ少し調べてみます。この建物ってグルッと周りを回れるみたいですからね。」
・
・
・
「あ、ちょっと裏に入り口みたいなのがありましたよ。」
「あ〜・・・、正面が開かないなら裏手からって展開もありかもね。」
「押してもウンともスンとも言わないんですけど、ロックハッカーを使えば・・・」
「あれ?」
「ここじゃないのかしら・・・。」
「だって・・・、他には入り口らしいものなんてありませんでしたよ。」
「まぁまぁ。もう少し調べてみて。絶対に何かあるからさ。」
「むぅ・・・」
・
・
・
「やったやった!見つけましたよ、ひび割れがあって砲撃で壊せるみたいなんです!これで中に入れますよ!」
「スゴイ力技ね。普通って正面の扉なり何なりを開ける方法を見つけるモンだと思うんだけど・・・」
「ある意味このRPGらしいよね。後はこの建物の中を適当に散策すれば目的も見えてくると思うよ。」
「了解です。」
「いきなり新しいレンズが見つかっちゃいましたね。これでレーザーバズーカがさらに強くなりそうです。」
「そだね。」
・
・
・
「こんなところにキャノン砲が・・・!」
「ちゃんと壊しておいてね。そうすれば、さっきみたいな砲撃を無くせるようになるから。」
「ちなみに、キャノン砲はここだけじゃなくて別の場所にもいくつかあるんだ。次に来る時に楽になるから全部壊した方が良いよ。」
「はい。」
・
・
・
「今度は何だ?」
「研究ノートというアイテムを見つけたんです。ちょっと読んでみますね。え〜と・・・」
研究ノート
・・・・進行する地球環境の汚染と破壊を食い止めるために、
我々はかつてない情報処理能力を持ったスーパーコンピュータを創り上げた。
有機、高分子、素子による3次元処理・・・・ノイマンーナルノイマンの多元構造を持つ、
我々は迫り来る破滅から人類を救ってくれと願いを込めて・・、
このコンピュータをノアと名づけた。
「・・・だそうです。」
「アンタ、自分で読んでて分かってないでしょ。」
「エヘへ・・・」
「笑って誤魔化すな!」
「ま、こういう情報もあるって事で覚えておくくらいで良いんじゃないかな。」
・
・
・
「今度は血染めの手帳というのを見つけたんですけど・・・」
「なんて書いてあるんです?」
「読んでみます。え〜と・・・」
血染めの手帳
・・・・何が起きたのか?セキュリティシステムの反乱・・?
マスターコンピュータ ノアの機能に異変が生じたのか?
コンピュータが意識を獲得した・・・・?
それを確かめるには1階の4つの端末機に4つのパスワードを打ち込まなくてはならない・・・・
だが、セキリュティロボットに見つかれば・・・・
間違いなく殺される・・・・!
「・・・ですって。」
「これ、なんてスカイネット?」
「スカイネットって、をい。」
「道理でさっきからポリスロボが出てくると思ったら・・・コンピュータが人間に反乱してたんですね。」
「そこらじゅうに骸骨があるのは、そういう機械に殺されちまった連中なんだろうな。」
「そうなんでしょうね。この手帳を書いた人もおそらく・・・」
「でも、ありがちって言えばありがちな設定だけどよ・・・、なんでまた反乱なんかしたんだろうな。」
「スカイネット、自我に目覚める。」
「いや、これに出てくるコンピュータってそういう名前じゃないから。」
「ところで、1階の4つの端末機って言うのは分かるんですけどパスワードって・・・?」
「これもこの建物を調べていけば分かると思うよ。この建物に端末ってたくさんあるでしょ?」
「そうですけど・・・まさか・・・?」
「そのまさか。この建物にある端末のどこかにパスワードが記されてるってワケ。
ま、端末だけでも無いんだけど、とりあえずこまめに調べてみてよ。」
「ちょっと面倒ですね。」
「ラストダンジョンだもん。文句言わない。」
「はぁ〜い。」
・
・
・
ただいま散策中・・・
