第六話「決戦、第三新東京市」
第伍使徒の一撃でノックアウトされたシンジと初号機。
攻守ともにほぼパーペキな空中要塞とも言うべき使徒を前に
ミサトが考えだしたのは、相手の有効射程すら上回る超長距離からの
荷電粒子砲による狙撃作戦だった。
一方、気絶していたシンジが目覚めると…横に居たのは
病院食を口いっぱいに詰め込んで、ほっぺをリスの様に膨らませたレイだった。
シンジ「…」
レイ「えっとあのその!明日午前0時より発動されるヤシマ作戦のスケジュールを
伝えます!
碇、綾波の両パイロットは本日イチナナサンマル、ケージに集合!
イチハチマルマル、初号機および零号機起動!イチハチマルゴー、発進!
同サンマル、二子山仮設基地到着!以降は別命あるまで待機!
明朝日付変更と同時に、作戦行動開始!」
シンジ「…」
レイ「…シンちゃんの分もあるよ!ほらほら!」
がちゃがちゃと食事を取り出すレイ。
もりもりと食欲が低下していくシンジ。
レイ「慌ててその格好でこないでね!さよならー!」
去り行く姿は風のよう。
だが、自分がマッパだというのに、羞恥心の欠片も涌かないのはなぜだろう?
なんとなく切ない気持ちになりながら、食事に手をつけ始めるシンジ。
作戦開始直前、刹那の空白。
シンジ「綾波は、なぜこれに乗るの?」
レイ「絆だから」
シンジ「絆?」
レイ「うん、絆!」
シンジ「父さんとの?」
レイ「みんなとの!」
シンジ「…強いんだね、綾波は」
レイ「えへへ!でも、シンちゃんもきっとそうなるよ!」
シンジ「僕もそうなる…できるのかな?僕に」
レイ「シンちゃんならできるよ!…あ、時間だ。じゃ、また後でね!」
どこか照れた笑みで走り去るレイを見送るシンジ。
過粒子砲は第伍使徒を貫き、絶命せしめた。
だが、砲手だった初号機を守った零号機は、反撃の粒子砲を浴びて大破。
シンジ「綾波!綾波!」
加熱したハッチを、手が焼けるのも構わずにこじ開けるシンジ。
シンジ「綾波!大丈夫!?綾波!」
レイ「…お腹すいた…」
ザ・台無し。