「第二回戦はこちらのゲームになってます。」
「これは?」
「1986年にナムコさんから発売されたシューティングゲーム、スカイキッドさ。」
「さぁ、次にアスカさんの相手をするのはどなたです?」
「じゃあ、あたしがいくわ。不甲斐ないサハクィエルの尻拭いをしてあげないとね。」
「不甲斐ないは余計よ!」
「ま、これでゼルエル様はあたしのものになったも同然よね。ホッホッホ。」
「キィー、悔しい!」
「・・・話が変な方向に進んでるな。おい、ほっといて良いのか?」
「・・・・・。」
「ベルセルク熟読してる場合じゃねーだろ。後でどうなっても俺らは知らねぇぞ。なぁ?」
「・・・はい。でも、こういうのはゼルエルさん達の問題ですから、私達が口を挟むことじゃないですよ。」
「人の恋路を邪魔するヤツは馬に蹴られて三途の川でしたっけ?」
「それ、間違ってるって・・・。」
「さてさて、話を戻しますね。では、これからブリーフィングを始めたいと思います。」
「は?ブリーフィング?」
「だってこのゲームは一応、戦争モノですもん。雰囲気を大事にしていったほうが面白いかと思って♪」
「どーでもいいわよ・・・。」
「操作方法の説明もしますから聞いておいた方が良いと思いますよ。
ほら、さっきのアイスクライマーみたいな事になっちゃったら困りますから。」
「・・・それもそうね。て言うか、なんで私がゲームやるのは確定なワケ?」
「だって、他に人がいませんし・・・それに面白いでしょ?」
「いや・・・まぁ・・・うん。それなりにね。」
「ねぇ、やるならさっさとしなさいよ〜、こっちはずっと待ってんだからさぁ。」
「あ、すみません。それでは早速始めたいと思います。では、まずこちらをご覧下さい。」
← ←
「なにこれ?」
「作戦の概要です。
アスカさんとマトリエルさんの両機は当基地を離陸、敵陣を突破し味方の前線基地へ到達してください。
状況に応じて任意に敵を攻撃、出来れば主目標の破壊もお願いします。」
「つまり、味方の基地へたどり着ければとりあえずOKなワケね。」
「そういう事になります。それでは乗機の操作方法を簡単にレクチャーします。」
操作方法
十字キー
自機の移動
Aボタン
機銃で攻撃
Bボタン
宙返り
セレクトボタン
1人用・2人用の切り替え
スタートボタン
スタープラチナ!ザ・ワールド!時よ止ま(ry
「別にこれといって特徴がある様な感じもしないけど・・・」
「この中で重要なのはBボタンによる宙返りです。
単純に後方の敵の背後を取れるだけではなく、十字キーと併用する事で急上昇や急降下も可能です。
また、宙返り中も攻撃は可能なので、うまくやれば後方の敵や直上、真下の敵にも攻撃が出来るんですよ。」
「使いこなさないとダメなんですか?」
「これは自然に使いこなせるようになると思いますよ。
それに宙返り中は一時的に無敵になるので、危険の緊急回避にも役立ちますからね。」
「そういえばさ、武器って機銃しかないの?よくあるパワーアップとかは?」
「基本兵装は機銃のみです。複葉機ですからそのあたりはしょうがないですよ。
でも、主目標の破壊は機銃では行えないので爆弾を投下しなければなりません。」
「は?爆弾?」
地上にある楕円形の灰色の物体が爆弾です。
「この様に、味方が敵陣の中に爆弾を準備してくれていますので、素直に装備してそのまま主目標の攻撃に向かってください。
爆弾に接触すれば自動的に装備できるようになってますからご心配なく。」
「すごいシステムだな。複葉機なのに・・・」
「ところで、爆弾装備したは良いけど、どうやって投下すんの?」
「爆弾の投下はBボタンで行います。
別の言い方をすれば、爆弾を装備している状態では宙返りは出来ないという事になりますね。
また、爆装中に敵の攻撃を受けてしまうと爆弾は勝手に外れて投下されちゃうんです。