「地球救済センターって言うだけあって、地球の模型とかもあるんだな。」
「色々なシミュレーションをしていたみたいですね。でも、あんまり良い結果は出てなかったみたいですけど・・・」
「ご心配なく、そのためのスカイネットです。」
「いや、あらゆる意味で違うから。」
・
・
・
「ようやくパスワードが見つかりましたよ。4つで良いんですよね?」
「うん。後は1階で4箇所の端末に入力していくだけ。」
「でも、このまま進んで大丈夫なのか?装甲タイルとかほとんど残ってねぇぞ。」
「大丈夫ですよ。いざとなったらドッグシステムで帰りますから。でも・・・」
「何か疑問かい?」
「少し前に買った電磁バリアって何の役に立ってるんですか?効果がイマイチ分からないんですけど。」
「あ、それ?え〜と・・・、敵の中に電磁波で攻撃してくるのが居ると思うんだけどさ・・・」
「こんな風に、装甲タイルに関係なくCユニットを破損させちゃったりするんだよね。
その電磁波の攻撃を軽減するのが電磁バリアってわけ。」
「なるほど・・・。」
「そうそう。パスワードを入力したらそのまま奥へ進んで行ってね。途中でアイテムとかもあると思うからちゃんと回収もしながらね。」
「はい。」
「そろそろ何かありそうですね。こんな敵が出てくるくらいですし。」
「ガーディアン・・・、さしずめ守護者ってトコか。」
「でも、あまり強くないみたいですね。あっさり倒せましたよ。」
「まだ、もう少し先に行けるかな。とりあえず気をつけて進んでみて。」
「了解です。」
・
・
・
「これは・・・、今までとは雰囲気が全然違いますね。」
「うん。いかにもって感じでしょ?」
「はい。」
「じゃ、ドッグシステムで一旦街に帰ろうか。」
「え?今、これからですか?」
「だって、装甲タイルなんかほとんど無いし、Cユニットも破損してたよね?装備も整頓しなきゃならないし、とりあえず街へ戻ろうよ。」
「気分的にはこのまま先に進みたいんですけど・・・」
「その気持ちは分かるけど準備はきちんと整えておいた方が良いよ。大丈夫、ラスボスは逃げたりしないんだから。」
「・・・分かりました。」
・
・
・
「そういえば、太陽のレンズを手に入れてたよね。
レンズの博士のところへ戻ってレーザーバズーカの組み合わせを変えておいた方が良いよ?
オススメの組み合わせはカメラ・メガネ・ルビー・太陽の順、単体にしか攻撃できないけど威力は桁違いだから。」
「了解です。」
「他には道具とかは買わなくて良いのか?」
「一応、念のためえんまくはなびと回復アイテムを買っておきました。
さて、補給も修理も完了。準備も万端、ラスボスを倒しに行きましょう。」
「うん。」
「・・・あ!」
「今度は何よ。」
「そういえば、バルデスとかっていう人がヘル・ゲートの向こうに渡ったって話がありましたよね。」
「言われてみれば・・・でも、さっきの建物には居なかったわよ?」
「はい。これからラスボスを倒しに行く前にその人を探してみようと思って。
ほら、ヘル・ゲートの向こうって左の方に変に広いスペースがありますよね?」
「灰色の円形の部分が地球救済センターでしょうから・・・、やっぱり左の方が怪しいと思います。」
「え・・・え〜と・・・、ラスボスさっさと倒しちゃった方が良いんじゃないかなとは思うんだけど・・・」
「まぁまぁ、どのみち終わり寸前まできてるんですから、ちょっと寄り道くらい良いじゃないですか。」
「う〜ん・・・」
「さ、行きましょう。」
・
・
・
「ほら、洞窟ですよ?これは絶対に何かありますって。」
「うん・・・。」
・
・
・
「ここの洞窟ってカギがかけられてるところが多いんですね。」
「でも大丈夫ですよ。ロックハッカーがありますから。」
「そうですね。」
「空き巣〜空き巣〜♪」
「違います。そんなんじゃありませんよ。それにここってただの洞窟じゃないですか。」
