「決勝戦はこちらのゲームになってます。」
「これはバンダイさんから1989年に発売されたシミュレーションゲーム、
SDガンダム ガチャポン戦士2 カプセル戦記だね。」
「2って事は・・・?」
「1作目はディスクシステムで発売されていたそうです。今回の2はご覧の通りカセットで発売されてます。」
「ディスクシステム?」
「そういったハードについての知識はあちらで学んで頂くとして・・・
さて、今回で決勝戦になりますからアスカさんもゼルエルさんも・・・お二人とも頑張っちゃって下さいね♪」
「委細承知。」
「なんでいきなりやる気になってんだか・・・」
「ま、因縁の対決ですけど、爽やかに対戦しちゃってください♪」
「あのさぁ、ちょうど2勝2敗でここまで来てるけど・・・ラミエル、あんた何か細工でもしたんじゃないの?」
「そーそー、何か狙いすぎよねぇ。」
「もしかして、私の接触不良は・・・」
「言っとくけど、俺は何にも加担してねぇからな。」
「僕もです。」
「皆さん、ちょっと穿った見方しすぎです。
どのみち、最終戦で勝った方に10ポイントってルールにするつもりでしたから
どちらがどれだけ勝とうと問題は無かったんですよ。」
「あ、そうなの?」
「そっか、それなら問題無いわよねぇ。」
「問題ありありよ!最終戦で10ポイントってどういうルールよ!
て言うか、ポイント制なんて話、言ってなかったでしょうが!」
「今、聞きましたよね?」
「そういう問題じゃない!」
「ところで、これってどんなゲームなんです?」
「俗に言うシミュレーションゲームというジャンルですね。
もっとも、戦闘はアクションですので、最終的にはプレイヤーの腕がものを言うゲームなんですけど。」
「それじゃシミュレーションじゃ無いじゃん。」
「それでも、シミュレーションとしての要素は大きいですよ。
補給基地や都市などの占領もしていかなければ、相手に勝つ事は出来ませんからね。」
「ふ〜ん・・・。」
「まぁ今回のは、これまでやってきたゲームとは少し違うので、実際に進めながら説明していきましょう。
アスカさんはやった事ありませんよね?」
「当たり前よ。こんなのやった事あるわけ無いじゃん。」
「ゼルエル様はどうなの?」
「私はこれでも腕に覚えがありますからね。いい勝負になれば良いのですが。」
「な、なによそれ!」
「つまり、あんたじゃ分不相応って事よ。」
「うるさい!使徒の分際で!」
全部でマップは30あります。
「今回の対戦で使用するマップは、独断と偏見で1年戦争89−赤い脅威とさせていただきます。
さて、このゲームは青軍と赤軍に分かれて戦う事になるんですけど・・・」
「私、赤で良いわよ。どーせそうするつもりだったんでしょ?」
「そうなんですけど・・・後攻ですよ?」
「別に良いっての。後攻めの方が相手の出方も分かるし、そっちの方がいいのよ。」
「それでは、ゼルエルさん、Tコントローラーですので設定を進めちゃって下さい。
両軍とも大軍で設定して、MONEY・・・お金はゼロという事で・・・」
「そうら、ハンデをくれてやる。」
「え?」
Uコンの方の初期設定の資金が15000・・・
「・・・なによ、それ。」
「良い戦いをしましょう。そのためのせめてもの気持ちですよ。」
「んなのいらないわよ。さっさと元に戻しなさいっての。」
「いえ、ここは好意に甘えておきましょう。ありがとうございます、ゼルエルさん♪」
「どういたしまして。」
「オホホホ、慈悲深いゼルエル様に感謝なさ〜い。」
「でも、ハンデまで貰っておいて、これで負けたら赤っ恥モノよね。」
