「さて、私事で恐縮ですが、つい最近TVで魔女の宅急便がやっていたので見てみたんです。」
「は?」
「いや〜、良いですね。主人公のキキさんが初々しくて。
なんか微笑ましくなってきてしまいます。まるで心が洗われる様な感じですよ。」
「初々しいとかって、あんたには縁遠い話だよな。」
「やさぐれヒットマンの某ドライさんには縁遠いどころか無縁ですからね。」
「誰がやさぐれヒットマンだ!つーか、無縁ってどういう意味だ!」
「さて、次のお題はこちらです。」
「無視すんな!」
ポセイドン 2006/米
「・・・て、あれ?今回はさっき話してた魔女のなんたらじゃないの?」
「今さらそんな事をネタにしてどうするんです?それなりの大絶賛で終わるだけですよ。」
「それなりの大絶賛て何さ・・・。」
「名作は名作ですからそれで良しなんです。
さて、名作と言えば、今回のお題のポセイドンは過去の名作のリメイクなんだそうです。」
「リメイク?」
「リメイクも分からないんですか?これだからやさぐれアサシンの某ドライさんは・・・」
「誰がやさぐれアサシンだ!つーか、リメイクの意味を聞いてるんじゃない!何のリメイクかって聞いてんだよ!」
「ポセイドンアドベンチャーという作品です。
少々古い映画ですが、とても良い映画だと思いますよ。
今回のポセイドンは、そのポセイドンアドベンチャーのリメイクという事でストーリーの大まかな流れは一緒です。」
豪華客船が大海原を航行中
↓
巨大な大津波に襲われる
↓
必死の回頭空しく、大津波により船は転覆
↓
逆さまになった船内で一部の乗客達が船からの脱出を試みる
↓
ジャカジャ〜ン!
「と・・・まぁ、こんな流れなワケですね。」
「ふーん。」
「あんまり関係無いですけど、
一昔前にセプテントリオンという名前でこれと同じ様な設定のゲームがあったそうですよ。
ですから、設定そのものは突飛なものではないと思います。」
「で、面白いの?」
「そうですね。リメイクされたポセイドンもそれなりに面白いと思いますよ。
前作のポセイドンアドベンチャーは人間ドラマが評価されていますが、
リメイクされたポセイドンではそういった部分がそぎ落とされています。そのへんをどう評価するかで見方が変わるでしょう。」
「人間ドラマか・・・。あんまり興味ないね。」
「と、やさぐれスナイパーの某ドライさんが申しております。」
「余計な注釈つけるな!」
「さてさて、このポセイドンの監督さんはパーフェクトストームという映画も撮っていた人なんだそうで
荒れ狂う津波と豪華客船ポセイドンの転覆っぷりにはかなり力が入ってます。」
「そうなのか?」
「パーフェクトストームは話的にはなんかアレでしたが、映像は凄かったですからね。あんまり覚えてないですけど。」
「で、パーフェクトストームって何?」
「パーフェクトストームは漁に出かけた漁船が帰りを急ぐあまりハリケーンに遭遇して遭難するという話です。
あまり、私的には燃える要素がありませんでした。」
「完全に好みの問題じゃん。」
「まぁ、それはさておき、ポセイドンの一番の見所である津波が右舷に激突する時の迫力は中々ですよ。
崩れ落ちる船の設備、もげ落ちるエレベーター、なす術もなく転覆する船に弄ばれる人々・・・
ぎゃ〜!ひぃ〜!おわぁ〜!の連続ですよ。」
「どんな表現だ。」
「なんかこう・・・ああいう光景は・・・なんて言ったら良いんでしょうね・・・。」
「何がだ。」
「え〜と、見ろ!人がゴミの様だ!みたいな感じでしょうか。」
「お前、最悪・・・。」
「映画なんだから細かい事は気にしない方が良いです。
それに、現実に起きた出来事をこんな風にせせら笑ってるワケじゃないんですから。
第一、そんな人がいたら私でも引きますし。」
「説得力無ぇよ。」
「必死に回頭を行うポセイドンのブリッジの描写も良かったと思いますよ。
最近の船らしく、操舵輪ではなく操縦桿みたいなのになってましたからね。技術の進歩は素晴らしいですね。
こんな調子じゃ船が空を飛ぶ日もそう遠くは無いと思います。」
「それじゃ船じゃないし。飛行機って言わないか?」
「で、ポセイドンが転覆した時点で私としての見所は終わってしまったんですが、
それで終わらないのがこの映画です。」
「この映画っつーか、転覆して終わりな映画なんてあるわけないだろ。」
「そうでもありませんよ。さっきの話のパーフェクトストームは船が転覆して終わりですから。」
「なぬ?」
「まぁ、それはどうでも良いとして・・・
転覆したポセイドンですが船内にはエアポケットがあり、幾つかの場所で人々が生き残る事が出来ました。
今回の話の中核を成すメンバーその中の何人かです。」
「で、転覆してどうすんだ?」
「生き残ったメンバーの中で、ギャンブラーと思しき男性がこの船から脱出すると言い出します。
もちろん転覆した船内から外に出るのは至難の技。そうそう出られるものでもありません。」
「出られないモンなのか?」
「ポセイドンはひっくり返ってしまったので普通の入り口は海中に没してます。
そこからは外に出られないので、別の出口を探さなければならないのですが・・・普通、船底に入り口なんてありませんからね。」
「で?」
「ポセイドンアドベンチャーでは、スクリューシャフトを目指し上へと昇っていきましたが、
今回は船首のバウスラスターを目指す事になりました。」
「バウスラスター?」
「船の両舷についてるスクリューだと思ってください。
そのバウスラスターのお陰で最近の船は小回り効く様になってるわけですから。」
「興味無いって。」
「さて、今回のメンバーですが・・・」
ギャンブラー 男 元海軍らしい
元市長 男
元市長の娘
元市長の恋人
密航者 女
船員 男
妻に不倫された老人
観光客 母親+子供
ギャンブラー 男
「ポセイドンアドベンチャーの様に牧師さんは居ません。
今回のポセイドンのストーリーで中核を成すのは、バウスラスターを目指すと言い出したギャンブラーの男性です。」
「ふ〜ん、ギャンブラーがなんでそんな事知ってんだか。」
「元海軍だかららしいですけど・・・正直、説明が少ないのでよく分かりません。
それに、そういう設定はこの映画にはあまり意味がありませんから。」
「意味無いのかよ・・・。」
「さて、こういう映画では死亡フラグがつきものです。
もちろんポセイドンもそのあたりは分かってますので、あからさまな死亡フラグが登場しています。
例えば、俺はラッキーだ!と豪語する男性が出てきたりとか。当然、その方は直後にお亡くなりですからね。
それらのフラグを探してみるのも一興でしょう。」
「そんな楽しみ方してんのお前だけだろ。」
「ぶっちゃけ、死にそうな人は死に、生き残りそうな人が生き残る映画ですからね。
あまりひねくれた展開はしていないので、安心してみる事が出来ると思います。」
「安心してみる映画なのか?これ。」
「そんなポセイドンの評価はこんな感じでしょうか。」
ポセイドン 2006/米
リメイク度 ★★☆☆☆
映像綺麗だな度 ★★★★☆
話が短くないか度 ★★★★★
「なんなんだ、この評価・・・。」
「まぁ、今回の映画を一言で統括すると
ドバババババババ!ザッブ〜ン!って感じですね。
世の中には丁度良い表現が転がってるものです。」
「統括になってねーよ。なんだ、その表現。」
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