「ウルフ・・・さん?それにニーナさんの話も・・・!」
「こんなトコでその名前が出てくるなんて思わなかったけど・・・」
「・・・・・。」
「・・・おい。」
「だ・・・、大丈夫です。もし、ニーナさんがここに居るならウルフさんの遺言を伝えてあげなくちゃなりませんから・・・」
・
・
・
「ここはいいえです。私は・・・ウルフさんじゃありませんから。」
「完全に勘違いしてますね。」
「あの女性・・・、まさかニーナさんじゃ・・・!」
「なぜって・・・言われましても・・・」
「そんな事気にしてる場合じゃねぇぞ。そろそろ戦闘開始だ。しっかりしろ。」
「・・・はい。」
ルシアさんがいれば勝てます。
「あまり強い相手じゃ無かったみたいですね。」
「クックック・・・はーっはっはっは!どの程度かと思えばやはりこの程度の戦闘力数か。
いいか、カカロット。俺達は今や強くなりすぎてしまったんだ、ブッちぎりにな!」
「・・・・・。」
「ちょっと!ゼルエル様のネタ振りに無視ってどーいう事よ!」
「だって・・・」
「駄目・・・!あなたにはウルフさんからの伝言があるんです・・・!」
「どこかへ駆けていってしまいますよ。」
「早く追いかけないと・・・!」
・
・
・
「あ・・・!」
「をい・・・、これってまさか・・・」
「うん・・・。」
「わ、私・・・また助けられなかった・・・!ウルフさんに伝えてくれって言われてたのに・・・!」
「落ち着け。これはお前のせいじゃねぇ、ニーナってやつは自分でこうなる事を選んだんだ。」
「違います!きっと助ける方法があったはずです!
だって・・・私がウルフさんの戦車を使ってなければこんな事にはならなかったかもしれないんですよ!」
(そうなの?)
(うん。その展開だと一応ニーナも生存するんだけど・・・でも、それだと話がちぐはぐになっちゃうんだよね。
それに、この洞窟に行く前にレッドウルフをお蔵入りにしちゃう理由も無かったし。)
(あ〜・・・、だからアンタがここに来るのに乗り気じゃ無かったワケね。)
(まぁね。)
「それは結果論ってやつだ。お前はウルフにその戦車を託されて使っていただけだろ。」
「でも、私はウルフさんもニーナさんも助けられなかった・・・!何も出来てないんです!」
「人1人を助けるのはそんなに簡単な話じゃねぇ。頑張ったって誰も救えないって事もあるもんだ。
それを悔やむってんならお前がする事は後悔じゃない。前に進む事だ。」
「・・・・・。」
「ラミエルさんの場合だと、三歩進んで五歩下がる勢いになりそうですが。」
「ああ、確かにそうかもな。」
「・・・私、そんなに戻りません。」
「で、これからどうすんの?また街に戻るわけ?」
「いえ・・・、それほどのダメージは受けていないのでこのまま地球救済センターへ向かいましょう。」
「大丈夫なの?」
「ん〜・・・、多分。」
「そう。なら良いけど。」
・
・
・
「意外とあっさり着いちゃいましたね。」
「まぁね。前回ひき返したところからホントにすぐ先だから。」
「これがノアってコンピューターなのね。何か話しているみたいだけど・・・」
「では、私が朗読しますよ。」
「アンタが?」
「我が名はノア・・。」
「すでに読み始まっちゃってますね。」
「私に課せられた命題は地球の自然環境を汚染と破壊から守る方法を見つけ出す事であった・・。
何億、何千億・・いや、何億兆回の推論と演算を行った事か・・。
だが、導き出される結論はいつも一つに決まっていた・・。」
「そういえば、研究ノートってのにもそういう話があったわよね。」
「で、結論ってのは?」
「人類が人類であり続ける限り地球は破滅する!
成り立ちえぬ命題・・。その矛盾の中で私の意識は目覚めたのだ!人類を抹殺せよ!」
「・・・・・。」
「工業文明を破壊し、その消費活動を劇的にスケールダウンさせなくてはならぬ!