「ハンデをあげた方が負けても恥ずかしいと思いますが。」
「うるさいわね!ゼルエル様が負けるわけないでしょ!」
ズムッ(殴打音)
「ぎゅうっ!」
「ちょっとひし形、勝手に話しを進めんじゃないわよ。これじゃ私が―――」
「良いから良いから♪」
今回のマップです。
「嬢ちゃんが地上で、ゼルエルが宇宙か・・・」
「ちなみに、初期配置の戦力はこのようになってます。」
青軍
ジェガン×6
ズゴック×3
ガンダム×1
ホワイトベース×1
計11
赤軍
ザク×4
グフ×3
ドム×3
ズゴック×3
ゾック×2
計15
「数は赤の方が多いみたいですね。」
「どっちが有利なんでしょうか?」
「MSの数では赤が有利、質は青の有利・・・と言ったところかな。」
「あと、青軍の方にはホワイトベースが初期配備されているのも特徴ですね。
このゲームに出てくる戦艦って結構重宝しますから。」
「さすがゼルエル様♪」
「さっすが〜♪」
「いや、青を選んだってだけでゼルエルは何もしてないでしょ・・・。」
「それではテキパキと進めさせて頂きますよ。」
・
・
・
「ところでさ、ゼルエルって今、なにしてんの?」
「手近なところにある都市や補給基地を占領しているんですよ。
占領するとそれらの地域が自分の軍の色に変わり、そうする事で自軍の収入が増加するんです。」
「終わりましたよ。次はそちらのターンです。」
「はいは〜い。それではアスカさん。」
「何よ?」
「とりあえず、アスカさんが今後執るべき戦術を説明しますね。」
「基本的にはガチャベースでユニットを生産→敵の本拠地へ向けて進軍という流れになります。
アスカさんの場合ですと、アラスカ付近のガチャベースでは、そこから大気圏を突破して宇宙へ。
日本付近のガチャベースでは、南米の攻略に向かわせる部隊を生産するのが適当かと思われます。」
「ガチャベース?」
「白い丸で示した部分がガチャベースと呼ばれる生産拠点です。
そこでMSやMA、戦艦を生産する事が出来ますので、そこを拠点に攻めるのが基本となります。」
「ふ〜ん、生産出来るのって二箇所だけなの?」
「いえ、正確には本拠地であるガチャポリス・・・
画面の端にあるGと書かれているところがそれなんですけど、そこでも生産出来ます。
また、ガチャベースも後1つあるのですが、前線から離れているのでそれほど使う機会は無いかと思いまして・・・」
「で、何を生産すりゃ良いわけ?」
「生産できるユニットはザクからラーカイラムまで多種多様にあります。
ゼルエルさんからのプレゼントもありますので、今回は少数精鋭主義でいきましょう。」
「何それ?」
「要は高額ユニットの質で攻めていこうという話ですね。
大量生産して数で押そうとしても1ターンで動かせるのは12までですから・・・質で補えるうちはそちらの方が良いと思います。」
「腕がないと大変よね〜。」
「そうそう。」
「なんですってぇ〜!」
「まぁまぁ、要は勝てば良いんですから。
さて、アラスカのガチャベースでは高額ユニットを生産しましょう。」
「高額って・・・一番高いのはラーカイラムなんだけど・・・」
「それは高すぎるのでパスです。
それにせっかくのプレゼントなのにそれだけ作って終わっちゃいますから。他の戦線の事も考えなければなりませんし。
そうですね・・・今回は独断と偏見でクインマンサにしておきましょう。」
今回はクインマンサにしました。
「これ・・・プルツーの乗ってたヤツでしょ?強いの?」
「そうですね。サザビーから上の高額機体は他のMSとは一線を画しています。