ですから、いかに敵の攻撃を受けずに目標に到達するかというのも重要になってくるんですよ。」
「音楽と画面のコミカルさとは裏腹に結構ハードなゲームだからね、これ。」
「ちなみに、一度被弾するときりもみ状態で墜落していきますが、
十字キーの上を押しながらABボタンを連打する事で機体を立て直す事が出来ます。
ですから被弾しても諦めずに連打してくださいね。」
「ふ〜ん・・・。」
「さて、次は爆弾の投下方法について説明しましょうか。」
「投下はBボタンでしょ?」
「あ、そういう意味じゃなくて・・・目標に正確に命中させる方法の話です。」
「よく分からねーんだが。」
「では、図で説明してみましょうか。」
「なんか、段々ゲームから話が離れてきてますよ。」
「そうですか?これも高得点をたたき出すには避けては通れない道なんですけど・・・
とりあえず、こちらをご覧下さい。」
「で?」
「図を見ていただければ分かると思うんですけど、
爆弾を投下したとしても、爆弾は切り離した位置に落ちるのではなく、落ちながらも前に進んでいくんです。
これは・・・・・・慣性の法則でしたっけ?」
「無理して難しい言葉を使わんでも良いわよ。で、何が言いたいのよ、アンタは。」
「つまり、爆弾を投下する際には
爆弾の未来位置をある程度予測して投下する必要があるという事なんです。
したがって、高度が高ければ高いほど爆弾の進む距離が増え、投下のタイミングが難しくなってしまうんです。」
「じゃあ、低高度で落とせば良いんじゃね?」
「目標付近には護衛の高射砲や対空戦車があり、目標そのものからも対空砲が撃ち出されて来ます。
低空からの爆撃は、命中率の向上こそ見込めますけどある程度のリスクもつきまとう事を忘れないで下さい。
低空飛行は爆撃の成否のみならず、被弾した際の生存率も低くなってしまいますから。」
「なら、どーしろってのよ?」
「そこで出てくるのが急降下爆撃です。」
「急降下・・・ああ、いつだったかファーストが説明間違えてたアレね。」
「目標付近までは比較的高度を維持して爆弾の保持に専念、
目標に接近したら高度を下げ、爆撃の命中精度を高めた上で爆撃するという方法です。」
急降下爆撃、大体こんな感じです。
「それならうまくいくんですか?」
「正直なところ、これも絶対確実とは言えません。
でも、高々度からの爆撃よりは命中率が上ですし、急降下に入るまでなら被弾しても生存は見込めます。」
「でもさ、あの目標って結構大きく見えるんだけど・・・当てるの楽じゃないの?」
「当てるだけなら楽かもしれませんけど、目標を完全破壊するには敵の中央部に当てなければなりません。
目標は三つの部分で構成されていて、両サイドを破壊しても目標を破壊した事にはならないんですよ。」
中枢部分を破壊出来れば1000点
(ステージクリア時に10000点ボーナス)
ちなみに両サイドは500点
「でも、このゲームって先に進むのが目的なんでしょ?点数なんか稼いだって意味ないじゃん。」
「一応、今回の対戦では先に進んだ方が勝ちという事にしてますけど、
同じ面で2人ともゲームオーバーになった時は点数が上の方が勝利者となります。
ですから、点数を出来るだけ稼ぐ事も頭の片隅に入れておいて下さい。」
「めんどーなルールねぇ。先に進んだ方が勝ちで良いじゃない。」
「それだと、同じ面でゲームオーバーになったらドローになっちゃうじゃないですか。
それに、生き残るだけの対戦だとあまり面白くなくなっちゃいますし。」
「まぁねぇ。確かに2人とも逃げ回るだけのを見たって面白くないわな。」
「あの、対空砲と高射砲って何が違うんですか?」
「では、こちらをご覧下さい。」
上空で炸裂しているのが高射砲弾です。
「これは?」
「高射砲の攻撃を受けた場合の図です。
対空砲は弾速は速いのですが高々度までは届かないので、敵の位置にもよりますが高度さえ保っていればまず当たる事はありません。
