「・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「第9使徒マトリエル!
その方、むやみに溶解液を撒き散らしノーマッド(さん)を死に至らしめた事許しがたし!」
「アンタ、何言ってんのよ・・・。」
「第10使徒サハクィエル!
第9使徒を不必要に挑発し騒ぎを大きくした事実、全て露見しておる!」
「((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
「とは言うものの、2人とも反省しているみたいなので不問という事にしちゃいましょう。これにて一件落着と言う事で♪」
「役作りがめんどくさくなっただろ。お前・・・」
「一件落着じゃねーだろ。一番の張本人はおめーだよ。」
「あ・・・」
「あ、戻ってる。」
「あたし達ってこう見えても魔法使えるからね。ぬいぐるみの修復も一応経験あるし。」
「まぁ、正確には魔法使いって言うよりは使い魔なんだけどね。」
「そういう事が出来るなら最初からそうしてれば良かったんじゃないの?」
「え?え〜と・・・そういうの使わなくても良いかな〜なんて思ったから。アハハ・・・。」
「すみません。元はと言えば、私が糸を切っちゃったから・・・」
「まったく・・・、なんで私の頭に手を添えていたのかがようやく分かりましたよ。」
「ごめんなさい・・・。」
「まぁまぁ、経緯はよく分かりませんが、ラミエルさんも反省してるみたいですから許してあげてはいかがです?」
「ふむ・・・、分かりました。次はこんな事が無いようにしてくださいよ?」
「あ・・・、ありがとうございます!」
「じゃ、ホントに一件落着したって事で次にいこうか。」
「今度は何ですか?」
「これまで色々やってきたけど、RPGはやってなかったからね。今回はこれでいこうかな・・・と。」
「あーるぴーじー!」
「ブラックホークダウン!ブラックホークダウン!」
「それは違うだろ。」
「で、このゲームは?」
「1991年にデータイーストさんから発売されたロールプレイングゲームのメタルマックスだね。
ファンタジーものが多いRPGなんだけど、これは毛色が違ってたんだ。」
「何が違うのか分からないけど・・・」
「その辺りはゲームを始めれば分かるよ。で、誰がやる?」
「私はパス。見てるだけで良いわ。」
「あたしも〜。」
「じゃあ、私がやりますよ。え〜と・・・スタートボタンをポチッとな。」
「名前の入力ですか・・・。このゲームの主役って男性と女性のどちらですか?」
「男の子だね。」
「じゃあ・・・、いくらなんでも私の名前じゃおかしいですよね。
う〜ん・・・アスカさんにしましょうか。」
「止めなさいよ!アンタの名前でおかしいなら私の名前はもっとおかしいでしょ!」
「でも、確か男でアスカって名前の人いましたよ。確か、レイズナーとか言うロボットに乗ってたはずですけど・・・」
「ガンダムに乗ってるヤツもいたよな。」
「それは苗字でしょうが!四の五のぬかすな、人外!」
「むぅ・・・」
「一緒くたにされちまったな。」
「・・・・・。」
「言っとくけど私達の名前はムリみたいだからね。」
「そうそう。4文字の名前を探さないとね。」
「う〜ん・・・。」
(四文字・・・)
「言っとくけどゼルエル様は駄目よ!」
「そうよ!ゲームキャラの名前にするなんて許さないから!」
「では、サキエルさん。すみませんが名前お借りしますね?」
「あぁ・・・。まぁ、好きにしてくれ。」
「あ・・・」
「・・・・・。」
「え〜と、名前を入力して・・・と。」
いきなりです。
「おいおい。いきなり親子の縁を切られちまってるぜ?」
「ま、大丈夫大丈夫。いつもの事みたいだから。」
「いつもの事なのかよ・・・。」
「サキエルさんって、結構やんちゃな子だったんですね。」
「いや、それはこのゲームの主人公であって俺じゃない。」
「で、このゲームの目的って何なの?」
「さっき話しに出てたけどモンスターハンターになる事かな。
まぁ、モンスターハンターになるって言っても、これと言って条件があるわけじゃないし・・・好きに進めちゃって良いゲームなんだ。」