それにファンネル装備ですから、ビームライフルとかよりは命中させやすいはずですし、何よりハイメガ粒子砲があります。
地形にもよりますが中々使えますから。」
「じゃあ、日本の方のガチャなんとかってトコでも高いヤツ作るわけ?」
「いえ、そっちは水中戦闘がメインになりますのでカプールにして下さい。その丸いMSです。」
水中の王者です。
「これ・・・なに?」
「水中では無敵を誇ると言っても過言ではないMSです。
生産に2ターンかかるので即応性としてはちょっとアレなんですけど、それを補う程の性能がありますからね。
水中なら格上のMS相手だろうと圧倒的な戦いを展開出来るMSなんです。」
「とは言っても、結局はプレイヤーの腕に左右されちゃうんだけどね。」
「ま、それでも有利に戦う事は出来ますから。」
「でも、生産に時間がかかるのに・・・それで良いの?」
「敵のガチャベースとの間に海がありますから、即攻められるという事はありませんし・・・今の戦況なら大丈夫ですよ。
それに初期配備にズゴックとゾックがありますから、しばらくはその戦力で戦っていけるはずです。
あとは臨機応変にズゴックとカプールの生産をしていきましょう。」
「ふ〜ん・・・。」
「後は、手近な都市や基地を占領していってください。最初のうちはそんな感じでターンが過ぎていくはずですから。」
「なるほどね・・・。了解。」
・
・
・
ソロモンのあたりが激戦区になってます。
「さて、戦闘ですね。
こちらは水中用のズゴックで相手はバウンド・ドック・・・格上の相手ですが水中ですから十分勝てる相手です。」
「そうなの?正直、いまいち自信ないけど・・・。」
「では、最初は私がお手本を見せてあげますよ。今後の参考にして下さい。」
「んまっ!第5使徒のくせに生意気な!」
「そ〜よそ〜よ。ゼルエル様に勝てるわけがないでしょ〜!」
「では、スタートしますね。」
「ちょっと待った。ノーマッド・・・」
「あ、そういえばそうですね。じゃ、アスカさん持っててもらえますか?」
「持ってるとはどういう事ですか?人をモノみたいに扱うのは止めなさい。」
「・・・ま、いいわ。ほら、貸しなさいよ、それ。」
「人の話を聞きなさい。私はゲストですよ?」
水中は水陸両用MSの独壇場です。
「あれ?なんでゼルエルの方のMSってあんまり動いてないの?ミサイル食らいまくりじゃない。」
「水中は浮力が働くから水陸両用MS以外は勝手に浮かんじゃうんだよ。
普通のMSでも戦えない事は無いんだけど・・・やっぱり不利なんだ。」
「ふはははは!どうした!
最強の使徒ともあろうお方が!動きが止まって見えるぞ!」
「止まって見えるって言うか・・・止まってるし。」
「うがああああっ!」
ドーン
「はっはっは、この程度で手も足も出んとはな!」
「く、ふっふっふ・・・驚いたな、確かに素晴らしい進歩だ。
だが、そのせいで貴様は長年眠らせていた私の真の力を目覚めさせてしまった・・・。」
「お前ら、なに話してんだよ・・・。」
「なに?オレが貴様の長年眠らせておいた真の力を目覚めさせてしまっただと?」
「その通りだ。」
「ほう・・・、くっくっくっ・・・
はーっはっはっは!面白い冗談だ!はっはっは!」
「ドラゴンボールネタ好きだね。」
「なぜ真の力を使わずに眠らせておいたか、貴様が死ぬ前に教えてやろう。
真の力を発揮するには別のMAを使わねばならん・・・。だが、そのMAは醜いのだ。美を好む私にはそれが耐えられない。
だが、死を選ぶよりはそのMAを選ぶ・・・。」
「別のMAだと?オレ達、第5使徒の様なか?
