「第一回戦はこちらのゲームです。」
「これは?」
「1984年に任天堂さんから発売されたアクションゲーム、アイスクライマーだよ。」
「一回戦って事は・・・」
「使徒の皆さんは私を除いて5人いますから五回戦までの予定です。一応、対戦ごとにゲームは変えていくつもりですから。」
「先鋒は誰が良いんでしょうか?」
「あたしが出るわ。こういうのは一番最初に力の差ってやつを分からせてあげないと。」
「ギニュー特戦隊ネタで一番手となるとグルドさん役になってしまいますよ?」
「うるさいわね!そのネタはもう終わってるのよ!」
「サハクィエルさん、先鋒で良いんですか?」
「当然。で、誰があたしの相手をするのかしら?」
「アスカさんです。」
「ちょ・・・なんで私なのよ?」
「だって、その方が面白いじゃないですか。
それに相手は宿敵の使徒さんですよ?雪辱を晴らす良い機会だと思います。」
「雪辱以前に、あの使徒には負けてないし。」
「まぁまぁ、四の五の言わずにコントローラーを持って♪」
「四の五のって、それ使い方が違う・・・。」
「じゃあ、サハクィエルさん。スタートしちゃって。」
「フ、負けないわよ。」
「まぁ、適当に頑張ればぁ。」
「ここであたしの良さをゼルエル様にアピールすれば今夜は・・・オホホホホ。」
「なんですってぇ〜っ!抜け駆けなんて卑怯よ!」
「あの〜・・・」
「アンタでも呆れる事ってあるのね。」
(青) vs (赤)
「で、これ・・・どうやんの?」
「十字キーで左右に移動。Aボタンでジャンプ、Bボタンがハンマーで攻撃です。
このゲームは上へ上へと登っていくのが目的となってます。」
ドガッ!ドガッ!
「このっこのっ!」
「んな、親の敵みたいに天井をぶち抜かんでも・・・て、あれ?」
「どうしたんですか?」
「私のキャラが画面から消えちゃったんだけど・・・」
「あ、これ置いてけぼり食らうと1人ミスになっちゃいますから早く登った方が良いですよ?」
「そういう事は早く言いなさいよ!まるっきり出遅れたでしょうが!」
「ちなみに、今回は早く頂上へ登った方が勝ちという事にしてありますから。」
「今さら言うんじゃない!」
ドガッ!ドガッ!
「ふんっふんっ!」
ドガッ!ドガッ!
「この目玉オバケ!ちょっとくらい待ちなさいよ!」
「待てと言われて待つ馬鹿はいないわよ〜。これに勝てばゼルエル様はあたしのものに・・・ウフ、ウフフフ。」
「いつからそんな話になったんだ?」
「さぁ・・・?」
ドガッ!ドガッ!
「くぬっくぬっ!」
「あーもう!なんで追いつけないのよ!」
「遅れている方に補正がプラスされる最近のレースゲームみたいな親切さはありませんからね。」
「つまり、お前はもう追いつけない!」
「うるさい!やってみなきゃわかんないでしょ!」
「分からないものなんですか?」
「このゲームは一度大きな差がついてしまうと・・・ほぼ追いつけないと思いますよ。サハクィエルさんがミスでもしない限り・・・」
「だから、このゲームで
このサハクィエルに精神的動揺による操作ミスは決してない!と思っていただこうッ!」
「やかましい!」
「サハクィエルさん、そのネタは花京院さんだね。」
「やれやれ、またジョジョネタですか。貴方達使徒ってワンパターンなんですね。」
「なんですってぇ〜!」
ドゴッ!(打撃音)
「・・・すぐに手が出るあたり、アスカさんよりヒドイですよ。」
「お前、さわらぬ神に祟りなしって知ってるか?」
「うるさいわね!アンタ達黙りなさい!」
「サハクィエルさん、あんまり余所見してると危な―――」
「あ・・・!」
鳥さんに体当たりされますた(´・ω・`)
「ああ〜!この私がぁぁぁぁっ!」
「チャ〜ンス!今のうちね♪」
「追い抜かれちゃいましたね。」
「静かにッ!気が散るッ!」
「今度はダービー(弟)さんかな?」
「これって、このまま登っていけば良いのよね?」
「そうですよ。その上に行けばボーナスステージになりますから。」
「ラミエル!アンタ、どっちの味方よ!」
「え?どっちの味方と言われましても・・・」
「今度はシーマのネタですか。飽きませんねぇ。」
「そんなつもりで言ったんじゃないわよ!」
ボスッ(打撃音)
「むぎゅ!」
「ふぅ、ようやくたどり着いたみたいだけど・・・ここがボーナスステージ?」
ボーナスステージです。
「そうです。一応、ここから頂上に登るのが目的になってます。ちなみに、ここで落ちちゃってもミスにはなりませんから。」
「ちょっと!あたしを差し置いてボーナスステージなんて許されると思ってんの?!」
「・・・アンタ、自分でミスしてたんでしょうが。自業自得よ。」
「キィー!悔しいぃぃぃぃぃぃッ!」
ボスッボスッボスッ!(打撃音)
「八つ当たりは止めなさい。私は無関係ですよ?」
「大変だなアンタも。どっか隠れてた方が良いんじゃないか?」
「ノーマッドさんって自分で動けないんです。それに今は安静にしておかないと・・・」
「安静?何の話です?」
「あ、いえいえ。なんでもないですよ〜。それにしてもシルフェさん遅いですね。」
「あの人も一体何しに行っちゃったんでしょうか。」
「いや、シルフェも厳密に言えば人じゃないし・・・」
落ちないように注意しましょう。
「結構、上に登るのって大変なのね。」
「このゲーム、操作性にちょっとクセがありますからね。」
「これって頂上に登ったらクリアなんですか?」
「え〜と・・・、頂上にプテラノドンみたいな恐竜さんが飛んでるんで、それにつかまるのが最終目的なんです。
時間制限もあるので、急がないと間に合わない事が多くなっちゃうんですよ。」
「ふ〜ん、でもこんな感じで良いんでしょ?」
→
恐竜につかまるとボーナス3000点
「あ、おめでとうございます。アスカさんの勝利ですね。」
「ま、あんまり嬉しくもないけど。」
「なんて事・・・!これじゃあたしの負けみたいじゃない!」
「みたいじゃなくて負けよ、負け。フフン、アンタってクチばっかりね。」
「・・・クチ?」
「キィィィ!悔しい悔しい悔しい!」
「泣くんじゃないわよ、うっとおしい。」
「うわぁぁぁん!ゼルエル様〜!慰めてぇ〜ん♪」
「アンタ、どさくさにまぎれてなに言ってんのよ!ねぇ、ゼルエル様?」
「・・・・・。」
「ゼルエル様?」
「は?すみません、聞いてませんでした。」
「も〜、ゼルエル様ったらシャイなんだからぁ♪」
「シャイとかいう問題・・・?」
「とりあえず、第一回戦はアスカさんの勝利ですね。それでは次の対戦に移りましょうか。」