「好きにしてと言われましても、どうすれば良いのかさっぱりなんですが・・・」
「アンタって単純なゲームの方が向いてそうだものね〜。」
「そうなんですよ。
どちらかと言うと、パッとやれてサクッと終わらせられるゲームの方が得意なもので。」
「肯定するのかよ・・・。」
「ま、RPGの基本は情報収集だろ。街の連中に適当に話しかければ良いんじゃないか?」
「それもそうですね。では早速・・・」
いきなり重要情報ゲット
「村の近くの洞穴に戦車・・・ですか。」
「なんでいきなり戦車?」
「そーいうゲームなの。この世界でモンスターハンターとしてやってくには戦車が必需品なんだ。
だから、自分ちの近くに戦車があるなんて相当ラッキーなんだよ?」
「良かったですね。サキエルさん。」
「だから、幸運なのはこのゲームの主役であって俺じゃない。」
「ところでこのゲームってRPGなわけですから、魔法とかそういうのもあるんですよね?」
「ないよ。」
「え・・・?」
「そういうの無いの?」
「だって、この世界の人間って普通の人達だもん。魔法とか使えるわけ無いじゃん。」
「回復魔法くらいはあるんでしょ?」
「回復アイテムならあるけど魔法は無いね。」
「回復魔法すら無いのかよ・・・。」
「MPとかの概念が無いからね。
このゲームにモンスターらしき敵は出てくるんだけど・・・主人公達はやっぱり普通の人間だから。」
「なんか・・・この世界の人間って、もの凄く不利じゃないですか?」
「そーでもないよ。その差を埋める為の科学なわけだし、その為の戦車だから。」
「ご心配無く、その為の戦車です。」
「あ、そのネタ、前にプルが使ってたから。」
「(´・ω・`)ショボーン」
「ゼルエル様・・・。」
「まぁ、とにかく南の洞穴に戦車があるんですよね?早速行ってみましょう。」
本当に目と鼻の先に洞穴がありますが・・・
「ちょっと待って。いきなり行くのは止めた方が良いよ。」
「どうしてですか?」
「だってレベル1だもん。始まってすぐに洞穴に行ったらわらわは死にまするって言ってるようなもんだし。」
「なんで時代劇口調なのよ・・・。」
「とにかくレベル上げだな。」
「でも、サキエルさんって結構強いんですよ?犠牲者第一号だったからそういうイメージが無いのかもしれませんけど・・・」
「あのな。それは俺であってこのゲームの主役じゃない。」
「ま、しばらくは村の近くをウロウロしてレベルアップに勤しんでね。
大体、HPが20以下になったら自分の家に帰って休むようにすれば死んじゃう事も無いと思うから。」
「自分の家にって・・・親子の縁切られてるはずですよね?」
「あれは言葉の綾みたいなものだから気にしなくて良いよ。
序盤は少しでもお金を節約する為に家に帰って休んだほうがお得なんだ。お姉ちゃんも暖かく迎えてくれるしね。」
「サキエルさんにお姉ちゃんが・・・?」
「それは俺じゃない。」
「目安としてはショットガンが買えるくらいのお金が貯まるまでかな。
そうすれば、洞穴の中に行っても雑魚戦で負ける事は無くなるだろうしね。」
「分かりました・・・。」
・
・
・
お金を貯めるのは大変です。
「ふぅ・・・、こんなところでしょうか。」
「じゃあ、ここでショットガンを買っちゃっても良いし、回復アイテム買いあさっても良いし、好きにしちゃって♪」
「え・・・?そんな事言われても困ります。」
「んなの好きにしなさいよ。テキトーにやってりゃいいじゃん。」
「では、ショットガンを購入する事にしましょう。」
「でも、それ買っちゃったら回復アイテムとか買えなくなっちゃうけどね。」
「え・・・、あ、それもそうですね。う〜ん・・・」
「そういえば今の手持ちのアイテムって何があるんです?」
「ねえさんのタオルとロケットはなびだね。回復アイテムは無かったと思うけど。」
「ねえさんのタオルって・・・?」
「使ってみれば分かるよ。」
ノーコメント
「うわ・・・。」
「知らなかったわ・・・。」
「何がだ?」
「サキエルさんって、シスターコンプレックスだったんですか?