はっはっは、人間追い詰められると苦し紛れにつまらん事を言い出すもんだな!」
「オレ達・・・?」
「それ以前にラミエルさんはMAではないでしょう。」
「第5使徒の様に不自然にひし形ではないさ。ただパワーが増すだけだ!圧倒的にな!」
「クックック・・・見せてみろよ。」
「言われなくても、いま見せてやる。」
ザクレロさんです。
「!!」
「クックック・・・、ザクレロの姿を見て驚きを隠せない様だな。
とんだ誤算だったな。せっかくの水中用MSだったのに、また逆転してしまったぞ・・・。」
「いや、逆転出来てないし・・・」
「つーか、いつまで続ける気ですか。ネタにしては長すぎますよ。」
「完全に2人の世界に入っちゃってますよね。」
「2人の・・・世界!?」
「ど、どうしたんです?僕、なにかまずい事・・・?」
「ラミエル!あんたいつの間にゼルエル様とそんな関係になったのよ!」
「そうよ!この泥棒猫!」
「どこの昼ドラよ・・・。」
「え?あの・・・、私は別にゼルエルさんとはそういう関係では無いですよ。
確かに、ゼルエルさんの事は好きですけど恋愛感情とかって話じゃありませんから。お2人の恋路を邪魔したりはしません。」
「な〜んだ、ビックリさせんじゃないわよ。」
「そ〜よそ〜よ。眼から火が出るかと思ったじゃない。」
「何か使い方が違うような・・・」
「・・・・・。」
「どした?お前、なんか落ち込んでるみたいだけど。」
「い、いえ・・・なんでもありませんよ。ハ、ハハハ・・・。」
「ヘンなゼルエル様。」
「でも、そこも素敵よね〜。」
「・・・・・。」
「さて・・・対戦でも進めましょうか。」
「そうですね。お願いします。」
「ゼルエル・・・ちょっといい?」
「・・・なんです?」
「アンタ、あんなひし形のどこが良いわけ?」
「い、いきなり何を言い出すんですか?」
「え?そうだったのかい?」
「わ、私は別にラミエルさんの事が好きとかそういう事ではなく、純粋にネタを分かり合える大切な友人として―――」
「なにつまんない言い訳してんのよ。
アンタの態度見てれば分かるっての。ったく、思春期の中学生じゃあるまいし・・・。」
「だって・・・」
「頬を染めるな!んな事より質問に答えなさいよ!」
「ラミエルさんって、優しいし可愛いし清純だし思いやりがあるしちょっと理知的だし・・・」
「言っとくけど、全部当てはまってないから。」
「まぁ、恋は盲目って言うしね。」
「ま、アンタがどう思おうと勝手だけどさ、自分の気持ちはハッキリ伝えといた方が良いんじゃないの?
あの2人・・・二匹か。蜘蛛と目玉の気持ちだってあるわけだし。」
「そんな・・・告白なんて無理ですよ。あっちは第5使徒、私は第14使徒・・・釣り合うわけがありません。」
「その判断基準分かんないんだけど・・・。」
「駄目もとで言ってみたらどうです。でないと何も始まりませんよ?」
「はぁ・・・」
「そうだね。何もしないよりはきっと前に進めるんじゃないかな。」
「分かった・・・、俺・・・この対戦に勝ったら告白してみるよ・・・。」
「何よ、その死亡フラグは。」
「どうしたんです?みんなで話してて・・・」
「え・・・な、なんでもありませんよ?」
「ゼルエルさん、なんで動揺してるんですか?」
「なんでもないっての。ほら、さっさと進めなさいよ。」
「え?でも、このゲームで対戦するのはアスカさんですよ?」
「私、やっぱ見てるだけでいいわ。ひし形がやりなさいよ。」
「内ゲバですか・・・?」
「まぁまぁ。せっかくだからこのまま続けちゃいなよ。こっちとしても、その方が面白いし。」
「まぁね。」
「???」
「あなた方・・・愉しんでますね?」
「別にそんな事はないわよ〜。ねぇ?」
「そうそう。ウフフフ・・・」
・
・
・
北はわりと静かです。
「けっこう、地味に進んでくのね。このゲーム。」
「戦闘が無い時は都市を占領したり移動したりだからね。」
「それにしても、ラミエルさんの方が押しているというのはどういう間違いなんでしょうか?」
