「さて、次のお題はこちらです。」

総理辞任劇について

「なんだそれ？」

「ニュースとか見てないんですか？最近まではそれ一色でしたよ。」

「あ〜、分かった。いきなり辞任したってあれか。」

「世間では色々言われていますが的外れなものが多いです。
総理が投げ出したとか嫌になったとか・・・まぁ色々。よくあそこまでネガティブな方向にしか受け取れないのか不思議です。」

「は？でも、投げ出したのは事実だろ？」

「少し違いますよ。今回の辞任は総理の責任感ゆえの辞任。
そして、辞任する以外に今後の日本の舵取りを成功に導く術はないと判断したのでしょう。」

「なんのこっちゃ？」

「今回の安倍総理の辞任には外交問題も含まれています。
少しは有名になったと思いますが、え〜・・・正式名称は恐ろしく長いのでテロ特措法と呼称します。
それに関わるインド洋への自衛隊派遣を継続させる方法を模索した結果、総理は辞任されたのです。」

「おいおい、言い切っちゃうのかよ。」

「だって、それ以外に理由がありませんし、本人も言ってます。局面を打開する為に辞めると。」

「いや、つか、辞めて他力本願ってどういう事だよ。やっぱ無責任じゃないのか？」

「総理の職を続けるだけが責任感ではありません。
今回は自衛隊のインド洋派遣を継続させなければえらい事になりますから、何が何でも自衛隊の派遣継続をさせなければならないのです。
安倍総理が総理の職を続けて、派遣継続させる事が出来れば良いのですが
継続させる事が出来なかったらどうするつもりですか？出来ませんでした、ごめんなさいでは済みませんよ？」

「だから辞めたって理由が分からないんだけど。」

「総理は辞める時、某野党党首との会談が実現しない事を理由の一つに上げていました。
それも当然の話で、テロ特措法の延長にしろ、新法制定にしろ、自衛隊の派遣を延長させるには野党の協力が必要だからです。」

「でもさ、自衛隊の派遣なんて重要か？」

「・・・重要ですよ？自衛隊を撤退させる事は少なくともプラスにはなりません。
洋上での燃料補給を行える海軍なんて世界にそうそうありませんし、自衛隊の練度は高いですから。
それに、派遣そのものが自衛隊の訓練にもなってますし、問題点の発見にも繋がっています。」

「そんなモンなのか？」

「そんなものでしょう。それに、自衛隊のインド洋派遣はテロとの戦いという名目の為にも重要ですし、
補給相手のパキスタンのためにも必要です。日本をそこから撤退させるというのは良い選択とは言えません。」

「で、それが総理の辞任と何の関係があるんだ？」

「テロ特措法に限った話ですと、テロ特措法の延長には国会の承認が必要です。
国会の承認ですから衆院・参院で承認される必要がありますが、前回の選挙の惨敗から参院では不承認となります。
それでも衆院で再議決という方法が残されていますが、今回の国会では時間が足りません。
つまり、派遣延長は不可能であり、自衛隊は撤退させなければならなくなってしまうという事です。」

「で？」

「また、新法を作って自衛隊派遣の根拠にしようにも同じ事で、
やはり参院が野党に握られている限り、新法を通す事は難しく自衛隊の撤退は確定的なのです。」

「撤退させりゃ良いんじゃねぇの？」

「撤退させたらエライ事になるから、総理が自衛隊派遣の延長にこだわってたんじゃないですか。
いまさら何を言ってるんですか。」

「む・・・で、辞任と延長と何の関係があんだよ？」

「先ほどのテロ特措法の延長ですが、一つ例外規定の様なものがあり
承認を得るための国会が閉会中、あるいは衆院解散されている場合、次の国会で承認を得る形式になっているのです。」

「よく分からないんだが、期限来たら帰ってこなきゃ駄目なんじゃないの？」

「法案をみる限りでは、期限切れ→即撤退ということではなく、
期限切れ→新たな活動計画を国会に提出→国会不承認→撤退という流れなワケで
承認をする国会が閉会中・衆院解散されている時は、次の国会まで自衛隊は新たな計画通り活動を続けられるものと思われます。」

「インチキだろ、それ。」

「さぁ？法律に従ってるだけですから別に良いんじゃないですか。そういうシステムなワケですし。
ですから、野党の対応が現状維持でテロ特措法の延長がかなわない場合は
衆院解散総選挙という流れになるものと思われます。」

「いきなり解散か？」

「空白期間を作らない様に自衛隊の派遣を延長させるにはこれしか方法がありません。
野党が歩み寄りを見せてこない限りはどうにもなりませんから。」

「だからって何で辞める必要があるんだよ。」

「近いうちに確実に行われれる衆院解散総選挙に備える為です。
安倍政権では総選挙を戦うには分が悪いですから。
マスゴミの支援射撃は強力ですからね。前回の選挙ほど負ける事は無いでしょうが、それでも劣勢は免れません。」

「だから辞めたっての？」

「そんなところでしょう。次の選挙で勝つ為に確実な方策を執る。
それが安倍総理の真意であり、彼の最終目的は自衛隊のインド洋への派遣を継続させる事。
自衛隊のインド洋への派遣は国益になりますから、安倍総理は国益のために職を賭したという事になります。」

「そこまで持ち上げんのもどうかと思うけど。ネットウヨク乙とか言われるぞ？」

「では、安倍総理があそこで辞任した理由は何だと思います？
所信表明演説までしておいて、いきなり辞めた理由は？」

「知るわけないだろ。」

「ほら、そんな風に説明出来ない。でも、私は出来ますよ。
自衛隊の派遣を延長させるためであり、次の選挙で自民が負けないようにするためだって。」

「ホントかよ・・・。」

「それくらいしか辞める理由がありませんから。それに、テロ特措法には期限が11月までしか無いので、
辞める決断が遅れれば遅れるほど取り返しがつかなくなります。
かと言って、早すぎれば参院惨敗の責任を取って辞任したものと受け取られかねません。
辞任の理由＝テロ特措法の延長が難しいからと、大々的にアピールして辞めたのは計算でしょう。」

「は？」

「これでテロ特措法が大事なものであると知らしめる事が出来ましたし
次の選挙での争点にもなりやすくなります。これで国民に審判を委ねて・・・選挙で勝てば自衛隊の派遣延長に弾みとなります。
それが日本の国際協調につながり世界の安定にも繋がります。」

「そこまで脳内妄想を垂れ流すのもどうかと思う・・・。」

「フ、笑っていられるのも今のうちですよ。
野党の対応次第ですが、インド洋への自衛隊派遣延長に反対し続けるようなら間違いなく衆院解散総選挙ですから。」

「いや、笑ってないから。」

「さぁ、皆さん、次の選挙こそ与党を勝たせましょうね。日本と世界の未来が賭かっちゃってますから♪」

今さらですが、ここはリンクフリーです。