人様の事をあれこれ言うつもりはありませんが・・・ちょっとショックです。」
「ちょっと待て!それは俺じゃないって言ってるだろ!つーか、なんで伏目がちなんだ!お前は!」
「・・・分かりました。サキエルさんにそういった趣味があるとは知りませんでしたし、名前をお借りした御恩があります。
これからはサキエルさんの事をおにいちゃんと呼ばせていただきますね?」
「待て待て待て!お前、間違ってるぞ!絶対間違ってる!」
「シスコンはシスコンでも姉属性だからですか?」
「違う!」
「サキエルさん、すっかりいじられキャラになっちゃいましたね。」
「危なかったわね〜。でも、アンタも一歩間違ったらそうなってたのよ。」
「ゼルエル様も四文字だったから、ああなる可能性はあったんだもの。間一髪だったわよね。」
「そう・・・ですね。」
「どうしたの?ゼルエル様、さっきから元気が無いみたいだけど・・・。」
「いえ・・・、気になさらずに。私は普段どおりですよ。」
「で、どうするの?そろそろ先に進めないと。」
「あ、それもそうですね。でも・・・う〜ん・・・」
「なんでそこまで迷うのよ。アンタって意外と優柔不断?」
「そんな事はありませんよ〜。即断即決が私のモットーですから♪」
「なら、いい加減に先に進めてくださいよ。」
「じゃあ、やっぱりショットガンを買う事にします。形のある物にしておいたほうが良いですもんね。」
「装備品を買ったら忘れずに装備してね。これはRPGの基本だとは思うけど。」
「それが済んだらさっそく洞穴へGOだね。奥へと進むようにしていけば戦車の在り処へはたどり着けるから。」
「分かりました。」
・
・
・
念願の戦車まであとちょっと・・・
「あれ?お犬さんみたいな何かが来ましたけど・・・」
「はいを選べばオッケーだよ。」
「分かりました。はい、を選ぶ・・・と。」
初のボス戦です。
「ちっともオッケーじゃないんですけど・・・」
「だって、このわんこ倒さないと戦車が手に入らないんだもん。ここは戦うしかないんだよ。」
「なんで犬が戦車を守ってるのかってツッコミは・・・入れない方が良いんでしょうね。」
「そうだね。細かい事は気にしないほうが楽しめるかな。」
「でも、このボス戦の音楽って結構ノリが良いんですね。」
「そう?」
「そうですよ。なんかこう・・・いかにもボス戦って感じじゃないですか。」
「でも、ストーリーがあれだからな。世界を救うとか誰かの仇を討つとかそういう燃える話でも無いだろ?」
「ま、そういうゲームだから。燃えるストーリーが良いんだったら2の方がそれっぽいかな。」
「あれ・・・、戦闘中に何か来ましたよ?」
こうなると勝ったも同然です。
「援軍の登場だね。」
「赤い戦車ですか・・・。機体を赤くするのって目立ってよろしくないと思うんですけど・・・」
「それ、私にケンカ売ってんの?」
「戦車で赤くしてるのは知らないけど、飛行機を赤で染めてるパイロットは昔、居たみたいだけどね。」
「シャア?」
「ううん。もっと大昔だよ。」
「・・・そうこうしてる内に戦闘に勝っちゃいましたね。」
「どなたですか?」
「この人・・・さっき、村の酒場に居た人ですよね。」
「ああ、なんかよく分からんキザ男か。」
「強くて人が良いなんて・・・ありがちね〜。」
「そうそう。でも、ゼルエル様には遠く及ばないけど。」
「副砲を持っていかれちゃったみたいですけど・・・」
「戦車に副砲なんてあったっけ?」
「近接防御用の機関銃の事だと思ってもらえれば良いと思うよ。
主砲は弾数に制限があるんだけど、副砲は無制限に使えるからザコ戦用としては重宝するんだ。」
「とりあえず戦車を調べてみましょうか。え〜と・・・」
「戦車に乗るには乗降のコマンドね。そうすれば戦車に乗ったり降りたり出来るから。」
「はい。」
名前を決めましょう。
「また名前ですか・・・。」
「戦車を手に入れるたびに名前決めなきゃならないから、
なにかこだわりとかがあるなら、ある程度は考えておいたほうが良いかもね。」
「それじゃ、チハたんにします。戦車って聞いて真っ先に思いついたのがそれなので・・・」
「よりにもよってそれかよ・・・。」
「だって、∩(
・ω・)∩ チハタンばんじゃーいですよ?ばんじゃいなんです。」
「ワケ分からんって。」
「で、戦車を手に入れたら右の方に機械の端末みたいなのがあるからそれを操作して・・・
OPENを選べば上のところが開くから帰り道が楽になるんだ。」
「でも、帰り道も大変ですよね。敵とか普通に出てきますし・・・」
「そうでもないよ。ほら。」
完全にオーバーキルです。
「うわ!戦車強っ!超無敵じゃないですか!」
「確かに強すぎだな。」
「ところで下のSPと言うのは?」
「それは装甲タイルの枚数だね。戦車のHPだと思ってもらえれば分かりやすいかな。」
「じゃあ、ゼロになったら・・・」
「ゼロになっても戦車だから死んだりはしないんだ。
ただ、そのままダメージを受け続けるといろんなところが壊れていくから、油断は禁物だけどね。」
「ふ〜ん・・・、戦車ってかなり便利なんですね。」
「それじゃ、戦車を手に入れたって事でとりあえず休憩にしよっか。疲れたでしょ?」
「はい。」
「ま、見てるだけのこっちはそうでもないけどね。」
「ゲームのセーブは街とか村にあるメモリーセンターで出来るんだ。」
「え〜と、セーブ完了っと・・・。」
「それじゃ休憩って事で。次から本格的にモンスターハンター家業を始めるよ。」