赤が海上封鎖に取り掛かってます。
「あら、いつの間に。」
「ノーマッドさん、さらりと酷い事言いますね・・・。」
「それは最初のハンデがあったからに決まってるじゃない。ここからゼルエル様が盛り返すのよ〜!」
「そうそう。そうよね、ゼルエル様?」
「・・・・・。」
「どうしたの?」
「・・・何でもありません。」
「ゼルエルさん。調子悪いんですか?」
「ああ、さっきからおかしいよな。戦闘もイマイチだし。」
「え・・・い、いえ、問題ありません。いつも通りですよ?」
・
・
・
大気圏はどちらにとっても邪魔な存在です。
「そろそろ、北の方でも動きがありそうだね。」
「そうですね。ようやく戦力が充実してきたので攻めてもいいかな・・・と。」
「ゼルエルさぁ、大気圏から中々降りようとしないけど・・・なにしてんの?」
「・・・・・。」
「うるさいわね!大気圏突破するのが危険だから待ち戦法してるだけでしょ!」
「そうよそうよ!素人は黙ってなさい!」
「・・・そうは見えないんだけど。」
「さっきから続いてるホワイトベースの砲撃って結構痛いんです。
それに、大気圏は移動するのも大変ですから待つのも有効な戦術なんですよ。」
「でも、待ってばかりじゃ勝てないんじゃないですか?」
「そこはそれ。他の戦線から攻めて行けば良いんです。」
「他の戦線って・・・」
すでに南米のガチャベース(青)陥落
「あ・・・!」
「なんて事すんのよ!ひし形!」
「え・・・?だって・・・・・勝負ですよ?」
「このゲームって負けてる方に補正がかかるとかは無いんですか?」
「無いですね。あるとすれば戦闘で勝てる様に腕を高める事くらいでしょうか。」
「それは補正じゃないだろ。」
「本当に実力勝負なワケか・・・。」
「まぁ、実力といってもザクでサザビーに勝つのは無理でしょうし・・・その辺は戦闘以前の戦略も絡んできますから。
それに、ゼルエルさんのエルメスが迫ってますから、カプールも退避させなければなりませんし。」
「さすがゼルエル様♪」
「そうそう。その英知でいかなる状況にも対処するのよね〜。」
「そうは見えないんだけど・・・」
「黙りなさい!」
「南は現状維持で良いとして・・・北から攻めさせてもらいますよ。」
支援砲撃から攻勢開始です。
「そういえば戦艦って間接攻撃出来るんでしたね。」
「ミサイルと大砲みたいなのって何が違うの?」
「ミサイルは威力が高いけど命中率が低くて、主砲はその逆かな。
地形にも左右されるんだけど遮蔽物が少ない地形だと結構当てやすいんだ。」
「アクションメインのゲームですけど、戦艦の間接攻撃の判定はランダムですからね。当たるも外れるも運任せなんです。」
げ、減速出来ません!シャア少佐ぁぁぁぁ!に注意。
「ふ〜ん、大気圏のマップってワリと綺麗なのね。」
「そんな暢気な事を言ってられるマップじゃないんですよ。
大気圏だときちんと重力が働いていて、下の方に引かれるとダメージを受けちゃうんです。」
「ちょっと!説明しながらやってんじゃないわよ!ゼルエル様に失礼でしょ!」
「そ〜よそ〜よ!」
「(´・ω・`)ショボーン」
「・・・・・。」
「お前、ずっと黙々とやってるけど・・・どした?」
「な・・・、なんでもありませんよ。さて、MSを移動させないと・・・」
大気圏付近に水陸両用MSの姿が・・・
「あれ?なんで水中用のMSが宇宙にいるわけ?」
「あ・・・!」
「ヘンなところにツッコミを入れるんじゃないわよ!こんなの想定の範囲でしょ!」
「そうよ!無理矢理イチャモンつけないでちょうだい!」
「想定の範囲を大きく超えてるような気が・・・」
「ゼルエルさん、さっきから動揺しまくってるね。」
「そうですね。あの人結構シャイですから。」
・
・
・
赤軍が確実に青軍の本拠地へ近づいてます。
「・・・・・。」
「どうしたのよ、ボケッとして。」
「ゼルエルさん、本当にどうしたんです?いつものゼルエルさんらしくないですよ?