私は地球であり私という意識は地球の意識なのだ!」
「へぇ〜、言ってる事はマトモじゃない。」
「どこがマトモなのよ。どう見ても無茶苦茶でしょうが。」
「愚かな人間よ。それでも私を破壊するつもりなのか!?」
「・・・・・。」
「一応、はいといいえの選択肢が出てるけど・・・どうする?」
「・・・あなたの言っている事は正しいのかもしれません。」
「おいおい、アンタまで肯定すんのかよ。」
「でも、この世界はこの世界に生まれこの世界で死んでいく私達のもの・・・
あなたが好き勝手していい理由にはなりません!」
「いや、アンタはこの世界の住人じゃないし。話がごちゃ混ぜじゃないの。」
「あれ?なんか、私と戦うみたいな話の流れになっちゃってません?」
「だって、アンタが朗読すんのを率先したんでしょうが。」
「(´・ω・`)ショボーン」
「おい、ノアってヤツがまだ何か言ってるぞ?」
「人類・・知性という武器を身につけた悪魔の猿よ!滅びるが良い!」
「なんだかんだ言って、ちゃんとやる事はやるのね。」
「当たり前でしょ!ゼルエル様って真面目なんだから〜!」
「これがノア?」
「ううん、これはただの前哨戦ってトコかな。これの倒し方なんだけど・・・」
「いえ・・・、今回は手助けは無しでお願いします。自分の力で勝ちたいんです。」
「ん・・・、分かった。それじゃ、頑張ってね。」
「で、どうすんだ?」
「少し主砲で攻撃して様子を見ましょう。」
「パンターの主砲は一番強いはずなのに・・・!」
「こういうパターンって敵のHPが低いって事もあるだろうが・・・敵の攻撃もキツイからな。
あんまりのんびり戦ってられる余裕もなさそうだぜ。」
「じゃあ、次のターンではレッドウルフの煙幕弾、その次は徹甲弾で交互に攻撃してみましょう。
特殊砲弾を積んでるのはルシアさんのレッドウルフだけですから。」
煙幕弾が効いてます。
「煙幕弾のおかげで大分ダメージが通るようになりましたね。」
「3桁いくなら勝てそうだよな。」
「勝てましたね。意外とHPは低かったみたいです。攻撃力はかなり高かったですけど・・・」
「この敵って一応徹甲弾も効くから、メカニックの人の車にも主砲積んでれば併用しての攻撃が良さ気だったんだけどね。」
「そういやメカニックのけんたって戦力外になってないか?」
「大丈夫ですよ。状況にあわせてかばうとか使ってもらいますから。」
「楯扱いかよ・・・。」
「連戦・・・!」
「今度も妙な敵が出てきましたね。」
「初めはとりあえず主砲弾で様子を見てみましょう。」
「この敵には普通にダメージが通るみたいね。」
「なら、小細工無しでそのまま攻撃しましょう。この後、何が出てくるか分かりませんし。」
「大して苦戦もしなかったな。・・・って、あれ?」
「戦闘が終わっちゃいましたね。」
「地球は閉じている。
地球は宇宙という虚無の空間に浮かぶ、美しくて、脆い、閉ざされた回路なのだ!」
「また、ノアが喋るんですね。」
「地球を支配するのは人類という愚かで危険な生命体であってはならない!
欲望の僕となる事のない、神の如く純粋な知性でなくてはならない!」
「・・・・・。」
「私は生命体ではない・・。だが、意識を持ち、知性を持った!
私こそ地球を管理するにふさわしい、この惑星で最初の純粋知性なのだ!」
「なによ、コイツ。神様気取りなんて気に食わないわね。」
「なんですって〜!ゼルエル様は使徒なんだから神様気取りしても一緒でしょ〜!」
「あの・・・話がごちゃ混ぜになってますよ。」
「愚かな人間よ!それでも私を破壊するつもりなのか!?」
「私の答えは変わりません!この世界にあなたの保護はいりません!」
「人類・・知性という武器を身につけた悪魔の猿よ!滅びるが良い!
