漢たちのラングレー
「まずはこちらからです。」
アメリカ海軍 航空母艦・ラングレー
「給炭艦から空母、最終的には水上機母艦となったマイナーな艦ですが
正直、私もまだ説明役には慣れていないので、重いテーマは後回しにして軽くジャブから逝ってみたいと思います。」
「ラングレーは練習台ってワケか。」
「ひし形、アンタわざとやってるでしょ。」
「そんな事ありませんよ。純粋にラングレーたんの説明をしたいと思っただけです。ハイ。」
「俺を踏み台にした・・・?」
「マチルダさ〜ん!」
「るさい!」
「・・・ひし形、説明はどうした?」
「あ、そうでした。つい、いつものクセで・・・」
「お前に聞くのもなんだが、給炭艦ってのはなんだ?」
「炭でも運ぶ船なんじゃないですか?文字から見るとそう考えるのが自然だと思いますよ♪」
「ちゃんと調べてないんかい。」
「まぁ、炭と言っても石炭の事だとは思いますけどね。」
「・・・石炭なんか何に使うんだ?」
「そうですね。それじゃ簡単に図解で・・・え〜と、確か綾波さんが使ってた図がこのあたりに・・・」
「使いまわしかい。」
「まぁまぁ、良いじゃないですか。」
「・・・これと石炭と何の関係があるんだ?」
「ほら、右側のボイラーで水を熱しているでしょう?そのための可燃物として昔は石炭を使っていたんですよ。
当時の石炭は宇宙世紀の私たちでいうところの推進剤と言ったところでしょうね。
ちなみにラングレーさんは電気推進とか言う方式だったので図とはちょっと違うと思いますけど。」
「電気推進とはなんだ?」
「ちょ〜電磁ヨ〜ヨ〜♪」
「ちょ〜電磁タツマキ〜♪」
「ちょ〜電磁スピン♪」
「電磁じゃなく電気でしょ。で、電気推進って何なのよ?」
「知りません。」
「おい!」
「私にだって分からない事くらいあります。知らない事を知らないと言って何が悪いんですか?」
「開き直ってどうする。」
「酷い!人聞きの悪いことを言わないで下さい!
元はといえば、電気推進が何か?なんてヘンなツッコミをするマシュマーさんがいけないんですよ!」
「・・・わ、私のせいか?」
「そうでしょう?普通、ああいう場合は電気推進なんだ、( ´_ゝ`)フーンで終わらせるのが人情というものです。
いちいち細かいところまで突っ込まれては話が進むわけないじゃないですか!」
「おもいっきり責任転嫁してんじゃないわよ。」
「さて、電気推進については後回しにする事にして、ラングレーさんの説明を続けますよ。」
「投げたな。」
「フッ、これは戦術的撤退・・・いや、転進です。」
「おいおい。」
「第一次世界大戦では給炭艦・・・当時はジュピターという名前だったのですが、
後に空母に改造されラングレーと改名、以後様々な実験に使用される事となった同艦はその後、水上機母艦へと改造されました。」
「改造されまくりだよね。」
「なんで格下げされちまったんだか。」
「格下げ言うな!」
「単純に航空機運用に支障が出てきたからだろうな。
複葉機と単葉機では揚力にも差があるだろう・・・それに合成風力とかの話もあったはずだ。このラングレーとやらの速力はどうだったのだ?」
「フフッ・・・。」
「脈絡無く笑うな!」
「すみません。ラングレーたんの最大速力は15ノットそこそこだったそうです。
これじゃ、第二次世界大戦当時では運用が難しいはずですよね。」
「15ノットか・・・。それでは少しキツいか。」
「なんで?」
「お前はレイの話を聞いていなかったのか?
当時の航空機が発艦するには母艦にもある程度の速力が必要だったという話だったろう。
15ノットでは第二次大戦当時の航空機を運用するのに必要な速力には達していないはずだ。」
「じゃあ、駄目じゃん♪」
「駄目じゃん♪」
「るさいわよ!」
アメリカ海軍 水上機母艦・ラングレー
「さて、水上機母艦となったラングレーさんも大戦初期に命運が尽きてしまいました。
以前に話に出ていたかもしれませんが、戦闘機の輸送任務中に九六式陸攻の水平爆撃による攻撃を受け命中弾5発により大破。
航行不能に陥ったラングレーさんは味方駆逐艦によって処分されてます。」
「やっぱりアンタ、ワザとやってるでしょ。」
「そんな!私はただ、アス・・・ラングレーさんの最後を皆さんに知っていただきたかっただけなのに!」
「白々しい事を言うんじゃないわよ。本音が見え隠れしまくってるっての。」
「ところで、ラングレーについてはもう終わりか?」
「おhりますねぇ。二代目について説明するなら話は別ですけど。」
「二代目?」
「先程の一代目が沈んだ後に、軽空母として造られたラングレーという名前の空母があるんですよ。」
アメリカ海軍 軽空母・ラングレー(二代)
「この空母には何か特徴はあるのか?」
「インディペンデンス級の軽空母と言うだけでこれといってありませんね。
戦争後はフランスに貸与されてますし、フランスから返された後は解体されちゃってますし。」
「余計な事をベラベラ喋るな!」
「(´・ω・`)ショボーン」
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