第拾参話 使徒、侵入
本日はオートパイロットの実験日。
裸にひんむかれた上、十七回も垢を落とされて、
アスカ「ぜーったい見ないでよ!」
シンジ「…殴られてまで見たいもんじゃないよ…」
アスカ「このバカ、アンタには言ってないっつーの!」
レイ「そういや、シンちゃんには見られたことあったよねえ、裸。
じゃあ、あたしがシンちゃんの裸を見るのは、アリ?」
シンジ「わー!わー!わー!わー!わー!こんなところで何言ってんだよー!」
ミサト「うるさい!いいからとっととエントリーしろー!」
シミュレーションプラグに放り込まれるチルドレンズ。
そのまま模擬体への
リツコ「シンクロスタート…どう?感じは」
レイ「…何か違うわ?」
シンジ「うん、いつもと違う気がする?」
アスカ「感覚が違うのよ。右腕だけはっきりして、あとはぼやけた感じ?気持ち悪いのー」
リツコ「レイ、右手を動かしてみて…そう、そんな感じ」
レイのシンクロに合わせて、ぎこちなく動く模擬体。
そして、データ解析に全力稼動するMAGI。
アスカ「んー、単調で退屈なテストよねえ」
ミサト「きょうの主役はMAGIだからねー。悪いけど我慢してね」
そんな軽口を叩き合う横で、青筋立ててるリツコ。
リツコ「今回のはそんな簡単なテストじゃないんだけど…え、また水漏れ?」
マヤ「いえ、侵食だそうです…この上の蛋白壁」
リツコ「無視できるようなら、続けましょう。碇司令もうるさいし」
最近溜息増えたわねえ、と、こっそり呟くリツコ。
リツコ「じゃあ、次いくわよ。模擬体経由で零号機へのシンクロ開始」
実験は順調に進行。
が、レイのシンクロする模擬体が零号機のATフィールドを発生させた瞬間、それに呼応する様に
「シグマユニットAフロアに汚染警報発生!」
「第87蛋白壁が劣化、発熱しています!」
「蛋白壁の以上部分が増殖しています!爆発的スピードです!」
突然の異常事態発生に騒然となる実験室。
そして響き渡るレイの悲鳴と、異常な動きを見せて暴れはじめる彼女の模擬体。
リツコ「全エントリープラグを緊急射出、急いで」
ミサト「なによこれ!?」
模擬体表面に広がる汚染と、展開される光学模様。
リツコ「分析パターン、青…間違いない、」
使徒!
使徒の侵入を許してしまったネルフ本部。
マイクロマシン、最近の集合使徒は知能回路を形成してMAGIメルキオールを占拠、
本部施設の自律自爆を提訴。
それを退けられるや、今度はMAGIメルキオールをも占拠、再度自律自爆を提訴。
最後の最後でMAGIカスパーへの侵入を食い止めたリツコは、自己進化を続ける使徒の性質を
逆手にとって、進化の促進=自滅促進プログラムを送り込むカウンター作戦を展開。
これを退けることに成功したのだが…
何が起こったのかを知ることすらできず、素っ裸のまま地底池にプラグごと
放り出された子供たちは、見事に放置プレイされどうしの憂き目に。
シンジ「…誰も来ないね?」
アスカ「裸のままじゃどこにも行けやしないし!誰かどうにかしてよ!っつーかシンジ!着替え取って来なさい!」
シンジ「…僕、泳げないんだ。ごめん」
アスカ「えーい、使えない奴ぅ!じゃあファースト!アンタ行ってきなさい!
羞恥心の欠片も無いアンタなら、裸の一つや二つ見られたって…って、ファースト?」
アスカのプラグに映るのは、からっぽになったレイのプラグの中身。
アスカ「…どこ行ったのよ」
次の瞬間、響き渡るシンジの悲鳴。
シンジ「うわああああああ!なんで綾波が僕のプラグの中にいるんだよう!」
レイ「え?いやー、待ってるのも退屈だから、遊びに来ちゃった、みたいな?」
シンジ「僕も綾波もお互い裸なんだよ!?少しは考えてよ!!」
レイ「さっきも言ったじゃん!シンちゃんだって前にあたしの裸見たことあるんだからお相子だって!」
シンジ「そういう問題じゃないだろ!アスカ助けてー!」
アスカ「こ、こ、こ、このエッチバカ変態ヌーディストども!信じらんなあああい!!」
シンジ「僕は悪くなーいぃ!!」
もう何がなにやら。
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