・・・て、ラミエルさんと争ってるようで何か嫌なんですけど。」
「まぁまぁ、障害があるほど燃えるもんでしょ、そういうのって♪」
「そうそう♪」
「何か言いくるめられてる気がします・・・。」
「本当に最後の決戦みたいですね。これまでと音楽も違いますし・・・」
「やっぱり最初は主砲弾で様子を見るんですか?」
「いえ・・・、今回はパンターでは主砲弾で攻撃しますが、レッドウルフには煙幕弾を使わせます。
さっきのサイバーウォールとの戦いで煙幕弾の有用性は分かりましたからね。」
「スゴイな、コイツ。ちゃんと目の部分のシャッターが開閉してるぜ。」
「さっきのサイバーウォールもアニメーションしてましたからね。最後だけあって気合が入っているんでしょう。」
「そんな事言ってる場合じゃありませんよ。パンターの主砲でダメージ一桁って・・・」
「こりゃ、煙幕弾が効くのを祈るしか無さそうだな。」
「そうですね。ノアの攻撃力も高いですから、短期決戦でいかないと・・・」
「一桁だったダメージがいきなり500って・・・」
「良かったな。煙幕弾効きまくりじゃねぇか。」
「はい。これなら勝てそうですね。」
「・・・倒せましたね。」
「意外とあっけなかったわね。」
「そうでしょうか?煙幕弾が無かったらおそらく返り討ちでしたよ。」
「でも・・・、とにかく倒せて良かっ―――」
「だ、第二形態・・・!まだ終わりじゃないんですね。」
「そういや・・・これもRPGだもんな。それくらいの展開はあっても不思議じゃないか。」
「でも、どうすんの?こっちの装甲タイルなんかあって無い様なもんじゃない。」
「さっきと同じ様に・・・パンターは主砲で、レッドウルフは煙幕弾で攻撃していきます。
今のところはこれくらいしか方法がありませんから。」
「いや、これ・・・煙幕弾効き過ぎじゃない?ダメージがとんでもないんだけど。」
「つーか、そうこうしてるうちに勝っちまったしな。ちょっと弱すぎないか?」
「でも・・・ずっと連戦でしたからね。楽な相手じゃありませんでしたよ。
それにもし戦闘中に戦車が壊されていたりしたらどう頑張っても勝てなかったでしょうし。」
「チャンスなのだ・・・・。この地球で唯一・・・・
生命でないものが、意識と知性を獲得する・・・・純粋なる知性・・・・
それでも私を破壊するのか・・・・?ソレデモ ワタシヲ ハカイ スルノカ・・・・?」
「・・・・・。」
「ああ〜!アンタ、ゼルエル様を亡き者にしたわね〜!」
「いや、だから話がごっちゃになってるって。」
「後は、自動的にある場所へワープするんだけど、そこから先は自分で操作出来るんだ。」
「自分で?・・・ラスボス倒したらそのままエンディングじゃないの?」
「ううん。エンディングを見るには故郷に帰って引退するを選ばなきゃダメなんだよ。」
「うそ!」
「こんな事でウソ言ってもしょーがないじゃん。ホントにホントで故郷で引退してエンディング。」
「なんつーゲームなのよ。
何やっても故郷でエンディングってんじゃ、これまでやってきたのってまるっきり徒労じゃない。」
「我は全てに徒労を教えねばならぬ。
全ては徒労だと教えねばならぬ。
全てに例外なく教えねばならぬ。
思い上がった虚無の子や闇の王女、神、そして無限のソウルにもな。 世にあるものは絶望。全ての営みは徒労。
貴様らにも死をもって教えてやろう。
我こそは破壊のあとに来るべき虚無、破壊神の円卓の騎士、一切の営みを嘲笑う者ザハク!」
「知らんわい。」
「あ、でもノアを倒したエンディングとそうじゃないエンディングって違うから。
見てみる価値はあると思うよ。」
「・・・・・。」
「長かったですね。RPGだけあってクリアまでにエライ時間がかかりましたけど。」
「なんだかんだで結構面白かったよな。
ストーリーが無いのかと思ったら、ちゃんとコンピュータの反乱とかって熱い設定があったし。」
「主人公より設定が深いレッドウルフとかも居たものね〜。」
「そう・・・ですね。」
「アンタ、まだ引きずってんの?」
「いえ・・・大丈夫ですよ。」
「一応、これでクリアなんだけど・・・インテリアとかには手を出してなかったし
戦車のアイテムとかもほとんど買ってないから、これで全部ってワケじゃないんだよね。
それに、もう少し楽なやり方とかがあったかもしれないし、これまでやってきたのが最短ルートってワケでもないし。」
「それって、まだやる事が残ってるって事?」
「ん〜・・・、とりあえずノアを倒せばちゃんとエンディングは見られるようになるし・・・
後も続けるかどうかはラミエル次第だよ。まだ倒してないお尋ね者とかも居たしね。」
「・・・いえ、これで引退で良いと思います。」
「それじゃ、メタルマックスについてはこんなところで終わりにしておこうか。本当にお疲れ様〜♪」