逆に、このゲームの高射砲弾は砲弾そのもののスピードは遅いのですが、上空まで来ると炸裂して攻撃してくるんです。
範囲も広く狙いも正確なので十分注意しなければならないんですよ。」
「ふ〜ん。」
「ところでマトリエルはずっとだんまりみたいだが・・・何してんだ?」
「ほら、ここなんか面白いですよ。
すげぇぞ!さすが超越者!ホントに死なねぇぜ!ギャアアアアアア!のあたりなんか特に。」
「そうよねぇ。さすがゼルエル様、着眼点が違うわぁ〜。」
「ホントホント、この漫画に出てくる使徒って、同じ使徒って名前でもあたし達とは優美さが違うものねぇ。」
「・・・お前ら、いつまでベルセルク熟読してんだよ。」
「そろそろ、スタートしますけど・・・マトリエルさん、準備はよろしいですか?」
「あ〜、大丈夫よ。あんたの説明なんか聞かなくても勝てるからさぁ。」
「むぅ・・・、それなら良いですけど。」
「良いのかよ。」
「さて、じゃあ私はUコンでやらせてもらうわ。」
「は?なんで?さっきの目玉オバケはTコン使ってたわよ?」
「だって、今回はUコン側が青ですもの。パターン青の使徒としてはやっぱり原作に忠実にいかないとねぇ〜。」
「意外と几帳面なんですね。」
「ホッホッホ。」
「さて、アスカさん。それじゃスタートしちゃってください。」
(赤) vs (青)
「ふ〜ん、このゲームの音楽ってホントに明るいノリなのね。」
「そうですね。ストーリーそのものも軽い感じですから。」
「フン!フン!フン!」
「アンタ、何ボタン連打して・・・・・・・へ?」
→
これやるとリアルファイト確定です。
「あ〜っ!なにすんのよ!この濡れ蜘蛛!」
「フハハハハァ〜!勝てばよかろうなのだぁ〜!」
「え?何があったんですか?」
「何があったじゃないわよ!こいつ、人が離陸する前に後ろから撃ったのよ!」
「容赦が全く無いですね。」
「マトリエルさん!いくらなんでもそれは卑怯ですよ!」
「卑怯・・・、良い言葉だわ。」
「そうよマトリエル!この世の中は勝つことこそ全て!敗北者には死あるのみなのよー!」
「では、貴方はさっき負けたから死―――」
「黙りなさい。」
ボスッ(打撃音)
「むぎゅうっ!」
「この蜘蛛!アンタ、Uコンでやりたいって言ったのはまさか・・・!」
「ホッホッホ。」
「えげつねぇなぁ。」
「まぁ、これも対戦の醍醐味とも言えるけどね。」
「マトリエルさん、一応聞いておきますけど・・・次のステージでも同じ事をするつもりですか?」
「当たり前じゃない。現実は非情なのよぉ?」
「まさに外道!ですね。」
「うるさい!勝てばよかろうなのよ!」
ザクッ(打撃音)
「むぎゅっ!」
「む・・・、アスカさん。ちょっと・・・」
「何よ?」
「いいから・・・ごにょごにょ」
「そんなんでうまくいくの?」
「・・・多分大丈夫です。それに、これが通じなくても次の策があります。」
「ホッホッホ、何を相談してるのか知んないけど、あたしに勝とうなんて10年早いわよ〜。ほら、1面クリア〜♪」
圧倒的じゃないか青軍は
「・・・・・。」
「ねぇねぇ、今どんな気持ち?どんな気持ち?」
「フン、その程度の事でいい気にならない事ね。」
「ホッホッホ、負け惜しみね。まぁ、次のステージでも貴女には即死んでもらうけど。」
「アスカさん・・・。」
「分かってるわよ。」
「ほあぁぁぁぁ!・・・なっ?」
→
仕返しです。
「んまっ!生意気っ!」
「仕掛けてきたアンタが悪いのよ。」
「ラミエル!アンタの入れ知恵ね!」
「・・・・・。」
「なんとか言いなさいよ!」
「アスカさん、その太陽の前で宙返りすると夜になりますよ。しかもボーナス1000点です。」
「1000点ね、了解。」
「無視すんじゃないわよ!アンタどっちの味方よ!」
「マトリエルさん。これで今後は正々堂々と対戦してもらえますよね?」
「イヤよ!ここまでやられて黙ってられるモンですか!