戦闘では覇気がありませんし、ミスも多いですし・・・」
「・・・心配無用です。」
「そうよ!ここから怒濤の反撃が始まるんだから!」
「アンタは首を洗って待っていれば良いのよ〜!」
「はぁ・・・」
・
・
・
もう、目と鼻の先です。
「・・・・・。」
「ゼルエルさん、反撃の糸口すら見当たらないですね。」
「そうだね。収入も倍以上の差が開いてるしユニットの数は3倍以上だし。」
「身体もってくれよ!3倍界王拳だ!」
「・・・・・。」
「あの〜・・・ゼルエルさん?」
「は、はい?何か?」
「いえ・・・、やっぱり元気無いみたいなんで気になって。」
「気に・・・・・いえいえいえ、ななな何でもございません。わ、私は楽しませてもらってます。
そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。」
「はい・・・。」
・
・
・
本拠地攻略までごく僅か・・・
「・・・・・。」
「あと少しですね。」
「ラミエル!アンタに人の心があるなら攻めるのを止めなさい!」
「そーよ!最初にハンデ貰ったでしょ!」
「攻めるの止めてもこの戦力差だと・・・もう駄目だと思うよ。」
全戦線に渡って赤軍が圧倒してます。
「あとは本拠地を占領するだけでしょ?」
「そう・・・なんですけど、本拠地を守るMSが特別なもので凄く強いんです。」
武者Zとか言う機体が本拠地を守るラスボスです。
「ファンネルにバリアにハイメガ粒子砲を装備、エネルギー値も一番高いんです。」
「こんなのに勝てるんですか?」
「エネルギーの回復が出来ないってのが欠点だね。だからダメージさえ与えていけばいつかは倒せるんだよ。」
('A`)?
「ああ〜!ゼルエル様がぁぁぁぁ!」
「ウソウソウソウソウソウソウソウソォォォォォ!」
「・・・いえ、良いのです。これは私の慢心が招いたものですから。」
「慢心じゃなくて、動揺だと思うけど・・・。」
「ゼルエルさんって、プレッシャーに弱いんだね。」
「戦いにおける勝者は(中略)。私は・・・敗者になりたい。」
「なりたいっつーか、文句なしに敗者だろ。」
「あの・・・、再戦しましょうか?
ゼルエルさんも本調子じゃなかったみたいですし・・・それに、元々私が対戦する話じゃありませんでしたから。」
「そうよ!アンタがしゃしゃり出てきたのが原因よ!」
「それに、ゼルエル様が負けたのは最初のハンデが原因だったに決まってるんだから!」
「・・・いえ、負けは負けです。私はそれを受け入れます。」
「ゼルエル様・・・」
「でも、これで使徒チームの負けが決まったわけですか。」
「うるさいわね!人の感動に水を注すんじゃないわよ!」
ドガッザクッ!(殴打惨殺音)
「ぎゃむっ!」
「・・・学習しろ。」
「さて、これで一通り予定してたプログラムが終わっちゃったワケですが・・・」
「待ちなさい!これじゃゼルエル様があたしのものにならないじゃない!」
「そーよ!あたし達の負けじゃゼルエル様があたしの・・・」
・
・
・
「!!」
「アンタは引っ込んでなさいよ!あの赤いのに負けたでしょ!」
「なによ!アンタだって負けてたじゃない!」
「あの・・・、喧嘩は良くないですよ?」
「こうなったら勝負よ!さっさと準備なさい!」
「ええ、よくってよ!」
「話がヘンな方向に進んでるわね。」
「ま、良いんじゃねぇの?こういうのは後腐れが無い方がいいだろ。」
「そんな悠長な・・・」