それに、このステージは途中から復帰出来るんだし、こっちにだって考えはあるんだから!」
「・・・アスカさん。」
「分かってるって。」
→
仕返しパート2
「ああ〜!あたしは1回しかやってないのに2回も!」
「マトリエルさん。あなた、ステージクリア時のアスカさんの着陸を妨害しようと考えてましたね?」
「え?どうしてそれを!誰にも喋ってないのに!」
「・・・そのくらいの事、見当がつきます。」
「ところで、攻撃目標の破壊って・・・これで良いんでしょ?」
戦艦撃沈の決定的瞬間
「そうですよ。これでマトリエルさんの点数に追いつけそうですね。」
「ちょっと!アンタ、人間に肩入れしすぎよ!あたし達を裏切る気!?」
「そんな事はありませんよ。私はただ、お2人に正々堂々と戦っていただきたいだけなんです。」
「何、言ってんのよ!あたしの事を2回も邪魔したじゃない!あたしは1回しかやってないのに!」
「回数は関係ねーだろ。」
「残機の差については大丈夫ですよ。アスカさん・・・お願いします。」
「・・・分かってるわよ。」
→
前線基地に着陸しないと自動的に墜落、残機も減少します。
が、ステージクリアにはなります。
「これで良いんでしょ?」
「良くないわよ!点数にしっかり差がでてるじゃない!」
「そーよそーよ!」
「その辺りはペナルティーという事で。
次に故意に相手を墜落させたら反則負けと見なしますので、そのつもりでお願いします。」
「くぬぬぬぬ・・・」
「ひっどーい!ラミエルったら横暴〜!」
「良いですね?」
「・・・わかったわよ。墜落させなきゃ良いんでしょ?」
「そうです。」
(フ、ホッホッホ・・・、浅はかね。墜落させなくても邪魔する方法なんかいくらでもあるんだから。)
(そうよねぇ。オホホホホ。)
「今時、そんな陰険キャラは流行りませんよ?」
「うるさいわね!人の心を読むんじゃないわよ!」
ドガッザクッ(殴打惨殺音)
「ギャフッ!」
「あのさ、へんな女のキャラみたいなのがいるんだけど・・・何あれ?」
離陸直後に女の人がいます。
「あ、その女の人の上で宙返りするとハートマークが出てくるんでそれを取ってください。
そうすればクリア時、ハート1つにつき1000点貰えますから。」
「わたしの・・・わたしの肉がぁ!ひでぶっ!」
「それは北斗の拳のハート様だね。」
「久しぶりに口を開いたかと思えばそれかよ・・・。」
「6つくらい取れたみたいね。」
「2つってどういう事よ。差別よ差別。」
「それは単に実力の様な気がしますが・・・」
「あ、2人いると爆弾も2つ用意されてんのね。」
「そうですね。1つしかないと爆弾の取り合いになっちゃいますし。」
「フ、それはどうかしら?」
「な、なにすんのよ!」
「え?どうしました?」
「この濡れ蜘蛛、取った爆弾すぐ捨てて、もう1個取ったのよ!」
「あら?あたし墜落はさせてないわよぉ?」
「そうよねぇ。オホホホホ!」
「た、確かに・・・この辺りは許容範囲・・・・・・でしょうか?」
「ホッホッホ、これであたしの勝ちは決まったようなモンね〜♪」
→
爆弾があっても無くても中央部に体当たりすれば破壊は可能です。
「あ・・・!」
「墜落・・・しちゃいましたね。」
「マトリエルさん。目標の破壊おめでとうございます。」
「うるさい!ちっとも良くないわよ!」
ザクッ(打撃音)
「むぎゅっ!」
「ねぇ・・・もしかしなくても、これって私の勝ち?」
→
文句なしに(赤)の勝利です。
「そうなりますね。」
「なんつー、あっけない幕切れだ。」
「酷い!悔しい!許せない!ゼルエル様〜ぁ!」
「戦いにおける勝者は歴史の中で衰退という終止符を打たねばならず、
若き息吹は敗者の中より培われる。私は・・・敗者になりたい。」
「いや〜ん!ゼルエル様博識〜!」
「そうですよね。時代の最先端はやっぱり敗者ですわよねぇ♪」
「いや、その台詞ってまんま誰かさんのパクりだろ・・・。」
「とりあえず、アスカさん。勝利おめでとうございます。」
「あんま嬉しくないけど・・・。これって、この後も続けた方が良いわけ?」
「この後はもっと難しくなっていきますし、全部で20いくつかのステージがあるらしいですから・・・
クリアは難しいと思いますけど・・・その辺りはお任せします。」
「え?そんなに長いの?止め止め!そこまで暇人じゃないわよ。」
「では、次の対戦に移りましょうか。」